中心静脈栄養の人を受け入れている介護施設はあります。ただ、看護師が24時間常駐していたり、訪問看護ステーションと常に連携している施設などに限られます。
また、看護師さんの人員状況などによっては医療体制が充実していても受け入れを断られることもありますので、事前に施設によく確認しておきましょう。
先日、母が中心静脈栄養の手術をして入院しています。退院後はできれば老人ホームに入居させたいと思っているのですが、中心静脈栄養をしていても老人ホームでは受け入れてくれるのでしょうか?
はい、施設の数は限られますが、中心静脈栄養の受け入れ可能な施設はありますよ!
よかった!受け入れてもらえるんですね。
でも、何で中心静脈栄養の受け入れができる施設は限られるんですか?
医療サポートが充実している施設でないと対応できないからです。
中心静脈栄養というのは、鎖骨の下などの太い静脈から管を入れて栄養剤や水分などを投与する点滴の方法です。「TPN」や「IVH」と呼ばれることもあります。体内に管が入っているため、日常的に医療的なケアが必要なんです。
医療サポートが充実している施設でないと、中心静脈栄養の受け入れができないとのことですが、具体的にはどんな施設なら入居できるんでしょう?
できれば、看護師さんが24時間常駐している施設が良いですね。そうすれば、夜間に体調に急変があってもすぐに対応ができますから。もしくは、訪問看護ステーションと連携していてすぐに看護師さんが駆けつけられるようになっていれば安心です。
へー、そういうことなんですね。
ちなみに、医療体制が整っている主な施設には以下のようなものがあります。
ただ、老人保健施設はリハビリをして在宅復帰を目的とした施設なので、入居期間は3~6ヵ月と期間限定であることが多いです。なので、長期的な入居先であれば「介護医療院」「有料老人ホーム」をおすすめします。
その「介護医療院」「有料老人ホーム」というのはどんな施設ですか?
まず介護医療院は、日常的に医療ケアが必要な人向けの公的施設です。医師や看護師が常駐しており、医療サポートが充実しています。
ただ、介護医療院はカーテンや家具などで仕切られた多床室が多く、プライバシーの確保がしにくいというデメリットがあります。
なるほど…。それで有料老人ホームは?
有料老人ホームは、民間企業が運営している老人ホームです。施設によっては、看護師が基準よりも多く配置されていたり、夜間帯も常駐しているところもあります。
ただ、施設ごとに人員配置や医療処置の必要な人の受け入れ状況はまちまち。そのため、施設ごとに受け入れ状況を確認する必要があります。
有料老人ホームは、施設ごとにケア体制がかなり違うんですね。
そうなんです。それに、看護師さんの人員によっては受け入れを断られることもあります。なので、老人ホームの1件1件に問い合わせする必要があるんです。
忙しいとそうした施設探しが大変だと思います。なので、「施設探しが手間だな」と感じたら「いい介護 入居相談室」にご相談ください。渡部さんの代わりに入居相談員が各施設に受け入れ状況の問い合わせをいたします!
中心静脈栄養をしている人が介護施設に入るのはハードルがあるんですね…。
そうですね。中心静脈栄養は体内に管が入っている状態なので、気をつけることがたくさんあり、医療の専門家の支援が必要なってしまうんですね。でも、もちろん中心静脈栄養であることのメリットもあります!
ここからは、改めて中心静脈栄養のメリットとデメリットについてお話ししますね。
中心静脈栄養の主なメリットには、以下のようなものがあります。
中心静脈栄養は、栄養剤や薬を血液に直接流し込みます。なので、確実に栄養が摂取できるんです。
それに、手首などの血管を使う「末梢静脈栄養」では、血管が詰まってしまうため粘度の高い高カロリーの栄養剤が使用できませんが、中心静脈栄養では太い血管に流すため高カロリーの栄養剤も使用できます。
つまり、口から栄養摂取できない状態でも、まとまったカロリーを確実に摂取できるというわけです。
そういうメリットがあったんですね。
それに、管を体内に入れる手術をした後、数ヵ月~1年以上にわたってそのままカテーテルを使用できるのも利点です。
また、管の挿入部に消毒や保護フィルムを貼れば、入浴や外出も可能です。中心静脈栄養をしているとしても、お風呂やお出かけは楽しみたいですもんね。
中心静脈栄養のデメリットとは何でしょうか?
中心静脈栄養のデメリットは、以下のようなものがあります。
中心静脈栄養で注意するべきことは、合併症と感染症のリスクです。
この合併症とは、血管内に血栓ができる「血栓症」、栄養剤の影響で中性脂肪が高くなる「高脂血症」などが挙げられます。
そうだったんですね…。
また、管の挿入部からの感染症も要注意です。
介護施設では看護師さんが適切に対応してくれるので安心ですが、身体に”管”という異物が入っているわけですから、体調の変化に注意が必要なんですね。
病院では在宅介護の選択肢もあると話がありましたが、やっぱり自宅では適切に処置できる気がしませんね…。
また、管自体の扱いについても注意が必要です。
もし、管が曲がってしまうと栄養剤が詰まって体内に流れません。それに、認知症の人が中心静脈栄養をする場合、自分で管を抜いてしまう自己抜去にも注意が必要です。
そうなんですね!母は認知症です。今のところ、自分で管を抜いている様子はありませんが…。
それならよかったです!
もちろん、介護施設にいる看護師さんは中心静脈栄養のメリットやデメリットについてもよく把握しています。それに、注意が必要な点も理解したうえで適切に処置してくれるので、過剰な心配は必要ないでしょう。
ただ、お母様が中心静脈栄養をおこないながら生活していくうえで、渡部さんも頭の片隅には入れておいてくださいね。
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