今月16日、日本医師会が定例記者会見をおこない、介護施設で新型コロナウイルスのクラスターが発生した場合の対策についての見解を表明しました。
具体的には、感染者を入院させるのではなく、クラスターが発生した施設で感染者を治療するというもの。施設の協力医療機関と連携して、中和抗体薬(抗体カクテル療法)などの投薬をおこなうことを想定しているそうです。
日本医師会が定例会見をおこない、そのなかで会長の中川氏が医療のひっ迫が起きている地域での高齢者の治療について見解を述べました。
中川会長は「介護施設でのクラスターが発生しているが、医療がひっ迫しているため高齢者が病院に転院できない。そのため、施設内での療養が強いられる可能性がある」と、現在の医療現場の状況から今後の懸念を示しています。
そのため「クラスターが発生した施設で抗体カクテル療法などの投薬をする方策が現実的」としています。
抗体カクテル療法とは、酸素投与が必要のない軽症の患者向けの治療法。抗体を点滴で投与し、ウイルスが細胞に付着して重症化するのを防ぎます。
この治療をおこなうためには、施設の協力医療機関から医師や看護師を派遣する必要があります。しかし、協力医療機関がひっ迫しているため対応ができないことも考えられます。
その際は、医師会が相談窓口を設置して対応することも考えているそう。施設が医師会に相談して、クラスター発生時に派遣を要請する医師・看護師を事前にマッチングすることも対策のひとつとのことです。
ちなみに、抗体カクテル療法以外の治療薬では、今月10日にファイザー社の「パキロビッド パック」という経口薬が承認されています。今月27日までが試用運用期間のため、一部の医療機関に処方が限定されている状況です。
ただこの薬は、併用が禁止されている薬が多く、副作用や持病の悪化などの懸念も。中川会長は今後、運用結果を幅広く共有するように国に要望しています。
万が一、介護施設でクラスターが発生した場合、地域の医療機関の状況によっては高齢者の受け入れができなくなることが想定できます。
そこで、日本医師会の中川会長が言うように施設内で治療ができれば、有効な方法かもしれません。
しかし抗体カクテル療法の場合、投薬方法は点滴です。多くの介護施設では点滴をする体制が整っておらず、医療機関から医師や看護師が派遣されても、治療が実現できるのかは疑問ではあります。
もちろん、万が一のときに迅速に処置ができるので、介護施設でも治療ができるように柔軟な対応ができる体制を整えておくことに越したことはありません。事前に対応を検討しておくのが良さそうですね。
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