老人ホームの食事はどの程度、父の好みに合わせてもらえるでしょうか…?

老人ホームの食事はどの程度、父の好みに合わせてもらえるでしょうか…?

更新日 2025/09/26
父は昔から好き嫌いが多く、かなり偏食です。たとえば、魚は白身しか食べないとか、肉も脂身は一切食べない、野菜も特定の種類しか口にしない……といった具合です。

これまで母が工夫してなんとか対応してきたのですが、最近母も高齢になり、介護の負担が大きくなってきました。老人ホームへの入居を検討しているのですが、ホームではこうした偏食にどこまで対応してもらえるのでしょうか?

食事が合わなかったら、父が暮らしていけないのではないかと心配です。

(川越さん・主婦・60歳)

お父さまの食事へのこだわり、とてもよく分かります。実は、入居相談の現場でも“食事”は非常に多くいただくご相談のひとつなんです。

老人ホームは『生活の場』なので、食事が合うかどうかは、日々の満足度や心身の健康にも直結します。

それでは今日は、老人ホームにおける食事対応について、具体的にお話ししていきましょう。

老人ホームでの食事提供の基本

まず前提として、老人ホームの食事は『多くの入居者に向けて作られるもの』です。そのため、家庭のように一人ひとりの細かい好みに合わせて完全オーダーメイドというわけにはいきません。

ただし最近は、「高齢者が食べやすいようなやわらかい食事」「栄養バランスに配慮したメニュー」「季節感を大切にした行事食」など、質を高める取り組みが進んでいるんですよ。

なるほど。となると、“嫌いなものは完全に避ける”というのは難しいんでしょうか?

はい、完全に避けるのは難しいケースが多いです。でも、『対応できない』と一概に言えないのが実情で、施設ごとに食事対応にはかなり差があるんですよ。

偏食への対応は施設によって大きく異なる

老人ホームには、食事面に関して大きく分けて「一括調理型(セントラルキッチン方式)」「施設内調理型(施設内の厨房で調理)」という2つの種類があります。

なんとなく聞いたことはありますね。

詳しくご説明すると、こんな感じになります。

ご覧いただくとわかると思うのですが、お父さまのように偏食が強い場合は、施設内調理型の施設の方が対応してもらいやすい傾向がありますね。

  • 一括調理型:『大量調理』が基本のため、細かい個別対応が難しい反面、衛生管理やコスト面に優れている。
  • 施設内調理型:『施設内の厨房で調理する』ため、比較的柔軟な対応ができることがある。

具体的な対応例

実際に私が相談を受けたケースをいくつかご紹介しましょう。

ケース1:魚嫌いの方

魚がまったく食べられない方がいましたが、施設が代替として鶏肉や卵料理を提供してくれました。ただし、行事食の“鯛めし”などは難しく、基本はメニューから外す対応のみ。

ケース2:生野菜が苦手な方

サラダを蒸し野菜に変更して対応してもらえたケースがあります。

ケース3:糖尿病の持病がある方

これは“好き嫌い”ではなく“必要な制限”なので、ほとんどの施設が対応します。例えば、減塩食や糖質制限食は標準的に準備されていることが多いです。

こうして聞くと、まったく無理というわけではなさそうですね。

はい。ただし、“どこまで対応してくれるか”は事前に必ず確認が必要です。

事前確認でチェックしたいポイント

食事面について不安がある場合は、施設見学や契約前に以下の3つのポイントを必ずチェックしましょう。

1.どこまで食事対応ができるのか
2.追加料金が発生するかどうか
3.管理栄養士や調理スタッフの体制について

ここを押さえておくと、入居後に『こんなはずじゃなかった』というトラブルを防げますよ。

詳しく教えてください!

まずひとつ目は、どこまで食事対応ができるのかという点です。

たとえば「嫌いな食材だけを除いてもらえるか」とか、「代わりの食材を使ってもらえるのか」といったことですね。

らに、「完全に別メニューを用意してくれるのか」というレベルまで対応できる施設もあります。ただ、これは施設によってかなり差があるんです。なので、必ず事前に確認しておきましょう。

なるほど…。うちの父は好き嫌いが激しいので、代替メニューができるかどうかは特に気になります。

そうですよね。そしてふたつ目が、追加料金が発生するかどうかです。

個別対応をしてくれる施設でも、それが“標準サービス”なのか“オプション扱い”なのかで大きく変わります。

特に、完全に別メニューとなると追加料金がかかるケースが多いので、事前にしっかり確認しておくことが大切です。

追加料金がかかるかどうか、つい見落としてしまいそうですが、後々大きな問題になりそうですね。

そうなんです。そして3つ目は、管理栄養士や調理スタッフの体制についてです。

管理栄養士が常駐している施設は、入居者一人ひとりの健康状態や嗜好に合わせたメニューを考えることができます。結果として、食事対応の幅が広がりやすいんですよ。

逆に、外部委託で管理しているだけの施設だと、どうしても柔軟性が限られる場合があります。

の3つをしっかり確認しておけば、お父さまが安心して食事を楽しめる施設を見つける手がかりになりますよ。

家族ができるサポート

お父さまが新しい環境に慣れるまでは、家族のサポートも重要です。

たとえば、最初のうちは好物を差し入れしてあげることもできますし、施設と連携して“食べられるメニュー”を一緒に考えるのも有効です。

なるほど。家族が協力することで、本人も安心できそうですね。

お父さまが安心して暮らすためには、食事対応の可否を事前にしっかり確認することが一番重要です。

見学時に言いにくいことがあったりしても、遠慮せずに質問してみてください。そのやり取りで、施設側の柔軟性や誠意も見えてきます。

ありがとうございます!とても参考になりました。

父が安心して暮らせるホームを探すために、見学時にしっかり確認してみます。」

それが一番です。食事は生活の楽しみのひとつですからね。ぜひ納得いく施設を見つけてください。

地域から老人ホーム・介護施設を探す

北海道・東北

北海道札幌市)|青森県岩手県宮城県仙台市)|秋田県山形県福島県

関東

東京都神奈川県横浜市 / 川崎市 / 相模原市)|埼玉県さいたま市)|千葉県千葉市)|茨城県栃木県群馬県

甲信越・北陸

新潟県新潟市)|富山県石川県福井県長野県山梨県

東海

愛知県名古屋市)|岐阜県三重県静岡県静岡市 / 浜松市

関西

大阪府大阪市 / 堺市)|京都府京都市)|兵庫県神戸市)|滋賀県奈良県和歌山県

中国・四国

岡山県岡山市)|広島県広島市)|鳥取県島根県山口県徳島県香川県愛媛県高知県

九州・沖縄

福岡県福岡市 / 北九州市)|熊本県熊本市)|佐賀県長崎県大分県宮崎県鹿児島県沖縄県

よく読まれている記事

よく読まれている記事

article-image

【徹底解説】介護付き有料老人ホームとは?|費用・サービス・入居条件までわかりやすく解説

「介護付き有料老人ホーム」とは、介護サービスが常に受けられる有料老人ホームのことを指します。介護職員が24時間常駐し、食事・入浴・排泄などの生活支援を受けながら、自分らしい生活を続けられるのが特徴です。 少子高齢化が進むなか、「家族だけでは介護が難しい」「将来、介護が必要になったときの住まいを考えておきたい」という方が増えています。 この記事では、介護付き有料老人ホームの特徴・サービス内容・費用・入居条件・選び方まで、初めての方にもわかりやすく解説します。 介護付き有料老人ホームの定義と特徴 介護付き有料老人ホームは、都道府県から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。この指定により、入居者は介護保険を使って施設内の介護サービスを受けることができます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 主な特徴 介護職員が24時間常駐しており、夜間や緊急時も対応可能 介護・生活支援・食事・健康管理などが一体的に提供される 看取り対応が可能な施設もあり、終身まで安心して暮らせる 居室は個室型が多く、プライバシーを確保できる 費用と入居条件のまとめ 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 他の施設との違い 施設の種類主な特徴介護体制介護付き有料老人ホーム介護職員常駐、介護サービス込み24時間体制住宅型有料老人ホーム生活支援中心、介護は外部事業者利用外部依頼サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)自立~軽介護者向け外部利用中心 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

article-image

グループホームとは|入居条件や費用、施設選びのチェックポイントをわかりやすく解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 そこで検討したいのが「グループホーム」という選択肢です。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説していきます。入居条件をはじめ、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援2以上の認知症高齢者が少人数で共同生活を送ります。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など、入居者が自身の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を送ること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事をおこなうことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則として1施設につき2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、家庭での生活にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームの入居条件は以下の通りです。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている 医師から認知症の診断を受けている 心身とも集団生活を送ることに支障がない グループホームと同一の市町村に住民票がある 生活保護を受けている方も入居は可能 生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームでの暮らし・サービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア グループホームでは、認知症の進行を遅らせ、穏やかな生活を送れるようにするためのケアが日常的に行われています。 少人数制の家庭的な環境の中で、スタッフが入居者一人ひとりの生活リズムや性格を理解し、声かけや見守り、会話を通じて安心感を提供します。 また、料理や掃除などの役割を担ってもらうことで「できること」を引き出し、自尊心を保つ支援が重視されています。こうしたケアにより、認知症の方が自分らしく過ごせる環境づくりが実現されています。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

article-image

【徹底解説】有料老人ホームとは?費用・種類・サービス内容と特養との違い

有料老人ホームとは、民間事業者が運営する高齢者向けの居住施設を指します。介護が必要な方はもちろん、自立して生活できる方まで、幅広い高齢者を対象にしているのが特徴です。 「老人ホーム」と聞くと、特別養護老人ホーム(特養)を思い浮かべる方も多いでしょう。しかし特養は、原則として要介護3以上でなければ入居できず、さらに入居待機者が多いという課題があります。その一方で有料老人ホームは、比較的入居しやすく、生活支援から介護、医療連携まで幅広いサービスを受けられることが魅力です。 本記事では、有料老人ホームの種類や費用、提供されるサービス、そして特養やサービス付き高齢者向け住宅との違いまでをわかりやすく解説します。これから施設を検討される方やご家族にとって、選択の参考になる情報をまとめました。 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

介護の基礎知識

total support

介護の悩みを
トータルサポート

total support

介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。

鎌倉新書グループサイト