大人の代わりに家族の世話や家事をおこなっている「ヤングケアラー」。近年、この言葉が注目されるようになり、実態を把握するための調査などがおこなわれていますが、その支援はまだ十分とは言えない状況です。
そうしたことを受けて、埼玉県入間市ではヤングケアラー支援条例案が議会に提出されました。
条例では、学校でのヤングケアラーの早期発見を求めたほか、関係機関からの相談を受ける体制を整備することが盛り込まれました。
この条例が制定されれば、全国初のヤングケアラーに特化した条例となるそうです。
埼玉県入間市では、6月議会にヤングケアラー支援条例案を提出。7月の施行を目指していることがわかりました。
この条例案では、ヤングケアラーを「高齢、心身の障害などによって援助を必要とする家族や友人などの生活の世話をする18歳未満」と定義。当てはまる子どもたちへの支援体制を整えることが盛り込まれています。
さらに、条例では支援体制を整えるために、学校などの関係機関や地域住民の役割を明らかにしました。
学校へは、ヤングケアラーの健康状態や生活環境の確認と支援の必要性の把握、市や関係機関と連携して適切な支援に努めるよう求めました。
加えて、地域住民の役割として、ヤングケアラーへの支援の必要性を理解すること、ヤングケアラーや家族が孤立しないように配慮することなどを定めています。
そして、市に対してはヤングケアラーの支援のために関係機関や地域住民と連携し、総合的な支援を実施することを役割として義務付けました。
市によると、この条例が制定されれば全国で初めてのヤングケアラーに特化した条例となるそうです。
ヤングケアラーの支援には、課題が多く残っています。
例えば、ヤングケアラーの把握が難しい問題。ヤングケアラーの子どもたちは自分がヤングケアラーである認識がないケースが多く、学校や周囲に相談ができないのです。
そうした子どもたちは、「家族の世話をするのが当たり前」という認識を持っており、遊んだり勉強することに支障が出ていてもそれに問題があると気が付いていないこともあります。
そのため、行政や学校による支援ができていないという実情があるのです。
そうしたときに、入間市のような条例ができることでヤングケアラーへの理解が広まり、子どもたちも自ら周囲に相談しやすくなるかもしれません。
こうしたヤングケアラーの支援が広まって、子どもが子どもらしく過ごせるような社会が作られていくことに期待したいですね。
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