新たな研究で、最低気温が25度以上になる「熱帯夜」では、より死亡リスクが上昇する可能性が示されました。
この研究は筑波大学の研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「Environmental Health Perspective」という学術誌に掲載されています。
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近年、地球温暖化が進み、世界全体の平均気温が上がってきています。そのため、最近では夜になっても気温が下がらない「熱帯夜」になる日も増えている現状があります。
研究グループは、「熱帯夜が続くと、日中に体内で溜め込んだ熱を発散する機会がなくなり、身体に大きな負担がかかる。場合によっては重大な健康リスクを招く危険性もあるため、熱帯夜のリスクを具体化することが重要だ」としています。
しかし、これまで熱帯夜に関連する死亡リスクを調査した研究はほとんどなかったため、今回、筑波大学の研究グループがこれを調べることにしました。
今回の研究では、47都道府県における1973~2015年の気象データから死因や地域別に熱帯夜の死亡率への影響を統計的に解析しました。
その結果、熱帯夜における全死因による死亡リスクは、熱帯夜ではない日に比べて9~10%上昇したこと判明。また、研究グループが定めた11の死因(心筋梗塞や脳卒中、肺炎、腎臓病など)による死亡率すべてが熱帯夜と関連していることも明らかになりました。
また、熱帯夜と死亡率との関連の強さは都道府県ごとに違うことも判明。特に、東北地方で熱帯夜における死亡リスクが高いことがわかりました。
さらに、すべての地域で、夏の終わりよりも初夏における熱帯夜のほうがより死亡リスクが高いことも明らかになりました。
以上の結果を受けて、研究グループは「近年、気候変動によってますます平均気温が上がってきている。今回の研究では、それにともなう健康被害を防ぐための手だてを考えることの重要性が示された」としています。
これから夏本番を迎え、夜になっても気温が下がらない熱帯夜になる日が増えることが予想されます。特に高齢者は、一般成人に比べて脱水症状や熱中症になりやすいため、小まめに水分補給をしたり扇風機や冷房を我慢しないで使用したりすることが大切です。
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