ご家族としては大変心配なお気持ちだと思いますし、本来であれば施設側が丁寧に対応すべき内容です。
泄介助の担当者の問題、そして他入居者からの“つきまとい行為”はいずれも放置してよいものではありません。
苦情というと「角が立つのでは」と思われがちですが、実は“正しく伝える方法”と“伝える順番”を工夫することで、むしろ施設との信頼関係が強まるケースも少なくありません。
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やっぱり、まずは施設長さんに言うのが一番なのでしょうか?
でも、それでスタッフさんとの関係が悪くなったり、母に影響が出たりしないかが心配で…。
そうですよね。“誰に言うか”はとても大事です。
介護業界では一般的に、苦情や要望を伝える際のおすすめの順番があります。それは次の通りです。
いきなり施設長や本部に言うのは避けたほうがいいんですね。
はい。まずは“現場に最も近く、調整ができる立場”の生活相談員が基本の窓口です。
生活相談員は、「入居者の生活の困りごと」「家族からの要望」「他の入居者とのトラブル」などを聞き、スタッフ間で共有しながら改善に動く“調整役”でもあります。
いきなり上層部に話がいくと、現場との関係がかえってこじれる場合もあるんです。まずは相談員に丁寧に状況を伝え、事実確認と改善策を依頼するのがもっともスムーズな流れです。
排泄介助については、こちらから“女性スタッフでお願いします”と伝えているのですが、それが守られないことがあります。
これは改善してもらえるのでしょうか?
もちろん、改善できるケースが多いですよ。まず把握したいのは、以下の3点です。
現場としては「女性スタッフが少ない時間帯がある」「緊急時で仕方なかった」など事情があることもありますが、それでも事前説明がないまま男性スタッフが入るのは良くありません。
確かに、理由があるなら説明してほしいです…。
その通りです。相談員に伝えるときは、次の3点を押さえて伝えると良いですよ。
理由がわかれば納得できることがありますし、施設側も原因を洗い出して対応しやすくなります。
母が、同じ階の男性入居者の方に後をつけられたり、話しかけられ続けたりして困っているようなのですが、施設側は「様子を見ます」と言うだけで…。
これは、明確に施設が介入すべきケースです。
認知症の方が相手でも、つきまといや接触がある場合、施設側の管理・安全配慮の問題になります。
施設がすべき対応は、例えばこうです。
具体的にこんな対策までできるんですね!
そうなんです。ただ、施設が問題行動として認識していない場合、動きが遅くなることがあるんですね。
ですので相談する際は、「実際にあった行動の具体例」「いつ・どこで・どのように困っているか」「お母さまの精神的負担」を丁寧に伝えると、施設も対応を検討しやすくなりますよ。
口頭だけだと、うまく伝わらない気がして…。
よくある悩みですね。そんなときは、次の方法が役に立ちます。
確かに…文書にすると、言った言わないとか解釈のズレが起きにくくて、スタッフさんの間でも情報共有しやすくなりそうですね。
仰る通りです。ただ、最初から強めの文章だと身構えてしまう施設もありますので、柔らかい表現を心がけるといいですね。
あとは…苦情を伝えた後、母がスタッフに気をつかわれたり、逆に疎まれたりしないかが心配なんですが…。
その不安、とてもよくわかります。ですので、申し入れ後は次の点を意識すると、良い関係を保ちやすくなりますよ。
まずひとつ目は、改善をお願いしたあとに、改めて感謝やねぎらいの言葉を伝えることです。
苦情を言ったあとに、ですか?
「お願いごと」と「感謝」は、セットで伝えてあげるのが理想ですね。
たとえば、「いつも母がお世話になっていて助かっています」「スタッフの皆さんが優しく声をかけてくださっていると聞いています」など。
こうした一言があるだけで、現場の受け取り方は大きく変わります。
確かに、こちらも“全部が不満”というわけではないですから、それはそうですね。
施設といってもも人の集まりですから、「このご家族は冷静に話してくれる」「一方的に責めているわけではない」と感じれば、自然と前向きに対応しようという気持ちになります。
2つ目は、改善策が出たあとにその後の状況をきちんと見ていくことです。
言って終わり、ではないということですね。
その通りです。
たとえば、「排泄介助は本当に女性スタッフ中心になっているか」「他の入居者との関わり方に変化はあるか」「お母さま自身の表情や気持ちはどうか」などですね。
こうした点を、面会時や電話の中でさりげなく確認してみてください。
「最近どう?」と聞くだけでも違いそうですね。
もし「まだ気になることがある」と感じたら、それは遠慮せず、再度相談して大丈夫です。
一度伝えたからもう言えない、ということはありません。
どうしても、「ちゃんとやってくれないなら…」と感情的になりそうになることもありそうです。
それも無理はありません。ただ、ぜひ意識してほしいのは、苦情の目的は“攻撃”ではなく“改善”だということです。
確かに、ケンカしたいわけではないですしね。
施設側も、「このご家族は一緒に解決しようとしてくれている」と感じれば、協力的になりやすいものです。
逆に、感情がぶつかり合ってしまうと、本来改善できることが進まなくなったり、お互いに構えてしまったり、ということも起きてしまいます。
母のためにも、冷静さは大事ですね。
「一緒により良い環境をつくる」というスタンスで関わることが、結果的にお母さまを守ることにもつながるはずですよ。
もしそれでも、改善が見られない場合はどうすればいいですか?
その場合は次のステップがあります。
いずれも“施設とご家族の間に入ってくれる”立場ですので、行き詰まったときには大きな力になります。
ただし、まずは施設内の相談員・施設長との対話で解決できるケースが多いので、段階を踏んで進めるのが良いですよ。
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