歩く速度を測定することで、効率的にフレイルを予測できるという研究結果が発表されました。
フレイルとは「加齢によって心身が衰えた状態」のことで、要介護状態になる前段階とされています。これまでは、フレイルの判断には詳細な調査が必要でした。しかし、今回の研究結果を踏まえて「歩行速度の測定をすることが、簡易的なフレイル診断になるかもしれない」と研究グループは述べています。
さらに、フレイルになると認知症のリスクが上昇する可能性も示されました。フレイルの高齢者は、そうでない高齢者よりも認知症リスクが2.5倍以上も高い結果になったそうです。
Contents
ブラジルとイギリスの大学の共同研究グループが、歩行速度を測定してフレイルを簡易的に判断できると発表しました。
これまでフレイルの診断には「歩行速度の低下」「倦怠感」「体重減少」といった指標を使っていました。しかし、それには詳細な調査や測定器が必要で、複雑なものでした。
研究グループによると、歩行速度を測るだけで簡単に診断ができるので、フレイルの早期発見につながるとのこと。日常生活に支障が出てから治療するのでは手遅れになることもあるので、簡易的に調べられるのは助かりますね。
さらに研究グループは、フレイルの高齢者は認知症のリスクが高くなることも伝えています。フレイルのレベルが高い人はレベルが低い人に比べて、認知症のリスクが2.5倍以上も高いという結果になったそうです。
遺伝的に認知症になりやすい要因もあるそうですが、フレイルであることがそれ以上に認知症リスクを高めるとのこと。心身が弱っていることが、要介護状態を招くだけでなく認知症のリスクも上げるのですね。
フレイルは要介護状態の一歩手前の状況とされています。”要介護予備軍”と言ってもいいかもしれません。
その症状は「なんとなく気持ちが落ち込む」「外出がおっくうになった」など、あいまいなものが多いです。そういった理由もあり、診断するには詳細な検査が必要でした。
対して今回の研究では、「歩行速度を測ることでフレイルを簡単に診断できる」とわかりました。簡単に測定できますし、自分でも気を付けることができますね。
自分や家族の歩くスピードが遅くなったと感じたら、病院で相談してみるのも良いかもしれません。
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。