認知症という理由だけで介護施設に入居を断られることはまずありませんよ!むしろ、ご入居者のほとんどが認知症である施設は珍しくないんです。
もし、入居のタイミングを迷っているようでしたら、「自宅で暮らし続けるのが不安かどうか」をひとつの判断基準にしてみてください。お母様が「一人で外出して帰って来れなくなった」という状態になったり、介護をしている早川さんの仕事や家事に影響が出ている状況でしたら、施設に入居することをおすすめします。
認知症の母を介護施設に入居させるかどうか迷っています。最近、使用済みの尿パッドの片付け方がわからなくなったのか、タンスの引き出しの奥にしまいこむようになってしまいました。なので、いつも部屋の中がひどい匂いがして…。
毎日のように私が通って介護しているのですが、匂いがひどいので行くのも気が滅入っています。でも、認知症だと老人ホームに入れたくても受け入れてくれないでしょうか?
そんなことはありませんよ!認知症というだけで、入居を断る老人ホームはほとんどありません。むしろ、ご入居者のほとんどが認知症の方、という施設も珍しくないんです。
そうなんですね!それなら良かったです。
でも、介護施設っていろいろありますよね?この間ネットで調べてみたら、たくさんありすぎてよくわからなくて…。
そうですよね。ひとくちに「介護施設」と言ってもたくさん種類があります。正直なところ、とてもややこしいです。
なので、認知症の方の受け入れができる主な介護施設を次にまとめてみました。
あ、「特別養護老人ホーム」は聞いたことがあります。友達のお母さんが入所していたような…。
特養は公的な介護施設ということもあり費用が安いので、比較的身近な介護施設かもしれません。
ただ、入所するにはいくつか条件があって「要介護3以上」の介護認定を受けている人でないと入れません。それでも費用が安くて終身利用ができる施設のため人気が高く、多くの特養は満室。入居まで1年以上待つ、なんてこともあるんです。
えっ!1年以上も待つんですか!?そんなに人気なんですね…。
はい。なので、すぐに介護施設に入居したい場合は、民間企業が運営している施設をおすすめします。
例えば、「有料老人ホーム」や「サービス付き高齢者向け住宅」。有料老人ホームには「住宅型有料老人ホーム」と「介護付き有料老人ホーム」の2種類あり、介護付きの方がより介護体制が充実しているのが特徴です。
介護付きであれば介護度が重くなっても対応ができます。もし、長期的に利用することを考えているのであれば、介護付きがおすすめです。
なるほど…。もうひとつの「サービス付き高齢者向け住宅」というのはどういう施設ですか?
サ高住は、基本的には介護の必要のない”自立”の人向けの施設。ただ、最近では訪問介護サービスの事業所やデイサービスを併設している施設もあり、介護が必要な人にも対応できるサ高住が増えています。
ただ、介護付き有料老人ホームが介護サービス費がどれだけ利用しても変わらない定額制であるのに対して、一部の例外を除いたほとんどのサ高住では介護サービス費は利用した分だけお金がかかります。なので、介護が必要な量が増えると介護サービス費がかさむため、常に介護が必要な人にはおすすめできません。
介護サービス費が定額制になっている「特定施設」のサ高住については、以前のご相談でお答えしています。こちらも参考にしてみてくださいね。
うーん…。このまま母の認知症が進んだら、介護の必要な量が増えると思うんですよね。となったら、介護付きの方が良いのかしら…。
もしくは、認知症を発症していてもお体が元気な方にぴったりな施設があります。それが、「グループホーム」です。
グループホームは、認知症の方限定の施設。要支援2以上でグループホームがある市区町村に住民票がないといけない、という入居条件はありますが、認知症ケアに特化しているので安心して生活できると思いますよ。
へぇ!認知症の人限定の施設があるんですね。他の施設と何が違うんですか?
具体的には、小規模であることがグループホームの一番の特徴ですね。
認知症の方は新しいことを覚えるのが苦手になります。なので、たくさんの人が出入りする環境では、常に見知らぬ顔に囲まれているような気持ちに。そのため、大型の介護施設では不安が大きくなってしまう可能性があります。
そこで、グループホームは少人数のユニット制を採用。1ユニット9名までしか入居できませんし、対応する介護職員さんもユニットごとの担当制なので、名前と顔がはっきり一致していなくても”なじみの顔”の中で生活できるわけです。
そういう配慮がされているんですね。確かに、母も新しいことを覚えることができなくなってきているので、そういう環境の方が良いのかもしれません。
それと、グループホームが他の介護施設と異なるのは、食事の支度や掃除、洗濯などの家事全般を自分でおこなうこと。もちろん、介護職員さんのサポートはありますが、できるだけご自分の手でできるように配慮されています。
というのも、調理をしたり掃除機をかけたりといった何気ない家事が認知症の進行緩和のためのリハビリになるから。生活すべてがリハビリになるので、一人ひとりが今できることや得意なことを生かして協力しながら生活しているんですね。
うちの母は手伝いがあれば身支度や簡単な家事ならできるので、ちょうど良いかもしれません。
介護のために母のところに通うのは大変なんですが、一人暮らしはできているし、まだ介護施設に入るには早いのかな、とも思っています。たぶん、母も「家にいたい」と言うと思いますし…。
どんな状況になったら、介護施設探しを始めたら良いでしょうか?
施設に入居するご本人やご家庭の状況によって異なるので一概には言えませんが…。「このまま自宅で暮らし続けられるか不安」と感じるかどうかが、介護施設に入居する時期の判断基準のひとつになると思います。
具体的には、認知症が進行して自宅での生活に支障が出ている場合です。「一人で外出して迷子になってしまう」「火事を起こしてしまう」など、誰かがついてないと危険だと感じたら施設に入居することを検討した方が良いでしょう。
一度、一人で外出して家に帰って来れなくなり、警察に保護されたことがあります。そのときは何事もなかったのですが…。それ以降、一人では出かけないように言い聞かせています。
そうだったんですね…。
もしくは、介護する人が「精神的・身体的にきつい」と感じたときも施設への入居をおすすめしています。例えば、介護に時間を取られて、睡眠時間が確保できなかったり仕事や家事に支障が出ているような場合です。
その状態が続くと、介護する人が体調を崩してしまうこともありえます。介護する人が倒れてしまえば、介護を受けている人と共倒れになってしまいかねません。介護をする人の体調を優先して、介護施設に入居することを考えてみてください。
北野室長の話を聞いていたら、早めに施設探しをした方が良いんじゃないかと思えてきました。
認知症のうちの母が入れる介護施設は、どうやって探したら良いんですか?
まずは、ケアマネジャーさんに相談してみましょう。特養の空室状況など地域の介護施設の情報を案内してくれることもありますし、お母様に合った施設を一緒に探してくれることもあります。
また、幅広く施設探しをしたい場合は、インターネットで情報収集するのも良いでしょう。地域や予算などの希望条件がはっきりしている場合は、ピンポイントで施設を探せます。
希望条件ですか…。まだ、介護施設がどういったものなのかもよくわかっていないので、はっきりしていないですね。
確かに、介護施設はいろいろとややこしいのでイメージしづらいと思います。なので、「どういった介護施設が合っているのか知りたい」という場合は、ぜひ「いい介護 入居相談室」にご相談ください。
介護施設を熟知した入居相談員が、お母様の状況やご希望を考慮してぴったりな施設をご案内しますよ。
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面など様々な方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。