父親の老人ホーム探し…親子で意見が分かれたらどうする?

父親の老人ホーム探し…親子で意見が分かれたらどうする?

更新日 2025/12/19
80歳になる父が老人ホームに入居することになりました。要支援2なので、まだ自宅でも生活はできる状態なのですが、一人暮らしということもあり、将来を考えて入居を決めました。

ただ、そこで悩んでいるのが施設の場所です。父は「自然が豊かな地域の施設に入りたい」と言っています。一方で私は、今後のことを考えると「私たち家族が通いやすい、都心に近い施設」に入ってほしいと思っています。

いずれ介護の負担が増えることを考えると、正直なところ私の意見も聞いてほしいのですが、父の希望を無視するのも違う気がして…。

それぞれのメリット・デメリットや、他に考えるべき施設選びの基準があれば教えていただきたいです。

(中尾さん・自営業・66歳)

長田さんのように、「親の希望」と「家族の現実的な事情」の間で悩まれる方は、とても多いです。特に施設の立地については、入居するご本人の生活の質に関わる一方で、ご家族の負担にも直結するため、簡単に答えが出るものではありません。

今回は、「自然が豊かな施設」と「都心に近い施設」それぞれのメリット・デメリットを整理しながら、立地以外にもぜひ考えておいてほしい施設選びの視点についてお話しします。

「自然が豊かな施設」を希望する親の気持ちとは

まず、お父さまが「自然が豊かな地域」を希望されている理由を、どう受け止めていますか。

「都会は落ち着かない」「せっかくなら静かな場所で暮らしたい」と言っていますね。

若いころはアウトドアも好きだったので、その影響もあるのかもしれません。

なるほど。実はこの理由、よく聞きます。自然が多い地域を希望される方の背景には、次のような思いがあることが多いです。

  • 騒音が少なく、落ち着いた環境で暮らしたい
  • 四季を感じながら、ゆったりとした時間を過ごしたい
  • 「施設に入る=人生の終盤」という意識があり、納得できる場所を選びたい

これらは「わがまま」ではなく、人生の最終章をどう過ごしたいか、というとても自然な感情なんですね。

自然が豊かな施設のメリット・デメリット

ではまず、自然が豊かな地域にある施設のメリットとデメリットを整理してみましょう。

メリットとしては…

  • 静かで落ち着いた生活環境
  • 敷地が広く、庭園や散歩コースが充実している施設が多い
  • 都心部に比べて費用が抑えられるケースがある

特に、要支援〜要介護初期の方にとっては、「気持ちが穏やかに過ごせる」という点は大きな魅力です。

確かに、父にとっては合っていそうにも感じます。

一方で、デメリットもあります。

  • 家族が面会に行くまでの移動時間・交通費がかかる
  • 緊急時にすぐ駆けつけにくい
  • 将来、医療機関との連携が必要になったときに選択肢が限られることがある

特に「今は元気でも、状態が変わったとき」を想定できているかどうかが重要です。

都心に近い施設のメリット・デメリット

次に、長田さんが希望されている「都心に近い施設」について見ていきましょう。以下がメリットです。

  • 家族が通いやすく、面会やサポートの負担が少ない
  • 病院やクリニックが近く、医療連携が取りやすい
  • 将来、要介護度が上がっても転居せずに済む可能性が高い

このメリットがあると考えると、やはり安心感がありますね。

そうですね。ただし、デメリットもあります。

  • 費用が高くなりやすい
  • 敷地が限られ、自然環境は少なめ
  • 施設によっては生活音や人の多さが気になることもある

ご本人が「窮屈さ」を感じてしまうと、入居後の満足度が下がるケースもあります。

「今」と「将来」を分けて考えすぎないことが大事

ここで大切なのは、「今は要支援2だから」と、今の状態だけで判断しすぎないことです。

確かに…将来的なことを考えると当然、要介護度が上がるということは想定しておかなきゃいけないですよね。

多くのご家庭で見られるのが、「元気なうちは自然豊かな施設 → 状態が悪くなったら転居」
という想定です。

ただ実際には、次のような問題が起こりやすいのも事実です。

  • 転居そのものが高齢者の負担になる
  • 新しい環境に慣れず、心身の状態が落ちる
  • 空きがなく、希望通りに移れない

せっかく入居した施設からまた転居するというのは、精神的にも経済的にも負担が大きいですし、何より父にとって良いことではないと思うので、それは避けたいですね…。

おっしゃる通りです。場所で悩んだときこそ、立地以外の視点も大切にしてください。

  • 要介護度が上がった場合の対応範囲
  • 協力医療機関との距離・体制
  • 外出・面会の自由度
  • 介護方針や職員の考え方

単純に「郊外」「都心」と分けるだけじゃなくて、施設ごとに差が大きいんですね。

場所だけで決めてしまうのは、確かに早計かもしれませんね。

そしてもう一つ大切なのが、「誰のための施設選びか」を家族で言葉にすることです。

お父さまの生活なのか、ご家族の支えやすさなのか。そのバランスを話し合うこと自体が、後悔しない選択につながるはずです。

親の希望と家族の現実をすり合わせるために

お父さまの入居先を検討する際に考えたいのが、「自然が感じられるが、都市部からアクセスしやすいエリア」「最初は自立型寄り、将来は介護対応が可能な施設」ということになるでしょうか。

確かに、極端に分けて考えすぎていたかもしれません。

そうですね。施設見学の際はぜひ、お父さまと一緒に行って「通いやすさ」と「暮らしやすさ」の両方を体感してもらってください。

  • 親の「自然豊かな環境で暮らしたい」という思いは、人生観に根ざした大切な希望
  • 都心に近い施設は、将来の介護や医療面で家族の負担を軽減しやすい
  • 今の状態だけでなく、要介護度が上がった場合も想定して選ぶことが重要
  • 立地だけでなく、施設の対応範囲や方針も含めて総合的に判断する

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