「会話が聞き取りにくくなった」「テレビの音が大きくなった」など、年齢を重ねて「耳が遠くなった」と感じることが多くなった人もいるのではないでしょうか。
しかし、それを年齢のせいにしてそのままにしておくと危険。というのも、加齢によって耳が遠くなる「加齢性難聴(老人性難聴)」の人は、生活が不便になるだけでなく、認知症などのリスクが上がったり社会活動への参加意欲が下がる可能性があるのです。
そこで、兵庫県では加齢性難聴と社会活動の関連性を調査。その調査の参加者を対象に補聴器の購入補助を始めるそうです。
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兵庫県は、加齢性難聴によって社会活動に影響が出るのか調査をおこなうことを明らかにしました。
加齢性難聴は、耳の奥にある「内耳(ないじ)」にある音を感じる細胞の数が減ったり細胞の機能が低下することで起こります。はじめに高い音から聞こえにくくなり、段々と人の話す言葉が聞き取りにくくなるという特徴があります。
今回の調査に至った背景には、加齢性難聴を持つ人の行動意欲の低下が指摘されていたため。耳が聞こえにくいことで人との会話が聞き取りにくくなり、コミュニケーションが面倒になって家にこもりがちになる可能性があります。
そこで、兵庫県は65歳以上の高齢者を対象に調査を実施。昨年5月~今年4月のボランティアや自治会、趣味・スポーツなどの参加日数、補聴器利用後の社会活動への参加意欲などのアンケート調査をおこないます。
また、来年1月には活動状況は参加意欲の変化を聞くアンケートを実施する予定です。
この調査のデータを集めるため、参加者には最大2万円の補聴器の購入費を補助。参加者は400人としており、補聴器の利用を進める医師の診断が必要です。
年を取ると誰もが耳が遠くなるものですが、それを放置しておくとさまざまな問題が起こることがわかっています。
そのひとつが認知症。中年期に難聴があると高齢になってからの認知症リスクが2倍になるという研究があるのです。
さらに、難聴によって抑うつ状態になることも。コミュニケーションが上手くいかなくなることで人との交流が減り、気持ちが落ち込んでしまうことが原因と考えられています。
まだ自治体などによる補聴器の購入に対する補助は一般的ではないのが現状ですが、今回の兵庫県の調査をきっかけに、補聴器を利用しやすくなることに期待したいですね。
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