在宅介護を続けたいのですが、介護の負担が大きくて大変です。何か良い方法はあるでしょうか

在宅介護を続けたいのですが、介護の負担が大きくて大変です。何か良い方法はあるでしょうか

更新日 2024/03/18
最近、母の認知症の症状が悪化していて介護が大変です。昼間はデイサービス訪問介護を使っているものの、それ以外の母がひとりになる時間帯に何か起きてしまったら…と不安を感じています。また、私が仕事で急に家を空けることがあるのですが、ショートステイの予約が取れないことがあり、母をひとりにさせてしまうのも心配です。
(青木さん・会社員・58歳)

それはとても不安な状況ですね。青木さんのような状況であれば、もしかしたら「小規模多機能型居宅介護」サービスを利用するのも良いかもしれません。これは、訪問介護・デイサービス・ショートステイがひとつになったもの。同じ事業所ですべてのサービスを提供しているので、「デイサービスの後にそのままショートステイ」という柔軟な使い方もできますよ。

小規模多機能型居宅介護はどんなサービス?

最近、母の認知症が進行していまして。ひとりで出かけて帰り道がわからなくなって警察に保護されたこともあります。母が外出していたら近所の人が自宅まで送り届けてくれたりするので、今のところ何事もないんですが、もし事故にあったらと心配です。私は仕事で日中は家にいないですし…。

老人ホームに入れることも考えたのですが、「入りたくない」と母に拒否されてしまって。私もできれば自宅で介護をしたいとは思っているのですが…。

そうなんですね…。在宅介護を続けるのであれば、「小規模多機能型居宅介護(小規模多機能)」という介護サービスを利用してみるのはどうでしょうか?

なんですかそれは?初めて聞きました。

小規模多機能型居宅介護は、「通い・訪問・宿泊」の3つの介護サービスが1つになったものです。つまり、デイサービス・訪問介護・ショートステイのサービスが1ヵ所の介護事業所で受けられるということですね。

また、名前の通り小規模なうえ、事業所のある市区町村に住んでいる人限定のサービスなので、アットホームな雰囲気であることも特徴です。

小規模多機能型居宅介護のメリット

3つのサービスが1ヵ所の介護事業所で受けられる、と先ほど言っていましたが、それって何か良いことがあるんですか?別々の事業所で受けても変わらないと思いますが…。

いえいえ、いくつもメリットがあるんですよ。一番大きなメリットとしては、「柔軟に対応してもらえる」ということでしょうか。

例えば、「デイサービスからそのままショートステイを利用してお泊り」ということも可能です。さらに、「訪問介護で朝の準備をして、そのままデイサービスに行く」という対応もできたりするんですよ。

なるほど!そんな対応もしてもらえるんですね!

加えて、その人の生活や体調、ご家庭の事情に合わせた柔軟な対応もしてもらえます。

例えば、認知症の影響で気持ちが不安定になっているときには、訪問介護でご自宅での見守りをしたり。それがご家族では対応しきれないほどの状態であれば、ショートステイに泊まって気持ちを落ち着ける、なんてこともできるんです。

急にショートステイでお泊りができるんですね!今、利用しているショートステイが、なかなか予約が取れないので、急な出張のときに利用できないんですよね。

そうなんですね。小規模多機能では、ショートステイの利用人数に空きがあれば急な利用でも対応しているところが多いですよ。24時間365日対応しているので、急に「仕事で帰りが遅くなる」というときも相談ができるのがうれしいところです。

それは助かるなぁ。

あと、すべてのサービスを同じ介護職員さんが提供するので、顔なじみの人に対応してもらえるのも良いですね。環境の変化に敏感な人の場合、安心しやすいんじゃないでしょうか。

それは、私にとっても良いかもしれないです。どの介護職員さんがどのサービスの人だったか、わからなくなってしまうことがあるので(笑)。

いろんなサービスを使っているとそうなりますよね!

それに、3つの介護サービスの契約が1度で済むのもメリットかもしれません。それぞれのサービスでその都度、面談や見学、申し込み、契約といったことをしなければいけませんが、小規模多機能にすれば、それが1回になりますから。

確かに、いくつものサービスを契約するのは手間でした…。

あと、これは費用面でのメリットですが、小規模多機能は月額定額制なんです。それに、サービスの利用回数に制限はありません。なのでサービスを何回使っても良いし、金額が変わらないんです。

そうなんですか!?ちょうど、介護サービスの量を増やそうかと思っていたので、とてもうれしいですね。

小規模多機能型居宅介護のデメリット

小規模多機能にはメリットがたくさんありますが、もちろんデメリットもあります。

まずは、定員数に上限があること。小規模多機能は1つの事業所につき、登録定員数は29人以下、デイサービスは15人以下、ショートステイは9人以下、と決められています。これを超えるとどのサービスも利用ができないんです。

サービスを何回でも利用できるといっても、やっぱり制限はありますよね。

あとは、小規模多機能と併用できない介護サービスがある点は要注意ですね。以下に、併用できるサービスとできないサービスをまとめました。

併用可能なサービス

併用可能なサービス
併用不可能なサービス

併用ができないサービスは、小規模多機能に含まれているので同時に利用できないんですね。対して、訪問看護や福祉用具貸与などのサービスは、小規模多機能で提供していないので併用ができるんです。

なるほど。では、今、利用しているデイサービスなどは解約しなくちゃいけないんですね?

そうなりますね。と、同時に、ケアマネジャーさんの変更も必要です。小規模多機能には専属のケアマネジャーさんがいますので、そちらに変えなければいけないんです。

またイチから信頼関係を作らないといけないとなると、少し大変ですよね。

ケアマネジャーさんも変えるのか…。

また、3つのサービスが1つにまとまっていることのデメリットも。というのは、サービスを一部だけ変えることができないんです。

例えば、「デイサービスの内容に不満があるから、別の事業所に変える」といったことはできないので注意してくださいね。

小規模多機能型居宅介護の費用

最後に、小規模多機能の月額の費用をお伝えしますね。先ほど言った通り、小規模多機能の費用は月額定額制ですので、サービスの利用回数ではなく介護度によって金額が決まるんです。

各介護度の料金は次の通りです。

要支援13,418円
要支援26,908円
要介護110,364円
要介護215,232円
要介護322,157円
要介護424,454円
要介護526,964円

出典:「小規模多機能型居宅介護」(厚生労働省)

月額定額制といっても、サービスが充実している小規模多機能では、その内容によって費用が追加されます。介護職員や看護職員の数が多かったり、訪問サービスに力を入れている場合など、その事業所によって追加金額が異なるので事前に確認しておいてくださいね。

  • 通い・訪問・宿泊を1つの事業所で利用できる
  • 複数のサービスを同じスタッフから受けられる
  • 月額定額制で回数制限がないので、たくさん使っても費用は増えない
  • 併用できないサービスがある点に要注意

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