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2023年3月10日、政府は5月8日以降の新型コロナにおける医療費負担や医療提供体制の方針を固めました。 5月8日以降は、新型コロナの現在感染法上の区分が現在の2類から5類に移行することが決定されています。 現在の感染状況について 厚生労働省は、3月4~10日までの全国の新規感染者数が約6万6000人で、前週比0.79倍だったことを発表。その期間の1日の平均感染者数はおよそ9500人で、2022年1月以来の低水準だったことが明らかになりました。 新型コロナウイルス感染症対策分科会で、専門家は「今後の感染者数は全国的に横ばい傾向が見込まれているが、一部地域では3月末に向けて感染者が増加する可能性がある」と指摘しました。 また、分科会の座長を務める脇田隆字氏は「年度替わりの時期は、全国的に行事が多い。行事で人と人の接触機会が増え、今後の感染状況に影響する可能性があるので注意してほしい」としています。 今後の医療負担について 新型コロナの感染法上の区分が5類になるにともない、新型コロナに感染したときの医療負担も変わります。 これまでは、新型コロナの区分が2類だったので、感染したときの医療費は無料でした。しかし、区分が5類に変更される5月8日以降は、原則自己負担になります。 また、重症化して入院になったときの費用も自己負担に。しかし、急激な負担増を避けるため、当面の間は月に最大2万円の補助が受けられます。 ワクチンについて 2023年3月7日、厚生科学審議会の予防接種・ワクチン分科会は、5月8日から高齢者や持病がある人を対象にオミクロン株に対応したワクチンの2回目接種を始めることを決定しました。 昨年秋から実施している、オミクロン株対応型ワクチンの1回目接種は5月7日に終了。全年代を対象にした2回目のオミクロン株対応型ワクチン接種は、9月を予定しています。 5月8日から新型コロナの扱いが大きく変わります。それでも、重症化リスク等は変わらないため、引き続き感染対策をおこなうことが大切ですね。
2023/03/15
厚生労働省は、75歳以上の後期高齢者が加入する後期高齢者医療制度にて、保険料の上限額を年間66万円から80万円にする案を政府に提出していました。 しかし、政府から「急激に負担が増えすぎる」と反発があったため、3年後の2025年度までに徐々に保険料を引き上げる案を示しました。 これまでの議論 厚生労働省の諮問機関である社会保障審議会の医療保険部会では、高齢化社会の中でも制度を維持していくため、高齢者がそれぞれの負担能力に応じて保険料を支払うような仕組みを強化する案が出ていました。 具体的には、一定の収入がある人を対象に「保険料の上限額を年間66万円から80万円にする」というものです。 さらに部会では、加速する少子化についても言及。新型コロナの流行が影響し、出生数の低下が推計されていたものよりも7年早まっていることが明らかになりました。 そのため少子化を止めるために、高齢者世代にも子育てにかかるお金の一部を負担してもらおうという声が議論の中で上がったのです。そこで生まれた案が、後期高齢者医療制度で出産育児一時金の一部を賄うというものでした。 その出産育児一時金に拠出する財源を確保するためにも、後期高齢者医療制度の保険料の上限を上げようとしていたのです。 保険料の引き上げ案を政府に提出 厚生労働省は、後期高齢者医療制度の保険料の上限額を66万円から80万円に引き上げるという案を提出しましたが、政府内で急激な負担の増加を懸念する声が上がりました。 そのため厚生労働省は、政府に保険料の上限額を2024年度に73万円、2025年度に80万円と段階的に引き上げる案を提出したのです。 2024年度から保険料が上がるのは211万円以上の年収がある人が対象となっていて、全体の27%に相当します。 この案に対し、会議に出席した議員から反発はなかったそうです。 今後、厚生労働省は、社会保障審議会にて今回政府に提示した案に関する議論をおこない、年内に正式決定するとしています。
2022/12/15
11月8日、政府は75歳以上が対象の後期高齢者医療制度の保険料を改正し、所得が高い人の年間上限額を引き上げる方向であると明らかにしました。 高齢化が進み、2025年には団塊の世代が全員75歳以上となります。医療費も一層膨らむ見通しがあり、支払い能力に応じた負担を求めていきたい考えです。 引き上げの詳細 政府の案が通った場合、後期高齢者の医療保険料の年間上限額が、現在の66万円から80万円程度に。対象になるのは、加入者の中でも収入が高い上位約1%で、年間で14万円ほど負担が増える見込みです。 また、年間上限額の引き上げに合わせて、中間所得層の医療保険料も増額になります。 関係者の意見 医療保険の今後を話し合う厚生労働省の医療保険部会では、賛否両論の意見が集まっています。 政府の意見に肯定的な委員は「現役世代並みの所得がある後期高齢者の負担が軽い一方、その分を現役世代が負担している。世代間の格差を減らすためにも見直しが必要である」と主張しました。 また、「所得が両極化している高齢者世代の現状を踏まえ、世代間の公平だけでなく、世代内の公平も必要。高所得者層には相応の負担を求めていくべき」という意見もありました。 一方「昨今の物価変動で高齢者は生活が厳しくなっている。またこれまで社会を支えてきたということも考慮して、負担が大きくならないようにしてほしい」と後期高齢者の負担増加に否定的な意見も見られます。 日本に住んでいる人が治療費を気にせず医療を受けられているのは、皆保険制度という世界でも稀な制度があるからです。 これからもみんなが安心して医療を受けられる社会を続けていくために、低所得者層に配慮しながら持続可能な制度にする必要がありそうですね。
2022/11/14
2022年10月1日から、一部の方を除き、75歳以上の方で一定以上の所得がある方の医療費の負担割合を1割から2割に引き上げられました。負担割合が2割となる方には、外来の負担増加額を月3000円までに抑える一時的な配慮措置もあります。 今回の引き上げは、少子高齢化が進展し、2022年度以降、団塊の世代が75歳以上の高齢者となり始める中、現役世代の負担上昇を抑えることが目的。健康保険法などの一部を改正する法律が成立したことを受けての実施となりました。 気になる対象は? 医療費が2割負担となるのは、以下の条件に当てはまる人です。 単身世帯の場合、課税所得が28万円以上かつ「年金収入+その他の合計所得金額」が単身世帯の場合200万円以上。 ※(年金収入に遺族年金・障害年金は含まれない。その他の合計所得金額とは給与収入や事業収入から必要経費、給与所得控除などを差し引いた後の金額を指す) 複数世帯の場合、課税所得が28万円以上かつ「年金収入+その他の合計所得金額」が合計320万円以上。 ※(年金収入の他にも、不動産収入等があり、その合計が320万円以上になると、夫婦とも窓口負担は2割に。例え妻に収入がなくても夫の収入が高ければ、夫だけでなく妻も2割負担になる) なぜ引き上げに? 公的な年金・健康保険が整備され、高齢者に対する福祉が充実する一方で、現役世代は非正規雇用の増加などの雇用環境の変化と近年の物価上昇で生活費が逼迫されて泣き面に蜂という悪循環に。若い世代の貧困が深刻な問題となってきました。そこで政府はこれまでの「給付は高齢世代、負担は現役世代」という関係を見直して、「全世代型の社会保障」へと大きく舵を切ったのです。 しかし、収入が増えない現役世代もいずれは、「高齢者」になります。その時、負担が大きいから保険の負担割合を低く改定するということは、ほぼないでしょう。このあたり、将来のことも明示してほしいところです。 今後の備えは? 今回の法改正をきっかけに家計の見直しをすることも必要です。食費や雑貨費、生命保険料等の単価が高い費目のを見直し、年会費を払っているのに、殆ど使っていないクレジットカードや有料サイトを解約、携帯電話のプランの変更を検討したりするだけでも大きく家計を改善できるでしょう。 2割負担になる方は、医療費の増加分を吸収できるように早めに家計を見直すことが大切ですね。
2022/10/11
今年10月から、75歳以上の一定以上の収入がある人の医療費負担が2割に引き上げられます。 このことを受けて、富山県民主医療機関連合会が県内の高齢者の生活実態調査を実施。今月16日にその結果を公表しました。 それによると、多くの高齢者が現状でも生活費の切り詰めをおこなっていることがわかり、「医療費負担の引き上げは受診控えにつながりかねない」としています。 今でも切り詰めているのに…。 県内の医療や介護の質の向上に取り組んでいる富山県民主医療機関連合会が、今年10月の医療費の窓口負担割合の引き上げを前に、高齢者の生活実態調査を実施しました。 この調査は、昨年12月~今年2月にかけておこなったもの。65歳以上の高齢者が現段階で家計の切り詰めなどをおこなっているのかを調べました。 その結果、「家計の節約のためにおこなっていること」という質問には「新しい服、靴を買うのを控えた」という回答が159人が最多。さらに、「趣味やレジャーの出費を減らした」が153人、「家族、友人知人との外食を控えた」が152人と続きました。 今回の結果をふまえて、同連合会は「医療費負担が2割に引き上げになれば、受診控えにつながる」と述べています。 悪化してから受診するように? 10月に始まる医療費の窓口負担の引き上げは、75歳以上の一定以上の所得のある人が対象です。 年金収入とその他の所得を合わせた金額が、1人世帯の場合は200万円以上、2人以上の世帯では320万円だと2割負担の対象になります。 これまでも、現役世代並みの所得がある世帯に対しては医療負担は3割とされていました。そこで今回の引き上げによって、1割負担だった世帯のなかでも所得の多い世帯が2割負担に変更となります。 この変更は、高齢化に伴って医療費の増大が見込まれるため、国の負担を削減するのが目的。しかし、今回の調査で負担が増加したために受診を控えるという懸念が示されました。 もし、受診料が上がるために病院に行かず、病状が悪化してから受診する人が増えるなんてことがあると本末転倒。むしろ、社会保障費が増大する可能性もありますし、なにより国民の命に関わることにもなりかねません。 ただ、今回の引き上げの対象となる人には、負担を抑えるための一時的な配慮措置があります。2割負担となって増える金額の上限が1ヵ月3000円までに抑えられます。 しかし、この配慮措置は2025年9月末までのもの。それまでの期間で、どうにか家計をやりくりできるように対策をしておかないといけないようです。
2022/05/26
今年10月から、75歳以上の一定の所得がある高齢者の医療費の自己負担割合が、1割から2割に引き上げられる見込みです。具体的には、単身世帯では年収200万円以上、複数世帯では年収320万円以上の世帯が引き上げられます。 これを知って「医療費が倍になるの?」と慌ててしまいがちですが、施行されてから3年間は、増加額を月3000円までに抑える緩和措置がとられます。今すぐに負担額が2倍になるということはなさそうです。 医療費の自己負担が増える? 政府が2022年度の予算案を発表し、75歳以上の一部の世帯の医療負担割合を変更することを発表。単身世帯では年収200万円以上、夫婦2人暮らしなどの複数世帯では年収320万円以上の場合に対象となり、約370万人になるとのことです。 これまでは、ほとんどの75歳以上の世帯が1割負担。3割負担となっていたのは現役世代並みの所得(単身世帯で年収383万円、複数世帯で520万円以上)のある7%のみでした。今回の変更で負担割合が、1割・2割・3割の3段階に分かれることになります。 では、新たに2割負担となる人は、負担額が2倍になってしまうかというと、そうではありません。それは、施行後3年間は「激変緩和措置」がとられるためです。激変緩和措置とは、負担割合の変更によって急に負担が増えてしまう人のために、一時的な制限を設けることです。 今回、3年間は増加額が月3000円に抑えられます。例えば、1割負担だと自己負担額が5000円の場合、2割負担になったら1万円になります。しかし3年間の緩和期間は、プラス月3000円までになるため、実際の支払い額は8000円になります。 10月以降、すぐに負担額が2倍になるわけではないので、ひとまず安心ですね。 冷静に将来に備えを 今年から、一部の人の医療費の負担割合が1割から2割に増えます。「今でも何とかやりくりしているのに、さらに負担が増えるなんて!」と感じる人もいるかもしれません。 しかし、3年間は緩和措置が講じられるので、今年からすぐに負担が倍増するわけではありません。加えて、高額医療制度で自己負担の上限が決められていることもあり、単純に負担額が2倍とはならなさそうです。 まだしばらくは時間はあるので、落ち着いて備えていきたいですね。
2022/01/21
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