岡山県吉備中央町で、高齢者施設から要請された緊急搬送をIT技術で支援するという試みが実施されることに。今回、サービス開始に向けて説明会が町役場で開かれ、高齢者施設の担当者がサービスの利用方法を学びました。
吉備中央町は、国から「デジタル田園健康特区」に指定されている地域。テクノロジーの力で、情報伝達をよりスムーズにする狙いがあります。
今回、吉備中央町でおこなわれるサービスとは、スマートフォンで高齢者の容体や普段飲んでいる薬の情報などを書き込んだチェックシートを撮影することで、救急隊員や医療機関とスムーズに情報が共有できるというものです。
吉備中央町には救急対応できる病院がないため、緊急に処置が必要な患者は1時間近くかけて町外の病院に搬送しているという現状があります。今回のサービスを取り入れることで、高齢者が病院に到着後、より素早く治療に移れることが期待されています。
説明会に参加した高齢者施設の担当者は「より早急なやり取りが病院とできるようになるので、家族や本人に取っても心強いのではないか」と話しました。
今回の支援サービスは、3月下旬から順次運用していく予定だそうです。
今回の吉備中央町のように、近くに大きな病院がないという地域は少なくありません。都心に比べて、地方都市や過疎地域は医療資源が乏しいという現状があるのです。
厚生労働省の調査では、大都市圏の医療施設の減少率が2%なのに対し、地方都市は5%、過疎地域は26%と減少率が大きくなっていることがわかりました。
病院が都市に集中しているため、村落地域に住んでいる人は受診するために遠くまで足を運ぶ必要があり、高齢者などはそれをおっくうに感じている人もいるようです。
実際に、国土交通省が高齢者に対して居住地域で不便に感じていることは何かと尋ねたところ、「病院の通院に不便」という回答が約14%で2位という結果になったことも判明しています。
今回、吉備中央町で実施される事例のように、テクノロジーを使って地域間の医療格差を是正するような試みが広がっていくと良いですね。
参考:「医師偏在対策について」(厚生労働省)
参考:「高齢者の住宅と生活環境に関する調査」(国土交通省)
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