2025年には、高齢者の5人に1人が認知症になるという推計もある認知症。高齢化に伴って認知症の人は増えていくという予測が出ていることもあり、認知症や認知機能に関する研究が各地で進められています。
今回、神戸大学が発表したのは肥満や高血圧、低体力が「社会的認知機能」の低下と関連があるという研究結果です。
特に、肥満、持久力、手先の器用さが低いと社会的認知機能が低下している傾向があったそうです。
神戸大学は、肥満・高血圧・低体力が、社会的認知機能の低下と関係があることを明らかにしました。
社会的認知機能とは、人がコミュニケーションを取るうえで重要な認知機能のひとつ。相手の行動や意図、性質を理解するための対人関係の基本となる機能です。
今回の研究は、アメリカの約1000人のデータを分析したもの。肥満度を表すBMI、血圧、持久力、手先の器用さ、筋力、認知機能検査、脳の血流量の検査などのデータを解析して、肥満度や血圧、体力と社会的認知機能の関係を調査しました。
その結果、BMIと血圧が高くて体力が低い人ほど、社会的認知機能に関連する脳の部位の活動が少ないことが判明。特に、BMI、持久力、手先の器用さとの関係が大きいこともわかったそうです。
この結果について研究グループは、「BMIと血圧が高くて体力が低い場合、脳の活動の低下によって社会的認知機能が低下していることを意味している」としています。
また、体重の減少や持久力・手先の器用さを向上させることで社会的認知機能の向上に効果がある可能性があるとのことです。
社会的認知機能は、人が社会の中で生活していくうえで重要な機能です。
この機能が低下すると、相手の気持ちを推測できなくなったり社会のルールを守れなくなることもあります。
認知症というと物忘れや日付・曜日がわからなくなるなどの症状をイメージしがち。ですが、社会性がなくなってしまうと日常生活に支障が出るので、社会的認知機能は人と関わりながら生活する人間にとっていかに大切な能力かがわかりますね。
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