キーワードは「ハンセン病薬」と「ポリフェノール」。安全性の高い認知症予防薬開発の夜明け
更新日
2022/01/27
ハンセン病治療薬の「リファンピシン」とポリフェノールの一種である「レスベラトロール」を併せて経鼻投薬すると、認知機能の改善に効果があることを、大阪市立大学の富山貴美研究教授が明らかにしました。
今回の研究は、脳の神経細胞が失われて発症する
アルツハイマー型・前頭側頭型・レビー小体型の各種
認知症の予防薬開発につながることが期待されています。
ハンセン病薬が認知機能の向上に効果あり!?
アルツハイマー型・前頭側頭型・レビー小体型の認知症は、脳に溜まった特殊なタンパク質が神経細胞を殺してしまうことで発症する症状。富山研究教授は、ハンセン病治療薬でジェネリック医薬品のリファンピシンがこうしたタンパク質の蓄積を防ぎ、認知機能を改善させる作用があることを1994年に発表しています。しかし同時に、
肝障害などの副作用を課題点として挙げていました。
今回の実験では、その副作用を解消する物質としてレスベラトロールを使用。
レスベラトロールは、ぶどうや赤ワインに含まれている天然のポリフェノール化合物で、抗酸化作用があるため欧米や日本国内でも多くのサプリメントに使用されている安全性の高い物質です。
肝機能障害の副作用の危険性が低い!?
具体的な実験内容は、アルツハイマー型認知症・前頭側頭型認知症・
レビー小体型認知症と同様の状況になるように遺伝子操作したマウスに、リファンピシンとレスベラトロールを経鼻投与。週5日間の投薬を4週間行いました。
その結果、
マウスの脳内のタンパク質の蓄積が抑制され、認知機能が向上。加えて肝機能障害の判断基準である肝酵素の数値も正常値で収まっていたそう。懸念点だった肝障害の副作用の危険性を抑えることに成功しました。
「あなたも認知症になるかもしれない」。だからこそ予防を
まだマウス実験の段階ではあるものの、副作用の少ない認知症予防薬として使えるのは、かなり希望の持てる話ではないでしょうか。
数年のうちには高齢者の5人に1人が認知症になると言われています。だからこそ「予防」という認知症対策の選択肢も視野に入れておきたいですね。
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