スマホ・パソコンでわかる!プライバシーに配慮した見守りシステム
更新日
2022/01/27
夜間の見守りは介護現場にとって負担のかかるものです。特に、
認知症の利用者の多い施設では切実な問題でしょう。そういった問題解決のためにキング通信工業が発売したのが、シルエット見守りセンサ「WOS-321」です。
これは、以前から発売していた見守りセンサを、実際の介護職員の声を受けて改良したもの。さらに現場の状況に即した機能を追加しています。
プライバシーに配慮しつつ、安全性を確保
「WOS-321」の一番の特徴は、入居者の動きをシルエットで判別すること。居室内に取り付けられたセンサが、入居者の動作を読み取ってシルエットに変換します。
シルエットで動画を確認できるため、入居者のプライバシーを損ねることなく見守りができます。
また「離床」「(ベッド上で)立ち上がり」「(手足の)はみ出し」「起き上がり」「体動無し」の5段階で利用者の状況を判断。危険な「立ち上がり」「離床」といった状況の場合に、職員に音楽で通知します。
通知を受けるのは、アプリを入れたタブレットやスマートフォン、パソコンです。それらの端末から利用者のシルエット動画を見られるので、リアルタイムで状況を確認可能。そのため、
他の作業中に通知が来てもすぐに確認できますし、
シルエット動画を確認して異常がなければ、不要な訪室を減らすこともできます。
さらに、従来品から追加されたのは「電源ランプの消灯モード」などの、入居者の睡眠を妨げない機能です。
認知症の人の声で意外と多いのが「電化製品のランプが気になって眠れない」というもの。テレビやエアコンなど、電源を切ってもランプがついている電化製品は、その光が目に付いたり、「電源が切れていない」と勘違いして気になってしまうことがあるのです。
そのため、職員を呼んで「電源を消してほしい」と訴えることも。
何気ないランプが、認知症の人の睡眠妨害や職員の負担になってしまうようです。こうした現場の意見を聞いて「電源ランプの消灯モード」は追加した機能だとわかりますね。
ICTの活用できていることが前提
「WOS-321」をうまく活用できれば、介護職員・利用者のどちらの負担も減らせるでしょう。しかし、スマートフォンやパソコンの利用が前提となっており、
ICT機器の導入があまり進んでいない施設ではこのシステムを活用するのは難しいかもしれません。
こういった便利なシステムを利用できるように、施設側もICT機器の導入を進める必要がありそうです。そうしたら、さらに安全で負担の少ない介護環境になるかもしれませんね。
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