介護現場にも「週休3日制」の波がやってきているかもしれません。宮城県では2020年から「介護職働き方改革応援宣言プロジェクト事業」として、県内の介護事業所に週休3日制の導入支援を行っています。
すでに2020年には5施設が、このプロジェクトを利用して週休3日制を導入。2021年にも8施設(予定)の導入を支援しているとしています。
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介護施設で週休3日制を取り入れると聞くと「休みが増えて、人手が不足するのでは」「勤務時間が減って給料が減るのでは」と疑問に思いますよね。しかしこの事業では、1日の勤務時間を10時間にすることで週の勤務時間40時間を維持し、現場の人手も職員の給料も変えずに週休3日制が実現できると言います。
週休3日制にすることで、週休2日制よりも月3~4日の休日が増加。家庭や自分の時間を取りやすくなって、職員の心身のリフレッシュにもつながるとしています。
もちろん、1日10時間勤務となると体力的に厳しい人もいるでしょう。家庭の事情で、今の勤務状況から変更できない人もいるでしょう。そういう事情も考慮して、週休3日制・週休2日制のどちらも選択が可能となっています。
宮城県のホームページでは、2020年にこのプロジェクトで週休3日制を導入した「グループホーム ふかふか・はうす」のインタビューを公開しています。それによると、導入したメリットは「自分たちが自分たちの働き方を考えることができたこと」。週休3日制の導入が、誰かに与えられて”やらされる”のではなく、職員が自主的に物事を判断するきっかけになったそうです。
また、10時間勤務の人や8時間勤務の人がいる中で、どうやってシフト作成をするのかが、導入前の不安点のひとつだったそう。しかし、このプロジェクトではシフト作成の講義があるため「少しずつシフト作りに慣れていけた」と担当者は話しています。
”週休3日制”と聞くと、「たくさん休める」と思う反面、「ただでさえ人手不足の状況で、現場が回るのか」と不安になることも多いでしょう。この宮城県のプロジェクトは、軌道に乗れば働きやすくなる一方で、はじめのうちは対応に追われることもあるかもしれません。
さまざまな体制変更などをする必要があるので、宮城県のような支援を受けずに週休3日制を導入するのは、なかなか難しいことでしょう。短時間勤務者や勤務時間を固定している人がいる事業所での導入も、すぐにはできないかもしれません。
週休2日制や週休3日制に限らず、自分の状況にあわせて選べるのが、今、求められている働き方と言えそうですね。
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