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特集

Q&A

老人ホームに入居する、なんていう経験は人生でもそうあるものではありません。当然、わからないこと、不安なこと、疑問などなど、頭の中が「?」マークでいっぱいになっていることでしょう。そんなアナタに、自称“日本一、老人ホームの入居相談を受けてきた男”こと「いい介護」入居相談室の室長・北野が、みなさんの疑問・質問にお答えします!
施設入居 ケアマネジャー

老健を退所して自宅に戻る場合、どうやってケアマネジャーを探せば良いですか?

もうすぐ父親が介護老人保健施設(老健)を退所になります。ただ、以前よりもふらついたりするので、介護サービスなどを使って一人暮らしをさせるつもりです。老健を退所した後のケアマネジャーさんはどうやって探したら良いんでしょうか? 老健にはケアマネジャーさんがいてすべてお任せしていたのですが、自宅に帰ったら別のケアマネジャーさんを探さないといけないようです。老健に入るまで、父は何でも1人でできていたので介護について考えたことがまったくなく…。どうしたら良いのかわからない状況です。 (足立さん・パート・62歳) まずは老健のケアマネジャーさんに相談してみましょう。施設によっては在宅介護のケアマネジャーさんの紹介をしてもらえることがありますよ。ご自分でケアマネジャーさんを探す場合は、お住まいの地域の役所や地域包括支援センターに相談してみましょう。その場で紹介してもらえたり、ケアマネジャーの事業所一覧が載った「ハートページ」という冊子をもらえますので、その情報を頼りに直接連絡を取ってみても良いでしょう。 ケアマネジャーはどうやって探す? 父が老健に入所してから半年ほど経ち、リハビリのおかげでだいぶ歩けるようになったので、退所することになりました。ただ、やはり以前よりもふらついたりするので一人暮らしさせるのが心配で、介護サービスなどを使おうと思っています。老健を退所後のケアマネジャーさんは、どうやって探すのでしょうか? 老健を退所すると、担当が老健のケアマネジャーさんから在宅介護のケアマネジャーさんに変わるので、ケアマネジャー探しをするのは大変ですよね。なので、まずは以下の窓口に相談してみてください。 老健のケアマネジャー 地域包括支援センター・役所 今の老健のケアマネジャーさんに、新しいケアマネジャーさんのことを相談できるんですか? はい。老健のケアマネジャーさんは、退所後の生活についても相談に乗ってくれることがあります。地域のケアマネジャーや介護サービスについても把握している場合もあるので、ケアマネジャーさんを紹介してくれるかもしれません。また、老健のケアマネジャーさんは新しいケアマネジャーさんが決まったら引き継ぎが必要です。そのため、在宅介護サービスを利用して自宅で生活することを伝えておくと、スムーズに手続きが進むと思いますよ。 そうなんですね。その次の、地域包括支援センターとは何でしょうか? 地域包括支援センターは、ご高齢者の生活について総合的に相談に乗ってくれる公的な窓口。この地域包括支援センターや役所では、「ハートページ」という冊子をもらえます。これは、ケアマネジャーさんの事業所である居宅介護支援事業所の情報がまとめてあるもの。この情報をもとに、直接事業所に連絡してケアマネジャーさんを見つける方法もあります。もちろん、地域包括支援センターや役所でもケアマネジャーさんについて相談に乗ってくれますよ。 在宅介護サービスの利用までの流れ ケアマネジャーさんの見つけ方がわかって安心しました。ちなみに、在宅介護するときに利用できる介護サービスって、どうやって利用すれば良いんでしょうか?在宅介護をしたことがないのでわからなくて…。 在宅介護サービスは、以下のような流れで利用開始します。 ケアマネジャーを見つける ケアプランを作成する 介護サービス事業所と契約する サービス提供開始される 基本的には新しいケアマネジャーさんが見つかったら、わからないことはケアマネジャーに相談でOKです。在宅介護サービスを利用するまでの流れも、ケアマネジャーさんが導いてくれますよ。また、ケアプランを作成する際には、お父様にどんな生活をしてほしいか、お父様自身がどんな生活をしたいかなどの要望をケアマネジャーさんに伝えることが大切です。要望をできるだけ叶えられるように、ケアマネジャーさんがケアプランを作ってくれると思いますよ。 新しいケアマネジャー探しは老健のケアマネジャー、もしくは役所などに相談してみよう ケアマネジャーにケアプランを作成してもらい、各介護事業所と契約してサービス利用開始できる pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: ...

2023/11/17

施設入居 介護の基礎知識

母親の退院後、老人ホームに入れようと思うのですがどうしたら良いかわかりません

入院中の母親がもうすぐ退院しないといけなくなりました。入院中に体が衰えて歩けなくなってしまったので、在宅介護は難しいと考えています。 なので、老人ホームに入居させようと思うのですが、どうやって施設を探せば良いんでしょうか?介護施設の知識がほとんどないので、誰かに相談したいと思っているのですが、相談先ってありますか? (中尾さん・自営業・66歳) 退院後の生活については、まずは病院のケースワーカーさんに相談してみましょう。ケースワーカーさんによっては、地域の介護施設の情報を持っていることもあり、入居できる施設を紹介してくれることもありますよ。また、一から施設探しをするとなると、入居まで1ヵ月ほどかかるので退院までのスケジュールも確認しておきましょう。 退院後の施設探しはどこに相談すれば良い? 入院中の母がもうすぐ退院して良い、と医師から言われました。しかし、母は入院中に体力が落ちてほとんど自分で歩けなくなってしまいました。私も、仕事や家のことで手一杯で自宅では介護するのは難しい状況です。そのため、退院後は老人ホームに入居させたいのですが、老人ホームのことがまったくわからず、どうやって施設を探したら良いのか…。1人で探すのは難しいと思うので、できれば誰かに相談したいです。相談できるところはありますか? はい。施設探しの相談先はいくつかあります。具体的には以下の窓口です。 病院のケースワーカー 地域包括支援センター・役所 老人ホーム紹介センター 病院のケースワーカー 入院中の場合、施設探しの相談を最初にすると良いのは病院のケースワーカーさんです。ケースワーカーさんは退院後の生活がスムーズに行くように支援してくれます。病院によっては、地域の介護施設と連携していて、詳しい情報をケースワーカーさんが把握していることもありますよ。 ケースワーカーさんに施設探しのことも相談して良いんですね!それは助かります。 地域包括支援センター・役所 ときにはケースワーカーさんが老人ホームの情報を持っていなかったり、紹介された施設が希望に合わないことも。そういうときは、お住まいの地域の地域包括支援センターや役所の福祉課などの窓口に相談しましょう。地域包括支援センターや役所などの公的な窓口でも、老人ホームについての情報をもらえます。特に特別養護老人ホームなどの公的施設については、公的な窓口の方が詳しく教えてもらえますよ。 老人ホーム紹介センター 公的施設だけではなく民間施設も検討したい場合や、遠方で施設探しをしたい場合、老人ホーム紹介センターが便利です。「いい介護」をはじめとした老人ホーム紹介センターは民間施設を主に紹介しています。病院や地域包括支援センターでは狭い範囲の老人ホームの情報しか得られないことが多いですが、老人ホーム紹介センターでは広いエリアで施設探しがしやすいのが特徴です。特に、早く入居先を見つけたいときや複数の施設を見比べて入居先を決めたいときにおすすめです。 今回は、退院日が迫っているので少しでも早く入居先を決めたいです。老人ホーム紹介センターで相談するのも良いかも。 施設探しの流れ 施設探しってどうやってすれば良いんでしょうか?入居までどうやって手続きを進めていけば良いのか、まったくわかりません。 それでしたら、老人ホームに入居するまでの流れをお伝えしますね。次の通りです。 希望条件を決める 老人ホームの情報を収集する 老人ホームを見学する 仮申し込みをする 各種の書類を提出する 本人との面談を行う 契約・入居 一から施設探しをするとなると、入居までは1ヵ月ほどかかります。退院までの期日に間に合うかどうかスケジュールを確認してくださいね。 老人ホームにはどんなものがある? そういえば、老人ホームにはたくさんの種類があると聞いたことがあります。どんな施設があるんでしょうか? おっしゃる通りです!老人ホームには、民間施設が4種類、公的施設が5種類あります。それぞれの費用や入居条件などを次の表にまとめたので、ぜひ施設探しの参考にしてください。 民間施設 施設の種類入居時費用月額利用料入居条件認知症の受け入れ介護付き有料老人ホーム0~数千万円15~30万円要介護1以上○住宅型有料老人ホーム0~数千万円11~25万円自立~要介護3程度△サービス付き高齢者向け住宅0~数十万円11~25万円自立~要介護1程度△グループホーム0~数十万円10~15万円要支援2以上◎ 公的施設 施設の種類入居時費用月額利用料入居条件認知症の受け入れ特別養護老人ホーム(特養)0円8~14万円要介護3以上○介護老人保健施設(老健)0円7~14万円要介護1以上○介護医療院0円7~14万円要介護1以上○養護老人ホーム0円0~14万円自立×ケアハウス0~数十万円6~17万円自立~要介護3程度△ うわぁ、こんなに種類があるんですね。結局、うちの母にはどの施設が良いんでしょうか? 今後の生活をどう過ごしたいかで、選択肢は変わりますね。例えば、再びご自宅で過ごしたいのなら、老健でリハビリをして身体機能を回復する方法。また、終の棲家を探したいのなら有料老人ホームや特養などを探すのがおすすめです。 老人ホームにもいろんな種類があって、それぞれ特徴があるんですね。 そうなんです。それぞれの老人ホームの詳細は、以下の記事でも解説しているのでぜひ参考にしてくださいね。 施設探しをするときは、まず病院のケースワーカーなどに相談しよう 施設探しは、資料請求から入居まで1ヵ月ほどかかる 有料老人ホームや特別養護老人ホームなどさまざまな種類がある pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; ...

2023/11/16

認知症 施設入居 在宅介護 介護認定

認知症の父親の要介護度が「要支援」に下がり、急に老健を退所に…。退所後はどうしたら良い?

老健(介護老人保健施設)に入っている父親の介護認定の更新をしたところ、要介護3から要支援2に下がってしまいました。そのため、老健からは退所を求められており、急いで退所後の行き先を決めないといけなくなってしまいました。 父はリハビリのおかげで自分で歩けるようになりましたが、認知症が進行していて数分前のことも忘れたり、家電の使い方がわからなかったり…以前のように一人暮らしできるとは思えません。 だからと言って、私はフルタイムで働いていますし、父を引き取って介護できるとは思えません。どうしたら良いんでしょうか? (平山さん・パート・58歳) お父様のケースだと在宅介護か他の施設に入居するか、2つの方法があると思います。在宅介護の場合、ショートステイをメインにデイサービスや訪問介護を使う方法です。別の施設に入居する場合は、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、グループホームが選択肢になるでしょう。いずれにしても、実情とそぐわない要介護度が出てしまった場合、区分変更をすることをおすすめします。区分変更は改めて要介護認定をおこないますので、今度は適切な結果が出るかもしれません。区分変更をする場合、認定調査に平山さんが同席しましょう。認定調査でご本人がはりきってしまって要介護度が実際よりも低くなるケースが珍しくありません。そのため、平山さんが普段のお父様の状況を伝えることが大切です。 要支援に下がって老健を退所しないと!どうしたら良い? 先日、父の介護認定の更新をおこなったところ、要介護3から要支援2に下がってしまいました。そのため、今入っている老健を退所しないといけません。ただ、要支援2と言っても、数分前のことを忘れたりテレビのリモコンが操作できなかったり…。入所したときよりも認知症が進んでいて、自宅で介護できる状態ではありません。私はフルタイムで働いていますし、介護はできないと思います。でも、要支援2になってしまったので、1ヵ月以内に退所してほしいと老健に言われています。どうしたら良いのか教えてください! それは大変です!まずは、今後の介護の方針を決めましょう。お父様の場合、「在宅介護をするか」「別の介護施設に転居するか」の2つの選択肢があります。それぞれ、詳しくお話ししますね。 在宅介護をする 「在宅介護をする」と言っても…。先ほどお話しした通り、父は自宅で介護できる状態じゃないんです。在宅介護ができる方法が何かあるんですか? 在宅介護サービスを活用して、できるだけ負担を減らしながら介護する方法です。具体的には、以下の在宅介護サービスを利用しながら介護をします。 ショートステイ デイサービス 訪問介護 ショートステイとは、1日から介護施設に宿泊できるサービス。宿泊している間、食事や入浴、排泄などの介助が提供されます。ショートステイは、最大30日まで連続で利用できますので、空きがあれば「30日ショートステイを利用して1日自宅に戻る」という使い方も可能です。 宿泊できるサービスなんてあるんですね!父は病院からそのまま老健に入所したので、在宅介護についてまったくわかっていなかったです。 また、デイサービスを利用する方法もあります。デイサービスは日中の時間帯に介護施設に通うもの。デイサービスでも食事や入浴、排泄介助などのサービスが受けられるので、その時間帯は施設に完全に任せられます。デイサービスやショートステイを利用していない日に訪問介護を利用すると、より安心して生活ができるようになるでしょう。 そういう方法もあるんですね。この方法で上手く在宅介護ができるのかな…。 お父様やご家庭の状況によっては、在宅介護サービスを駆使しても在宅介護が難しい可能性があります。そのときは、やはり他の介護施設に入る必要があるでしょう。 別の介護施設に入る 別の介護施設と言うと、どんなものがあるんでしょう。確か、いろんな種類があるんですよね?今の老健は入院していた病院から紹介されて入居したので、他の施設についてよくわかっていなくて…。 確かに、老人ホームは種類が多くてややこしいですよね。お父様の場合、以下のような介護施設がおすすめです。 有料老人ホーム グループホーム サービス付き高齢者向け住宅 有料老人ホーム 有料老人ホームには、「住宅型有料老人ホーム」と「介護付き有料老人ホーム」の2種類があります。「住宅型」と「介護付き」の大きな違いは、介護サービスが付いているかどうか。住宅型は介護サービスが付いてないので、利用する場合は外部の介護サービス事業者と別途契約が必要です。対して、介護付きは介護サービスが付随しています。24時間、介護スタッフさんが常駐しているため、おむつ交換など夜間に介護が必要な場合でも対応してもらえますよ。 なるほど…。となると、介護付きの方が良いのかな。おむつ交換は必要ないですが、認知症のせいで1人でトイレに行けないので。 ただ、注意していただきたいのは費用の面です。住宅型は介護サービスがなかったり、介護スタッフさんが少ないこともあって、介護付きより費用が安い傾向があります。そのため、出費を抑えたい場合は住宅型がおすすめです。が、住宅型は利用した分だけ介護サービス費が発生するため、頻繁に介護が必要な場合は介護付きよりも高くなってしまうことがあります。 介護付きは、頻繁に介護サービスを利用しても料金が高くならないんですか? はい。介護付きの介護サービス費は、要介護度に応じた定額制。たくさん使っても費用は上がりません。逆に言うと、あまり介護を必要としない場合は料金が割高になってしまうので、住宅型の方がおすすめです。 グループホーム グループホームは認知症の人限定の施設です。要支援2から入居できるので、お父様もご入居いただけます。グループホームは少人数のユニットごとに生活するのが特徴。料理や掃除などをご入居者とスタッフさんが協力しながらおこなっています。少人数で共同生活をしながら生活したい場合にはおすすめです。 少人数で生活できるのは良いですね!父は人が多いところが得意ではないので。 サービス付き高齢者向け住宅 サービス付き高齢者向け住宅は、自由な生活がしやすい施設です。住宅型有料老人ホームと同様、介護サービスは付いておらず、介護が必要な場合は外部の介護事業所と契約をします。サービス付き高齢者向け住宅は、介護の必要がない元気なご高齢者向けの施設もある一方で、重度の要介護度の人も受け入れている施設も多いです。受け入れ状況は施設によって大きく異なるので、事前に施設に確認しましょう。 施設ごとに受け入れ状況が異なるんですね。よく確認しておかないと。 ご紹介した3つの施設のなかでも、有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅は比較的に入居待ちすることが少なく、急いで転居先を決めたい場合におすすめです。 実際よりも低い要介護度が出たらどうする? やっぱり、父が要支援2になったのが納得いかないんです。友人のお母さんが要支援2なのですが、ほとんど介護は必要なく、自分で料理や洗濯をしています。どう考えても、うちの父と同じ要介護度とは思えません。 確かに。お話を聞く限り、お父様が要支援2なのは違和感があります。もし、今の要介護度に納得がいかない場合、要介護認定のやり直しが可能です。 要介護認定のやり直しなんてあるんですね! やり直しの方法は2つあって、「不服申し立て(審査請求)」と「区分変更」です。不服申立ては、市区町村の判断に異議を唱えて取り消しを求めるもので、再び結果が出るまでに数ヵ月かかることがあります。なので、もっとスピーディーに結果が出る区分変更をすることが多いです。区分変更は、要介護認定の更新の前に状態が変わって要介護度と合わなくなったときにおこなわれる手続き。1ヵ月ほどで結果がわかります。 その区分変更の手続きは、どうしたら良いんですか? では、区分変更の流れについてお伝えしますね。 要介護認定の区分変更の流れ 区分変更の流れは、初回の要介護認定や更新と同じ流れです。まずは、役所に「区分変更申請」をする必要があります。老健のケアマネジャーさんとうまく連携できているのであれば、ケアマネジャーさんに区分変更申請の相談をしてみましょう。その後は以下のような流れで進みます。 訪問調査 一次判定 二次判定(介護認定審査会) 認定結果通知 適切な要介護度が出るためのコツ 区分変更の際、適切な要介護度が出るためにぜひ平山さんに認定調査に同席していただきたいんです。 都合が付けば、同席できますが…。どうしてですか? 要介護認定で実際よりも軽い要介護度が出てしまう理由のひとつに、認定調査で”頑張って”しまうということがあるんです。 頑張ってしまう? 認定調査は、市区町村から派遣された調査員によって聞き取り調査などがおこなわれます。初対面の相手に自分ができないことを見せたくはないですよね。なので、できないことを「できる」と言ってしまったり、頑張ってしまうんです。 なるほど…。父は見栄っ張りなので、できないことも「できる」と言ってしまいそうです。 特に認知症の人の場合、普段と違う状況だったり初対面の人の前だと意識がはっきりすることも。なので、普段は認知症の影響で会話が上手くいかない人が認定調査のときはしっかり受け答えできることも珍しくないんです。 そうなんですね。今回の要介護認定の更新のときの認定調査には同席しなかったのですが、きっと”頑張って”しまっていたんでしょうね…。今回の認定調査には同席するように都合をつけます。それで、私は認定調査のときにどうしたら良いんでしょうか。 普段の様子を調査員にしっかり伝えましょう。現在は老健に入所されているので難しいかもしれませんが、できるだけ普段の身体状態や認知症の症状を把握して、調査員に話してください。もし、お父様の心身の状態で困っていることがあれば、それも合わせて調査員に伝えましょう。自宅で介護できる状態ではないことを詳しく伝えると、より実情に近い要介護度が出ると思いますよ。 老健のスタッフさんに聞いて、父の状況を把握しておきます。 区分変更申請はできるだけ早くしておくことをおすすめします。介護保険は申請時点に遡って適用されるので、要介護度が高くなった場合はよりたくさんの介護サービスを利用できますよ。 そうなんですね!すぐに老健のケアマネジャーさんに相談してみます。 ただ注意していただきたいのは、区分変更の結果、要介護度が上がらなかった場合、超過した分の介護サービス費は全額自己負担になります。かなり出費がかさんでしまうので、気をつけてくださいね。 老健退所後、在宅介護をするか別の施設に転居するかをまず考えよう 想定よりも低い要介護度になった場合、区分変更で要介護認定を再度受けるのがおすすめ 適切な要介護度が出るために認定調査でいつもの様子を伝えよう pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; ...

2023/11/16

施設入居 在宅介護

母親が入院中に要介護5になり、在宅介護は無理!どうしたら良い?

先日、母が高熱が出て誤嚥性肺炎で入院しました。体調が戻ったと思ったらまた発熱して…と繰り返して入院が長引いたせいか、自分で歩けないほどに体力が落ちてしまいました。入院前は問題なく一人暮らしをしていたのに、入院中に要介護5になってしまったんです。 ここ1週間ほどは体調が落ち着いているので、もう少し様子を見て問題なさそうだったら退院、と言われています。ですが、仕事があるので私が母を引き取って介護するのは無理だと思っています。母を家に1人にするわけにはいかないし…。 自宅で介護をするのが難しい場合、どうしたら良いのでしょうか?老人ホームに入居させることになるのでしょうか?介護のことがまったくわからず困っています。 (小倉さん・会社員・59歳) そうですね、老人ホームへの入居も選択肢のひとつだと思います。もしくは、在宅介護サービスを利用しながらご自宅で介護をする方法もあります。が、要介護5というと、自分の身の回りのことがほとんど自分ではできない状況。在宅介護をするのは、ご家族の負担がとても大きいものになるでしょう。なので、できれば老人ホームへの入居をおすすめします。有料老人ホームや特別養護老人ホーム、介護医療院でしたら要介護5の方でも安心して生活できる施設ですよ。費用の面から老人ホームに入ることを迷っているのでしたら、安い老人ホームや介護費・医療費の減免制度を活用して出費を抑える方法もありますよ。 入院中に要介護5に…。在宅介護は無理? 母が誤嚥性肺炎で入院しています。発熱を繰り返してかなり入院期間が長引いてしまったせいか、どんどん体力が落ちてしまって…。入院前は問題なく一人暮らしをしていたのに、今は歩くこともできなくなり、何をするにも介助が必要になってしまいました。そのため要介護認定を受けたところ、要介護5に。しかし、このところ母の体調が落ち着いており、もう少ししたら退院しないといけなくて…。母が回復したのは良いんですが、退院後の生活をどうするか悩んでいます。私は仕事をしているので、母を引き取って自宅で介護するのは無理だと思っています。が、自宅で介護するのが良いのか、施設に入れるのが良いのか、まったくわからず…。一般的に要介護5だと在宅介護は無理なのでしょうか? うーん。要介護5の人を在宅介護するのは無理ではありませんが、かなり難しいというのが正直なところです。要介護5の人だと、身の回りのことほとんどすべてに介助が必要な状態だと思います。そのため、ご家族だけで介護するのは負担が大きすぎて難しいでしょう。ただ、要介護5のご家族を在宅介護しているご家庭もあります。その多くは、複数の在宅介護サービスを駆使してできるだけ、ご家族の負担を減らしているんです。 在宅介護サービスですか…。介護のことはよくわからないのですが、どんなサービスなんですか? 主な在宅介護サービスには、以下のようなものがあります。 訪問介護 デイサービス ショートステイ 訪問介護はヘルパーさんがご自宅に訪問して、掃除や調理といった家事、排泄・入浴・食事の介助をおこなうサービスです。デイサービスは、日中に介護施設に通うことで排泄・入浴・食事の介助を受けられるサービス。昼食も提供され、デイサービスに行っている時間帯はご家族が自分の時間を自由に使えます。 日中の間だけでも母を介護施設に任せられるのはとても助かりますね。昼間は仕事で家を空けてしまいますし。 その次のショートステイは、1日から介護施設に宿泊できるサービス。宿泊中は排泄・入浴・食事介助やレクリエーションなどが提供されます。最大30日連続で宿泊できるので、ご家族の”介護休み”や老人ホームに入居するための順番待ちの間に利用されることが多いです。最後の小規模多機能型居宅介護は、ここまでにお伝えした訪問介護・デイサービス・ショートステイがひとつになったサービス。同じ介護施設で複数のサービスを受けられるので、「デイサービスの後にそのままショートステイ」など、柔軟な利用が可能です。また、緊急時に訪問介護を利用するといった対応もできます。 へぇ!それは便利ですね!小規模多機能型居宅介護を利用すれば、母を自宅に引き取って介護するのもありかも…。 要介護5で入れる老人ホームは? 在宅介護サービスを活用してご自宅でお母様を介護する方法をお伝えしましたが、もちろん老人ホームに入居するのも選択肢のひとつです。 やっぱり老人ホームなのかな…。老人ホームについてもまったく知識がなくて、施設に入れるべきか悩んでいるんですよね。要介護5は、もっとも介護が必要な状態だと聞きました。そんな状態の母を受け入れてくれる老人ホームはあるんでしょうか? もちろんです!以下の老人ホームでしたら、要介護5の人も受け入れていますよ。 有料老人ホーム 特別養護老人ホーム(特養) 介護老人保健施設(老健) 介護医療院 有料老人ホーム 有料老人ホームには、「介護付き有料老人ホーム」と「住宅型有料老人ホーム」の2種類があります。どちらも要介護5の人を受け入れていますが、特に介護体制が充実しているのは介護付き有料老人ホームの方です。介護付き有料老人ホームには、24時間介護スタッフが常駐し、看護師は少なくとも日中帯に常駐しています。また、介護サービスを何度使っても介護サービス費が上がらない定額制のため、おむつ交換など夜間にも介助が必要な人や頻繁に介護が必要な人にぴったりの施設です。 特別養護老人ホーム 特養も24時間介護スタッフが、日中に看護師が常駐している施設。介護付き有料老人ホームと異なるのは、特養は公的施設のため費用が安い点です。そのため、ほとんどの特養で入居の順番待ちが発生。施設によっては入居まで数年待つこともあるほど人気の施設なんです。 何年も待つんですか!だったら、母の退院までに間に合わないかな…。 介護老人保健施設 老健は、医師が常駐しているため医療面のケアも可能な施設。主な目的はリハビリによる在宅復帰で、3~6ヵ月ごとに入所を継続するかの判定がおこなわれるのが特徴です。自宅に戻っても問題ないと判断されたら、退去しないといけません。 えっ!長期的に入所できないんですか?それは困ります。 ただ、病院から退院後、移り住む施設が見つからない場合に老健に一時的に入所して、その間に施設探しをするのもひとつの方法です。入院したままだと病院から退院を迫られて焦ってしまいますよね。とりあえず老健に入所して、その期間に落ち着いて他の老人ホーム探しをするケースも珍しくないんですよ。 なるほど、そういうやり方もあるんですね。すぐに老人ホームが見つからなかったらやってみようかな。 介護医療院 介護医療院は、医療ケアと介護を同時に受けられる施設。点滴や経管栄養、在宅酸素など、日常的に医療ケアが必要な方が多く入所しています。もしお母様に医療ケアが必要な場合、有力な候補のひとつとなるでしょう。 老人ホームの費用の抑え方 もし、母を老人ホームに入れるとなると、お金がすごくかかりますよね。そんなにお金をかけられるわけではないので、そこがネックで…。 確かに在宅介護をするよりも、老人ホームに入居する方がお金はかかります。ただ、費用を抑えて老人ホームに入居する方法はありますので、それをお伝えしますね。 安い老人ホームに入る 老人ホームの費用を抑える方法のひとつめは、安い老人ホームに入ることです。 と言っても、安い老人ホームってどうやって探すんですか?見分けられるものでしょうか? 絶対ではありませんが、安い老人ホームには以下のような特徴があります。この特徴の施設を探すと、費用を抑えられるかもしれません。 公的な老人ホーム 地方や駅から遠い 建物が古い 多床室 うーん、あまり私の家から遠い地方だと困ります。何かあったときに、私がすぐに駆けつけられないのはちょっと…。 おっしゃる通り、施設探しをするうえでゆずれないポイントはあると思います。そのため、どうしてもゆずれないポイントと安い施設の条件を比べて、”ちょうど良い”施設を探してくださいね。 減免制度を利用する 老人ホームの費用を抑えるためには、安い施設に入居することとあわせて減免制度も活用しましょう。介護費用の減免制度には、以下の2つがあります。 高額介護サービス費 高額介護合算療養費 高額介護サービス費 高額介護サービス費とは、毎月の介護サービス費に上限額を設け、それ以上を支払ったときに超過分が払い戻される制度です。この上限額は、ご利用者本人や世帯の所得によって次の表のように定められています。 区分負担の上限(月額)生活保護を受給している方など15,000円(個人)前年の「公的年金等収入額」と「その他の合計所得金額」の合計が年間80万円以下24,600円(世帯)15,000円(個人※1)世帯の全員が市区町村民税を課税されていない方24,600円(世帯)市区町村税課税~課税所得380万円(年収約770万円)未満44,400円(世帯)課税所得380万円(年収約770万円)~課税所得690万円(年収約1160万円)未満93,000円(世帯)課税所得690万円(年収約1160万円)以上140,100円(世帯) 高額介護合算療養費 高額介護合算療養費は、介護サービス費と医療保険の自己負担額の合計が、上限を超えたときに超過分が戻ってくる制度です。この上限額も所得に応じて、次のように設定されています。 70歳以上70歳未満年収約1160万円以上212万円212万円年収770万~1160万円141万円141万円年収370万~770万円67万円67万円年収156万~370万円56万円60万円市町村民税世帯非課税31万円34万円市町村民税世帯非課税(所得が一定以下)19万円34万円 高額介護サービス費も高額介護合算療養費も、負担の上限額が所得によって異なるんですね。事前に確認しておかないと…。 もし、老人ホーム探しで迷ったら、ぜひ「いい介護 入居相談室」にご相談ください。老人ホームに詳しいベテランの入居相談員が、お母様にぴったりの施設をお探ししますよ。 要介護5でも在宅介護はできるが、家族の負担がとても大きい 介護付き有料老人ホーム、特別養護老人ホームなどが要介護5でも入れる 安い施設に入る、減免制度を使う、などで費用を抑えよう pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; ...

2023/11/14

認知症 排泄 介護疲れ

認知症の父親がおむつ交換を拒否するのはどうしたら良いですか?毎回、抵抗されるのでとても疲れます

認知症の父親がおむつ交換を嫌がるので困っています。父が足腰が弱って自分でトイレに行けなくなったので、おむつをするようになりました。でも、「止めろ!触るな!」と抵抗され、殴られることも…。 そんな感じで、毎回、格闘しているので時間もかかるし本当に疲れます…。スムーズにおむつ交換ができる良い方法はないでしょうか? (今村さん・会社員・63歳) それは大変ですね…。おむつ交換はお父様の自尊心に大きく関わりますから、他の介助よりも配慮が必要です。声掛けやおむつ交換のタイミングも工夫する必要があるでしょう。認知症になっても、陰部を誰かに見られることの恥ずかしさは変わりません。対して、認知症の進行によっておむつ交換の必要性がわからなくなったり、尿意や便意を感じにくくなることもあります。認知症の症状やお父様の気持ちに配慮しつつ介助をすると、徐々におむつ交換への抵抗感が少なくなると思いますよ。 認知症の親がおむつ交換を拒否!どうすれば良い? 自宅で認知症の父の介護をしています。最近、父の足腰が弱ってトイレに行けなくなり、おむつになりました。ただ、おむつ交換のときの抵抗がすごくて…。「止めろ!触るな!」と怒鳴ったり、殴られることもあります。毎回、なんとかおむつの交換ができているのですが、ベッド上で暴れるのでおむつはズレるわ、力は使うわで本当に疲れます。スムーズにおむつ交換ができる良い方法はないでしょうか? おむつ交換は、ご高齢者の自尊心が大きく関係する難しい介助ですよね…。しかも、忙しいなかで1日に何度も介助しないといけないので、おむつ交換がスムーズに行くかどうかは介護全体の負担の大きさにとても影響します。とは言え、おむつ交換を拒否されても無理やりや力づくで介助することのないようにしましょう。 そんなこと言っても、力づくでやらないとおむつ交換できませんよ!いつまでも濡れたオムツでいさせられませんし…。力づく以外で父のおむつ交換ができる方法ってあるんですか? 例えば、次のような方法はどうでしょうか? 排泄タイミングに合わせておむつ交換する 優しい口調で声掛けする 時間を空けておむつ交換する 排泄タイミングに合わせておむつ交換する おむつ交換のタイミングで、排泄がされていないこともあるでしょう。誰しも必要もないのにおむつを開けられるのは嫌ですよね。それがおむつ交換の拒否につながっていることがあります。そのため、お父様の排泄のタイミングに合わせておむつ交換をするとスムーズにいくことがあります。なので、まずは排泄のタイミングを把握することから始めましょう。起床後、昼食後、夕食前、寝る前…など排泄がルーティン化されると、慣れてきてお父様もおむつ交換への抵抗感が薄くなるかもしれません。 排泄のタイミングなんて気にしたこともありませんでした。気づいたときにおむつ交換をしていたので、同じ時間帯で介助する方が良いんですね。 優しい口調で声掛けする 介護や家事、仕事で忙しいうえに介助を拒否されると、どうしても口調がきつくなってしまいがち。ですが、そこは気持ちを落ち着けて優しい言い方で声掛けするのが大切です。 そうなんですよね…。仕事をしながら介護をしているので、忙しいときに父におむつ交換を拒否されると頭に来てしまって。きつい言い方になってしまうことが多いです。 忙しいなか介護をするのは本当に大変だと思います。気が立ってしまうのはわかるんですが、スムーズに介助するためにも、一度、気持ちを落ち着けて声掛けをしていきましょう。特に、おむつ交換は介助を受ける人の羞恥心や自尊心が大きく関わります。声掛けがとても大切なんです。 声掛けが大切と言うと、どんな言葉を掛けるのが良いんでしょうか? 例えば、「汚いからおむつを換えるよ」と言うとお父様の自尊心を傷つけてしまうことがあります。なので、「汚い」「おむつ」という言葉を使わずに「下着を替えよう」と言い換えてみましょう。おむつの中に排泄することを「トイレを失敗している」と捉え、恥ずかしいことと思う人も多いです。そうした気持ちに配慮した声掛けをしてみるとスムーズにおむつ交換ができるようになるかもしれませんよ。 時間を空けておむつ交換する おむつ交換をしようとして激しく嫌がる場合、少し時間を空けて声をかけると意外とすんなり交換させてくれることがあります。 時間を空けるだけで良いんですか? はい。例えば、テレビを見ていたり何か別のことに気を取られているときに声を掛けられるのは誰でも嫌ですよね。それと同様に、声を掛けたときに”おむつ交換の気分ではない”だけなのかもしれません。同じ声掛けをしたとしても、少し時間を空けるだけでスムーズにおむつ交換ができることもありますよ。 そんなことがあるんですね。全然知らなかったです。 ここまでご紹介した方法は、一度では上手くいかないことも多いでしょう。何回も試してみて上手くいく方法を見つけてください。 認知症の親がおむつ交換を嫌がる理由は? そもそも、どうして父はおむつ交換を嫌がるんでしょうか?おしっこでおむつが濡れていたら気持ち悪いと思うんですが…。 そうですね…。認知症の人がおむつ交換を嫌がる理由には以下のようなものがあると考えられます。 陰部を見られることが恥ずかしい おむつ交換の必要性がわからない 尿意や便意が薄い 身体を触れられることが嫌 やっぱり、恥ずかしさは大きいんですね。 そうですね。息子さんとは言え、陰部を見られるわけですし…。それに、おむつ交換を誰かにお願いしないといけないことの情けなさもあるかもしれません。認知症になっても、恥ずかしさや情けなさは感じますから。 確かに。そうかもしれないですね。 一方で、認知症によっておむつ交換の必要性がわからなくなっていることも考えられます。おむつの中に排泄したことを忘れてしまったり、そもそもおむつが何なのかがわからなくなってしまったり…。そうなったと想像すると、服を脱がされたり裸にされる理由がわからないですよね。でも、裸を見られる恥ずかしさはあります。このように考えると、暴れておむつ交換を嫌がるのも納得できるんじゃないでしょうか。 なるほど…。そういう理由で父はおむつ交換の度に暴れるんですね。 おむつ交換は介護のプロでも頭を悩ませる介助。一人ひとり適切な介助方法は異なりますから、「上手くいかなくてもしょうがない」と肩の力を抜いて、じっくりお父様に合った方法を見つけてくださいね。 排泄タイミングを把握して優しく声掛けすると拒否が和らぐことも おむつ交換は、羞恥心や自尊心に配慮しておこなおう pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } ...

2023/11/13

認知症 施設入居 在宅介護

母親が入院中に認知症に!退院後、自宅で介護をするのは無理な状態です。どうしたら良いですか?

先日、一人暮らしをしている母が自宅で転倒してしまい、脚を骨折して入院しました。脚の治療は順調なのですが、意味のわからないことを言ったり、亡くなった父が病室にやって来た、などと言うように…。様子がおかしいので検査してもらったところ、認知症であることがわかりました。 骨折の治療が終わったら退院しないといけません。ですが、今の状態の母では一人暮らしはできないだろうし、仕事と子育てで私が介護するのも無理です!どうしたら良いでしょうか? (上村さん・会社員・58歳) 主な退院後の選択肢としては、「在宅介護サービスを使って自宅で介護をする」「老人ホームに入居する」「別の病院に転院する」の3つがあります。いずれにしても、退院までの短い時間でお母様の今後の生活を決めないといけません。まずは今後の方針を入院中の病院のケースワーカーさんに相談しましょう。方針が決まったら、それに合わせて、今後の生活の基盤を整えていきます。老人ホームに入居する場合、一般的に入居までに1ヵ月ほどかかります。また、希望の施設が満室ですぐに入れないことも。その場合、一時的に介護老人保健施設(老健)に入所したり、ショートステイを利用するなどの方法がありますよ。 親が入院中に認知症に。どうすれば良い? 先日、一人暮らしの母が自宅で転倒して骨折のため入院しました。しかし、入院中に亡くなった父が病室にやって来たと言うようになったり、話の辻褄が合わなくなったりと様子がおかしくなり、検査をしました。そうしたら、アルツハイマー型認知症ということがわかりました。その後、リハビリ病院に転院したのですが、症状は悪化していくばかり。私のことはわかるのですが、私の妻や娘のことはわからなくなってしまいました。こんな状態なのに、「認知症の対応はできない」と言われて、残り1ヵ月ほどのリハビリ期間が終わったら退院しないといけません。一人暮らしに戻るのは無理だし、私が仕事と子育てで忙しく家で引き取って介護するのも難しいです。どうしたら良いでしょうか? 入院をきっかけに認知症を発症してしまったんですね…。つまり、退院までの期間でお母様の今後の生活について判断しないといけない状況というわけですね。退院後の選択肢としては、以下の3つが挙げられます。 在宅介護サービスを使って自宅で介護をする 老人ホームに入居する 別の病院に入院する 在宅介護サービスを使って自宅で介護をする 自宅での介護はかなり厳しいと思います。私も妻も働いていますし…。それに我が家に引き取っても、昼間、母は1人になってしまいます。1人ではほとんど何もできない状態なので、母を1人にしてはおけません。 そうですね…。例えばですが、以下のような在宅介護サービスを活用しても在宅介護は難しいでしょうか? 訪問介護 デイサービス ショートステイ 特に日中は家を空けるのであれば、デイサービスを利用するのはどうでしょう。デイサービスとは、昼間に介護施設に通う形のサービス。食事や入浴、排泄などの介助を受けられます。ご家族が家を留守にする平日はデイサービスに通い、お仕事が休みの日は自宅で過ごす、という生活をしている人もいます。 そういうサービスがあるんですね。介護のことを考えたことなんてまったくなかったので、すべて自分たちでやらないといけないと思っていたので…。日中、母を介護施設に面倒見てもらえるのなら、うちに引き取るのもありかも。 また、ショートステイというサービスも人気です。これは1日から介護施設に宿泊できるもので、宿泊中は食事、入浴、排泄、レクリエーションなどのサービスを受けられます。宿泊中は介護をすべて施設にお任せできるので、ご家族の「介護休み」として利用されることも多いんです。 老人ホームに入居する 老人ホームに入居するのもひとつの手です。在宅介護よりも費用がかかる傾向がありますが、何より介護のプロからケアを受けられるので安心して生活できます。 でも、母は認知症です。認知症でも入れる老人ホームってあるんですか? もちろんありますよ!積極的に認知症の人を受け入れている施設はたくさんあります。例えば、以下の種類の老人ホームは、認知症の人を受け入れていることが多いです。 有料老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅 グループホーム 特別養護老人ホーム 介護老人保健施設 この中でも特に人気なのは、特別養護老人ホームです。認知症の人を受け入れているうえに終身利用が可能。そして、費用も安いので常に入居の順番待ちがいるほど人気です。 確かに、安くて終身利用が可能ってかなり魅力的ですね。でも、すぐに入れないのか…。 そうなんです。なので、急いで入居したい場合は特別養護老人ホームだけではなく、他の種類の施設も検討しておくことが大切。いくつか見比べて、すぐに入れる施設を選ぶ人も多いですよ。 別の病院に入院する 今の病院で「認知症の対応ができない」と言われて退院するのに、母を受け入れてくれる病院があるんですか? 精神科や脳神経科のある病院であれば、認知症の人も受け入れてくれることがあります。 そうなんですか!てっきり、認知症だと入院はできないものかと…。 認知症の対応は特殊ですから、一般の病院では入院できないことが多いんです。ですが、精神科や脳神経科は認知症の治療ができる診療科ですから、認知症ケアに対応できるんですよ。もし、入院してしっかりと認知症治療をしたい場合は、入院も検討してみてください。認知症の人が入院できる病院については、以下のご質問でも詳しくお話ししています。参考にしてください。 退院までに時間がないときはどうする? 母の退院後、いくつか選択肢があることはわかりました。ただ、退院まで1ヵ月しかないのに、どうやって対処していけば良いのやら…。 まずは、お母様が入院している病院のケースワーカーさんに相談しましょう。ケースワーカーさんは、退院後の患者さんの生活を支援するのも仕事のひとつです。在宅介護にするのか、老人ホームに入居するのか、転院するのか、退院後のお母様の暮らしの方針を決めるうえで、ケースワーカーさんへの相談はかかせません。それに、ケースワーカーさんは地域の老人ホームの情報を持っていることもあり、スムーズに入居先が決まることもあります。とにかく、まずはケースワーカーさんに相談です。 まずは、ケースワーカーさんに相談、ですね。 お母様の状況や今後の生活方針によっては、以下のような相談先もあります。 ケアマネジャー 役所・地域包括支援センター 老人ホーム紹介センター もし、お母様に既に担当ケアマネジャーさんがいるのでしたら、介護のことはケアマネジャーさんに相談してみましょう。在宅介護をするにしても、老人ホームに入居するにしても、ケアマネジャーさんに相談するとスムーズに話が進むでしょう。 うちの母はこれまで介護サービスを利用していなかったので、担当ケアマネジャーさんがいないんですよね。 でしたら、お母様がお住まいの地域の役所や地域包括支援センターに相談しましょう。役所や地域包括支援センターに行けば、介護のことを一からサポートしてもらえますよ。 介護のことをまったくわかっていないので、相談しに行こうかな…。 もし、老人ホームに入居すると決めたのであれば、老人ホームの紹介センターを利用するのもおすすめ。紹介センターではいろんな施設を紹介しているため、複数の施設を見比べるときに便利です。「いい介護 入居相談室」では、老人ホームに精通した入居相談員が一から老人ホーム探しをサポートします。施設探しをする場合は、ぜひご相談くださいね。 入院中に認知症になってしまったら、在宅介護、施設入居、転院の選択肢がある 認知症の症状などによっては、介護施設や転院を考える必要があることも 退院までに時間がない場合は、まずは入院先のケースワーカーに相談しよう pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; ...

2023/11/10

施設入居

老健はずっと入所できないって本当ですか?父親の在宅介護を続けるのが厳しいので、施設入居を考えています

父が半年ほど前に転倒して以来、歩くのが難しくなって今はほとんど寝たきりになってしまいました。トイレも行けなくなり、おむつです。 昼間はデイサービスや訪問介護を利用しているので大丈夫なのですが、夜中のおむつ交換は私がしないといけないので常に寝不足…。体力的にきついので、介護施設への入居を考えています。 自宅のすぐ近くに介護老人保健施設(老健)があるので、そこに入居させたいと思っているのですが、老健はずっと入所していられないと友人に聞きました。本当ですか? (河合さん・会社員・60歳) そうなんです。老健は終身利用を目的とした施設ではないため、ずっと入所できません。老健では、3~6ヵ月ごとに心身の状態の審査がおこなわれ、問題なければ退所となります。老健を退所した後は、「自宅に戻る」「他の施設に入る」「入院」という選択肢があります。ですが、長期入居を希望しているのであれば、始めから長期入居ができる有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの施設を検討してはいかがでしょうか? 老健はずっと入所できないって本当? 父が半年ほど前に転倒して以来、脚を痛めてどんどん歩けなくなり、今はほとんど寝たきりになってしまいました。昼間はデイサービスや訪問介護を使っているので良いんですが、問題は夜間のおむつ交換なんです。夜中、私が起きておむつ交換を2回しています。私は仕事をしていますし、昼間の仕事に響いてしまって。体力的にきついんです。そのため、介護施設に入居させることを検討しています。自宅のすぐ近くに老健があるのでそこが一番良いかな、と思っているのですが…。友人から「老健はずっとは入っていられないよ」と言われて。老健は入所期間に定めがあるんでしょうか? そうなんです。老健は終身利用ではなく、在宅復帰を目的とした施設。そのため、3~6ヵ月で審査がおこなわれ、身体的に問題がないとされれば退所しなくてはなりません。 えぇ!そうなんですね。戻ってきて、在宅介護をするのは厳しいだろうな…。老健は終身利用できないってことなんですね? 老健のなかでもベッドの空きがあれば、年単位の長期的な入所を受け入れている場合もあります。ただ、これは施設の判断によるので、一概には言えないところですね…。 平均入所期間は10ヵ月程度 老健に入所していられるのは、3~6ヵ月程度ということで良いんでしょうか? 厚生労働省が2016年におこなった調査によると、老健の平均入所期間は約300日。10ヵ月程度だそうです。ただ、この退所した人がすべて自宅に戻ったかというとそうではなく、在宅復帰したのは3割ほど。退所した人の約半数は他の介護施設や医療機関に転院しています。つまり、ご自宅に戻れる状況ではなくても、退所をさせられるケースも多いということ。老健に入所する場合は、次の住まいについても考えておく必要があります。 参考:「介護給付費分科会 介護老人保健施設」(厚生労働省) 退所させられたらどうすれば良い? 父が老健に入所しても数ヵ月で戻ってこられたら困ります。また、自力でトイレに行けるくらいまで回復すれば良いんですが、父の年齢を考えると難しいでしょうし…。もし、老健を退所させられたらどうしたら良いんでしょうか? 老健を退所した後の選択肢としては、以下のようなものがあります。 自宅に戻る 他の介護施設に入る 入院 河合さんがおっしゃる通り、老健のリハビリによって再びご自宅で生活できるほど回復する場合もあります。その場合は、自宅に戻るケースが多いです。 父は転倒して脚を痛めてから歩くのを億劫がっていて…。リハビリもきちんと取り組めるかどうかわかりません。家には戻れない気がしています。 でしたら、他の介護施設に入るのがおすすめです。老健以外にも介護が必要な人向けの施設はありますから、終身利用できる施設に転居するのが良いと思いますよ。 長期入居できる施設は? 北野室長の話を聞いていて、父には老健はあまり合っていないような気がしてきました。リハビリをして自宅に戻るのも難しいでしょうし…。なので、最期まで面倒をみてもらえる介護施設を最初から探そうと思います。どんな施設であればずっと入っていられるんでしょうか? 終身利用できる主な介護施設は以下の2つです。 有料老人ホーム 特別養護老人ホーム 有料老人ホーム 有料老人ホームは、民間企業が運営している施設。「住宅型有料老人ホーム」と「介護付き有料老人ホーム」があり、介護の体制が充実しているのは介護付き有料老人ホームの方です。住宅型有料老人ホームでも、介護が必要な人の受け入れをしていますが、介護サービスを利用するには外部の介護サービス事業者と契約が必要。使った分だけ介護サービス費が追加されるので、介護が必要な回数が多い場合、料金が高額になる可能性があります。 じゃあ、ほとんど寝たきりの父の場合、住宅型有料老人ホームだと高額になってしまうかもしれないんですね。 おっしゃる通りです。対して、介護付き有料老人ホームは介護サービス費は要介護度に応じた定額制なので、介護サービスをたくさん使っても金額は据え置き。そのため、介護が頻繁に必要な場合は介護付き有料老人ホームの方がおすすめです。 料金が据え置きなのは助かるなあ。 特別養護老人ホーム 特別養護老人ホームは、社会福祉法人などが運営する公的な介護施設です。終身利用できるうえに、費用が安いのでかなり人気の施設なんです。ただ、人気なので入居の申し込みから入居まで数年待つこともあるのがネックなんです。 えぇ!?数年待つんですか!今すぐにでも入居したい状態なのに…。 なので、特別養護老人ホームに申し込みをしておいて他の介護施設に入居するのもひとつの手。特別養護老人ホームの待ち状況にもよりますが、ご自宅近くの老健に入所しておいたり、有料老人ホームなどの比較的に入りやすい施設に入居して順番待ちするのも良いんじゃないでしょうか。 そんな方法もあるんですね!でも、特別養護老人ホームの順番待ちの間だけの入居というと、入った施設に申し訳ない気が…。 いえいえ、施設側も特別養護老人ホームが人気でなかなか入居できないことを知っています。それに、意外と有料老人ホームなどに入居して特別養護老人ホームの空室待ちをする人は多いんです。いざ、特別養護老人ホームが空いて入居できるようになったときにスムーズに転居できるように、入居の段階で「特別養護老人ホームの入居順が来るまでの入居です」と正直に伝えた方が良いでしょう。後悔しない施設選びのために、まずは落ち着いて施設探しをしてくださいね。 平均的な老健の入所期間は10ヵ月程度 老健退所後は、自宅に戻る、他の施設に入る、入院といった選択肢がある 長期入居を希望するなら、はじめから長期入居できる施設を選ぶのがおすすめ pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } ...

2023/11/09

認知症 排泄 在宅介護

認知症の母親が汚れた下着をタンスに隠してしまいます。どうしたら止めさせられますか?

認知症の母が失禁して汚れた下着やズボンを隠すのを止めさせたいんです。どうしたら良いでしょうか? タンスの奥や畳と布団の間に隠すので、他の服や畳、布団までも汚れてしまいます。洗濯物は増えるし、家中においがするし…本当に困っています。 (渋谷さん・パート・66歳) 洗濯物が増えたりにおいがするのは困りますね…。まずは失禁対策をして失禁の回数を減らすことから始めてみましょう。あわせて、汚れた下着類を入れるためのカゴなどを用意して、ご自分で汚れた衣類を片付けられるようにすると、隠すことが減るかもしれません。認知症の人が汚れた下着を隠すのは、失禁をしたことが恥ずかしくて隠したいという気持ちがあることが多いです。そうした気持ちを尊重しながら、対策をとっていけると良いですね。 認知症の親が汚れた下着を隠す!どうしたら良い? 認知症の母親が失禁して汚れた下着やズボンなどを隠すんです。すぐに洗濯できないから、汚れが落ちないし、家の中ににおいがこもってしまって困っています。それに、タンスの奥や畳と布団の間に隠すので、他の衣類に汚れが付いたり、畳や布団がシミになってしまって…。 それは大変ですね!洗濯物が増えたり掃除しないといけないから、渋谷さんの負担も増えるのではないですか? そうなんです!何度も「おもらしして汚れた服は隠さないで」と叱っているんですが、認知症のせいですぐ忘れてしまうんです。 渋谷さん。お母様が汚れた衣類を隠したときに、叱ったり責めたりするのはNGな対応なんです。 えっ、そうなんですか!?なぜですか? 認知症の人が失禁して汚れた衣類を隠すのは、「失禁したことを隠したい」という気持ちからであることが多いんです。誰しも失禁することは恥ずかしいと感じますから。そのため、叱ってしまうとお母様の自尊心を傷つけてしまう可能性があるんです。 なるほど…。では、どう対応したら良いんでしょうか? 汚れた衣類を見つけても責めずに回収しましょう。出かけていたり別の部屋にいたりと、ご本人に見られていないタイミングだと自尊心を傷つけずに衣類を回収できるでしょう。また、お母様が汚れた下着やズボンを隠すことを減らすために、以下のような方法も有効かもしれません。 失禁予防をする 洗濯物入れを設置する 失禁予防をする そもそもの失禁の回数を減らすことも大切。そうすれば、洗濯物が増えなくて済みますし、お母様がおひとりでトイレに行けるなら渋谷さんの負担も少なくなりますよね。 確かにそうですね。母は1人でトイレに行ってはいるんですが、最近になって間に合わなくて失禁してしまっているようなんです。 そうだったんですね。失禁の予防策には以下のようなものがあります。いくつか試してみたら効果があるかもしれません。 トイレに行きたい合図を見つける トイレをわかりやすくする 着脱しやすい服にする トイレの使い方を確認する 紙パンツ・パッドを活用する 失禁を予防する方法については、については、以下のご質問でも詳しくお話ししています。参考にしてください。 洗濯物入れを設置する 下着やズボンが汚れたらすぐに入れられるように、「洗濯物入れ」を作るのはどうでしょうか。カゴでも箱でもかまいません。設置しておけばその中に汚れた衣類を入れてくれるかもしれません。 そんなに上手くいくかな…。 もちろん、設置してすぐに汚れた衣類を毎回入れてもらえるとは限りません。特に認知症の人は新しいことを覚えるのが苦手になっているので、何度も「汚れた服はこの中に入れて」と説明する必要があるでしょう。それと、洗濯物入れに「洗濯物はこの中に」などの貼り紙をしてわかりやすくしておくのも大切です。また、タンスや布団の下など、汚れた衣類を隠す場所が決まっているのであれば、その近くに洗濯物入れを置いておくと、よりお母様が入れやすくなるでしょう。 親が汚れた下着を隠す理由は? そもそも、母はなんで汚れた下着やズボンを隠すんでしょう?すぐに渡してくれれば、洗濯で汚れが落ちやすいのに…。 先ほどもお話ししたように、失禁したことを隠したいという気持ちがあるんでしょうね…。それも含めて、汚れた衣類を隠すのには以下のような理由があると考えられます。 失禁したことを隠したい あとで洗おうと思って忘れた 汚れた下着の処理の仕方がわからない 失禁は誰しも恥ずかしいと感じることでしょう。それは、認知症になってからも同じです。お母様は「恥ずかしい」「情けない」と感じていて、失禁したことを隠したいと考えて隠しているのかもしれません。 汚れた下着のことを聞くと、母は「おもらしなんてしていない!」と嘘をつくんです。それも失禁したことを隠したいからなんでしょうか? そうかもしれません。もしくは、認知症の影響で失禁したこと自体を忘れてしまっている可能性もあります。 確かに。最近、母の物忘れがさらにひどくなったような気がするので、失禁したのをすっかり忘れているのかも…。 それに、認知症による物忘れのせいで、「汚れた下着を洗おうとして置いておいたけど忘れてしまった」ということもあり得そうです。それに、認知症の影響で作業の手順などを忘れてしまうことがありますから、「汚れた下着を洗いたいけどどうしたら良いかわからない」という状況もあり得るでしょう。 なるほど…。汚れた下着を洗いたい気持ちはあるけど、認知症のせいでできなかった、というわけですね。 おっしゃる通りです。お母様は、汚れた衣類を隠したくて隠しているわけではありません。なので、お母様を責めず、衣類を隠さなくても良い環境を整えていきましょう。それに、今回お伝えした方法でお母様が汚れた衣類を隠すのを100%予防できるとは限りません。「汚れた衣類が隠されているのが減ったら良いな」というくらい、肩の力を抜いて対応してくださいね。 汚れた下着を隠すときは失禁の予防をしたり、汚れた衣類を入れる箱などを作って予防しよう 汚れた下着を隠すのは、失禁の恥ずかしさ、洗い方がわからないのが理由かも pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: ...

2023/11/08

在宅介護 介護疲れ

両親の介護と孫の世話で疲れた!離婚して戻ってきた娘と孫の世話が増えて体力的にきつい…

実家の両親の介護に加えて孫の世話まで増えてしまって体力的にきついです。負担を減らす何か良い方法はないでしょうか? 以前から認知症の母の介護と家事をするために週に2回ほど帰省しています。それに加えて、最近、娘が離婚して孫を連れて戻ってきました。娘はフルタイムで働いていますが、保育園に落ちたので昼間の孫の世話も私がしないといけません。 孫は3歳ということもあってやんちゃざかり。家の中を駆けまわったりいたずらしたり…もう、体力がもちません…。 (小野寺さん・主婦・65歳) ご両親の介護に加えて、お孫さんの世話まで…。本当に大変ですね。もし、まだ介護サービスを利用していないようでしたら、積極的に利用しましょう。また、介護やお孫さんの世話が重なって、そのせいで小野寺さんが体調を崩してしまう可能性もあります。そのため、まずはもう少し負担が少なくなるように娘さんに相談しましょう。また、誰かに話を聞いてもらったりストレス発散方法を見つけたり、介護疲れやお孫さんの世話疲れで小野寺さんが倒れてしまう前に手を打ちましょう! 介護の負担が減る方法を知ろう 父と認知症の母が車で30分ほどの実家で二人暮らしをしており、週に2回ほど通って母の介護と家事をしています。つい最近、娘が離婚して孫を連れて戻ってきました。娘はフルタイムで働いているものの、孫を保育園に入れられず、私が孫の面倒も見ることになったのは良いのですが…。3歳のやんちゃざかりの孫は、家の中を走り回ったり私の目の届かないところでいたずらをしたり…。私も年ですし、体力がもちません。負担を減らせる良い方法はないでしょうか? それは大変な状況ですね…。私がお話しできるのは介護についてなので、ご両親の介護が軽くなる方法をお伝えします。介護の負担を軽減するサービスには、主に「介護保険サービス」「介護保険外サービス」の2つがあります。 介護保険サービス 介護保険サービスは、要介護認定で要支援・要介護と判定された方が対象のサービス。介護保険が適用されるため、所得に応じて1~3割の費用負担で済むのが特徴です。介護保険サービスのなかでも、サービスを受ける場所によって「在宅介護サービス」「介護施設」の2つの選択肢があります。 在宅介護サービス 在宅介護サービスって、家にヘルパーさんが来てくれるサービスのことですよね?それは聞いたことがあります。 そうです。ご自宅にヘルパーさんが来てくれて介護サービスを提供してくれるのは、「訪問介護」というサービスです。訪問介護も含めて、在宅介護サービスには以下のようなものがあります。 訪問介護 訪問入浴 デイサービス ショートステイ 父も母も介護保険サービスを利用していなかったので、どんなサービスがあるのか全く知りませんでした。 例えば、訪問介護を使えば、お母様の分の家事はヘルパーさんにお願いできます。ちなみに、訪問介護でお願いできるのは要介護認定を受けている人の分だけ。お父様も要介護認定を取っているのであれば、お父様の分もお願いできますよ。 母は要介護2なのですが、父は要介護認定を受けていないんですよね。でも、母の分だけでも家事をしてもらえるなら助かります。 老人ホーム 老人ホームに入居することも、介護の負担を減らすひとつの方法です。主な老人ホームには以下のようなものがあります。 有料老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅 グループホーム 特別養護老人ホーム 介護老人保健施設 老人ホームか…。まだなんとか2人で暮らしていますし、全然考えたことがなかったです。 そうですよね。本格的に介護が必要になってから、施設入居を検討するケースが大半だと思います。ただ、費用が安くて終身利用ができるので人気のある特別養護老人ホームは、入居の申し込みをしてから入居するまで数年待つこともあります。「すぐに施設に入りたい」と思っても、すぐには入れないのが実情なんです。 えぇ!?何年も待たないといけないんですか! なので、早め早めに施設探しをするのが大切。特に介護とお孫さんの世話を並行している小野寺さんの場合、ご両親の介護が本格化してからでは忙しくて施設探しをする余裕がなくなるかもしれません。 言われてみればそうですね…。もし、母の介護が本格的に始まったら、孫の面倒を見ながら施設探しなんてできそうにないです。 なので、今すぐには入居しないとしても老人ホームの情報集めだけでも始めることをおすすめします。 介護保険外サービス 「介護保険外サービス」って何ですか?聞いたことがないです。 介護保険外サービスは、その名の通り、介護保険が適用されないサービスです。例えば、介護保険サービスの訪問介護が要介護認定を受けている人の分しか家事ができなかったのに対して、介護保険外サービスの訪問介護は、要介護認定を受けていない人の分や長時間の家事も依頼できます。つまり介護保険サービスでは、お父様とお母様の2人分の家事は依頼できませんが、介護保険外サービスなら依頼できるんです。 それは便利ですね!実家に帰るときは、母の介護というより家事を片付けるのがメインなので、家事をやってもらえるだけでも助かります。でも、長時間の家事をお願いするとなると、かなりお金がかかるんじゃないですか? おっしゃる通りです。介護保険外サービスは介護保険が適用されないため、全額自己負担。介護保険サービスの訪問介護で家事を依頼するよりも、かなり費用がかかるので要注意です。 介護疲れ・孫の世話疲れで限界になる前に 私も65歳ですし、両親の介護に加えて孫の世話も重なって、体力的にも精神的にもかなりしんどいです。北野室長に教えてもらった方法で負担が少なくなれば良いんですが…。 そうですよね。介護疲れとお孫さんの世話疲れで小野寺さんが体調を崩さないように、以下のような方法をとっておくことをおすすめします。 話を聞いてもらう ストレス発散方法を見つける 話を聞いてもらう しんどいときに誰かに話を聞いてもらうだけでも気持ちが楽になりますよね。なので、周囲に話せる人がいれば、話を聞いてもらいましょう。 と言われても、なかなか相談できる相手がいないんですよね…。 でしたら、以下のような相談先はどうでしょうか? 家族の会 ケアマネジャー かかりつけ医 役所、地域包括支援センター 「家族の会」とは、主に認知症のご本人やそのご家族による団体です。介護の愚痴や悩みを聞いてもらえますし、長年、介護をしている人や専門家からアドバイスをもらえることもありますよ。また、ケアマネジャーさんやかかりつけ医、役所や地域包括支援センターに相談すれば、各専門家から適切なアドバイスがもらえるでしょう。悩みの解決に具体的に動いてもらうこともできますよ。 ストレス発散方法を見つける ストレスが溜まっているときは、自分なりの発散方法を見つけることも大切。介護や家事で忙しいと時間に追われてしまいますが、自分の時間を確保して、趣味の時間を作るんです。 うーん…。忙しくて自分の時間なんて作れませんよ。 そうですよね…。そういうときは、介護サービスを積極的に活用して小野寺さんの負担を減らしましょう!小野寺さんが自分の時間を確保するために、介護サービスを利用するんです。できた時間で、趣味の活動をしたり体を動かしたり…。小野寺さんのストレス発散にも時間を使っていきましょう! 子供と話をしっかりしよう ここまで、主に介護の負担を減らす方法についてお話ししてきました。ですが、やはりお孫さんの世話の負担も大きい以上、娘さんときちんとコミュニケーションを取ることも大切です。 そうですよね…。娘が仕事から帰ってくるのが遅かったり、私がバタバタしていたりして娘と話す時間が取れていなかったです。 お子さんというのは、親御さんがいつまでも元気でいると思っているもの。若い頃と同じように頼ってくることも多いでしょう。親御さんとしても頼られるのが嬉しい反面、体力的にすべてに応えるのが難しい場面が増えてくると思います。なので、素直に今の状況を娘さんに伝えましょう。娘さんの方でもお孫さんのお世話の負担が減るように取り計らってくれるかもしれません。ご両親の介護もお孫さんのお世話も、どちらも小野寺さんが倒れてしまっては成り立ちません。まずは、小野寺さんの負担を減らせるように対策をとっていきましょう。 負担を減らすために、介護サービスなどを上手く活用しよう 友人や知人に話したり、家族の会などで話を聞いてもらうだけでも気持ちが楽になるかも 孫の世話について、自分の素直な気持ちを素直に話そう pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: ...

2023/11/07

認知症 在宅介護

認知症の母親がいつもおもらしを…。おもらしをしなくなる方法はありませんか?

同居している認知症の母が、おもらしを頻繁にするようになってしまいました。少し前までは自分でトイレに行けていたのに…。 どうしたら母がおもらしをしないようにする方法はありますか? (関根さん・パート・60歳) おもらしを予防する方法には、お母様のトイレの合図を見つけてトイレ誘導をする、トイレに貼り紙をしてわかりやすくする、トイレの使い方をわかりやすくする、といったものがあります。ただ、こうした予防方法を実施しても、すぐには失禁はなくならないでしょう。失禁をしてしまったときに怒ったり責めるような言い方をするのはNG。ストレスや羞恥心などから、認知症の症状が進行してしまうおそれがあるからです。また、床にビニールのシートを敷いておくと失禁してしまったときにかなり掃除がしやすくなると思いますよ。 認知症の親がおもらしを…。予防法はある? 同居する認知症の母を介護しています。最近、母がトイレに間に合わず、おもらししてしまうようになりました。少し前は自分でできていたのに…。その度に床の掃除や洗濯物が増えて本当に大変で…。においがなかなか取れなくて、家中におしっこのにおいがするようになってしまいました。母がおもらしをしなくなる方法ってありますか? ご家族が失禁されるとショックも大きいですし、掃除などの後片付けが大変ですよね…。失禁が100%なくなるとは言えませんが、以下の方法を実践すれば頻度が減るかもしれません。 トイレに行きたい合図を見つける トイレをわかりやすくする 着脱しやすい服にする トイレの使い方を確認する 紙パンツ・パッドを活用する トイレに行きたい合図を見つける 認知症が進行した影響で「トイレに行きたいのに、トイレに行きたいことがわからない」という状況になっている可能性が考えられます。認知症がなければ、尿意をもよおしたら「排泄がしたいんだな」と理解してトイレに向かいますが、認知症になると尿意をもよおしても、それが”トイレに行きたい”という体からのサインであることがわからなくなってしまうんです。 つまり、「尿意があってもトイレに行かなくて、おもらししてしまう」ということですか? その通りです!ただ、ご本人が尿意を理解していなくても、そわそわしたりもじもじしたり、普段と様子が変わることがあります。そのため、いつもと違う様子があったら「トイレに行こうか」と誘導してみてください。また、トイレに行く時間がある程度決まっているようでしたら、毎日同じ時間帯にトイレに誘導するのもおもらしの予防につながるでしょう。 トイレにわかりやすい貼り紙をする 認知症の影響で、トイレがどこかわからなくなってしまった可能性も考えられます。 最近まで、自分でトイレに行けていたのにですか? はい。認知症が進行すると、それまでできていたことやわかっていたことがわからなくなってしまうことがあるんです。なので、トイレのドアに「トイレ」「便所」「お手洗い」と大きく書いた紙を貼ってみましょう。もし、トイレの場所がわからなくて迷っているうちに我慢できなくなって失禁をしてしまっているのであれば、効果があると思いますよ。 そういえば、この間は母が廊下をうろうろしているときにおもらししていました。もしかしたら、トイレの場所がわからなくて迷っていたのかも…。 トイレの使い方を確認する そうなんです。認知症の中には、今までできていた動作ができなくなる「失行」と言う症状があります。体の機能的には問題がないのに、道具の使い方や作業の一連の流れがわからなくなってしまうんです。なので、「便座のふたを上げる」「便座に座る」「排泄後にレバーで水を流す」といった、トイレの一連の流れを確認しましょう。 今まで当たり前にできていたことなのに…。急にできなくなることがあるんですね。 そうなんです。一度では思い出せないことも多いですから、トイレの使い方を練習するつもりで何度も説明して声掛けをしましょう。 着脱しやすい服にする ご高齢になると、指先が上手く動かなかったり力が弱くなることでトイレの際のズボンの上げ下ろしに時間がかかり、トイレに間に合わないことがあります。なので、ボタンとチャックのジーパンからウエストがゴムのズボンや、服の生地自体が伸縮するようなズボンなど、着脱のしやすい服に変えましょう。それだけでも、誰かの手を借りずにご自分だけでトイレに行けるようになることがありますよ。 紙パンツ・パッドを活用する 現在、お母様が普通の布のパンツを使用している場合、紙パンツや尿とりパッドを使うと失禁して下着や衣服を汚す頻度が下がるでしょう。 紙パンツっておむつみたいなものですよね?それを母が利用してくれるかどうか…。 いえいえ、おむつではなく下着感覚で使える紙パンツです。使い捨ての下着として渡すと意外とすんなりと利用してくれることがありますよ。もし、紙パンツを利用したがらない場合、尿とりパッドを今使っている布パンツの上に重ねて使うのでも効果があるでしょう。 なるほど…。確かに紙パンツや尿とりパッドを使うだけでも、おもらしして床や下着、ズボンを汚すことは減りそうですね。 おそらく、紙パンツでも尿とりパッドでも慣れないうちは、抵抗感があるでしょう。でも、トイレのわかりやすいところに置いておくなど、徐々に紙パンツや尿とりパッドに慣れるような工夫をしていくことが大切です。 認知症の親がおもらししてしまったときは ここまで、お母様の失禁を予防する方法をお伝えしました。もし、お伝えした方法を試しても、すぐに失禁がゼロにはならないと思います。新しいやり方に慣れるまでには失禁してしまうこともあるでしょう。失禁してしまったときに、「またおもらししたの!?」と怒ったりお母様を責めるような声掛けはNGです。 あぁ、言ってしまっています…。 失禁はショックが大きく、自尊心が傷つく出来事です。そのときに、怒ったりするとさらに自尊心を傷つけてしまいます。そのため、お母様が失禁してしまったときは冷静に優しく対応することを心がけてくださいね。 掃除しやすい工夫を 毎日のように母のおもらしで汚れた床の掃除が大変なんです。特に母の部屋が和室で、畳は尿で汚れるとなかなかにおいが取れないですし…。 でしたら、床や畳の上にビニールシートを敷いてみるのはどうですか?汚れをはじきますから、水拭きだけで済みますよ。 それは良いですね! フローリングのようなデザインで滑りにくい材質でできたフローリングカーペットもあります。畳は滑りやすいので転倒防止にもなると思いますよ。お母様の失禁はご家族にとってとてもショックなことですし、掃除や洗濯などの負担が増えてより大変になると思います。だからこそ、お母様が失禁してしまう理由をよく理解して失禁を予防していきましょう! トイレの場所をわかりやすくする、着脱しやすい服にするなどの予防を おもらししてしまっても、怒ったり責めるような言い方はNG おもらししても掃除をしやすい工夫で、介護を楽に pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } ...

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