新たな研究で、アルツハイマー型認知症の兆候が眼に現れる可能性が示されました。
この研究は、アメリカのシダーズ・サイナイ・医療センターの研究グループによっておこなわれ、研究結果は「Acta Neuropathologica」という医学誌に掲載されています。
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今回、研究グループは、認知機能の程度が異なる86人の検体から網膜と脳組織を採取し、それを認知機能が正常なドナーの組織と比較しました。
その結果、アルツハイマー型認知症や軽度認知障害のある人の組織では、アルツハイマー型認知症の特徴である、アミロイドベータ(脳内でつくられるタンパク質の一種)の増加が確認されたのです。
また、ほかの細胞を修復したり、異常なタンパク質であるアミロイドベータを排除したりする役割を持つ「ミクログリア」と呼ばれる細胞が、認知機能に障害がある人では約80%減少していることも明らかになりました。
以上の結果について、研究グループは「アルツハイマー病の状態を示す、信頼性の高い指標につながる可能性がある」と述べています。
では、脳の病気であるアルツハイマー型認知症の兆候が、どうして眼を観察することでわかったのでしょうか?
ミシガン州立大学の神経科に所属するアミット・サチデヴ氏によると、「脳と眼の間には神経が通っていて、眼には脳の奥まで続く神経の先端がある。だから、眼を観察することで脳の状態を把握できる」としています。
また、シダーズ・サイナイ・医療センターで脳神経外科と生物医学を担当しているマヤ・コロニョ=ハマウイ氏は「網膜は脳の延長にあると考えられている。網膜は唯一骨に包まれていない中枢神経器官のため、身体に大きな負担をかけることなく、脳内の神経の状態を可視化できる」と指摘しました。
今後、この研究がさらに進めば、眼科検査を受けるだけでアルツハイマー型認知症の兆候が確認できるようになる可能性があります。そうなれば、より迅速に適切な福祉につなげられるようになるかもしれませんね。
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