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介護の事故

事件 介護の事故 熱中症

ショートステイの迎え行かず80代男性死亡。ミスで予約データ消えた

大阪県大阪市の特別養護老人ホームで、ショートステイ(短期宿泊)を予定していた80代の男性を迎えに行かなかったために、男性が死亡してしまうという事故が発生しました。 警察は事故のいきさつについて、慎重に調査を進めています。 送迎されなかった男性が熱中症で死亡 調べによると、85歳の男性は7月15日から特養のショートステイを利用する予定だったと言います。しかし、施設側は何らかのミスで入力した予約のデータを消してしまったため、予約に気づけなかったそうです。 その結果、6日後に別の介護事業者が自宅を訪問した際に、男性は死亡した状態で発見されました。死因は熱中症とみられています。 また、男性は最も手厚いケアを要する「要介護5」と認定されていたとのこと。要介護5は単独で生活するのが困難な段階で、エアコンをつけて室温を調節したり水を飲んだりすることも難しかったと思われます。 男性は当該の施設を複数回利用したことがあったということで、警察が施設に対して事情聴取をおこなっています。 施設側は今回の事件に対して「重大な事故として責任を感じている。このようなことが起こらないように再発防止に努めたい」と話しているそうです。 送迎ミスを減らす取り組み 今回のような送迎ミスは、長年にわたる高齢者施設の課題でもあります。 広島県広島市のとあるデイサービスセンターでは、頻発する送迎時のミスを減らすために、次のような取り組みがおこなわれました。 送迎時の注意点を視覚的に示した送迎ノートを作成 送迎前に、複数の職員でその日の送迎の内容を声に出して確認 送迎マニュアルを作成し、職員会議で共有 送迎時に特に注意を必要とする場所を示した危険箇所マップを作成し、壁に掲示 以上の取り組みをおこなう前とおこなった後の9ヵ月間の事故件数を比較した結果、送迎忘れは22件から16件に、送迎時の利用者の怪我は13件から6件と、それぞれ大幅に減少したことが明らかになりました。 また、今回のような事故を減らすためには、施設の職員だけでなく地域の人も定期的に声かけするような取り組みが必要なのかもしれません。

2023/07/31

介護の事故 介護予防

介護施設で入居者がストレッチャーから転落死。「タオルを取ろうと…」

2023年4月17日、鳥取県南部町の特別養護老人ホーム(特養)で、ストレッチャーに乗っていた80代の寝たきりの女性が、職員が目を離した隙に転落して死亡するという事件がありました。 女性は3日間のショートステイを利用していて、自宅に帰る前の最終日に起きた出来事だったそうです。 ショートステイの利用者が転落死 鳥取県警の調べによると、4月17日の午後1時過ぎ、女性は高さ70cmほどのストレッチャーに乗せられ、入浴準備を待っていたと言います。 職員が2人体制で入浴準備をおこなっていたところ、少し目を離した隙に女性が転落。病院に搬送されたものの、翌日に死亡が確認されました。 施設側は転落原因について、「2mくらいの距離にあったタオルを取りに行くために背を向けた、数秒間の間に転落してしまった」と話しています。 また、職員が離れるときはストレッチャーの柵を設置することになっていたものの、「移動する距離が短い」という理由から、職員が片方の柵を設置せずにタオルを取りに行ってしまったそうです。 施設側はマニュアルを再確認するなど、再発防止に努めたいと話しています。 転落を防止するためには どうすれば転落を防止できるのでしょうか? まずは、定期的に研修を実施し、介助方法を職員全員が見直す機会を設けることが重要です。職員の中には、長年働いているうちに自己流の介助になっている人も少なくありません。 もちろん、自分のやりやすい方法で介助をおこなう方が体への負担は軽減されます。一方で、自己流の介護を続けていると、基本的な安全確認を見落とすことにもつながりかねません。年に数回ほど介助に関する研修があれば、自分の介助方法が安全かどうかを確かめられるでしょう。 また、利用者が寝ていたり座っていたりする状態であっても、静止しているわけではないことを理解しておく必要もあります。一定期間寝ている状態が続けば、体に疲労感や不快感を覚えることがあります。その不快感や徒労感から逃れるために、体を動かすことも十分考えられるでしょう。 普段、どんなに注意深く介助をおこなっていたとしても、人員不足や一瞬の気のゆるみから転落・転倒事故が起こることがあります。施設には、十分な再発防止対策をおこなうとともに、職員に対するケアもしてほしいですね。

2023/04/26

人材不足 介護の事故 調査結果

介護の事故、3割の施設が「自治体に報告しても助言をもらえない」

2023年2月27日、厚生労働省の諮問機関である社会保障審議会の介護給付費分科会で、去年の10月におこなわれた介護現場での事故に関する調査の結果が明かされました。 その調査で、およそ3割の施設が介護事故報告をおこなっても市区町村からフィードバックが得られないのが課題だと感じていることが判明したのです。 介護施設のリスクマネジメントの実態を調査 厚生労働省は、介護現場で起こる事故の防止策を考えるため、市区町村と各介護施設(特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護医療院)を対象に、介護現場での事故に関するアンケート調査を実施することにしました。 アンケートはほとんどウェブ上でおこなわれましたが、ウェブ回答が困難な一部の施設や自治体は、郵送でアンケートに回答しました。 回答した施設や自治体の数はそれぞれ以下のとおりです。 特別養護老人ホーム(特養):1600 介護老人保健施設(老健):540 介護医療院:253 市区町村:801 事故報告のフィードバックがされない理由 アンケートで、介護施設から市区町村への事故報告について感じている課題を複数回答で尋ねました。すると、「介護事故報告をおこなっても市区町村からフィードバックを得られない」と回答した施設が、老健、特養、介護医療院のいずれでもおよそ30%を占めていることが明らかになりました。 ほかには、「施設内で使っている事故報告書から、市区町村が指定している事故報告書に転記するのが手間だと感じる」「介護事故の事実確認に時間がかかる」という回答も一定数見られました。 また、市区町村に対して、介護事故情報の集計や分析における課題を複数回答で尋ねました。すると、57.6%と過半数の市区町村が「集計や分析をおこなう人的余裕がない」と回答したことが判明。それから「集計や分析をおこなうノウハウがない」「自治体職員が介護事故の集計や分析方法について学ぶ機会がない」という回答が続きました。 第三者からのフィードバックは、事故の再発を防止するのに大切なものです。施設にいる高齢者が安心して過ごせる環境をつくっていくためにも、業務改善を図っていってほしいですね。 参考:「介護保険施設のリスクマネジメントに 関する調査研究事業」(厚生労働省)

2023/04/14

介護の事故 介護職員

デイサービス送迎車の衝突事故で1人死亡。見通しの良い交差点で…

2023年3月30日、愛知県稲沢市の交差点で介護事業所の送迎者と一般乗用車が衝突して、高齢の利用者など10人が怪我をするという事故が起きました。 またこの事故によって、80歳のパート職員の死亡が確認されました。 デイサービス送迎車による事故 3月30日の午前9時ごろ、愛知県稲沢市の信号のない交差点で、デイサービスの送迎車と乗用車が衝突する事故が起きました。 警察の調べなどによると、70代と80代のパート職員が送迎車で事務所を出発し、5人の利用者を乗せたあと最後の1人を向かいに行く途中で事故に遭ったそうです。 また衝突の衝撃により、送迎車は横転。送迎車には60~90代の利用者5人と事業所のパート職員2人の計7人が乗っていました。 この事故で、送迎車に乗っていた7人と衝突した乗用車に乗っていた夫婦2人、それから救助に駆けつけた際に怪我をした男性1人の計10人が病院に運ばれ、治療を受けました。このうち、80歳のパート職員の男性が死亡しました。 ほかの人は、命に別状はないそうです。 警察が事故現場の状況などを調査したところ、送迎車は西向きに、乗用車は北向きにほとんど減速せずに交差点に入って、出会いがしらに衝突したと見られています。 事故現場となった交差点は田んぼに囲まれ、見晴らしの良い場所だったそうです。警察はさらに詳しい調査を進めるとしています。 コリジョンコース現象に要注意 どうして見晴らしの良い交差点だったのにもかかわらず、今回のような事故が起こってしまったのでしょうか? 専門家によると、交差点に入る際は「コリジョンコース現象」に注意が必要だと言います。 コリジョンコース現象とは、実際は近づいているのに対向車が動いていないように見える現象のこと。自分と相手が同じくらいの角度かつ同じくらいのスピードで走行しているときに起こるそうです。 相手の車が本当に止まっているかしっかり確認する必要があり、周りから急に車が飛び出してくるかもしれないという意識を常に持って運転してほしい、と注意を呼びかけています。 車の往来が少ない通りでは、スピードも出しやすくなります。重大な事故につながる前に、一層の警戒感を持って運転する必要がありそうですね。

2023/03/31

介護の事故 高齢者の交通安全

車椅子による事故の大半は「転倒」と「投げ出され」!?有効な対策とは

独立行政法人 製品評価技術基盤機構(以下、NITE)は、車椅子に関する「事故防止対策報告書」を発表。電動車椅子による事故のリスクを分析し、その結果明らかになった事故防止対策がまとめられていました。 車椅子使用による事故の現状 NITEは車椅子使用による事故件数を調査。その結果、2007~2021年度の間に228件発生したことが明らかになりました。そのうち、死亡事故は68件でした。 2016年以降、事故件数が増加。そのことについてNITEは「2012年以降に運転免許の自主返納が進んだことが一因として考えられる。自動車の代わりに電動車椅子を使う人が増えたため、事故発生件数も増加した可能性がある」と分析しました。 リスク分析の結果わかったこと NITEが手動車椅子の使用による事故原因を調査したところ、「転倒」と「投げ出され」が半数以上を占めていることが判明。また、電動車椅子の使用による事故では「転倒」と「転落」が大半だったこともわかりました。 以上を踏まえて、車椅子の事故発生に至る状況を再現し、事故のリスクを分析。そこから明らかになった事故防止対策を報告書に取りまとめ、次のような提言をおこないました。 頭部打撲による重篤な事故が多いことから、ヘルメットなどを装着するのが有効 操作ミスによる重大な事故も発生しているため、安全な操作方法を指導することも有効 段差や傾斜、交通量が多い道路の通行時は特に注意する 踏切での事故も多発しているため、車椅子での横断はできるだけ避ける 車椅子は便利ですが、転倒などによる事故があるのも事実。路面状態をよく見て、高い段差などがあれば無理して渡らず、近くにいる人に介助を求めたり迂回して行きやすい道を通行するようにすると良さそうです。

2023/03/16

介護の事故 誤嚥

介護施設に1370万円の賠償命令!?入所者が食べ物をつまらせて死亡

2019年12月、愛知県春日井市にある特別養護老人ホームで、入所していた当時81歳の女性が食べ物をのどに詰まらせて死亡した事故がありました。 遺族は施設側に過失があったとして訴訟。2023年2月28日に名古屋地裁で開かれた裁判で、事故のあった特養に対して1370万円の賠償が命じられました。 認知症の高齢女性が窒息死 判決によると、女性は認知症で要介護認定を受け、2019年2月に施設に入所したそうです。 それから同じ年の12月12日の午後、食事中に食べ物をのどに詰まらせ心肺停止状態に。その後死亡が確認されました。 裁判では、女性が以前から食べ物をかきこむクセがあり、たびたび嘔吐も見られたことから、「施設側は、女性が食べ物をのどに詰まらせる可能性を予見できた」と指摘。女性が食事をするときには常に見守りをすべきだったのに、職員が目を離したから女性は窒息死したと認定したのです。 施設を運営している社会福祉法人は、「判決の内容を確認し、今後の対応を考える」としています。 なお、今回の判決結果について、介護や医療従事者からは「人手が足りない中で、ひとりの利用者に付きっきりで対応するなんて現実的ではない」などと判決を疑問視する声が多数挙がっています。 窒息時の対応 高齢者は食べ物を飲み込む力が衰えているため、一般成人に比べて食べ物をのどに詰まらせやすい状態にあります。 高齢者が誤って食べ物をのどに詰まらせたとき、どのように対応すれば良いのでしょうか? まずは、周囲の人に救急車を呼んでもらいましょう。脳が酸欠状態になっている時間が短ければ短いほど命が助かる確率が上がります。 救急車を待っている間、のどに食べ物を詰まらせた高齢者が咳を出せる状態だったら、強く咳をしてもらいます。軽度であれば、気道をふさいでいた食べ物が吐き出される可能性があります。 咳も出せないくらい、食べ物が完全に気道をふさいでいるようだったら、強く背中を叩くのも有効です。 窒息した高齢者に反応がなくなったら、救急車が到着するまで心臓マッサージをおこないましょう。 今回起こってしまったような事故を防ぐためには、介護施設の職員がいつでも連携できる体制であることが大切です。そのような体制を整えるためにも、余裕のある人員配置をしてほしいですね。

2023/03/06

介護の事故 社会問題

集合住宅に住む高齢者4人が火災で死亡…被害を防ぐためにできることは?

2023年1月22日の午前1時ごろ、兵庫県神戸市にある集合住宅で火災が発生。この火災により、1階に住んでいた70~80代の男性4人が死亡したことがわかりました。 また、別の男性4人も病院に搬送され、うち60~70代の男性3人が意識不明とのことです。 高齢者が火災の被害に 兵庫県警や消防局らの調査によると、火災現場となった集合住宅には30人が住んでいて、一人暮らしの高齢者が多かったそうです。 特に激しく燃えていた1階の角部屋が出火元と見られています。そこから煙が1階全体に充満したため、特に1階の被害が大きくなったと考えられています。その上、1階には身体が不自由な人も多く住んでいて、逃げるのが遅れてしまった可能性もあります。 調査では、集合住宅の防火体制には問題がなかったそうです。県警と消防局は詳しい出火原因を調べています。 火災を防ぐためには 火災はどうすれば防げるのでしょうか? 東京消防庁は、以下のような対策が有効だとしています。 外出・就寝する前にストーブを消す ストーブの近くに燃えやすいものを置かない 火元から離れるときは、必ずコンロの火を消す 傷んだ電源コードはすぐに交換する たこ足配線はしない コードの状態などは特に見落としやすいので、掃除をするときに確認してみると良さそうです。 高齢者が避難するときの注意点 火災や災害が発生したとき、高齢者や身体が不自由な人は特に早めの対応が必要です。 災害が発生したとき、内閣府はそれぞれの警戒レベルに合わせて以下のような避難情報を出します。 警戒レベル1:早期注意情報 警戒レベル2:大雨・洪水・高潮注意報 警戒レベル3:高齢者等避難 警戒レベル4:避難指示 警戒レベル5:緊急安全確保 避難しなければならないのは、警戒レベル4の避難指示が発令されたときです。しかし内閣府は、高齢者などはそれより早い段階である「警戒レベル3」から避難するように呼びかけています。 また、避難所は寒いことが多いです。寒さは血圧上昇につながるので、ブランケットやコートなど、身体を温めるものを持っていくと良いでしょう。あと持病がある人は常備薬やおくすり手帳を事前に準備しておくことも大切ですね。

2023/01/24

介護の事故

高齢者の餅の誤嚥による死亡事故、4割が1月。重篤な状態になることも

2023年1月1日と2日、餅をのどに詰まらせる事故が起こり、5人が病院に搬送されました。 消防庁は、餅を詰まらせないように注意を呼びかけています。 餅をのどに詰まらせる事故 例年、正月シーズンになると、餅をのどに詰まらせる事故が多発しています。 消費者庁の調べで、65歳以上の高齢者のうち餅などをのどに詰まらせて死亡した人が、2018~2019年の2年間で661人に上ったことが判明。このうち、約4割が正月シーズンがある1月に発生していることも明らかになりました。 今年も、餅をのどに詰まらせ病院に搬送された人がすでに5人出てしまいました。このうち、自宅で雑煮を食べていた70代の男性は、餅がのどに詰まって重篤な状態にまで至ったそうです。 餅を詰まらせないために 東京消防庁は、高齢者が餅を食べるときは以下のことに留意してほしいとしています。 餅を食べやすい大きさに切る ゆっくり噛んでから飲み込む 餅を食べる前に、水や汁物を飲んでのどを潤す 高齢者が餅を食べるときは、周囲の人が様子を見守る 高齢者は唾液の分泌量が一般の成人に比べて減っているため、余計に飲み込みにくい状態に。そのため、食べる前に水分でのどを潤すことが、餅を飲み込むために重要なのです。 のどに詰まってしまったら 気を付けて食べていても、餅がのどに詰まってしまったらどうすれば良いのでしょうか? 東京消防庁によると、呼びかけに応答がある場合は、まず咳をさせて餅を吐き出してもらうのが有効だそうです。 もし窒息していて、咳もできない状態であれば「背部叩打法」を試してほしいとしています。背部叩打法のやり方は以下のとおりです。 胸と下あごを支えて突き出させる もう片方の手で肩甲骨と肩甲骨の間を強く叩く 餅を吐き出すか、意識がなくなるまで続ける 最初から呼びかけに反応しなかったり、途中で意識がなくなったりしたら心臓マッサージなどの心肺蘇生をおこない、救急車を呼びましょう。 餅は粘性があるため、ほかの食べ物以上にのどに詰まりやすいとされています。餅を食べるときは、落ち着いてゆっくり食べるのが良さそうです。

2023/01/05

介護の事故

2月4日は「高齢者安全入浴の日」!冬はヒートショックに要注意

高齢者に対して適切な入浴指導をおこなっている「高齢者入浴アドバイザー協会」は、2月4日を高齢者が安全に入浴できるように意識してもらう日としました。 この日付は、いつまでも元気にという意味の「不老不(2)死(4)」と「入(2)浴(4)」をかけて2月4日にしたそうです。 高齢者入浴アドバイザー協会は、冬場になると入浴中の死亡事故が増加するため、安全な入浴を心がけてほしいとしています。 高齢者の入浴における死亡事故について 厚生労働省の統計で、入浴中の死亡事故は年間およそ1万9000人と推定。このうちの約9割は65歳以上の高齢者だそうです。 入浴中の死亡事故の大きな原因だと考えられるのが、気温の変化により血圧の乱高下が生じる「ヒートショック」と呼ばれる現象です。血圧が急激に上がったり下がったりすると、心臓や血管に大きな負担がかかるため、心筋梗塞や脳出血など心血管系の病気を招く恐れがあります。 高齢者の入浴事故を減らすために では、どうすれば高齢者の入浴事故を減らすことができるのでしょうか? 高齢者入浴アドバイザー協会が考えた、高齢者が安全に入浴できる方法は以下のとおりです。 冬は、早めの時間に入浴する 食事直後、早朝・深夜の入浴は心臓に負担がかかるため避ける 冬は、脱衣所や浴室の温度を上げる 脱水を防ぐために、入浴前後の水分補給を心がける 浴室の床に滑り止めをつけるなど滑らない工夫を お風呂の温度は40度前後に留める かけ湯をしてからゆっくりお風呂に浸かる 1回の入浴は5分以内 特にヒートショックによる事故を防ぐためには、脱衣所の温度を上げ、部屋や浴室との温度差をなくすことが重要です。脱衣所に暖房設備がない場合は、小型のヒーターなどで脱衣所を温めると良いでしょう。 また、お風呂の温度は41度までが基本です。42度以上のお風呂は交感神経を刺激します。交感神経が優位になると、血管が収縮し、血圧が一時的に急上昇してしまうのです。 その後、身体が温まると今度は血管が拡張して血圧は下がります。このとき、急に立ち上がると失神する恐れがあるため、手すりなどにつかまってゆっくり立ち上がるようにしましょう。 お風呂はとても気持ちが良いものですが、危険もはらんでいます。安全な入浴を心がけて、楽しいお風呂タイムを過ごしてくださいね。

2023/01/05

介護の事故 社会問題

認知症患者の転倒で病院に532万円の支払い命令!転倒は予測できる?

2016年の4月、兵庫県立西宮病院で認知症を患っている87歳男性が廊下で転倒し、重い障害を負った事故がありました。 男性の家族は、「看護師が転倒を防げたはずなのに対応しなかった」と主張し、約2575万円の損害賠償を求めていました。 事故の経緯 男性は2016年4月2日の早朝、看護師に付き添われトイレに行きました。 男性の対応をした看護師は、男性がトイレに入っている間に別の患者に呼び出され、排便介助の対応をしました。 男性は看護師が排便介助をしている間にトイレから出て、一人で廊下を歩き、転倒。頭を強打し、外傷性クモ膜下出血と頭蓋骨骨折で重い障害を負ったのです。 男性は2年後、心不全で亡くなっています。 家族と県それぞれの主張 家族は、男性はけがで「入院が長引いた結果、寝たきり状態が続き四肢がまったく機能しなくなった」と主張していました。 一方、県は、男性がトイレに入っている間に看護師が対応した別の患者は感染症を患っており、優先して排便介助をしたのはやむを得ないと主張しました。 それぞれの主張を受け神戸地裁は、「転倒する恐れが高いことは十分に予見できた」と認定し、県に532万円の損害賠償を命じました。看護師が対応した別の患者はおむつの中に排便すれば問題はなく、介助を優先するべき理由にはならないと県の主張を退けたのです。 一方、男性がすでに高齢であったこと、認知症も事故に影響していることなどを踏まえ、家族の主張より賠償額を減らしました。 このニュースを受け世間では、「夜勤は看護師の配置が少なく全員に目を配るのは難しい。看護師の配置基準を見直してほしい」「どうしても転倒をゼロにするなら、身体拘束するか鎮静剤を使うしかない」などと、医療・介護従事者を中心に反発が強まっています。

2022/11/08

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

2021/11/10

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

2021/11/15

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【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

2021/10/28

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