科学的な裏付けに基づいておこなう介護のことを「科学的介護」と言います。
昨年4月から「LIFE(科学的介護情報システム)」の運用が始まったことで注目されていますが、LIFEを導入するだけでは科学的介護をおこなうことは難しいのが実情。利用者の身体状況やケア内容など詳細な情報を蓄積していく必要があるものの、人手が足りない介護現場ではそれも難しい状況です。
そこで、NECプラットフォームズがAIを活用した「NECサニタリー利用記録システム」を開発。利用者のプライバシーに配慮しながら排泄記録を詳細に残せるため、より多くの情報をもとにケアを進めることができるようになるそうです。
ITシステムやネットワークシステムを提供しているNECプラットフォームズが、介護施設向けに「NECサニタリー利用記録システム」を販売開始したことを明らかにしました。
このシステムは、介護施設の入居者の排泄をセンサーが読み取って自動で記録を残すもの。今あるトイレに、センサーなどを後付けするだけで導入できるため、初期コストを抑えられるようになっています。
このシステムの機能は、大まかに「見守り」「自動記録」の2つです。
見守り機能は、利用者が長時間便座に座っている場合や介助が必要な利用者が便座から離れたときなどに、介護職員のスマホやタブレット端末に通知を送信。転倒や体調不良などの予防につながります。
また、排泄結果を自動で記録する機能も搭載。排泄記録を手書きでおこなう必要もなくなるうえに、確実に排泄情報を記録できます。
加えて、排泄記録は排泄時刻、着座時間、便量、便の形状などを必要最低限の形に加工して利用。排泄状況の確認のためだけに職員がトイレに付き添う必要もないので、職員の業務が軽減できることに加えて、利用者の尊厳を守れます。
こうした記録は、職員が使うスマホやパソコンに自動で送信。介護記録システムとの連携も可能だそうです。
排泄介助の必要のない高齢者にとって、排泄記録のためだけに職員に見守りをされるのは苦痛を伴うことが多いでしょう。
そのため、排泄状況がわからず、排泄管理が難しいケースもあるかもしれません。
このシステムでは、人を介することなく排泄情報を自動で手に入れられるので、これまでよりもケアの判断に活用できるデータが増え、科学的な介護をしやすくなるのではないでしょうか。
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