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大阪県大阪市の特別養護老人ホームで、ショートステイ(短期宿泊)を予定していた80代の男性を迎えに行かなかったために、男性が死亡してしまうという事故が発生しました。 警察は事故のいきさつについて、慎重に調査を進めています。 送迎されなかった男性が熱中症で死亡 調べによると、85歳の男性は7月15日から特養のショートステイを利用する予定だったと言います。しかし、施設側は何らかのミスで入力した予約のデータを消してしまったため、予約に気づけなかったそうです。 その結果、6日後に別の介護事業者が自宅を訪問した際に、男性は死亡した状態で発見されました。死因は熱中症とみられています。 また、男性は最も手厚いケアを要する「要介護5」と認定されていたとのこと。要介護5は単独で生活するのが困難な段階で、エアコンをつけて室温を調節したり水を飲んだりすることも難しかったと思われます。 男性は当該の施設を複数回利用したことがあったということで、警察が施設に対して事情聴取をおこなっています。 施設側は今回の事件に対して「重大な事故として責任を感じている。このようなことが起こらないように再発防止に努めたい」と話しているそうです。 送迎ミスを減らす取り組み 今回のような送迎ミスは、長年にわたる高齢者施設の課題でもあります。 広島県広島市のとあるデイサービスセンターでは、頻発する送迎時のミスを減らすために、次のような取り組みがおこなわれました。 送迎時の注意点を視覚的に示した送迎ノートを作成 送迎前に、複数の職員でその日の送迎の内容を声に出して確認 送迎マニュアルを作成し、職員会議で共有 送迎時に特に注意を必要とする場所を示した危険箇所マップを作成し、壁に掲示 以上の取り組みをおこなう前とおこなった後の9ヵ月間の事故件数を比較した結果、送迎忘れは22件から16件に、送迎時の利用者の怪我は13件から6件と、それぞれ大幅に減少したことが明らかになりました。 また、今回のような事故を減らすためには、施設の職員だけでなく地域の人も定期的に声かけするような取り組みが必要なのかもしれません。
2023/07/31
2023年4月17日、鳥取県南部町の特別養護老人ホーム(特養)で、ストレッチャーに乗っていた80代の寝たきりの女性が、職員が目を離した隙に転落して死亡するという事件がありました。 女性は3日間のショートステイを利用していて、自宅に帰る前の最終日に起きた出来事だったそうです。 ショートステイの利用者が転落死 鳥取県警の調べによると、4月17日の午後1時過ぎ、女性は高さ70cmほどのストレッチャーに乗せられ、入浴準備を待っていたと言います。 職員が2人体制で入浴準備をおこなっていたところ、少し目を離した隙に女性が転落。病院に搬送されたものの、翌日に死亡が確認されました。 施設側は転落原因について、「2mくらいの距離にあったタオルを取りに行くために背を向けた、数秒間の間に転落してしまった」と話しています。 また、職員が離れるときはストレッチャーの柵を設置することになっていたものの、「移動する距離が短い」という理由から、職員が片方の柵を設置せずにタオルを取りに行ってしまったそうです。 施設側はマニュアルを再確認するなど、再発防止に努めたいと話しています。 転落を防止するためには どうすれば転落を防止できるのでしょうか? まずは、定期的に研修を実施し、介助方法を職員全員が見直す機会を設けることが重要です。職員の中には、長年働いているうちに自己流の介助になっている人も少なくありません。 もちろん、自分のやりやすい方法で介助をおこなう方が体への負担は軽減されます。一方で、自己流の介護を続けていると、基本的な安全確認を見落とすことにもつながりかねません。年に数回ほど介助に関する研修があれば、自分の介助方法が安全かどうかを確かめられるでしょう。 また、利用者が寝ていたり座っていたりする状態であっても、静止しているわけではないことを理解しておく必要もあります。一定期間寝ている状態が続けば、体に疲労感や不快感を覚えることがあります。その不快感や徒労感から逃れるために、体を動かすことも十分考えられるでしょう。 普段、どんなに注意深く介助をおこなっていたとしても、人員不足や一瞬の気のゆるみから転落・転倒事故が起こることがあります。施設には、十分な再発防止対策をおこなうとともに、職員に対するケアもしてほしいですね。
2023/04/26
2023年2月27日、厚生労働省の諮問機関である社会保障審議会の介護給付費分科会で、去年の10月におこなわれた介護現場での事故に関する調査の結果が明かされました。 その調査で、およそ3割の施設が介護事故報告をおこなっても市区町村からフィードバックが得られないのが課題だと感じていることが判明したのです。 介護施設のリスクマネジメントの実態を調査 厚生労働省は、介護現場で起こる事故の防止策を考えるため、市区町村と各介護施設(特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護医療院)を対象に、介護現場での事故に関するアンケート調査を実施することにしました。 アンケートはほとんどウェブ上でおこなわれましたが、ウェブ回答が困難な一部の施設や自治体は、郵送でアンケートに回答しました。 回答した施設や自治体の数はそれぞれ以下のとおりです。 特別養護老人ホーム(特養):1600 介護老人保健施設(老健):540 介護医療院:253 市区町村:801 事故報告のフィードバックがされない理由 アンケートで、介護施設から市区町村への事故報告について感じている課題を複数回答で尋ねました。すると、「介護事故報告をおこなっても市区町村からフィードバックを得られない」と回答した施設が、老健、特養、介護医療院のいずれでもおよそ30%を占めていることが明らかになりました。 ほかには、「施設内で使っている事故報告書から、市区町村が指定している事故報告書に転記するのが手間だと感じる」「介護事故の事実確認に時間がかかる」という回答も一定数見られました。 また、市区町村に対して、介護事故情報の集計や分析における課題を複数回答で尋ねました。すると、57.6%と過半数の市区町村が「集計や分析をおこなう人的余裕がない」と回答したことが判明。それから「集計や分析をおこなうノウハウがない」「自治体職員が介護事故の集計や分析方法について学ぶ機会がない」という回答が続きました。 第三者からのフィードバックは、事故の再発を防止するのに大切なものです。施設にいる高齢者が安心して過ごせる環境をつくっていくためにも、業務改善を図っていってほしいですね。 参考:「介護保険施設のリスクマネジメントに 関する調査研究事業」(厚生労働省)
2023/04/14
2023年3月30日、愛知県稲沢市の交差点で介護事業所の送迎者と一般乗用車が衝突して、高齢の利用者など10人が怪我をするという事故が起きました。 またこの事故によって、80歳のパート職員の死亡が確認されました。 デイサービス送迎車による事故 3月30日の午前9時ごろ、愛知県稲沢市の信号のない交差点で、デイサービスの送迎車と乗用車が衝突する事故が起きました。 警察の調べなどによると、70代と80代のパート職員が送迎車で事務所を出発し、5人の利用者を乗せたあと最後の1人を向かいに行く途中で事故に遭ったそうです。 また衝突の衝撃により、送迎車は横転。送迎車には60~90代の利用者5人と事業所のパート職員2人の計7人が乗っていました。 この事故で、送迎車に乗っていた7人と衝突した乗用車に乗っていた夫婦2人、それから救助に駆けつけた際に怪我をした男性1人の計10人が病院に運ばれ、治療を受けました。このうち、80歳のパート職員の男性が死亡しました。 ほかの人は、命に別状はないそうです。 警察が事故現場の状況などを調査したところ、送迎車は西向きに、乗用車は北向きにほとんど減速せずに交差点に入って、出会いがしらに衝突したと見られています。 事故現場となった交差点は田んぼに囲まれ、見晴らしの良い場所だったそうです。警察はさらに詳しい調査を進めるとしています。 コリジョンコース現象に要注意 どうして見晴らしの良い交差点だったのにもかかわらず、今回のような事故が起こってしまったのでしょうか? 専門家によると、交差点に入る際は「コリジョンコース現象」に注意が必要だと言います。 コリジョンコース現象とは、実際は近づいているのに対向車が動いていないように見える現象のこと。自分と相手が同じくらいの角度かつ同じくらいのスピードで走行しているときに起こるそうです。 相手の車が本当に止まっているかしっかり確認する必要があり、周りから急に車が飛び出してくるかもしれないという意識を常に持って運転してほしい、と注意を呼びかけています。 車の往来が少ない通りでは、スピードも出しやすくなります。重大な事故につながる前に、一層の警戒感を持って運転する必要がありそうですね。
2023/03/31
独立行政法人 製品評価技術基盤機構(以下、NITE)は、車椅子に関する「事故防止対策報告書」を発表。電動車椅子による事故のリスクを分析し、その結果明らかになった事故防止対策がまとめられていました。 車椅子使用による事故の現状 NITEは車椅子使用による事故件数を調査。その結果、2007~2021年度の間に228件発生したことが明らかになりました。そのうち、死亡事故は68件でした。 2016年以降、事故件数が増加。そのことについてNITEは「2012年以降に運転免許の自主返納が進んだことが一因として考えられる。自動車の代わりに電動車椅子を使う人が増えたため、事故発生件数も増加した可能性がある」と分析しました。 リスク分析の結果わかったこと NITEが手動車椅子の使用による事故原因を調査したところ、「転倒」と「投げ出され」が半数以上を占めていることが判明。また、電動車椅子の使用による事故では「転倒」と「転落」が大半だったこともわかりました。 以上を踏まえて、車椅子の事故発生に至る状況を再現し、事故のリスクを分析。そこから明らかになった事故防止対策を報告書に取りまとめ、次のような提言をおこないました。 頭部打撲による重篤な事故が多いことから、ヘルメットなどを装着するのが有効 操作ミスによる重大な事故も発生しているため、安全な操作方法を指導することも有効 段差や傾斜、交通量が多い道路の通行時は特に注意する 踏切での事故も多発しているため、車椅子での横断はできるだけ避ける 車椅子は便利ですが、転倒などによる事故があるのも事実。路面状態をよく見て、高い段差などがあれば無理して渡らず、近くにいる人に介助を求めたり迂回して行きやすい道を通行するようにすると良さそうです。
2023/03/16
2019年12月、愛知県春日井市にある特別養護老人ホームで、入所していた当時81歳の女性が食べ物をのどに詰まらせて死亡した事故がありました。 遺族は施設側に過失があったとして訴訟。2023年2月28日に名古屋地裁で開かれた裁判で、事故のあった特養に対して1370万円の賠償が命じられました。 認知症の高齢女性が窒息死 判決によると、女性は認知症で要介護認定を受け、2019年2月に施設に入所したそうです。 それから同じ年の12月12日の午後、食事中に食べ物をのどに詰まらせ心肺停止状態に。その後死亡が確認されました。 裁判では、女性が以前から食べ物をかきこむクセがあり、たびたび嘔吐も見られたことから、「施設側は、女性が食べ物をのどに詰まらせる可能性を予見できた」と指摘。女性が食事をするときには常に見守りをすべきだったのに、職員が目を離したから女性は窒息死したと認定したのです。 施設を運営している社会福祉法人は、「判決の内容を確認し、今後の対応を考える」としています。 なお、今回の判決結果について、介護や医療従事者からは「人手が足りない中で、ひとりの利用者に付きっきりで対応するなんて現実的ではない」などと判決を疑問視する声が多数挙がっています。 窒息時の対応 高齢者は食べ物を飲み込む力が衰えているため、一般成人に比べて食べ物をのどに詰まらせやすい状態にあります。 高齢者が誤って食べ物をのどに詰まらせたとき、どのように対応すれば良いのでしょうか? まずは、周囲の人に救急車を呼んでもらいましょう。脳が酸欠状態になっている時間が短ければ短いほど命が助かる確率が上がります。 救急車を待っている間、のどに食べ物を詰まらせた高齢者が咳を出せる状態だったら、強く咳をしてもらいます。軽度であれば、気道をふさいでいた食べ物が吐き出される可能性があります。 咳も出せないくらい、食べ物が完全に気道をふさいでいるようだったら、強く背中を叩くのも有効です。 窒息した高齢者に反応がなくなったら、救急車が到着するまで心臓マッサージをおこないましょう。 今回起こってしまったような事故を防ぐためには、介護施設の職員がいつでも連携できる体制であることが大切です。そのような体制を整えるためにも、余裕のある人員配置をしてほしいですね。
2023/03/06
2023年1月22日の午前1時ごろ、兵庫県神戸市にある集合住宅で火災が発生。この火災により、1階に住んでいた70~80代の男性4人が死亡したことがわかりました。 また、別の男性4人も病院に搬送され、うち60~70代の男性3人が意識不明とのことです。 高齢者が火災の被害に 兵庫県警や消防局らの調査によると、火災現場となった集合住宅には30人が住んでいて、一人暮らしの高齢者が多かったそうです。 特に激しく燃えていた1階の角部屋が出火元と見られています。そこから煙が1階全体に充満したため、特に1階の被害が大きくなったと考えられています。その上、1階には身体が不自由な人も多く住んでいて、逃げるのが遅れてしまった可能性もあります。 調査では、集合住宅の防火体制には問題がなかったそうです。県警と消防局は詳しい出火原因を調べています。 火災を防ぐためには 火災はどうすれば防げるのでしょうか? 東京消防庁は、以下のような対策が有効だとしています。 外出・就寝する前にストーブを消す ストーブの近くに燃えやすいものを置かない 火元から離れるときは、必ずコンロの火を消す 傷んだ電源コードはすぐに交換する たこ足配線はしない コードの状態などは特に見落としやすいので、掃除をするときに確認してみると良さそうです。 高齢者が避難するときの注意点 火災や災害が発生したとき、高齢者や身体が不自由な人は特に早めの対応が必要です。 災害が発生したとき、内閣府はそれぞれの警戒レベルに合わせて以下のような避難情報を出します。 警戒レベル1:早期注意情報 警戒レベル2:大雨・洪水・高潮注意報 警戒レベル3:高齢者等避難 警戒レベル4:避難指示 警戒レベル5:緊急安全確保 避難しなければならないのは、警戒レベル4の避難指示が発令されたときです。しかし内閣府は、高齢者などはそれより早い段階である「警戒レベル3」から避難するように呼びかけています。 また、避難所は寒いことが多いです。寒さは血圧上昇につながるので、ブランケットやコートなど、身体を温めるものを持っていくと良いでしょう。あと持病がある人は常備薬やおくすり手帳を事前に準備しておくことも大切ですね。
2023/01/24
2023年1月1日と2日、餅をのどに詰まらせる事故が起こり、5人が病院に搬送されました。 消防庁は、餅を詰まらせないように注意を呼びかけています。 餅をのどに詰まらせる事故 例年、正月シーズンになると、餅をのどに詰まらせる事故が多発しています。 消費者庁の調べで、65歳以上の高齢者のうち餅などをのどに詰まらせて死亡した人が、2018~2019年の2年間で661人に上ったことが判明。このうち、約4割が正月シーズンがある1月に発生していることも明らかになりました。 今年も、餅をのどに詰まらせ病院に搬送された人がすでに5人出てしまいました。このうち、自宅で雑煮を食べていた70代の男性は、餅がのどに詰まって重篤な状態にまで至ったそうです。 餅を詰まらせないために 東京消防庁は、高齢者が餅を食べるときは以下のことに留意してほしいとしています。 餅を食べやすい大きさに切る ゆっくり噛んでから飲み込む 餅を食べる前に、水や汁物を飲んでのどを潤す 高齢者が餅を食べるときは、周囲の人が様子を見守る 高齢者は唾液の分泌量が一般の成人に比べて減っているため、余計に飲み込みにくい状態に。そのため、食べる前に水分でのどを潤すことが、餅を飲み込むために重要なのです。 のどに詰まってしまったら 気を付けて食べていても、餅がのどに詰まってしまったらどうすれば良いのでしょうか? 東京消防庁によると、呼びかけに応答がある場合は、まず咳をさせて餅を吐き出してもらうのが有効だそうです。 もし窒息していて、咳もできない状態であれば「背部叩打法」を試してほしいとしています。背部叩打法のやり方は以下のとおりです。 胸と下あごを支えて突き出させる もう片方の手で肩甲骨と肩甲骨の間を強く叩く 餅を吐き出すか、意識がなくなるまで続ける 最初から呼びかけに反応しなかったり、途中で意識がなくなったりしたら心臓マッサージなどの心肺蘇生をおこない、救急車を呼びましょう。 餅は粘性があるため、ほかの食べ物以上にのどに詰まりやすいとされています。餅を食べるときは、落ち着いてゆっくり食べるのが良さそうです。
2023/01/05
高齢者に対して適切な入浴指導をおこなっている「高齢者入浴アドバイザー協会」は、2月4日を高齢者が安全に入浴できるように意識してもらう日としました。 この日付は、いつまでも元気にという意味の「不老不(2)死(4)」と「入(2)浴(4)」をかけて2月4日にしたそうです。 高齢者入浴アドバイザー協会は、冬場になると入浴中の死亡事故が増加するため、安全な入浴を心がけてほしいとしています。 高齢者の入浴における死亡事故について 厚生労働省の統計で、入浴中の死亡事故は年間およそ1万9000人と推定。このうちの約9割は65歳以上の高齢者だそうです。 入浴中の死亡事故の大きな原因だと考えられるのが、気温の変化により血圧の乱高下が生じる「ヒートショック」と呼ばれる現象です。血圧が急激に上がったり下がったりすると、心臓や血管に大きな負担がかかるため、心筋梗塞や脳出血など心血管系の病気を招く恐れがあります。 高齢者の入浴事故を減らすために では、どうすれば高齢者の入浴事故を減らすことができるのでしょうか? 高齢者入浴アドバイザー協会が考えた、高齢者が安全に入浴できる方法は以下のとおりです。 冬は、早めの時間に入浴する 食事直後、早朝・深夜の入浴は心臓に負担がかかるため避ける 冬は、脱衣所や浴室の温度を上げる 脱水を防ぐために、入浴前後の水分補給を心がける 浴室の床に滑り止めをつけるなど滑らない工夫を お風呂の温度は40度前後に留める かけ湯をしてからゆっくりお風呂に浸かる 1回の入浴は5分以内 特にヒートショックによる事故を防ぐためには、脱衣所の温度を上げ、部屋や浴室との温度差をなくすことが重要です。脱衣所に暖房設備がない場合は、小型のヒーターなどで脱衣所を温めると良いでしょう。 また、お風呂の温度は41度までが基本です。42度以上のお風呂は交感神経を刺激します。交感神経が優位になると、血管が収縮し、血圧が一時的に急上昇してしまうのです。 その後、身体が温まると今度は血管が拡張して血圧は下がります。このとき、急に立ち上がると失神する恐れがあるため、手すりなどにつかまってゆっくり立ち上がるようにしましょう。 お風呂はとても気持ちが良いものですが、危険もはらんでいます。安全な入浴を心がけて、楽しいお風呂タイムを過ごしてくださいね。
2023/01/05
2016年の4月、兵庫県立西宮病院で認知症を患っている87歳男性が廊下で転倒し、重い障害を負った事故がありました。 男性の家族は、「看護師が転倒を防げたはずなのに対応しなかった」と主張し、約2575万円の損害賠償を求めていました。 事故の経緯 男性は2016年4月2日の早朝、看護師に付き添われトイレに行きました。 男性の対応をした看護師は、男性がトイレに入っている間に別の患者に呼び出され、排便介助の対応をしました。 男性は看護師が排便介助をしている間にトイレから出て、一人で廊下を歩き、転倒。頭を強打し、外傷性クモ膜下出血と頭蓋骨骨折で重い障害を負ったのです。 男性は2年後、心不全で亡くなっています。 家族と県それぞれの主張 家族は、男性はけがで「入院が長引いた結果、寝たきり状態が続き四肢がまったく機能しなくなった」と主張していました。 一方、県は、男性がトイレに入っている間に看護師が対応した別の患者は感染症を患っており、優先して排便介助をしたのはやむを得ないと主張しました。 それぞれの主張を受け神戸地裁は、「転倒する恐れが高いことは十分に予見できた」と認定し、県に532万円の損害賠償を命じました。看護師が対応した別の患者はおむつの中に排便すれば問題はなく、介助を優先するべき理由にはならないと県の主張を退けたのです。 一方、男性がすでに高齢であったこと、認知症も事故に影響していることなどを踏まえ、家族の主張より賠償額を減らしました。 このニュースを受け世間では、「夜勤は看護師の配置が少なく全員に目を配るのは難しい。看護師の配置基準を見直してほしい」「どうしても転倒をゼロにするなら、身体拘束するか鎮静剤を使うしかない」などと、医療・介護従事者を中心に反発が強まっています。
2022/11/08
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。