ここ最近、父親の状態が悪くなっているので担当のケアマネジャーさんから区分変更を勧められています。ちょっと前のことを忘れたり、ふらついたりするようになってしまったので…。
ケアマネジャーさんによると、「要介護度が上がれば、利用できる在宅介護サービスの量が増える」とのことなんですが、要介護度が上がったらデメリットはないんでしょうか?
費用の負担が大きくなる可能性があります。
一部の在宅介護サービスは利用料が要介護度ごとに設定されており、要介護度が上がると利用回数が同じでも費用が高くなってしまうんです。
そうなんですね!
どんな在宅介護サービスが当てはまりますか?
要介護度によって利用料が上がる在宅介護サービスは以下のものです。
デイサービスも金額が上がるんですね。今、週2回通っているから痛手だな…。
他のサービスは、要介護度が上がっても料金が上がらないんですか?
はい。先ほどの在宅介護サービス以外のサービスは、要介護度によって1回あたりの金額が変わることはありません。
具体的には、以下の在宅介護サービスが要介護が変わっても金額の変更がないものです。
要介護度が上がることでデメリットがあることはわかりました。反対に、メリットはあるんですか?
先ほども話に出た通り、介護サービスの利用できる量が増えることと、利用できる介護サービスの種類が増えることが挙げられます。
具体的にお話ししていきますね。
ケアマネジャーさんも言っていましたが、「介護サービスを利用できる量が増える」ってどういうことでしょうか?
介護サービスは、要介護度によって介護保険が適用される金額が設定されています。介護保険が適用されれば、負担額が1~3割に抑えられるようになっています。
この介護保険が適用される金額は、要介護度が上がると増えます。そのため、要介護度が上がることで安く介護サービスを使える量が増えるわけです。
居宅サービスとは、施設ではなく住み慣れた自宅で受けられる介護サービスのことです。
居宅サービスは大きく分けて3つ。ひとつは介護者が自宅を訪問してサービスをおこなう「訪問サービス」。利用者が介護施設に通って利用する「通所サービス」。そして一ヵ月以下の短期間利用する「短期入所サービス」です。
居宅介護サービスの利用には要介護度に応じた利用限度額が設定されています。要介護度が高くなるほど、限度額もあがります。
自己負担額の詳細はこちらの表でご確認ください。
居宅介護サービスの利用時はケアマネジャーが利用者の状況に応じて「サービス提供票」というサービス利用のスケジュールを策定します。
基本的に「サービス提供票」は自己負担額内で作られることになっていますが、なんらかの事情でこの上限を超えてしまった場合、その超えた金額は全額自己負担になります。
なるほど。「介護サービスを利用できる量が増える」というのは、「介護サービスを安く利用できる量が増える」ということだったんですね。
そうなんです。要介護度が上がると介護が必要な量が増えるので、介護保険が適用されて介護サービスが利用しやすくなるというわけです。
ただ、介護保険が適用されると言っても、利用する介護サービスの量が増えれば負担する金額も増えます。そこは注意してくださいね。
要介護度が上がると、利用できる介護サービスの種類が増えます。一部の介護サービスでは、要介護度を利用条件にしていることがあり、その条件以上の要介護度に上がると介護サービスが使えるようになるんです。
例えば、福祉用具貸与サービスの以下のものは要介護2以上でないとレンタルできません。
父は、歩けるので車椅子はまだ使わないですし、介護ベッドも必要ないかな。そう思うと、この3つの福祉用具は、要介護度が高い人が使うものなんですね。
そうなんです。要介護度が高い人が必要な福祉用具なので、利用するのに要介護度の制限をかけているわけですね。
他にも、以下のように介護施設の入居条件にも要介護度が設定されていることがあります。
へぇ、要介護度が低いと入居できる介護施設が少ないんですね。
また、有料老人ホームなどの民間の介護施設では、施設独自に要介護度の制限を設けていることがあります。
このように、要介護度が上がることによってデメリットとメリットの両方があります。ともあれ、お父様の身体状況に変化があるのであれば、今の状況に合った介護サービスを利用できるように区分変更をすることをおすすめします。
区分変更をするとしたら、どんな手続きが必要なのでしょうか?区分変更をしたことがなくて。
基本的には、はじめにした要介護認定の申請と同じ流れです。ですが、はじめに「区分変更申請」をするところが異なります。
お父様には担当のケアマネジャーさんが付いていましたよね。担当のケアマネジャーさんがいる場合は、ケアマネジャーさんに相談すれば手続きを進めてもらえます。
区分変更申請をした後の流れは以下のようになっています。

確かに、以前にした要介護認定と同じ流れですね。ケアマネジャーさんに相談してみます。
有効期限を迎える前に心身に大きな変化が見られた場合には、その度に介護認定変更の申請を行うことができます。これを要介護認定の「区分変更申請」と言い、改めて訪問調査や主治医の意見書を提出し、介護認定をし直してもらうことができます。
介護認定は手間がかかる、面倒だというイメージがあります。介護を受ける方に抵抗感があったり、手続きがなかなか前に進まないと感じるかもしれません。
しかし、介護認定申請が遅れてしまうと、実際にサービスを受けられるまで長い時間がかかってしまいます。日常生活に困難を感じ始めたら、早めにご家族で話し合っておきましょう。
区分変更をする際は、要介護認定と同じように認定調査をおこないます。そのときには、できるだけ立ち会いをしましょう。
立ち会いですか?要介護認定をするときには、認定調査に立ち会いましたが…。どうして今回も立ち会いが必要なんですか?
認定調査に介護をしている人が立ち会いをしないと、在宅介護をするなかで困っていることや普段の様子が認定調査員に伝わらない可能性があるからです。
介護を受けるご本人が、「あれができない」「これができない」と自分のできないことを認めることはなかなか難しいもの。認定調査のときにできないことを「できる」と言ってしまったり、いつもよりも元気に振る舞ったりすることが多いのです。
そういえば…。父が認定調査員さんの前ではいつもよりもハキハキと話していたように思います。
認定調査は、普段の心身の状況や介護の必要性を見定めるもの。なのに、調査のときに元気に振る舞ってしまうと、要介護度が実際よりも低く出てしまうこともあります。
となると、使いたい介護サービスが利用できなかったり、必要な量だけ介護サービスを利用しようとすると、介護保険が適用できる量を超えてしまう可能性も。できるだけ正確に現状を伝えるために、できるだけご家族が認定調査に立ち会ってくださいね。
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。