2023年5月31日、大分大学と化学メーカーのJSRが大分市内で記者会見を開催。高齢者に絆創膏(ばんそうこう)タイプの小型の心電計を装着してもらって、血栓の原因となる心房細動の早期発見を目指す取り組みを実施することを発表しました。
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そもそも心房細動とはどのような状態なのでしょうか?
国立循環器病研究センターが監修している「心房細動.com」によると、心房細動は「心房」と呼ばれる、心臓の中にある血液を出し入れする部屋に流れる電気信号の乱れによって起こる不整脈の一種。心房細動が起こると心房が細かく震え、血液をうまく全身に送ることが難しくなると言います。
心房細動の状態が長く続くと、動悸や息切れが激しくなったり異常に疲れやすくなったりと日常生活に支障をきたす恐れもあるそうです。
さらに、それ以上に注意しなければならないのは、心房の中で血の塊(血栓)ができやすくなること。心房の中でできた血栓が血流にのって全身に運ばれると、脳や臓器の血管を詰まらせて脳梗塞などの病気を引き起こす可能性もあります。
今回、大分大学らがおこなう取り組みは、大分県臼杵市と杵築市の健康診断で実施される予定。高血圧などの持病がある65歳以上の高齢者に、絆創膏タイプの小型心電計を1週間連続して装着してもらい、データを計測すると言います。
また、心電計から得られたデータは心臓の専門医が解析。心房細動と診断された場合は医療機関と連携し、早期の治療につなげたいとしています。
心房細動が疑われる場合、診断には記録が必要ですが、発症頻度が少なかったり継続時間が短かったりすると従来の24時間ホルター心電図では発見できないこともありました。しかし、今回の絆創膏タイプの心電計は小型のうえコードも不要なので、日常生活に制限をかけることなく長期間計測できます。このため、より正確な診断につながると期待されています。
心房細動による脳梗塞などを未然に防ぐためには、心臓の異常な動きを早期に発見することが大切です。今回の心電計がさらに普及していけば、より早い段階で医療につなげられるかもしれませんね。
参考:「心房細動とは?」(国立循環器病研究センター監修)
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