介護現場の崩壊は待ったなし⁉濃厚接触者の勤務を求める
更新日
2022/01/27
新型コロナウイルスの拡大により、介護現場の混乱が続いています。感染拡大に伴って、
濃厚接触者とされて自宅待機を求められた介護職員が増えているため、現場が崩壊しかねない状況になっています。
そういった状況を受けて、全国介護事業者連盟(介事連)は厚生労働省に要望書を提出。14日に厚生省が通知した「医療従事者の待機期間の扱い」と同様にしてほしいという内容です。
つまり、一定の条件を満たしていれば、
濃厚接触者であっても待機期間を設けず勤務できるということ。条件とは、他の職員が代わりが効かない職員であること、ワクチンを2回接種していることなどを、介事連は提示しています。
オミクロン株の流行が拡大する中、介護崩壊を防ぐことはできるのでしょうか。
介護職も条件付きで待機期間なしに
1月18日、介事連が介護職員が濃厚接触者となった場合の対応について、要望書を提出しました。すでに医療従事者に対しては
「条件付きで待機期間を設けずに勤務をして良い」という旨が厚生省から通知がされており、それと同様の対応を介護職員にも求めています。
待機期間が解除される条件は、以下の通りです。
- 他の職員と代わりが効かない職員であること
- 新型コロナウイルスワクチンを2回接種済みで、陽性者との接触が2回目の接種から14日以降であること
- 無症状で、業務前に毎日PCR検査か抗原検査をおこない、陰性であること
- 濃厚接触者の職員が勤務することを、施設管理者が了解していること
これらの条件を満たしていれば、介護職員も自宅待機をせずに業務ができるようにしてほしいというのが、介事連の要望です。
利用者のケアを優先する判断
もともと介護現場は、慢性的な人手不足に悩まされていましたが、
感染拡大により最低限のケアさえもできない窮地に。
介護サービスの利用者には、支援がないと生活ができない人が多くいますし、中にはケアが滞ると生命の危険にさらされる人もいます。
一方で、今回の要望が通ることで高齢利用者が感染し、生命が脅かされるリスクも当然上がるでしょう。そういった、ケアができないこと・コロナウイルス感染の両面で命の危険にさらされている状況で「何を優先するか」の判断を、介護現場では常に迫られています。
今回、介事連は利用者のケアを優先したようです。この判断は、コロナウイルスの特性や対策が広まってきた情勢を受けてのものなので、利用者や利用者家族からも一定の理解は得られるのではないでしょうか。
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