78歳の妻が認知症を患っていた81歳の夫を殺害したという事件の裁判が始まりました。
検察は「身勝手な動機で、情状酌量には当たらない」として懲役5年を求刑しています。
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2022年5月、広島県竹原市の自宅で、78歳の妻が81歳の夫の首を絞めて殺害するという事件がありました。起訴状などによると、自宅のベッドで寝ていた夫の首を4本つなぎ合わせたネクタイで絞めて窒息させたそうです。
2023年3月10日におこなわれた裁判の中で、検察側は妻の犯行の動機について「被告が自分の体調悪化に不安を感じて自殺しようと思ったものの、重度の認知症があり介護が必要な被害者を残すと、子どもたちに迷惑がかかると思ったから」と指摘しました。
それから、「家族やケアマネジャーに相談する機会はあったのに、夫がこのまま生き続けるのは辛いだろうと勝手に決めつけ犯行に及んだ。以上のように、犯行の経緯や動機は身勝手なものだ」として懲役5年を求刑したのです。
一方、弁護側は「被告も高齢で緑内障やひざ関節痛を患いながらも、重度の認知症がある夫を献身的に介護していた」と主張して、執行猶予のついた判決を求めています。
高齢者が高齢者を介護する「老老介護」は、高齢化社会の進行とともに増加傾向にあると言われています。
内閣府は高齢化社会対策の一環として、介護や高齢者の生活に関する調査を実施。その中で、要介護者と同居している介護者の年齢を調べたところ、介護者のうち約70%が60歳以上(うち約30%は70歳以上)の高齢者であることが明らかになったのです。
高齢で体力も衰えていく中での介護は大変です。もし家族の介護で疲れたと感じている人がいたら、早めに近くの地域包括支援センターなどで相談してみることをおすすめします。
参考:「第1章 高齢化の状況(第2節 2)」(内閣府)
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