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最新の調査で慢性腎臓病の認知度について調べたところ、40代で約4割、50代では約3割の人が認知していないことが明らかになりました。 今回の調査は、製薬会社の協和キリン株式会社と日本腎臓病協会が共同で実施したものです。 慢性腎臓病について そもそも、慢性腎臓病とはどんな状態なのでしょうか? 日本医療・健康情報研究所によると、慢性腎臓病とは腎臓の働きが低下し、尿の中にタンパク質が漏れ出る状態のことを指すそうです。 慢性腎臓病になっても、かなり症状が進行するまでは自覚症状が見られないことも多いとのこと。しかし、症状が進行すると、腎臓の働きが低下して体内に有害物質が蓄積していきます。その結果、頭痛、吐き気、動悸、高血圧、貧血などの多彩な症状が出現するようになるのです。 慢性腎臓病を放置すると腎臓の働きがどんどん低下していき、最終的には透析をおこなわなければ命にも危険が及ぶ可能性が出てきます。 年齢が下がるにつれて慢性腎臓病の認知度は低下 協和キリン株式会社と日本腎臓病協会は、慢性腎臓病の認知度に関するアンケートを全国の20~70代の男女1630人を対象に実施。その結果、若年層になればなるほど認知度が低下することがわかりました。 具体的には、70代以上の人は80%以上の人が認知していましたが、20~30代の若年層になると半数以上が「慢性腎臓病について知らない」と回答していたことが明らかになったのです。また、40代では40%以上、50代では30%以上の人が慢性腎臓病を認知していないことが判明しました。 GFR値が60未満の人は医師に相談を 今回の調査では、腎臓の機能を測る指標のひとつである「eGFR」の認知度も尋ねましたが、80%以上の人が認知していないこともわかりました。 eGFRとは、腎臓のろ過の働きを表す数値のこと。この値が低ければ低いほど腎臓の働きが低下していることを示します。 日本腎臓病協会によると、このGFR値が60を下回ると慢性腎臓病の可能性があるため、一度医師に相談してほしいと言います。 腎臓の機能は一度失ってしまうと元に戻りません。塩分と脂肪の摂りすぎに気を付けたり適度な運動をおこなったりして、腎臓病の予防に努めましょう。
2023/03/17
新たな調査で、「慢性腎臓病」と診断された人のうち、約2割は診断に至るまでに5年以上の期間が経過していたことが明らかになりました。 この調査は、政策提言などをしている一般社団法人ピーペックと、製薬会社日本ベーリンガーインゲルハイムが合同でおこない、研究結果は「Advances in Therapy」という医学誌に掲載されました。 慢性腎臓病とは 慢性腎臓病(CKD)とは、腎機能が持続的に低下する疾患です。慢性腎臓病の治療を受けず放置していると腎不全になり、透析治療や腎臓移植が必要になることもあります。 また慢性腎臓病は、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクになることも知られています。 調査の背景 これまで、慢性腎臓病患者が受けた診断の経緯や負担に関する調査は少なかったため、ピーペックとベーリンガーインゲルハイムは合同で調査を実施することにしました。 今回の調査は、慢性腎臓病の患者342人を対象にインターネット上で実施。アンケート形式で、患者が慢性腎臓病の診断に至った背景や日常の負担などを質問しました。 この調査の中で、慢性心臓病の診断のきっかけを尋ねたところ、81%の人が「健康診断」や「他の病気を治療しているとき」と回答。一方で、約20%の人が慢性腎臓病の診断を受けるまでに5年以上かかったことが明らかになったのです。 この結果を受けて、今回の研究のアドバイザーである大阪医科薬科大学の美馬晶氏は「今回の研究で、明確な診断基準があるにも関わらず診断まで5年以上かかった患者が約2割もいたことがわかった。慢性腎臓病に対する理解促進の場をつくる必要がある」と述べました。 さらに調査では、日常でどんな負担を強いられているか尋ねました。すると、70%以上の人が塩分やタンパク質などの食事制限を強いられていることが判明。ほかにも「病気のために仕事などがうまくいかないときに、怠け者だと見られるのがつらい」という心理的な負担を感じている人がいることも明らかになりました。 慢性腎臓病は症状が出現しないことも多いと言われています。手遅れにならないうちに、定期的に健康診断などを受けると良いかもしれませんね。
2022/12/23
慢性腎臓病とは、腎臓の働きが低下したり、尿の中にタンパクが漏れている状態(タンパク尿)の総称です。 病気の発見が遅れ末期腎不全にいたると、腎臓の機能を代替する治療である「透析療法」が必要になります。そうならないためにも、腎臓病を早期に発見し適切な治療をおこなうことが大切とされています。 しかし女性は男性に比べ、慢性腎臓疾患の疑いがある場合でも適切な検査を受けられておらず、発見が遅れることが多いという調査結果がスウェーデンで発表されました。 慢性腎臓病の検査や治療に男女差が スウェーデンのカロリンスカ研究所によると、女性は腎機能の低下が疑われる場合でも推奨される検査や治療を受ける可能性が男性よりも低いとのことです。 糖尿病や高血圧などがありリスクの高い女性であっても、男性に比べて十分な検査と治療がおこなわれていない傾向があることがわかっています。 女性は男性に比べて精査の割合が低く管理も不十分 研究グループは、男性と女性の日常的なケアの違いを調査するため、2009~2017年に慢性腎臓病の治療の向上を目指しておこなわれたプロジェクトのデータを解析しました。 プロジェクトに参加したなかで慢性腎臓病の疑いがあり、精査するべきと判断された18歳以上の成人22万7847人のうち、女性は55%にあたる12万6289人でした。 尿や血液の検査で慢性腎臓病の疑いがあると判定されてから、18ヵ月以内に受診をした女性の割合は、男性の0.48倍と2分の1にも満たなかったそうです。 この結果から、女性は男性に比べて精査がおこなわれた割合が低く、慢性腎臓病の管理も不十分である可能性が判明しました。 とくに糖尿病や高血圧、心血管疾患のある人は腎機能の保護や、心血管疾患のリスクを減らすためにより積極的な治療が必要になります。しかしこういった持病のある人でも、女性は男性に比べ腎臓病の管理が十分におこなわれていない傾向がみられたとのことです。 「自分は大丈夫」「まだ若いから」その油断が慢性腎臓病の発見を遅らせてしまいます。老若男女問わず、会社の健康診断や特定健診などで異常がみつかったら早急に検査を受けることが大切なのかもしれませんね。
2022/09/29
進行すると人工透析が必要になり、生活に大きな制限がかかることもある慢性腎臓病。糖尿病や高血圧など他の生活習慣病や加齢が原因となることもあり、高齢者に多い病気でもあります。 そんな慢性腎臓病について、イギリスのブリストル大学が約25年にわたる研究結果を発表しました。 それによると、運動の習慣のある人は慢性腎臓病のリスクが習慣のない人よりも34%も減少していたそうです。 運動習慣が慢性腎臓病リスクを下げる? イギリスのブリストル大学が、運動習慣と慢性腎臓病の発症リスクについての研究結果を発表しました。 この研究は、42~61歳の男性2099人を対象におこなわれたもの。参加者に食事、運動、収入、生活水準などについてアンケート調査をおこない、エアロバイクを使って体力測定をしました。 こうして対象者の情報を集めた後、慢性腎臓病の発症の有無を約25年にわたって調査。この調査期間中に197人が慢性腎臓病を発症したそうです。 これらのデータを解析した結果、運動する習慣を持っていて体力のある人は、そうでない人よりも慢性腎臓病になるリスクが低く、34%も減少していることがわかりました。 合わせて、経済状態が悪くて体力の少ない人は、慢性腎臓病のリスクが88%も増加していることが判明。対して、経済状況が悪くても体力のある人は発症リスクの上昇率が32%増にまで抑えられていたそうです。 この結果を受けて、「研究チームは経済状況の悪い人は運動するための手段を活用できない可能性が高い」と指摘。すべての人が運動をできるように政治的に改善することが急務であると述べています。 できる運動から始めてみて 腎臓病は年を重ねることで発症しやすくなる病気のひとつ。というのも、腎臓の機能は加齢によって低下するからです。 さらに、加齢に加えて高血圧や糖尿病といった生活習慣病も併発すると、腎臓機能の低下は加速。状態が悪化すると、定期的に人工透析をする必要があったりと生活の質にも大きく影響してしまう怖い病気です。 そのため、高血圧や糖尿病などの腎臓病の原因となる持病がある場合は、運動を生活に取り入れることを意識した方が良いかもしれません。 ハードな運動をする必要はありません。「少しきつい」と感じる程度の有酸素運動を週に3~5日おこなうだけでも効果があるので、まずは自分が続けやすい運動を始めてみてはどうでしょうか。
2022/07/26
腎臓の機能低下が長期間にわたって続いている状態である「慢性腎臓病(CDK)」。加齢に伴って腎臓の機能が低下する病気で、超高齢社会である日本の新しい国民病とも言われています。 また、慢性腎臓病の患者の70%近くが高齢者であり、医療と介護の両面で患者への支援が必要です。 そこで、インターネットインフィニティー社がケアマネジャーに対して、慢性腎臓病についてアンケートを実施。その結果、慢性腎臓病を放置しておくことの危険性を理解しているものの、病気についての学びの機会がほとんどないため、対策ができない状況であることがわかりました。 慢性腎臓病の知識が不足している ケアマネジャー向けの情報サイトなどを運営するインターネットインフィニティー社が、ケアマネジャーを対象に慢性腎臓病についてのアンケートを実施しました。 慢性腎臓病とは、腎臓の機能の低下が慢性的に続いている状態のこと。治療しないままだと末期腎不全となり、人工透析をしないと命の危険がある病気です。 この病気の原因の多くは、糖尿病や高血圧などによって腎臓がダメージを受けることで、腎臓の機能が低下していくこと。初期段階ではほとんど自覚症状はないものの、進行していくにつれて手足のむくみや倦怠感などの症状が現れます。 加えて、この病気の患者の多くは高齢者。そのため、介護サービスの要であるケアマネジャーによる生活支援が患者の治療にとって重要だそうです。 今回のアンケートの結果、ケアマネジャーの多くが「進行すると人工透析が必要になる」「自然に治ることはない」といった病気を放置することの危険性を把握していることがわかりました。 その一方で、慢性腎臓病の治療に関する学びの機会が「全くない」と答えた人は72.2%。病気の危険性を理解しつつも、治療についての知識が不足しているために患者やその家族に治療を勧められていない可能性があるそうです。 身近な専門家からの助言を 慢性腎臓病は、重症化すると患者の生活に大きな影響を与える病気です。 しかし、病気の初期では自覚症状が少なく、治療の必要性を感じないことも。そこで、高齢者の身近な専門家であるケアマネジャーが病気を啓発することで、治療を受ける気持ちになるかもしれませんね。 ただ、ケアマネジャーの多くが、業務過多のため勉強会などに参加する余裕もない状況。勤務環境の改善をする必要もあるのではないでしょうか。
2022/06/03
毎年3月の第2木曜日は「世界腎臓デー」。今年は3月10日となり、それに合わせて世界各地でイベントが開催されています。 日本では、先月25日から今月27日の約1ヵ月間にわたってオンラインセミナーを開催。医療従事者向けの最新機器のPRや、患者向けの腎臓病や糖尿病の健康管理の方法など、さまざまなテーマについて学べるイベントです。 自覚がないうちに進行する腎臓病 3月10日の「世界腎臓デー」に合わせて、先月からオンラインセミナーが開催されています。 今年は「すべての人に腎臓病の健康を」をテーマに掲げ、腎臓病の早期発見と治療の重要性を啓発しています。 国内でも1000万人以上の慢性腎臓病の人がいるとされていますが、そのなかには診断や治療を受けていない人も多いそう。というのも、腎臓病の早期の段階ではほとんど自覚症状がないからです。 しかし、腎臓の機能低下が進行してしまうと、治療しても回復ができなくなります。「尿が出にくい」「疲れやすい」「血圧が上がる」といった自覚症状が出てくると、正常に戻せなくなることもあるとのこと。さらに進行すると、腎不全になって透析治療が必要になります。 もともと腎臓は加齢で機能が衰えていくもの。血液の老廃物や塩分のろ過をおこなっている「糸球体」が、年齢を重ねるにつれてその数が減ってしまうのです。 そのうえ、腎臓機能の低下は、糖尿病や高血圧などによってさらに加速します。つまり、生活習慣を見直すことでこれらすべての病気の予防や改善が見込めるそうです。 やはり、健康的な生活で予防できる 高血圧や糖尿病に比べて「慢性腎臓病」という病名は、あまり聞きなれないかもしれません。しかし、進行して透析が必要になると、生活に大きな影響が出る病気です。 例えば、血液透析が始まると、1~2日に1回、病院で透析治療を受ける必要があります。1回で4~5時間ほどかかるので身体への負担も大きいですし、生活スタイルの変更を余儀なくされるでしょう。 この腎臓病を予防するには、やっぱり生活習慣の改善が重要。食事や運動に加えて、血糖値や血圧が高めな人は定期的に測定して、コントロールすることも大切と言えるでしょう。
2022/03/16
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