高齢者の医療費が増える⁉単身は年収200万円以上で、1割から2割負担に
更新日
2022/01/27
今年10月から、
75歳以上の一定の所得がある高齢者の医療費の自己負担割合が、1割から2割に引き上げられる見込みです。具体的には、
単身世帯では年収200万円以上、複数世帯では年収320万円以上の世帯が引き上げられます。
これを知って「医療費が倍になるの?」と慌ててしまいがちですが、施行されてから
3年間は、増加額を月3000円までに抑える緩和措置がとられます。今すぐに負担額が2倍になるということはなさそうです。
医療費の自己負担が増える?
政府が2022年度の予算案を発表し、75歳以上の一部の世帯の医療負担割合を変更することを発表。
単身世帯では年収200万円以上、夫婦2人暮らしなどの複数世帯では年収320万円以上の場合に対象となり、約370万人になるとのことです。
これまでは、ほとんどの75歳以上の世帯が1割負担。3割負担となっていたのは現役世代並みの所得(単身世帯で年収383万円、複数世帯で520万円以上)のある7%のみでした。今回の変更で負担割合が、1割・2割・3割の3段階に分かれることになります。
では、新たに2割負担となる人は、負担額が2倍になってしまうかというと、そうではありません。それは、
施行後3年間は「激変緩和措置」がとられるためです。激変緩和措置とは、負担割合の変更によって急に負担が増えてしまう人のために、一時的な制限を設けることです。
今回、
3年間は増加額が月3000円に抑えられます。例えば、1割負担だと自己負担額が5000円の場合、2割負担になったら1万円になります。しかし3年間の緩和期間は、プラス月3000円までになるため、実際の支払い額は8000円になります。
10月以降、すぐに負担額が2倍になるわけではないので、ひとまず安心ですね。
冷静に将来に備えを
今年から、一部の人の医療費の負担割合が1割から2割に増えます。「今でも何とかやりくりしているのに、さらに負担が増えるなんて!」と感じる人もいるかもしれません。
しかし、3年間は緩和措置が講じられるので、今年からすぐに負担が倍増するわけではありません。加えて、高額医療制度で自己負担の上限が決められていることもあり、単純に負担額が2倍とはならなさそうです。
まだしばらくは時間はあるので、落ち着いて備えていきたいですね。
この記事の執筆者
「いい介護」の記事を編集・執筆する専門チームです。介護コンテンツのベテラン編集者や介護施設職員の経験者など、専門知識をもったスタッフが、皆さまの介護生活に役立つ情報をお届けします!