残念ながら、ほとんどの介護施設では身元保証人が必要です。というのも、万が一があったときの緊急連絡先や費用の支払いが滞ったときの支払い義務を負う人が必要だからです。
ただ、数は少ないですが中には保証人が必要でない老人ホームもあります。また、身元保証人や身元引受人を代行するサービスを提供する保証会社もあるので、そちらを検討してみるのはどうでしょうか?
年を取って一人暮らしに不安を感じるようになって、介護施設に入ろうかと考えています。特に毎日の家事は体力的にしんどいですし、物忘れも多くなってきて…。
ただ、この間、近所の老人ホームに問い合わせたら「身元保証人がいないと入居できない」と言われてしまって。私は身寄りがないですし、身元保証人を頼めるような友人もいません。老人ホームって身元保証人がいないと入居できないものなんですか?
そうなんです。入居の際に身元保証人を必要としている施設が大半なのが実情なんです…。
古いデータになってしまいますが、成年後見制度を広めるための活動をしている「成年後見センター・リーガルサポート」によると、以下のような調査結果が出ています。
えっ!?9割以上の施設で身元保証人が必要なんですね!
どうして身元保証人を立てる必要があるんですか?
”万が一”のときのことを考えて、入居時に身元保証人が必要なんです。例えば、身元保証人には以下のような役割があります。
ご高齢者の場合、体調が急変することが大いに考えられます。そのため、怪我や体調不良などで救急搬送されたときに身元保証人に連絡をします。
また、これは言いにくいことなんですが、老人ホームで亡くなったときの身柄の引き取りも身元保証人がおこないます。あわせて、退去手続きや居室の私物の引き取りなども身元保証人の役割です。
そうか…。この年齢になると、いつ何があるかわからないからなぁ。
うーん。このところ物忘れがひどくなっているから、判断や手続きを誰かにお願いするのはそう遠い話でもないのかもしれないな…。
さらに、万が一、老人ホームの利用料などの支払いが滞ったときは身元保証人が債務を負います。
このように、万が一のときや毎日の生活の重要な手続きを代行する役割があるので、施設としても身元保証人を立てておいてほしいんです。
そういえば、身元保証人に似た名前のものに「身元保証人」っていうのがありますよね?何が違うんですか?
身元保証人は先ほどお話ししたように、万が一のときの連絡先やさまざまな手続きを代行するのが主な役割です。一方の身元引受人は、主に亡くなったときの手続きや身柄の引き取りをおこないます。
とはいえ、身元保証人と身元引受人をはっきりと区別していない施設が実は多いので、この2つの違いはそんなに気にしなくても問題ないでしょう。
そうなんですね!身元保証人と身元引受人の両方を立てる必要があるのかと思いました。
中には身元保証人と身元引受人を1人ずつ立てる必要がある施設もあります。そこは施設ごとにルールが異なるので、施設に問い合わせる必要がありますね。
老人ホームに入居するときに身元保証人が必要なのはよく理解しました。ということは、身寄りがなくて身元保証人を頼める人がいない私は、老人ホームには入居できないんでしょうか?
いえ、あきらめるのはまだ早いです!身元保証人がいなくても、なんとか老人ホームに入居するための方法はいくつかありますよ!
本当ですか!どんな方法ですか?
身元保証人がいなくても老人ホームに入居するには、以下のようなものがあります。
それぞれについて、詳しくお話ししていきますね。
一番はじめの「身元保証人サービスを利用する」という方法は、最も確実な方法と言えます。
というのも、身元保証人サービスはサービスを提供する保証会社にお金を支払うことで身元保証人の役割を代わりに確実におこなってくれるからです。
お金がかかるんですね…。そこまでゆとりがあるわけではないから、考えものだな…。
はい…。しかも、保証会社によってサービス内容や費用が異なります。
中には亡くなった後の手続きも代行するサービスを提供していることも。依頼したいことを細かく決められるのは良いですが、利用する場合はしっかり内容を確認したうえで契約をしてくださいね。
あれ、老人ホームに入るには、身元保証人が必要なんじゃなかったでしたっけ?リストに「身元保証人が不要の老人ホームを選ぶ」とありますが。
はい、ほとんどの施設では身元保証人が必要です。が、中には身元保証人を必要としない施設もあります。先ほどのグラフにもあった通り、たった1割だけと本当に数が少ないですが…。
身元保証人が不要の施設を探すのと同時に、「身元保証人相談可」としている施設も探してみましょう。「身元保証人相談可」の施設では、施設側が保証会社の紹介などのサポートをおこなっていることがありますから、自分で探すよりもスムーズに身元保証人サービスを利用できると思いますよ。
介護施設の中には、身元保証人ではなくて成年後見人でも可としている施設もありますから、そういう施設を探すのもアリかもしれません。
成年後見人って、何でしたっけ?
成年後見人とは認知症や障がいによって判断能力が低下した人に代わって、財産管理や生活にまつわる手続きなどをおこなう人のことです。
身元保証人の相談ができるか、成年後見人でも良いのかは完全に施設側が判断すること。なので、施設ごとに確認する必要があるんです。介護施設の一つひとつに確認するのが大変なときは「いい介護 入居相談室」にご連絡ください。身元保証人が不要な施設をご紹介することも可能ですよ。
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。