グループホームではプライバシーが確保されていますか?入居したらどんな生活を送るのかも知りたいです。

母は他人と共同生活をしたことがないので、自分だけの空間がないと入居を拒否するかもしれません。自分だけの空間があると良いのですが…。
(大谷さん・パート・60歳)
グループホームでは、ご入居の居室は基本的に一人部屋。つまり、プライバシーにも配慮された造りになっています。
一方で、ご入居者同士や介護職員さんとのコミュニケーションも重視。共有部のリビングに行けば、他のご入居者や介護職員さんとおしゃべりも可能です。ご入居者お一人おひとりのプライバシーと、コミュニケーションの両立をしているわけですね。
グループホームでプライバシーを確保できる?どんな生活をするの?
認知症の母を介護施設に入居させるか悩んでいます。というのも、3年前に認知症を発症して以来、症状が進行しており、今では数時間前に話したことも忘れてしまうほどです。
そういうこともあり、自宅の近くにあるグループホームへの入居を検討しています。ただ、グループホームではプライバシーは確保されているか気になっています。外から見る限り小さな建物だったので、自分だけのプライベートな空間はないのかな、と思いまして…。
いえ、グループホームは基本的にお一人部屋です。なので、プライベートな空間が確保されていますよ。
そうなんですね!母は、これまで誰かと共同生活をしたことがないので、自分だけの空間がないと嫌がるかなと思っていたのでよかったです。
ちなみに、グループホームでは他の入居者さんや介護職員さんとおしゃべりしたりする機会ってありますか?
はい、ありますよ!多くのグループホームでは、居室とは別にリビングなどの共有スペースを設けています。そのため、共有スペースに行けば他のご入居者や介護職員さんと交流できるような作りになっています。
それに、掃除や料理、洗濯などの家事はご入居者と介護職員さんが協力しておこなうので、自然とコミュニケーションを取れるのもグループホームの特徴です。
それはよかった!
最近は、母は家から出る機会がほとんどなくなり、コミュニケーションを取るのは家族だけだったんです。そのため、他の入居者さんと交流できるような施設を希望していたので、ぴったりな気がします。
グループホームでの生活は…
グループホームではどんな生活を送るのでしょうか?認知症の人がたくさん入居しているというのは、聞いたことがあるのですが…。
そうなんです。グループホームは、認知症の方、限定の施設。認知症の方が思い思いの生活を送っていますよ。
例えば、グループホームでは起床時間や就寝時間が定められていないことが多いです。他の介護施設では、朝になると介護職員さんが声掛けをしたり着替えの手伝いをするので、決められた時間に起きないといけないことがあります。
一方でグループホームでは、起床・就寝時間が決められていないので、タイミングはご本人次第。朝はゆっくり派の人も、ご自分の生活スタイルを崩さずに生活できるんです。
へー!そうなんですね。介護施設は、みんな1日のスケジュールが決められているのかと思っていました。
認知症の方は変化に敏感なので、なるべくご自分のタイミングを崩さずに生活できるように配慮されているんですね。
また、グループホームではユニットごとに生活をしており、1つのユニットは最大9名。少人数なのでアットホームな雰囲気です。それに、人数が少ないので他のご入居者や介護職員さんの顔を覚えやすいのも、認知症の方には暮らしやすいポイントなんです。
なんで、顔を覚えやすいのが暮らしやすいポイントなんですか?
認知症になると、新しいことを覚えるのが苦手になります。そこで大規模施設で生活すると、大人数が出入りするので認知症の人は周囲の人が覚えられず、毎日、見知らぬ人の中で暮らしているような感覚になり、不安を感じやすいんです。
対して、グループホームの少人数体制なら、毎日、顔を合わせているうちに顔見知りになりますから、それが安心感につながっていくんです。
なるほど…。母も人の顔を覚えられなくなっているようなので、もしかしたら少人数の施設の方が良いのかも。
また、グループホームの特徴のひとつに、家事をできるだけご入居者自身でおこなう点があります。有料老人ホームなど、他の介護施設では家事などは介護職員さんがおこないますが、グループホームでは介護職員さんとご入居者が協力しておこなうんです。
グループホームでは、できるだけご入居者の今ある力を残し、得意なことで活躍してもらうことを重視しています。なので、料理好きのご入居者には料理、きれい好きなご入居者には掃除、といった役割分担をしていることもありますよ。
もちろん、介護職員さんが近くでサポートして、安全を確保したうえでご入居者が家事をしています。
母は料理が得意な人でしたが、最近はまったく作らなくなりました。介護職員さんがサポートしてくれるなら、ぜひまた作ってほしいですね。
グループホームのケアの特徴は
グループホームについてあまり知りませんでしたが、北野室長の話を聞いておおまかに入居後の生活をイメージできました。
それはよかったです!
グループホームは他の介護施設と異なり、認知症の方だけが入居できる施設です。認知症の方には特別なケアが必要ですが、グループホームの職員さんは認知症ケアを得意としているので安心して任せられるのも特徴なんです。
特別なケアというと、どんなケアをしているんですか?
例えば、認知症の症状を進行させないためのリハビリを大切にしています。そのひとつが生活リハビリ。食事を用意したり掃除をしたり、服を着替えたり…といった日常的な動作すべてがリハビリになると考えて、できるだけご自身の力で作業をしてもらっています。
どうしてもご自宅で介護していると、時間がなかったり気持ちの余裕がなかったりで、お母様の作業に手を出さずに見守ることはできないかもしれません。でも、グループホームでは介護職員さんがご入居者自身の手を動かすのが重要なことを理解しているので、「できないことだけを手伝う」ケアを実施しています。
確かに、母は身支度に時間がかかるようになってしまって、全部、私が代わりにやってしまっていました。それは良くなかったんですね…。
お仕事や家事で忙しいと、余裕のある対応は難しいですよね。だからこそ、グループホームへの入居を検討していただきたいです。
それに、認知症は適切な対応をすることで症状の進行が緩和することも。でも、認知症の症状に配慮した対応はご自宅では難しいので、グループホームで認知症ケアのプロに任せるのも良いのではないでしょうか。
- 居室は一人部屋でプライベートな空間を確保している
- 1ユニット9名で生活。少人数ならではの密な交流ができる
- 介護職員が認知症ケアを得意としている安心感がある