少しの血液で認知症がわかる⁉短時間・低価格な検査が来年に実用化か
更新日
2022/01/27
1月5日、検査機器メーカー「シスメックス」が、微量の血液で
アルツハイマー型
認知症の兆候を発見する検査薬を開発。製造販売の承認申請をおこないました。
アルツハイマー型認知症は、アミロイドβ(ベータ)という特殊なタンパク質が脳に異常に蓄積することが原因。今回の検査薬は、このアミロイドβの蓄積量を20分程度で測定するので、認知症の兆候をすぐに見つけられるとのこと。
販売は2023年前半を目指しているそうです。
微量の血液で認知症の兆候を発見
アルツハイマー型認知症は、アミロイドβという特殊なタンパク質が、脳内に異常な塊を作ってしまうことが発症の原因。その
タンパク質が脳細胞にダメージを与えるため、脳が委縮して機能が低下してしまいます。
これまでの認知症の診断方法は、問診やテスト、MRIでの検査が主流。しかしこれらの方法では、すでに症状が出ていたり認知症がある程度進んでいる状況でないと発見できません。診断を受ける側の精神的ハードルも高いため、認知症の早期発見が難しいのが現状です。
しかし、アミロイドβ蓄積量を検知する技術が向上し、今回の検査薬では
微量の血液だけで認知症の兆候を発見。加えて
検査時間は20分以内、検査料金も
1回あたり数千円程度に抑えられるかもしれないとのことです。
認知症検査が人間ドックに…?
これまでは「親の様子がおかしいと思って病院に行ったら、認知症と診断された」というケースが多く、症状が進行してから発覚することも珍しくなかった認知症。しかし、低価格・短時間で検査ができるとなれば、「変だな」と思う前に「検査してみよう」という気になりますよね。
この検査薬が実用化したら、もしかしたら、
がん検診などのように人間ドックのオプションで選択できるようになるかも。いつまでも頭も身体も元気で過ごしたい私たちにとって、事前の認知症健診という選択肢が増えるのはうれしいことですね。
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