AIが認知症を見つける時代がくる⁉日常会話から異常を発見
更新日
2022/01/27
「会話型
認知症診断支援AIプログラム」の2023年度の発売を目指していることを、FRONTEO社が発表しました。FRONTEO社は人工知能(AI)を使ったデータ解析を得意としている企業で、このプログラムも自社独自のAIを利用しています。
このプログラムは
日常会話をAIが分析することで、認知機能の異常を発見できるそう。実用化すれば、認知症の早期発見や遠隔診療の推進といった医療の効率化に貢献できるとしています。
AIが認知機能の異常を判断
「会話型 認知症診断支援AIプログラム」は、
医師と患者の5〜10分程の会話から、認知機能の異常を発見できるシステムです。
これまでに、大量の数字データを処理するAIは世界中にたくさんありました。しかしこのプログラムで使われているAIは、
日常会話や病院のカルテといった文章も解析できるのが特徴。そういった会話や記録は、治療のために重要なデータだったのにも関わらず、規則性のない自由な文章のためAI分析が難しく、生かせていなかったのが実情だそうです。
FRONTEO社はこのAIプログラムによって、医師・患者の双方の負担を減らすことや認知症の早期発見を目指すとしています。
自覚のない認知症を見つけられるように?
2025年には、高齢者の5人に1人が認知症になると言われている日本。このプログラムが実用化されれば、認知症の診断が大きく効率化されることでしょう。また遠隔診療でも使用できるので、通院が難しい高齢者に対しての認知症診断がしやすくなると考えられます。
とはいえ、これまで医師によって判断されていた認知機能の異常をどこまでAIが正確に判断できるかがという点には疑問も残ります。現在、認知症は主にテストで診断していますが、日常会話で認知症の判断ができるのでしょうか。
もしかしたら、このプログラムで認知症であるかどうか診断するのではなく、認知症の兆候を知らせるのがはじめの役割になるのかもしれません。認知症の兆候がある患者をこのプログラムで割り出し、その後に認知症検査で診断するという流れになるとも考えられます。
このプログラムが実用化されれば、認知症以外で受診した場合でも、会話の中から認知症の兆候を発見できる可能性もあります。そうなれば、
自分や周囲の人が気が付いていないような初期段階でも、認知症を発見できる時代が来るかもしれませんね。
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