高齢になると、多くの人がのどの筋力が落ちて飲み込む力(嚥下機能)が落ちてしまいます。すると、普通の食事を食べるのが難しくなり食事が楽しめなくなってしまうこともあるのです。
そうなると、食べる量が減るので栄養状態が悪くなり体力低下を招くことも。嚥下機能が落ちることで、全身の健康状態が悪くなったり要介護状態になるケースも少なくありません。
そこで、近年、嚥下機能が低下した高齢者でも食べやすい嚥下食が増えつつあります。
例えば、今年11月に嚥下食を提供するカフェを併設した複合施設「TOTONOU(ととのう)」が愛知県に建設予定。あわせてがん治療などで脱毛した人のための美容院など、さまざまな背景を持った人が集う場所になるそうです。
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「NPO法人全国福祉理美容師養成協会(ふくりび)」が、愛知県に嚥下食をテーマにしたカフェを開設することを明らかにしました。
ふくりびは、高齢者や障がい者の訪問理美容やがん患者・脱毛症患者の医療用ウィッグの製造などを26年間にわたって手掛けている団体です。
これまでの活動で高齢者や患者などとふれあうなかで、嚥下機能の低下によって食事を楽しめない人が多くいることに気が付き、今回のカフェを建設するに至ったそうです。
このカフェのメニューはまだ決まっていないものの、手頃な値段で提供予定。3Dプリンタを使って盛り付けするなど、嚥下食をテーマにしたカフェならではの斬新なメニューも登場するかもしれないそうです。
カフェが入る複合施設「TOTONOU」には、他にも医療用ウィッグを扱う美容室や図書館も併設予定。高齢者や障がい者だけでなく、子どもや子どもを持つシングルマザーなど多様な人が集まる場所になることを目指しています。
嚥下機能が落ちている人の食事を準備するのは、家庭では難しいもの。最近ではレトルトの介護食がスーパーなどでも購入できるようになり、以前よりも手軽になりつつあるものの、外食をしようとすると嚥下食に対応しているお店がほとんどないのが実情です。
その一方で、高齢化が進むのに従って嚥下障害の人は増加。嚥下障害は低栄養や体力低下、誤嚥性肺炎などのさまざまな問題の原因となりかねないので、急いで対策する必要があるのにも関わらず支援が広まっていないのです。
そこで、今回のような嚥下食がテーマのカフェが登場することで嚥下食の知名度も上がり、多様な形の嚥下食が増えて、嚥下障害で食べるものに悩んでいる人の選択肢が増えるかもしれませんね。
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