認知症を発症する高齢者は2020年時点で約631万人と言われており、2025年には730万人、2040年には950万人まで増加すると言われています。
そこで問題のひとつに挙げられているのが、認知症高齢者の財産管理について。認知症の人の銀行口座は、本人の意思能力に疑いがあると金融機関が凍結してしまいます。
そのため、成年後見人を立てないと認知症の人の財産は引き出せなくなってしまうのです。
そこで、家族信託サービスなどを提供しているトリニティ・テクノロジー社が、成年後見人制度の普及率の調査を実施。その結果、成年後見人制度の利用者数は増えているものの、認知症高齢者の増加率に対して伸び悩んでいるのが現状だそうです。
家族信託サービスなどを提供しているトリニティ・テクノロジー社が、成年後見人制度の普及状況やその問題について調査を実施しました。
成年後見人制度とは、認知症などで判断が難しい人の代わりに後見人が財産の管理や介護サービスの契約などをおこなえるようにする制度。後見人は信頼できる親族が選任される場合と、司法書士や弁護士などの士業が選任される場合があります。
今回の調査によると、2020年の認知症患者数631万人に対して、2021年の成年後見人制度の利用者数は約24万人。認知症の人に対する制度利用者の割合は3.8%にとどまり、普及が進んでいないことがわかりました。
このことについて、同社は成年後見人制度のデメリットが理由になっているとしています。
まず「後見人への報酬」です。士業へ依頼した場合、家庭裁判所が決定した報酬を支払う必要。1ヵ月あたり数万円の支払いが発生するそうです。
そして「制度の利用停止ができない」という問題も。成年後見人制度を利用した場合、本人が亡くなるまで制度を利用することが前提。利用停止する希望があってもできないようになっています。
最後に「財産の使い道が限定的」であること。後見人だからといって、自由に財産を利用できるわけではありません。被後見人に必要のない不動産の売却や相続税対策のための生前贈与なども後見人はおこなえないのです。
成年後見人制度は、認知症の家族がいる場合にはぜひ利用しておきたい制度ですが、デメリットがあることも確かです。
しかし、 通院したり介護サービスを利用する際にはどうしてもお金が必要になるもの。本人の預金が引き出せないと困りますよね。
そのため、財産管理に制限がかけられていたりと内容が複雑ではありますが、そうしたデメリットを理解したうえで上手く活用できれば、便利な制度と言えそうです。
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