とても優しいお付き合いをされていますね。こうしたご相談、実は増えているんです。「身寄りがなく、保証人がいないけれど、施設に入りたい」という方は、年々多くなっています。
結論から言うと、「保証人がいなくても入居できる老人ホームはあります」。ただし、その場合は施設側の受け入れ体制や入居契約の仕組みによって、条件が変わります。
そもそもなんですが、老人ホームへの入居にはなんで保証人が必要なんでしたっけ?
老人ホームが保証人を求める主な理由は、入居者の「生活や契約を支える存在」が必要だからです。
例えば、次のような手続きが必要な場合に、入居者の代わりに責任を負ってくれる人がいないと、施設としても担保がなく不安になってしまいます。
ただし、近年は「身元保証人がいなくても入れる仕組み」を整えている施設も増えています。
それは、どんな仕組みですか?
たとえば「身元保証代行サービス」や「成年後見制度」を利用する方法があります。
最近では、身寄りがない高齢者が安心して施設に入れるよう、民間の保証代行会社が増えました。これらの会社が、契約時や入居中の「緊急連絡先」「医療同意」「死後の手続き」などを引き受ける形です。
また、判断能力に不安がある場合には、家庭裁判所を通じて成年後見人をつける方法もあります。後見人が財産管理や契約行為を担うことで、施設側も安心して受け入れやすくなります。
そんな制度があるんですね。でも、おばあさんはお金も多くはなさそうで……。
代行会社を頼むと費用がかかりますよね?
そうですね。民間の身元保証代行は、契約内容にもよりますが、数十万円単位の費用が発生するのが一般的です。ただし、経済的に難しい場合は、自治体の支援制度や地域包括支援センターに相談してみることをおすすめします。
川崎市にも「身寄りのない高齢者支援」や「福祉型成年後見制度利用支援事業」などがあります。対象者であれば、費用の一部を助成してもらえることもあります。
そうなんですね。でも、保証人がいないと嫌がられる施設も多いんじゃないですか?
確かに、以前はそうでした。しかし今は事情が変わりつつあります。
高齢化と単身世帯の増加により、保証人がいないことは珍しくなくなっています。そこで、社会福祉法人系や自治体連携型の施設では、「保証人がいなくても入居可」という方針を打ち出すところが増えています。
また、最近は「緊急時連絡先は行政職員でも可」など、柔軟な対応をする施設もあります。実際、私がご案内したケースでも、「民生委員+地域包括支援センターの連携」で入居が決まった方がいましたよ。
なんだか少し安心しました。でも、こういう話をおばあさんにどう切り出せばいいか、迷ってしまいます。
とても大事なポイントですね。おばあさんの“気持ち”を尊重しながら進めることが、何よりも大切です。
いきなり「施設に入りましょう」と伝えると、拒否反応を示す方もいます。ですから、まずは「体の負担を減らす方法を一緒に考えませんか?」といったやわらかいアプローチから始めるといいでしょう。
そのうえで、「今後の暮らしを安心して続けるために、施設を見てみるのも一つの方法ですよ」と提案してみてください。
まずは相談の場をつくるのがおすすめです。
たとえば地域包括支援センターに「身寄りのない高齢者の施設入居について相談したい」と電話してみてください。担当のケアマネジャーや社会福祉士が、現状を聞きながら必要な支援制度を提案してくれます。
そのうえで、私たちいい介護」入居相談室にご相談いただければ、条件に合った施設をご紹介できます。
ありがとうございます。おばあさんのように、家族のいない方が安心して暮らせる場所を見つけられるといいですよね。
本当にそう思います。今の時代、「身寄りがない」「保証人がいない」ことは、もう特別な事情ではありません。
だからこそ、施設側も地域も、そうした方々を支える仕組みづくりを進めています。川越さんのように気にかけてくれる方の存在が、入居実現の大きな力になることも多いです。
「保証人がいない=入れない」と思い込まず、まずは相談から始めてみてください。それが、おばあさんにとっての“安心への第一歩”になると思いますよ。
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