またひとつ、高齢のドライバーに関する、捉え方の難しい数字が発表されました。
昨年、交通死亡事故を起こした75歳以上の高齢ドライバーで事前に認知機能検査を受けていた人のうち、検査結果として「認知症のおそれがある」「認知機能の低下のおそれがある」とされていた人の割合が4割を超えていたというのです。
その判定が出ていた時点で免許の更新をおこなわなければ、悲惨な事故につながらなかったかもしれない…と考えると、複雑な気持ちを禁じえません。
2021年、免許更新時に認知機能検査を受けた高齢者のうち、「認知症のおそれがある」と判定を受けた人の数は3万3998人いたそうです。
このうち、自主的に返納するなどして免許の更新をおこなわなかった人は、6割の2万1269人。これはつまり、「認知症のおそれがある」と言われているのに4割もの人が免許を更新したということになります。
そうした人が起こした交通死亡事故に対して、被害者や被害者家族はもちろん、無関係という人でも疑問を抱いて不思議ではないでしょう。
特に都心ではなく地方に住む高齢者にとっては、車は日常の“足”ともなっていることから、運転免許は必要不可欠となっている場合もあるでしょう。
また一方で、都心では、高齢化に伴う75歳以上ドライバーの急激な増加によって、認知機能検査の予約が取りづらいという状況も発生しています。通常で1ヵ月半程度、長いと3ヵ月待ち…ということも珍しくはないようです。
高齢ドライバーの免許更新が個人のリテラシーの問題とすると、一方にある社会的なインフラ整備の課題も、いまもって改善されていないようにも感じてしまいます。
確かに個人のリテラシーは問題であることに違いはありませんが、後期高齢者が急増する今後を見据えて、高齢者が生きやすい社会の整備も急いで欲しいものですね。
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