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介護機器 排泄介助 最新テクノロジー

シーツで排泄の有無がわかる!?ベッドに敷くだけで「におい」を区別

介護用品の開発やサービス提供を手がける株式会社abaは、ベッドに敷くだけで排泄を感知するセンサー「Helppad」の後継機「Helppad2」の販売を10月30日から開始しました。 「Helppad2」は第一世代が発売されてから数年にわたっておこなわれてきた、ユーザーからのフィードバックを基に改良したものになっているといいます。 排泄を感知するセンサー「Helppad」の次世代機を発売 2023年10月30日、株式会社abaはおむつを開けずに、利用者の排泄状況がわかるセンサー「Helppad」の次世代機「Helppad2」をリリースしました。 「Helppad2は、『おむつを開けずに中の様子が見たい』という介護士の声を反映した製品だ」と語るのはabaのCEOを務める宇井吉美さん。ベッドに敷くだけで、利用者の排泄状況がわかるようになっているといいます。 ベッドに敷くだけで利用者の排泄を検知 Helppad2はシーツのようにベッドに敷くタイプのセンサー。その上で利用者が排泄すると、センサーがにおいを検知して介護士に通知するシステムになっています。おむつを開けずに排泄状況がわかるため、介護士の負担が軽減されるといいます。 また、abaは食品や消臭剤などの「排泄物以外のにおい」と「排泄物のにおい」の区別をさせるため、排泄時のセンサーの反応データを大量に取得。排泄時のみセンサーが反応するように、アルゴリズムを調整し続けたそうです。 さらに、汚れることも想定していて、速乾性のあるカバーは洗濯可能。パッドとセンサーベルトには防水加工が施されているため、排泄物で汚れてしまっても、アルコールなどを湿らせた布などで拭き取れるといいます。 排泄介助は介護者のみならず、介護される側にも心身ともに多大な負担がかかります。実際、排泄介助をされるのが嫌で、排泄しても介護士に伝えないという人も少なくありません。今回紹介した「Helppad2」ならおむつを開けずに排泄状況が確認できるため、利用者の心身への負担も減らしていけるかもしれませんね。

2023/11/07

介護離職 在宅介護 高齢者の一人暮らし

遠距離でも介護できる!?遠方で一人暮らしの家族を持つ人のための本

株式会社祥伝社は、女優として活動している柴田理恵さんが自身の体験談をつづった『遠距離介護の幸せなカタチ――要介護の母を持つ私が専門家とたどり着いたみんなが笑顔になる方法』を刊行することを発表。遠くにいても在宅で介護するハウツーを学べるといいます。 今、「遠距離介護」の情報が求められている背景 団塊世代全員が75歳以上になる2025年には、国民全体の約5人に1人が75歳以上の後期高齢者になると言われています。高齢化社会が進展するのに伴い、「家族の介護」に悩む人も少なくないのが実情です。 今回紹介する書籍の監修をおこなっている、NPO法人となりのかいごが2020年におこなった調査によると、「介護を自分の手ですることは親孝行になる」と考えている人が64.8%に上ったことが判明。一方で、その意識で頑張りすぎた結果、介護開始から3年以内に離職した人の割合も53.4%と、過半数を占めていることがわかっています。 また、一人で家族の介護を抱え込んでしまうと、そのストレスを高齢の親に向けてしまうケースもあります。 厚生労働省の「令和3年度『高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律』に基づく対応状況等に関する調査結果」によると、2021年時点で、高齢者の世話をしている家族や親族、同居人などによる高齢者虐待の相談・通報件数は、3万6378件に達したことが明らかになりました。 介護離職や高齢者虐待など、家族介護にまつわるさまざまな課題を解決するには、「無理せずに家族を介護する方法」を模索することが不可欠なのです。 負担をかけずに遠距離介護をする方法 以上のような介護にまつわる課題を解決するために生まれたのが、今回紹介する『遠距離介護の幸せなカタチ――要介護の母を持つ私が専門家とたどり着いたみんなが笑顔になる方法』です。 この書籍では、柴田さんが、要介護4の判定を受けた母親の「東京に行かず、富山の実家で一人暮らしを継続したい」という思いを実現するためにおこなった試行錯誤を紹介。その上で、「どうすれば離職せずに介護できるか?」「遠距離の介護でどこまでできるか?」などといった、介護に関するさまざまな悩みを専門家がアドバイスするという内容になっているといいます。 「無理をしない介護」を実現するためには、今回紹介したような図書を読んだり周りの人にアドバイスを求めたりして、できるだけ多くの意見に耳を傾け、それらをもとに試行錯誤していく必要があります。介護の相談窓口として、地域包括支援センターも各自治体に設置されているため、介護の悩みがある方は早めに相談してみることをおすすめします。

2023/11/02

フレイル予防 最新研究 認知症予防

犬をお世話すると認知症リスクが下がる!?犬と一緒に健康に過ごそう

新たな研究で、犬を飼育している人は飼育していない人に比べて、認知症の発症リスクが下がる可能性が示されました。 この研究は、高齢者の健康増進を目指す独立行政法人東京都健康長寿医療センターによっておこなわれ、その研究結果は「Preventive Medicine Reports」という科学誌に掲載されています。 1万人以上の医療データを解析 東京都健康長寿医療センターの研究グループはこれまで、犬を飼育している高齢者では、心身機能が大きく衰えてしまう「フレイル」の発生リスクが大幅に下がることや、犬を飼育している高齢者のうち運動習慣がある人は、より健康的に生きられることを報告してきました。 そこで今回は、フレイルや運動習慣と強い関連性がある認知症に着目。ペットの飼育が認知症の発症率にどう影響があるのかについて調べました。 今回、研究グループは、2016年におこなわれた調査に回答した1万1194人(平均年齢74歳)のデータを使用しました。対象者の犬の飼育率は8.6%、猫の飼育率は6.3%で、2020年までの介護保険情報を調べたところ、要介護状態に移行した認知症の新規発症率は5%でした。 犬を飼育している高齢者は認知症リスクが下がる傾向に 研究グループが入手したデータをもとに統計的な解析をおこなった結果、犬を飼っている高齢者はそうでない人に比べて、認知症を発症するリスクが40%低いことが明らかになりました。 また、犬を飼育している高齢者のうち、運動を習慣的におこなっている人や社会的な孤立状態にない人では、より認知症の発症リスクが低下することが判明。一方、猫を飼っている人と飼っていない人の間では、特に認知症リスクに差はみられませんでした。 研究グループは、「日常的に犬を世話することによる飼育者の身体活動や社会参加の維持が、飼育者自身の認知症の発症リスクを低下させているのではないか」と分析しています。 ペットによる健康効果は多くの研究から明らかになってきていて、動物によるセラピーを実践している高齢者施設も増えてきています。余裕がある方は、ペットとともに健やかな毎日を過ごす選択をしても良いかもしれませんね。

2023/10/31

お役立ち情報 介護

高齢者のためのマットレス!?利用者の状態に合わせてタイプを選べる

マットレスの製造や販売を手がける株式会社エアウィーヴは、「エアウィーヴ ウェルネスモデルマットレスM80(通気タイプ)」を新たに商品化したことを明らかにしました。 担当者は、「これまでの『ウェルネス(介護)モデルマットレス』シリーズに新たなラインナップが増えたことで、より利用者の状況に応じて寝具を選べるようになった」と述べています。 ウェルネスモデルマットレスの通気タイプを商品化 エアウィーヴは、「エアウィーヴ ウェルネスモデルマットレスM80(通気タイプ)」を開発。2023年10月23日より福祉用具貸与事業者向けに受注を開始したことを明かしました。 エアウェーヴが自社開発のマットレスのラインナップにウェルネス(介護)モデルを加えたのは2019年。それ以降高い支持を得ていたものの、「カバー自体に高い通気性がほしい」という声が多く寄せられたといいます。 それを反映させて生まれたのが、今回の「エアウィーヴ ウェルネスモデルマットレスM80」。水を使って体を拭く清拭が必要な方は防水タイプ、蒸れを軽減したい方は通気モデルと、利用者の状態に最適なタイプを選択可能です。 通気タイプの特徴 「ウェルネスモデルマットレスM80」では、エアウィーヴが独自に開発したエアファイバーを中材に使用。体圧を分散させる性質を持つため、肩や腰に負担をかけずに寝られるといいます。また反発性も高く、体が沈み込み過ぎないようになっているため、寝返りがしやすく、介助もしやすくなっているそうです。 また、通気性を高めたカバーも特徴のひとつ。カバーとマットレスの中材はともに簡単に洗えるため、在宅介護をするような一般家庭でも手入れしやすいといいます。 介護度が高い高齢者は特に、一日のうちベッドで過ごす時間がどうしても長くなる傾向にあります。長時間ベッドにいても体に負担をかけずに済むように、マットレスはこだわりのものを使いたいですね。

2023/10/31

お役立ち情報 フレイル予防

高齢者にも優しいアイテムを紹介!書籍「『大人暮らし』の無印良品」

2023年10月24日、主婦の友社は50・60代以降の世代に向けて、無印良品のアイテムで暮らしを整えることを目指した書籍「『大人暮らし』の無印良品」を発売。本書では、無印良品のアイテムで快適な暮らしを実現した8人が取り上げられています。 無印良品の収納アイテムですっきり空間に 主婦の友社は10月24日、「『大人暮らし』の無印良品」と題した書籍を発売。無印良品の商品を上手に活用してすっきりとアイテムを収納している8人を取材し、その内容をまとめたといいます。 例えばとあるギャラリーオーナーは、家じゅうの引き出し内の整理に無印良品の収納アイテムを使い、心地よい居住空間をつくっているのだそう。本書ではほかにも、無印良品の収納アイテムを駆使して使いやすいキッチンを実現しているアイデアなどが掲載されているといいます。 シニア世代にちょうどいい量の食品なども紹介 「『大人暮らし』の無印良品」では、毎年充実度が増している無印良品の食品も紹介。若い頃よりも食べられなくなったシニア世代でも無理なく食べられる量が人気の理由だといいます。 また、50~60代以上の人に最適な無印良品のファッション着こなし術や無印良品の防災グッズを紹介するコーナーなども誌面に設けてあります。 認知症初期の人が自立生活を続けていくために 認知症初期の人や認知症の前段階である軽度認知障害の人が長く健やかに暮らしていくためには、自立生活の維持が不可欠です。なるべく介護を受けることなく暮らせるように生活を工夫することで、心身機能の維持が期待できます。 そのために大切なのが、身の回りを整理整頓し、料理などの作業に集中できる環境を整えること。今回紹介した書籍のテクニックをうまく活用することで、より高齢者の生活が暮らしやすいものになりそうですね。

2023/10/27

介護疲れ 介護離職 在宅介護

介護離職で介護うつに!?会社を辞める前に両立支援制度を使い倒せ

高齢化が進むなか、介護を理由に仕事を辞める「介護離職」が増加傾向にあります。そこで厚生労働省は、介護離職防止のための新しい支援策について、10月12日の審議会で議論を開始しました。 介護と仕事の両立ができないために離職する「介護離職」。実は、介護離職をすると介護者の負担が減るどころか増えることが調査でわかっています。 現在の「育児・介護休業法」では、介護休業や短時間勤務などの支援制度の設置が企業に義務付けられています。しかし、職場の理解が進んでおらず、利用率は低いのが実情なのです。 「介護をしながら仕事をするのが当たり前」の社会になるのは目前です。自分の家族が介護が必要になったときに、「職場の理解が得られない」という状況にならないために、今から介護と仕事の両立について理解しておきましょう。 介護離職防止に新制度か 10月12日、厚生労働省は介護離職を防ぐための新しい支援制度について、議論を開始しました。 介護離職とは、介護を理由に仕事を退職すること。介護を必要とする人の家族が、仕事と在宅介護の両立が難しくなり、本業を退職してしまうのが主なパターンです。 そうした介護離職を防ぐために、「育児・介護休業法」の改正を厚生労働省が審議会で協議。参加した有識者からは、「介護休業の取得は上司の理解が必要なので、中間管理職向けの研修が必要」といった意見が出ました。 厚生労働省は、介護離職を防ぐための支援制度について議論を続け、来年の通常国会に改正案の提出を目指しています。 介護離職者数、再び増加傾向に 総務省の「就業構造基本調査」によると、介護離職をする人は増加傾向にあります。 参考:「令和4年就業構造基本調査 結果の要約」(総務省) 2007年に、14.5万人だった介護離職者数は、2021年で10.1万人、2017年で9.9万人と減少したものの、昨年の調査では10.6万人に増加しているのです。 介護離職者数が増えたのは、2007年以降、介護サービスの認知度が上がって利用する人が増えたものの、ここ数年でそもそも家族に介護が必要になる人が増加したことが理由と考えられます。 さらに、新型コロナウイルスの拡大で在宅介護サービス事業所の休業が相次いだことで介護サービスが利用できず、「介護を続けるには仕事を辞めるしかない」と追い込まれてしまった人が増えたことも原因と言えるでしょう。 実は介護離職をしても楽にならない 「介護と仕事の両立は、体力的にも精神的にも厳しい」そう考えて、多くの人は退職を決意します。 しかし、介護離職しても介護者の負担が減らないことが調査でわかっています。 参考:「仕事と介護の両立に関する労働者アンケート調査」(三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社) 調査結果によると、介護離職をすると、離職をする前よりも精神面と経済面の負担が増加。こうした結果になったのは、介護離職によって生活が”介護一色”になってしまうことが考えられます。 特に精神面の負担については、それまでは職場の同僚などと関わる時間がありますが、離職するとそうした社会的なつながりが大きく減ることが負担増加の要因でしょう。退職しなければ、職場である意味”気分転換”ができたはずが、介護離職してしまうと、そうした気分転換の場を確保するのが一気に難しくなるためです。 ずっと介護のことを考えて気持ちを張り詰め続けた結果、介護が原因のうつ病「介護うつ」になってしまうかもしれません。 また当然ながら、離職すると収入が減少するため、経済面の負担も大きくなります。 こうしたことから、介護離職をしても必ず負担が減るとは言えません。そのため、介護休業などの支援制度を使いながら仕事を続けることを、政府としても推奨しているのです。 介護休業・支援制度の利用拡大を 働きながら介護をする人の支援のひとつに、「介護休業」があります。介護休業は、労働者の家族が介護が必要となったときに、介護と仕事の両立できる体制を整えるために、仕事を休める制度です。 しかし、この制度の利用率は低いのが実情。総務省の2022年の調査によると、介護休業や介護休暇などを利用した人は、11.5%にとどまっています。 このような結果になってしまったのは、職場の支援制度への理解不足が原因と考えられます。 参考:「平成24(2012)年度仕事と介護の両立に関する実態把握のための調査研究事業報告書」(三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社) この調査によると、介護と両立するための調整が難しい職場だったために離職せざるを得なかったということがわかります。 逆に言えば、支援制度についての理解があり、仕事の調整ができる職場であれば離職をしなくて済んだ、ということが言えます。 では、介護をしながら働く人への支援制度にはどんなものがあるのでしょうか。 介護と仕事の両立支援制度 「育児・介護休業法」では、次の6つの介護と仕事を両立するための支援制度が定められています。 介護休業 介護休暇 短時間勤務などの措置 所定外労働の制限 時間外労働の制限 深夜業の制限 なかでも介護休業はまとまった休業を取れるため、ぜひ利用したい制度。介護休業は、介護が必要な家族1人につき合計93日、最大3回に分けて取得できます。 パートやアルバイトなど、雇用期間の定めがあっても介護休業は取得可能。契約期間などの条件があるため、パート・アルバイトで介護休業を利用したい場合は、厚生労働省のホームページで詳細を確認しておきましょう。 また、以下の4つについては、いずれか1つ以上の制度を設置することが企業に義務付けられています。 短時間勤務制度 フレックスタイム制度 時差出勤制度 介護費用の助成措置 「家族の介護が始まりそう」と感じたら、こうした制度も活用できるか、会社に確認をしましょう。 介護と仕事の両立が進むには、支援制度の理解と認知度の向上が急務。職場全体での理解も必要であるため、政府によるさらなる啓蒙活動に加えて、企業内でのPRも重要です。 高齢化が進む日本において、「働きながら介護をするのが当たり前」という時代はそう遠いものではありません。一人ひとりが介護と仕事の両立に理解を示すことで、介護する人もしていない人も働きやすい職場になるのではないでしょうか。

2023/10/27

お役立ち情報 地域の取り組み

高齢者でも使いやすい!?気軽にキャンプやバーベキューが楽しめる!

グランピング施設の開発支援などを手がける株式会社ユースリーは、今回初めて開業するグランピング施設「Flat Glamping Nagasaki」の予約受付を開始したことを発表しました。 施設全体を通して、身体機能が衰えた高齢者や障害のある人が使いやすいユニバーサルデザインなのが大きな特徴。2023年12月16日にオープン予定だそうです。 新しいグランピング施設はユニバーサルデザイン ユースリーは、今回初めて手がけるグランピング施設「Flat Glamping Nagasaki」の予約受付を開始したことを明らかにしました。 「Flat Glamping Nagasaki」のオーナーを務める宮田貴史氏は理学療法士でもあり、その専門的知見をもとにだれもが楽しめる「ユニバーサルデザイン」の空間設計をおこなったといいます。 ユニバーサルデザインとは、健常者はもちろん、高齢者や身体障害がある人も安全かつ快適に使えるデザインのこと。例えば「Flat Glamping Nagasaki」では、施設全体でスロープでの移動を可能にしたり上体を起こすのが難しくなった高齢者でも置きやすいリクライニングベッドなどを導入したりしているそうです。 朝日を眺めながらコーヒーを堪能できる ユースリーが今回新たに開くグランピング施設の概要は以下のとおりです。 施設名:Flat Glamping Nagasaki 開業日:2023年12月16日 住所:長崎県長崎市長浦町1812-17 設備:ドームテント内にプライベートウッドデッキ、個別シャワー、バスタブ、トイレ付き 施設では、必要に応じてベッド柵や点滴スタンドなどの福祉用具のレンタルが可能。手すり付きのお風呂や車椅子ごと入りやすいトイレなど、高齢者も使いやすい設計になっているといいます。 また、「Flat Glamping Nagasaki」から大村湾が臨めるといい、朝日を眺めながらコーヒーを飲むこともできるそうです。高齢者が過ごしやすい新しい形のグランピング、気になった方は予約してみてはいかがでしょうか。

2023/10/26

最新研究 認知症予防

関節の軟骨成分が認知症を予防!?意識してグルコサミンを摂取しよう

新たな研究で、人体の関節軟骨の成分である「グルコサミン」を習慣的に摂取すると、脳梗塞などが原因で発症する血管性認知症の発症リスクが低下する可能性が示されました。 この研究は中国の南方医科大学の研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「Alzheimer's Research & Therapy」という学術誌に掲載されています。 20万人以上を対象に調査を実施 研究グループは今回、イギリスの大規模データベースである「英国バイオバンク」に登録されている、60歳以上の高齢者21万4945人を対象に調査をおこないました。事前調査によると、このうち5万2893人が習慣的にグルコサミンのサプリメントを摂取していることがわかりました。 その後、研究グループは平均して12年にわたって追跡調査を実施。この期間中に認知症になった人は、グルコサミンを日常的に摂取しなかったグループで2935人、日常的に摂取していたグループで842人いました。 グルコサミンの摂取が血管性認知症の予防に 研究グループが調査データを統計的に解析した結果、グルコサミンを習慣的に摂取していた人はそうでない人に比べて、脳梗塞などが原因で発症する「血管性認知症」の発症リスクを抑えられる可能性が示されました。また、カルシウムの補給を平行しておこなっていた人では、その傾向がより顕著にみられることもわかりました。 一方、前頭側頭型認知症や認知症患者の半分以上を占めるアルツハイマー型認知症とグルコサミンの摂取との間には相関性がみられなかったことも判明しました。 以上の結果を踏まえ、研究グループは「高齢者の習慣的なグルコサミン摂取は血管性認知症のリスクを下げる可能性が明らかになった。今後、ほかの研究でも同様の結果が示されれば、高齢者に対して継続的にグルコサミンを投与することで血管性認知症の発症を予防できるようになるかもしれない」と述べています。 グルコサミンは食品で摂取しにくい成分のひとつ。関節の摩耗を抑える効果も期待できるため、気になる方はサプリメントを試してみても良いかもしれませんね。 参考:「高齢者集団におけるグルコサミンの習慣的使用、APOE遺伝子型、原因特異的認知症の発症リスク」

2023/10/25

ゼリーで栄養補給!?少量で簡単に栄養補給ができるカップゼリー

2023年10月10日、健康食品や栄養補助食品の開発・販売をおこなっているネスレ・ヘルスサイエンス・カンパニーは、新たに少量でエネルギーを補給できるゼリー「アイソカルゼリー もっとハイカロリー」を発売しました。 担当者は「医療・介護現場はもちろん、在宅で食事量が気になるときや栄養補給が必要な方々に、手軽にエネルギーを補給いただけるように貢献していく」と述べています。 「アイソカル」ブランドに新シリーズが登場 ネスレ・ヘルスサイエンスが手がける栄養補助食品ブランド「アイソカル」に新シリーズが登場しました。その名も「アイソカルゼリー もっとハイカロリー」。標準的なスプーンで12口分にあたる50gで、200kcalのエネルギーを補給できるそうです。 また、フレーバーもりんご、パイナップル、バナナ、ピーチヨーグルトの4種類を用意しているといいます。 「アイソカルゼリー もっとハイカロリー」の特徴は、MCT(中鎖脂肪酸油)が含まれていること。MCTとは、ココナッツ油やパーム核油に含まれる成分で、一般的な油よりも素早く分解・吸収されてエネルギーになりやすいという性質があります。 担当者は「食事でエネルギーが足りているか不安な方の効率的なエネルギー補給におすすめだ」としています。 深刻な高齢者の低栄養 高齢者の食生活は、かむ力・飲み込む力、筋力といった身体機能、ストレスをはじめとした精神的側面など、さまざまな要因の影響を受けます。中には、それらの影響を大きく受けて食欲が低下し、食事の摂取量も減り、低栄養を招いてしまうケースも少なくありません。 栄養が足りなくなると、感染症にかかりやすくなったり転倒や骨折のリスクが増加したりと、健康障害を引き起こしやすくなります。健康障害が起きると、外出もよりおっくうになってこもりがちになり、エネルギーを消費しないから食欲もわかず、さらに低栄養状態が進行する…と負のスパイラルに陥るリスクが高まります。 今回紹介した「アイソカルゼリー もっとハイカロリー」のような商品があれば、食事量が減ってしまった高齢者でも手軽にエネルギーを補給でき、負のスパイラルから脱却しやすくなりそうですね。

2023/10/24

嚥下 誤嚥

かるたで喉を鍛える!?遊びながら楽しく飲み込む力を鍛えよう

声で心を整える「声ヨガ」の普及をおこなっている一般社団法人日本声ヨガ協会は、高齢者の飲み込む力を鍛える「喉トレ健康かるた」の開発に着手することを明らかにしました。 喉トレ健康かるたの開発にあたって、日本声ヨガ協会はクラウドファンディングで商品の製造資金を集めることを発表。目標金額は50万円で、期間は2023年12月31日までだとしています。 高齢者の飲み込む力を鍛える「喉トレ健康かるた」とは 今回、日本声ヨガ協会は、飲み込む力を鍛える「喉トレ健康かるた」の開発に着手することを発表。かるた札には、それぞれ「舌先を上に向け左右に動かす」などのお題があり、高齢者施設の利用者同士で楽しみながら喉や口周りの筋肉を鍛えられる仕掛けをつくっているそうです。 また、かるた札は通常のものより大きな「大判サイズ」。かるた札の文字を読むことになるであろう高齢者が札を見やすいようにこだわったといいます。 飲み込む力を鍛えるべき理由 2009年、内閣府が全国の60歳以上の男女5,000人を対象に「高齢者の地域におけるライフスタイルに関する調査」を実施。その調査で「どんなときに生きがいを感じるか」と尋ねたところ、「友人・知人との会食」や「おいしいものを食べているとき」など、食事に関する回答が上位を占めていることがわかりました。 一方で、高齢になるにつれて食事をしにくくなったと感じる人が増えることも事実。その大きな原因のひとつが、飲み込む力に障害が起こる「嚥下障害」です。 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会によると、加齢によって筋肉量や筋力が低下することで、本来飲み込みに必要な速度で咽頭を動かすことが難しくなり、食べ物が誤って気管に入る「誤嚥(ごえん)」を引き起こしやすくなるのだといいます。 気管に食べ物が入ってしまうと命にかかわる「誤嚥性肺炎」につながることも。食べ物の誤嚥を防ぎ、高齢者が健やかに過ごしていくためにも、喉や口周りの筋肉を鍛えることが重要なのです。 今回紹介した「喉トレ健康かるた」が完成し、さまざまな場所に広まっていけば、単なるリハビリより楽しく喉や口回りの筋肉を鍛えられるようになりそうですね。 参考:「喉トレ健康かるたクラウドファンディングページ」 参考:「嚥下障害 嚥下障害の症状と原因、そして対応と治療について」(日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会)

2023/10/23

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

2021/11/10

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

2021/11/15

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【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

2021/10/28

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