認知症リスクが1.3倍!”糖尿病予備軍”は”認知症予備軍”⁉
更新日
2022/01/27
金沢大学と九州大学の共同研究グループが、
糖尿病予備軍の人は通常の人よりも1.3倍も認知症のリスクが高いことを明らかにしました。
以前から糖尿病が認知症のリスクを上げることは知られていました。しかし、糖尿病ではないものの血糖値が高めの人、いわゆる「糖尿病予備軍」の人の認知症リスクが高くなるという研究はありませんでした。
今回の研究で、糖尿病の人だけでなく、糖尿病予備軍の人の血糖値コントロールも大切であることがわかりました。
”予備軍”でも認知症リスクが1.3倍
研究グループは、1万214名を対象に調査。対象者の糖尿病の有無や血糖値の高さと、
アルツハイマー型認知症・血管性認知症との関係を解析しました。その結果、
糖尿病の人と血糖値が高めの人は、アルツハイマー型認知症を発症しているケースが多いことがわかりました。
つまり、糖尿病の人だけでなく、血糖値が正常値より少し高めの人もアルツハイマー型認知症の発症リスクが高いことが明らかになったのです。研究グループは「認知症予防のためには、より十分な血糖コントロールが望ましい可能性が示唆」されたと述べています。
そもそも糖尿病とは、血糖値が高い状態が慢性的に続く病気です。インスリンという血糖値を下げるホルモンの働きが悪くなり、血糖値が高いままになってしまうのです。血糖値が高いと血管が傷つき、心臓病や脳卒中を引き起こすこともあります。
しかし、この
血糖値が高い状態がどうしてアルツハイマー型認知症のリスクを高めるのかは、まだはっきりしていないようです。今回の研究グループは「今後、詳細な調査をして、高血糖がアルツハイマー型認知症を引き起こす詳細なメカニズムを明らかにしたい」としています。
やっぱり食事と運動が予防につながる
認知症リスクを上げる原因のひとつが糖尿病であると考えると、
糖尿病を予防することが、認知症を予防することにもつながると言えますね。
糖尿病の予防策の主なものは、健康的な食事、適度な運動などです。こういったことは、テレビや書籍で散々言われていることなので「またそれか」と思う人もいるかもしれませんね。
大切なのは、血糖値のコントロール。そのため
”ほどほどの糖質”を摂取し、”ほどほどの運動”で糖質をエネルギーとして使うのが、無理なくできる糖尿病予防です。
具体的には、食事は一汁三菜の和食が良いとされています。ご飯にメインのおかず、小鉢と汁物をつけた定食メニューが”ほどほどの糖質”を摂れるメニューです。加えて週2~3回程度のウォーキングをすると、”ほどほどの運動”ができますよ。
「そんなことは耳タコだよ」と思わず、今からできる対策をしていきましょう。
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