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新たな研究で、抹茶にはうつ病を軽減する効果がある可能性が示されました。 この研究は、熊本大学の研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「Nutrients」という学術誌に掲載されています。 うつ病について 「うつ病」について、「心に元気がない状態」などの大まかなイメージは持っている人も多いと思います。 では、医学的にはどう定義されているのでしょうか? 国立長寿医療センターによると、うつ病には次のような症状が見られるといいます。 気分が落ち込む 興味がわかない、もしくは喜べない 著しい体重減少や増加、食欲がわかないもしくは食欲がありすぎる 眠れない、もしくは眠りすぎる じっとしていられない、もしくは動く気力がない 疲れやすい 自分には価値がないと思い込む 物事に集中できない 死について繰り返し考えてしまう 以上の症状のうち、5つ以上に当てはまれば「うつ病」の可能性が高いとしています。 高齢者のうつ病の特徴 うつ病は年齢に関わらず誰にでも起こりうる病気ですが、アメリカの研究で65歳以上の高齢者の10%には、何らかのうつ病に近い精神障がいが見られるというデータがあったほど、高齢者はうつ病のリスクが高いと言われています。 その理由は大きく2つ。まず1つ目の理由は、年を重ねるにつれて糖尿病や高血圧、肥満などの糖尿病のリスク因子となる生活習慣病にかかりやすくなることが挙げられます。 もう1つの理由は、加齢に伴い心身の機能が低下することです。心身の機能が低下すると人に会うのもおっくうになり、社会的な孤独につながってしまうことも。人とのつながりが少なくなると、その孤独感からうつ病を発症しやすくなります。 抹茶に抗うつ効果が認められる 今回の研究で、熊本大学のグループは強いうつ状態にあるマウスに抹茶を飲ませて分析しました。その結果、マウスのうつ状態が緩和されたことから、抹茶に抗うつ効果がある可能性が示されたのです。 この結果を受けて、研究グループは「今後、抹茶を活用したメンタル不調に対する健康増進プログラムが開発されることが期待される」と述べました。 うつ病のようにメンタルが弱ってくると、気力のほとんどを失ってしまって何もしたくないと思う人も少なくありません。ただ、抹茶だったら飲むだけでいいので、より気軽に薬に頼らないメンタル回復ができるかもしれませんね。
2023/03/14
新たな研究で、温泉を習慣的に利用していると、うつ病の発症が抑えられる可能性が示されました。 この研究は九州大学の研究グループによっておこなわれ、研究結果は「Complementary Therapies in Medicine」という医学誌に掲載されています。 研究の背景 高齢になると、近しい人が亡くなるなど何かを喪失する経験が増え、それに加えて加齢による病気なども増加。そのため、高齢者はうつ病になりやすいと言われています。 高齢者のうつ病防止のために温泉が有効なのではないか、と以前から考えられてきましたが、詳細は不明なままでした。 こうしたことから、高齢者のうつ病予防に温泉が本当に効果的なのか確かめるために、今回の研究に至ったのです。 研究の概要 今回の研究では、2011年に実施された、温泉の利用状況と病気の既往歴に関するアンケート調査を解析。そのアンケートは、65歳以上で別府市在住の高齢者のうちランダムに選ばれた2万人に送信したものです。 研究では、2万人のうち研究に有効な返答があった10429人のデータを分析しました。 研究の詳細 アンケートに有効な返答があった10429人のうち、219人にうつ病の既往歴がありました。その人らの属性を分析した結果、以下の特徴に当てはまる人が特にうつ病の既往歴がある人の割合が高かったことが判明したのです。 不整脈、脂質異常症、腎臓病、アレルギーの既往歴がある 温泉の利用回数が月1回未満 女性である 反対に、習慣的に温泉を利用している人の中では、うつ病の既往歴がある人の割合が少ないことも明らかになりました。 以前から、温泉には精神的なストレスや睡眠障害を緩和する働きがあることが知られています。 つまり、うつ病の発症リスクとなる精神的なストレスや睡眠障害を温泉によって緩和したことで、うつ病を予防できたのではないかと考えられるでしょう。 研究グループは、今後さらに詳細な調査を進めていきたいとしています。
2022/12/26
コロナ禍が長引き、まだまだマスクが手放せない昨今。呼吸に必要な「呼吸筋」が弱り、浅い呼吸になっている中高年が増えています。 そういった現状を見て、東京有明医療大学学長の本間生夫氏は、呼吸の大切さと呼吸筋の鍛え方を伝える自身の著書『長生きしたければ「呼吸筋」を鍛えなさい』を著し、11月16日に発売しました。 呼吸筋とは 「呼吸をするために必要な身体の部位はどこか」と聞かれれば「肺」と答える人が多いのではないでしょうか。 確かに肺は空気を取り入れ、二酸化炭素を吐き出す役割があります。 しかし、肺は自ら膨らんだり縮んだりすることはできません。肺は「胸郭(きょうかく)」と呼ばれる骨で囲まれた部屋の中に存在し、胸郭を広げたり狭くしたりすることで肺に空気を取り入れたり、肺の空気を吐き出したりすることができます。 そして、その胸郭を動かす周りの筋肉のことを総称して「呼吸筋」と呼んでいるのです。呼吸筋と言えば横隔膜が代表的ですが、それ以外に背中やお腹などにも存在しています。 呼吸筋が衰えると出てくる問題 呼吸筋は60歳ごろから衰え、胸郭の収縮機能がうまく機能しなくなってくると言われています。それに従って、肺も空気を取り込んだり吐き出したりすることが難しくなってくるのです。 そして体内に空気がうまく取り込めなくなると、臓器の働きが鈍り、自律神経も乱れがちになってしまいます。 呼吸筋を鍛える方法 本間氏は呼吸筋を鍛えることで、心身の健康につながると言います。 ではどのようにして、呼吸筋を鍛えることができるのでしょうか? 本間氏によると、呼吸をしながらの全身のストレッチが有効だそうです。 具体的には以下の部位です。 肩 首 背中 胸 ゆっくり呼吸をしながら、該当部位の筋肉を伸ばしていきましょう。体を痛めないように、動作もゆっくりおこなうことが大切です。 呼吸筋を鍛えて、健康的な毎日が過ごしたいですね。
2022/11/30
新たな研究で、高齢者のうつや不安症を尿検査で判定できる可能性が示唆されました。 この研究は京都産業大学、弘前大学、東京都健康長寿医療センターが合同で実施。研究結果は『Discover Mental Health』という医学誌に掲載されています。 研究の内容 今回の研究は東京都板橋区に住む66~88歳の高齢者を対象に実施。健診で別の調査を実施した際に提供された尿を用いて分析しました。 研究では、精神科医がうつ病または不安症と診断した人の尿から化学物質を検出。それらの中から、うつ病の判定に有効な3種の物質が見つかりました。 これらの物質は尿に含まれているため、今後は尿検査でうつ病が判定できる可能性があります。 ちなみに、うつ病や不安症は日々の生活スタイルや最近の心身の状態など、多角的な視点から診察する必要があり、診断が難しいとされています。尿検査でスムーズに判定できれば、早期に適切な治療をすることができそうです。 うつ病や不安症から抜け出すために うつ病や不安症は「健康と要介護の間の状態」だと言われています。何も対策をしなければ日常生活に支障をきたし、要介護状態になってしまうこともあるのです。 うつ状態から抜け出すためには、薬物療法など医学的な治療に合わせて、以下のことをするのが有効だとされています。 太陽光を浴び、体内リズムを整える 夜は携帯電話やスマートフォンなど、強い光を発するものは極力避ける 定期的に運動する 友人とおしゃべりしたり、社会的な交流を持つ 不安や心配事があったら、信頼できる人に相談して自分の内にためない 尿検査で今より簡単に診断できれば、早期に医療につなげたり、周りの人も対策を打ったりすることができます。今後の展開に期待しましょう。
2022/11/28
新たな研究で、果物をよく食べている人ほどうつ病を発症するリスクが低いことが明らかになりました。 この研究は、国立がん研究センターや国立精神・神経医療研究センターなどで構成された研究グループによっておこなわれ、その結果は『Translational Psychiatry』という医学誌に掲載されています。 研究の内容 すでにこれまでの研究で、野菜や果物を食べることでうつ病を発症しにくくなることが示唆されていました。 特にリンゴやイチゴ、ミカンなどに豊富に含まれている、「フラボノイド」と呼ばれるポリフェノールが持つ強力な抗酸化作用が、うつ病予防に効果的だと言われています。 それを受けて研究グループは、野菜や果物、フラボノイドを豊富に含んでいる果物の摂取がうつ病を予防することにつながるかどうかを、長い年月かけて追跡調査しました。 今回の調査の研究対象は、1995年と2000年で実施した2回の食事に関するアンケートに回答し、かつ2014~2015年におこなわれた「こころの健診」に参加した1204人の中高年の男女です。 まず、2回おこなった食事に関するアンケートをもとに、野菜、果物、それからフラボノイドが豊富な果物を摂取した量で、対象者のグループ分けを実施。それから野菜や果物などの摂取量が少ない人を基準として、それぞれのグループのうつ病発症率を調査しました。 すると果物の摂取量が最も多かったグループは、最も少なかったグループに比べてうつ病を発症した人の割合は0.34倍に。また、「フラボノイドが豊富な果物」の摂取量が最も多かったグループは、最も少ないグループに比べて、うつ病の発症率が0.44倍でした。 以上の調査結果から、果物をよく食べている人はうつ病の発症率が低い傾向にあることが明らかになったのです。 研究グループは、この調査は中高年を対象におこなわれたものであり、若年層でも当てはまるかは現時点ではわからないとしています。 今後のさらなる研究に期待ですね。 効果的な果物の食べ方 今回の研究では果物がうつ病予防に良い可能性があることが示唆されました。また別の研究では、適度な量の果物を食べると血糖や中性脂肪の値も改善することがわかっています。 適度な量がどれくらいかと言うと、1日100g以内が良いとされています。果物100gの目安は以下のとおりです。 イチゴ:3~5粒 ミカン:1個 リンゴ:1/2個 メロン:1/4個 果物はビタミンやカリウム、フラボノイドなどの体に良い成分が豊富に含まれていますが、糖分も多いため適度な量を食べるようにしましょう。
2022/11/28
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