新規感染者の急増で、介護施設や医療機関がひっ迫した新型コロナウイルスの第6波。医療機関が感染者を受け入れきれなくなったことで、介護施設での療養を強いられてそこから施設内クラスターに拡大したケースが少なくなかったことも問題になりました。
そこで、新型コロナ対策の専門家が政府の新型コロナ対策アドバイザリーボードに「“効果的かつ負担の少ない”医療・介護場面における感染対策」についての提言を提出。過剰な感染対策ではなく、職員の負担に考慮した対策について触れています。
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今月8日、東邦大学の舘田教授などの専門家が、「“効果的かつ負担の少ない”医療・介護場面における感染対策」という提言を厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードに提出しました。
この提言は、新規感染者が急増した第6波の介護・医療現場の混乱をふまえて作成されたもの。ワクチンや治療薬の導入によって感染者の重症化する頻度が減少しているため、より現場職員にとって負担の少ない方法を紹介しています。
また、これらの対策は、標準的な感染対策を前提としたもの。「換気をする」「距離を離す」「短時間にする」「マスクを付ける」といった対策を基本として、感染者と対応する際の防具の扱いについて触れています。
具体的には、感染者と接触する際にはサージカルマスクを着用。そのうえで状況に応じて手袋、ガウン、フェイスシールドの使用を求めています。
特に、食事介助、体位交換、リハビリなどの場合は接触時間が長くなって濃厚接触のリスクが高いため、ガウン、フェイスシールドの使用を推奨。一方で、身体的な接触がない場合にはエプロンやガウンは使用しなくても良いそうです。
加えて、エレベーターのボタンの消毒など、過剰な設備への消毒は減らしても良いとしています。
第6波で新規感染者が増加したときには、介護施設でのクラスターが多発して大きな混乱が起きました。
その際に、感染した入居者の対応に職員の手が足りないケースも。ガウンやエプロンなどの防護具の扱いや、施設内の消毒など作業量が膨大になって業務を圧迫した施設も少なくないでしょう。
そこで、今回の提言を参考に感染者が発生したときの対応を見直してみるのも良いかもしれません。業務量が多いのは変わらないかもしれませんが、少しは負担の軽減になるのではないでしょうか。
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