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Q&A

介護の基礎知識

施設入居 介護の基礎知識

母親の退院後、老人ホームに入れようと思うのですがどうしたら良いかわかりません

入院中の母親がもうすぐ退院しないといけなくなりました。入院中に体が衰えて歩けなくなってしまったので、在宅介護は難しいと考えています。 なので、老人ホームに入居させようと思うのですが、どうやって施設を探せば良いんでしょうか?介護施設の知識がほとんどないので、誰かに相談したいと思っているのですが、相談先ってありますか? (中尾さん・自営業・66歳) 退院後の生活については、まずは病院のケースワーカーさんに相談してみましょう。ケースワーカーさんによっては、地域の介護施設の情報を持っていることもあり、入居できる施設を紹介してくれることもありますよ。また、一から施設探しをするとなると、入居まで1ヵ月ほどかかるので退院までのスケジュールも確認しておきましょう。 退院後の施設探しはどこに相談すれば良い? 入院中の母がもうすぐ退院して良い、と医師から言われました。しかし、母は入院中に体力が落ちてほとんど自分で歩けなくなってしまいました。私も、仕事や家のことで手一杯で自宅では介護するのは難しい状況です。そのため、退院後は老人ホームに入居させたいのですが、老人ホームのことがまったくわからず、どうやって施設を探したら良いのか…。1人で探すのは難しいと思うので、できれば誰かに相談したいです。相談できるところはありますか? はい。施設探しの相談先はいくつかあります。具体的には以下の窓口です。 病院のケースワーカー 地域包括支援センター・役所 老人ホーム紹介センター 病院のケースワーカー 入院中の場合、施設探しの相談を最初にすると良いのは病院のケースワーカーさんです。ケースワーカーさんは退院後の生活がスムーズに行くように支援してくれます。病院によっては、地域の介護施設と連携していて、詳しい情報をケースワーカーさんが把握していることもありますよ。 ケースワーカーさんに施設探しのことも相談して良いんですね!それは助かります。 地域包括支援センター・役所 ときにはケースワーカーさんが老人ホームの情報を持っていなかったり、紹介された施設が希望に合わないことも。そういうときは、お住まいの地域の地域包括支援センターや役所の福祉課などの窓口に相談しましょう。地域包括支援センターや役所などの公的な窓口でも、老人ホームについての情報をもらえます。特に特別養護老人ホームなどの公的施設については、公的な窓口の方が詳しく教えてもらえますよ。 老人ホーム紹介センター 公的施設だけではなく民間施設も検討したい場合や、遠方で施設探しをしたい場合、老人ホーム紹介センターが便利です。「いい介護」をはじめとした老人ホーム紹介センターは民間施設を主に紹介しています。病院や地域包括支援センターでは狭い範囲の老人ホームの情報しか得られないことが多いですが、老人ホーム紹介センターでは広いエリアで施設探しがしやすいのが特徴です。特に、早く入居先を見つけたいときや複数の施設を見比べて入居先を決めたいときにおすすめです。 今回は、退院日が迫っているので少しでも早く入居先を決めたいです。老人ホーム紹介センターで相談するのも良いかも。 施設探しの流れ 施設探しってどうやってすれば良いんでしょうか?入居までどうやって手続きを進めていけば良いのか、まったくわかりません。 それでしたら、老人ホームに入居するまでの流れをお伝えしますね。次の通りです。 希望条件を決める 老人ホームの情報を収集する 老人ホームを見学する 仮申し込みをする 各種の書類を提出する 本人との面談を行う 契約・入居 一から施設探しをするとなると、入居までは1ヵ月ほどかかります。退院までの期日に間に合うかどうかスケジュールを確認してくださいね。 老人ホームにはどんなものがある? そういえば、老人ホームにはたくさんの種類があると聞いたことがあります。どんな施設があるんでしょうか? おっしゃる通りです!老人ホームには、民間施設が4種類、公的施設が5種類あります。それぞれの費用や入居条件などを次の表にまとめたので、ぜひ施設探しの参考にしてください。 民間施設 施設の種類入居時費用月額利用料入居条件認知症の受け入れ介護付き有料老人ホーム0~数千万円15~30万円要介護1以上○住宅型有料老人ホーム0~数千万円11~25万円自立~要介護3程度△サービス付き高齢者向け住宅0~数十万円11~25万円自立~要介護1程度△グループホーム0~数十万円10~15万円要支援2以上◎ 公的施設 施設の種類入居時費用月額利用料入居条件認知症の受け入れ特別養護老人ホーム(特養)0円8~14万円要介護3以上○介護老人保健施設(老健)0円7~14万円要介護1以上○介護医療院0円7~14万円要介護1以上○養護老人ホーム0円0~14万円自立×ケアハウス0~数十万円6~17万円自立~要介護3程度△ うわぁ、こんなに種類があるんですね。結局、うちの母にはどの施設が良いんでしょうか? 今後の生活をどう過ごしたいかで、選択肢は変わりますね。例えば、再びご自宅で過ごしたいのなら、老健でリハビリをして身体機能を回復する方法。また、終の棲家を探したいのなら有料老人ホームや特養などを探すのがおすすめです。 老人ホームにもいろんな種類があって、それぞれ特徴があるんですね。 そうなんです。それぞれの老人ホームの詳細は、以下の記事でも解説しているのでぜひ参考にしてくださいね。 施設探しをするときは、まず病院のケースワーカーなどに相談しよう 施設探しは、資料請求から入居まで1ヵ月ほどかかる 有料老人ホームや特別養護老人ホームなどさまざまな種類がある pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; ...

2023/11/16

施設入居 在宅介護 介護の基礎知識

家事ができない父が母の介護をすると言って聞きません!同居の話も断られてしまい、どうしたら良いのかわかりません

母が転倒して介護が必要になりました。母と暮らしている父だけでは介護が難しいと思い、同居の提案をしたのに断られてしまいました。父が母の介護をすると言うのです。 しかし、父はこれまで家のことを母に任せきりにしていたので家事もろくにできません。なので、父に介護なんてできっこないんです。 同居は断られるし…。何か良い方法はないでしょうか? (白石さん・会社員・56歳) まずは、お父様に介護を任せてみてはどうでしょうか?家事ができないと言っても、お母様に教わりながらできるようになるかもしれませんよ。その生活に限界が来たら手助けできるように、こまめに様子を見るだけに留めておくんです。ただ、ご家族の直接の手助けはしなくても、介護サービスを利用できる手はずは整えておくのがおすすめ。お母様が要介護認定を受けて、担当のケアマネジャーさんに付いてもらうだけでも、ご両親の生活のアドバイスが受けられる環境ができるはずです。もし、要介護認定を受けたり、介護サービスを利用することも拒否する場合は、説得する人を変えるのも手。普段関わっていないご親族やかかりつけ医などから説得されると、意外とすんなりと利用してくれることもありますよ。 家事ができない父に介護はできる? 実家で父と二人暮らしをしている母が、自宅で転倒して介護が必要な状況になってしまいました。母は歩けないほどではないものの、長時間立ったり歩いたりすることが難しく、家事がほとんどできなくなりました。そのため、父だけでは介護は難しいと思って同居の提案をしましたが、「俺が介護する」と言って父に同居を拒否されてしまって。ろくに家事もできない人が介護をできるわけないのに…。父が1人で介護できるとは思えません。どうしたら良いんでしょうか? そうですね…。まずは様子を見てはどうでしょうか?家事については、お母様に教わりながらでもできますし、お父様が「介護する」と言っているのですから、見守る姿勢も大切ですよ。 えぇっ!でも、きっと父に任せておくと実家はとても汚くなるでしょうし、父が料理できるとも思えないので、出来合いのものが増えるでしょうし…。 確かに、以前よりもご実家が散らかったり、料理が出来合いのお惣菜などが増えるかもしれません。ですが、以前と同じようにしなくても良いんです。完璧でなくても、「二人が生活できているなら良い」くらいの気持ちでいると、白石さんの気持ちが楽になると思いますよ。ただ、お二人での生活が難しくなったら手助けできるように、様子はこまめに見ておきましょう。 介護サービスを拒否するときはどうすれば良い? 同居をしないなら、お母様が介護サービスを利用するのはどうでしょうか? それが、介護サービスを利用するのも父に拒否されてしまって。父1人で介護できる状況じゃないと思うんですけど…。どうしたら良いんでしょうか? そうだったんですね…。どうしたら良いか、一緒に考えてみましょうか。認知症が原因で介護拒否をしている場合については、以下のご質問でも詳しくお話ししています。参考にしてください。 どうして拒否するのか確認しよう はじめに、どうして介護サービスを利用したくないのか確認してみましょう。どうしてお父様はお母様が介護サービスを利用するのを嫌がるんでしょうか? まったくわかりません。「俺が介護するからいらない」の一点張りで…。 なるほど…。もしかしたら、次のような理由かもしれません。 他人に介護されたくない 誰かに迷惑かけたくない 介護が必要なことを受け入れられない 利用費が高額だと思っている 実は、男性は介護が必要になったら奥さんに介護をしてほしいと思っている人が半数以上いることがわかっています。なので、「妻の介護は自分の役目」とお父様が思い込んでいるのかもしれませんね。 また、お母様が介護が必要な状況であることを受け入れられていない可能性もあります。介護サービスを利用することを重大なことだと捉えていて、「まだ介護サービスを利用するほど、ひどい状態じゃない」と思って、利用を拒否していることもあり得ます。 そういう理由があるんですね…。父は思い込みが激しいところがあるので、北野室長が言う理由が当てはまっているかもしれません。 どのように説得する? 母自身は、私と同居することも、介護サービスを利用することも、そんなに嫌がっている様子ではないんです。とにかく父が頑固で…。どうしたら父を説得できるでしょうか? 例えば、以下の方法はどうでしょうか? 説得する人を変える かかりつけ医から勧めてもらう 要介護認定だけでも受けてもらう 説得する人を変える 同じ内容の話でも、話す人を変えるだけで納得してくれることがあります。 どういうことですか? いつも白石さんがお父様を説得しているのであれば、白石さんのご主人やお父様・お母様のご兄弟から説得してもらうんです。普段、接することが少ない人から言われることで、「自分の考えは間違っているのかもしれない」と冷静に判断できるのかもしれませんね。 私の話は聞かないのに他の家族の話は聞くなんて、なんだか納得いきませんが…。それで父が納得してくれるなら、夫や叔父に頼んでみます。 かかりつけ医から勧めてもらう お母様のかかりつけ医から、同居や介護サービスの利用を勧めてもらうのも良い方法です。かかりつけ医であれば、お母様の状況を把握していますし、「専門家からの助言」ということで、お父様も納得しやすいでしょう。 かかりつけの先生の言うことは素直に聞くんですよね。先生に頼んでみるのもアリかな…。 要介護認定だけでも受けてもらう 少しハードルは高いですが、介護サービスは使わなくても要介護認定だけでも受けてもらうのもひとつの手です。要介護認定を受けると、担当のケアマネジャーさんが付きます。介護のプロから生活のアドバイスをもらえますし、お父様の中で「介護サービス」へのハードルが低くなると思いますよ。 介護サービスにはどんなものがある? 母に介護サービスを利用してもらうとして、介護サービスにはどんなものがあるんでしょうか?介護のことは考えてこともないので、全然わからなくて…。 介護サービスにはいろんな種類があるからわかりにくいですよね。主な介護サービスをご紹介しますね。 在宅介護サービス 訪問介護 デイサービス ショートステイ 在宅介護は、家で介護を受けている人が利用できるサービスです。訪問介護を利用すれば家事の支援が受けられますから、利用しやすいかもしれませんよ。また、デイサービスは日中に介護施設に通ってサービスを受けるものなので、お母様が利用している間、お父様が家事に集中できますよ。 施設介護サービス もし、今後、在宅介護が難しい状況になったら介護施設に入ることも視野に入れておきましょう。 介護施設ですか…。考えたこともなかったです。 主な介護施設には、以下のようなものがあります。 特別養護老人ホーム 介護老人保健施設 有料老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅 特別養護老人ホームは要介護3以上、介護老人保健施設は要介護1以上など、施設によって入居条件が定められています。種類もたくさんあって迷ってしまうと思うので、介護施設に入居したい場合は、ぜひ「いい介護 入居相談室」にご相談くださいね。 介護サービスを使うときはどうすれば良い? 母が介護サービスを利用する場合、どうしたら良いんでしょうか?直接、訪問ヘルパーなどの事務所に申し込みするんですか? いえいえ!まずは要介護認定を受ける必要があります。要介護認定は、「要支援1・2」「要介護1~5」といった、介護が必要な度合い「要介護度」を調べるもの。要介護認定の結果がわかってから、介護サービスを受ける流れになります。要介護認定は、まずお母様がお住まいの地域の役所か地域包括支援センターで申請手続きをします。その後は次のような流れで、審査がおこなわれます。 審査の結果、要介護度がわかるので、要介護度をもとに担当ケアマネジャーさんがケアプランを作成。ケアプランに基づいて介護サービスを利用することになります。 担当ケアマネジャーさんってどうやって決まるんですか? ケアマネジャーさんについては、役所や地域包括支援センターで相談できます。役所や地域包括支援センターでは、地域のケアマネジャーさんについて把握しているので、そこで情報を提供してもらいましょう。 そうしてケアマネジャーさんが決まったら、ケアプランを作ってもらって、介護サービスを利用できるようになるというわけですね。 おっしゃる通りです。介護サービスの利用方法についてはややこしいことが多いので、わからなくなったら役所や地域包括支援センターに相談してくださいね。 まずは介護を両親に任せてみよう。何かあったら助けられる体制を 介護サービスには、主に在宅介護と施設介護の2種類がある 介護サービスを利用するには、まずは要介護認定を受けよう pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; ...

2023/10/23

在宅介護 介護の基礎知識

親の面倒を見るのに疲れた…。父親の世話のために片道2時間の実家に通うのはもう無理!

父親の世話をするために、片道2時間かかる実家に週2回通っています。父はまだ介護が必要な状態ではないのですが、家事が一切できない人なので、私が掃除や洗濯、食事の準備をすべてしている状態です。 でも、父は「親の面倒を子どもが見るのは当たり前」と言って感謝の言葉もありません。むしろ、少しでも実家に着く時間が遅くなると怒鳴りつけるような人です。 私はフルタイムで働いていますし、自分の家のこともしないといけません。父の面倒を見るのに疲れてしまいました…。どうにかこの状況を変える方法はないでしょうか? (小西さん・会社員・57歳) お父様のお世話とご自宅の家事に仕事…。本当に大変ですよね。少しでも負担を減らすために、介護サービスを活用してみてはどうでしょうか?例えば、訪問介護なら掃除や洗濯、食事の支度をしてもらえます。他にも、デイサービスに通えば、食事や入浴サービスの提供を受けられますし、運動する機会を増やせるでしょう。無理をすると、介護離職や介護うつになってしまう可能性もあります。そうならないためにも、適度に力を抜いてくださいね。 親の面倒を見るのに疲れたら介護サービスを使おう 父親が家事がまったくできないので、週2回、片道2時間かけて実家に帰っています。母が生きていたころは、母に家のことを任せっぱなしだったせいで、掃除、洗濯、食事の支度もろくにできず、すべて私がやっているんです。私はフルタイムで働いていますし、自分の家のこともやらないといけません。まともに自分の時間も取れなくて、もう疲れました…。この状況を変える方法はありませんか? お父様のお世話とご自宅の家事とお仕事…。本当にお忙しいと思います。小西さんの負担を少しでも減らすために、介護サービスを活用するのはどうでしょうか? 介護サービスですか?でも、父は介護は必要ありませんよ。確かに最近、足元がふらついてきたり、自宅で転倒したことはありますが…。 実は、介護サービスは、直接体に触れる介助以外にも利用できるんです!例えば、以下の2つのサービスがお父様におすすめです。 訪問介護 デイサービス 訪問介護 訪問介護では、「生活支援」と「身体介護」の2つのサービスを提供しています。そのうち、お父様におすすめなのは生活支援サービスです。 具体的にはどんなサービスなんですか? 生活支援サービスは、掃除や洗濯、料理などをおこないます。買い物の代行もやってくれますし、小西さんが帰省される回数を減らせるのではないでしょうか? それは助かります!特に料理と買い物がネックになっていて、食事をレンジで温めるだけにしておいてくれると父も食べられると思いますし…。帰省する回数が、週2回から週1回になるだけでもだいぶ負担が減りますね。 デイサービス デイサービスの利用もおすすめです。デイサービスは、日中に介護施設に通ってサービスを受けるもの。食事や入浴、レクリエーションなどを提供してくれます。なかには介護度が高い人が多いデイサービスもありますが、運動やリハビリに力を入れている施設であれば、お元気な方も多いです。他のご利用者と交流する機会も作れますよ。 良いですね!父は実家にこもりきりでろくに外出もしないので、良い気分転換になりそうです。 おっしゃる通りです!お一人暮らしのご高齢者は運動不足やうつになりやすい傾向があります。デイサービスを活用して、出かける機会を作るのがおすすめです。それに、デイサービスの日の分の食事を準備しなくて良いですし、転倒の危険性のある入浴が介護職員の見守りがあるところでできるのが安心ですよね。 介護認定を受けよう 介護サービスを使うことをまったく考えていなかったので、盲点でした。介護サービスの知識がほとんどないのですが、どうやって利用すれば良いんでしょうか? 介護サービスを利用するには、まず介護認定を受ける必要があります。介護認定を受けると、介護の必要性を「要支援1」から「要介護5」の7段階で判定されます。その要介護度によって利用できる介護サービスの量や種類が決まります。まずは介護認定を受けるための申請をしましょう。お父様がお住まいの地域の役所などで申請ができますよ。 まずは役所ですね。わかりやすい場所で良かった。 申請をしたら、以下の流れで調査と判定がおこなわれます。 ここでポイントとなるのが、「訪問調査」。ケアマネジャーなどの認定調査員がご実家を訪問してお父様の心身の状態を調査します。できれば、この訪問調査には小西さんも同席してください。 都合がつけば同席しますが…。なぜ同席した方が良いんですか? お父様お一人で訪問調査を受けた場合、実際にはできなくて困っていることも「できます」と答えてしまって、要介護度がつかない可能性があるんです。要介護度がつかないと介護サービスは利用できませんから、介護サービスを使って小西さんの負担を減らすことができなくなってしまいます。 それは同席しないと!父のことなので、見栄を張って何でも「できる」と言ってしまいそうですし。でも、私が同席しても、何をすれば良いんでしょう? お父様が日常生活でできなくなっていることや、小西さんがお父様のお世話で大変な思いをしていることを率直に伝えましょう。お父様がいる前だと言いにくいと思うので、お父様がいないところで認定調査員に伝えると良いと思いますよ。 なるほど!そうすれば良いんですね。 訪問調査の後は、調査の結果をもとに一次判定がおこなわれ、二次判定が専門家によって実施されます。その後に認定結果が出るので、申請から結果が出るまではおおよそ1ヵ月程度かかります。 疲れたまま親の面倒を見続けるとどうなる? 介護サービスを利用したいですが、介護認定の手続きがあったり利用するまでもいろいろと大変なんですね。大変とはいえ、すぐに介護サービスを使わないといけない状態ではないので、しばらく様子見かな…。 無理をしていませんか?無理が続くと、小西さんの方が倒れてしまって小西さんの将来の生活にも影響しかねないので、無理はしないでくださいね。疲れたままご家族のお世話を続けていると、以下のような危険があるので心配なんです…。 介護離職 介護放棄 介護うつ 介護離職 ご家族の介護をする方のなかには、仕事を辞めてしまう人がいます。「介護に集中するため」というのは良いことですが、私は介護離職をおすすめしていません。 なぜですか?私は、今はフルタイムで働けていますが、父が本格的に介護が必要になったら、仕事の量を減らすか、仕事を辞めることも考えていました。 介護離職をおすすめしない理由はいくつかあります。まずは収入が減ること。介護に集中することで介護サービスを使う量が減り、介護の費用を減らせると思いますが、それ以上に収入が減ります。経済的な負担が大きくなるでしょう。また、いったん仕事を辞めてしまうと、介護が終わった後の再就職が難しくなる可能性があります。介護のために仕事のブランクが10年あった場合、年齢によっては再就職が難しくなるかもしれません。キャリアアップも難しくなることも考えられます。 そうか…。もし、今、退職して10年介護をしたら私は70歳近くになります。そうなると、再就職は難しいかもしれませんね…。 それに、仕事を辞めて介護に集中すると、精神的な負担も増えることがわかっています。次のグラフを見てください。 経済的負担が増えるのはわかります。が、精神的な負担も増えていますね。仕事との両立をしなくて良い分、精神的な負担が減りそうに思えますが…。 実は、仕事を辞めると生活が”介護一色”になります。常に介護のことを考えていたり、介護の対象である親御さんなどと一緒の時間が増えて、ストレスに感じることが多くなるようです。仕事を辞めると、時間に余裕ができても息抜きができなくなってしまうのかもしれません。 確かに…。もし、仕事を辞めて父と一緒にいる時間が増えたら、時間ができても息が詰まるかもしれません。 介護放棄 介護放棄とは、介護をすべて投げ出してしまうことです。「ネグレクト」とも呼ばれます。親御さんなどが介護が必要な状態と知りながら放置することを指します。この介護放棄は、罪に問われる可能性もあります。というのも、子どもやきょうだい、配偶者などの家族には、扶養義務があると民法で定められています。ちなみに、以下の人に扶養義務があります。 つまり、この範囲の人が介護を放棄したら、罪に問われるかもしれないということですね。 おっしゃる通りです。ただ、扶養義務とは必ずしも直接的に介護をしないといけないものではありません。忙しかったり、身体的な理由から直接の介護ができない場合は、経済的な支援だけでも良いとされています。お父様の生活を支援するのは、何も家事を代わりにすることだけではありません。お金の援助をしたり、介護サービスの手続きをすることも支援につながりますから、小西さんご自身の負担が少なくて済む方法を選んでくださいね。 介護うつ 介護うつは、介護が原因でうつになってしまうことです。在宅介護というのは、介護をするご家族の心と体の負担が大きくなりがちです。大きすぎる負担が続いた結果、何も手につかない無気力状態になってしまうこともあるんです。 最近、ニュースでも介護が大変で追い詰められて虐待してしまう話を聞きますよね…。 はい。介護は一時的なものではなく、長期に渡ることが多いです。負担がかかり続けてしまうと、心を壊してしまうんですね。加えて、介護のせいで介護をする人が体を壊してしまうことも…。「親御さんを優先してご自分の体調を後回しにした結果、病気に気が付かずに倒れてしまう」ということも珍しくありません。 確かに。介護が本格的に始まったら、病院に行く時間もなさそうですし…。 介護をする人が倒れてしまったら、介護が必要な親御さんは生活ができなくなってしまいます。親御さんの暮らしが立ち行かなくなり、最悪の場合、亡くなってしまうケースも…。まだお父様は、本格的な介護が必要な状況ではないとは思います。ですが、今のうちから介護サービスを積極的に活用して「楽な介護」をしていきましょう! 親の面倒を見るのに疲れたら介護サービスを活用して! 介護サービスを使うために介護認定を受けよう そのままだと介護離職・介護うつなどになる可能性も pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } ...

2023/08/28

施設入居 在宅介護 介護の基礎知識

一人っ子だから母親の介護を誰にも頼れない!一人での介護に限界を感じています。

数ヵ月前、母が転倒して脚を痛めてから週に2回、実家に通って介護をしています。母は身の回りの最低限のことは自分でできるものの、以前のように家事はできません。父も同居していますが、全く家事ができない人で…。 それに、私は一人っ子で他に頼れる親族もいません。今はなんとかなっていますが、今後、母の状態が悪くなって常に介護が必要になったり、父の介護もしないといけない状況になったらと考えると不安です。 私一人でも介護ができる方法はあるでしょうか? (栗原さん・61歳・パート) 介護は一人で抱え込まなくても良いんです!介護の相談窓口や在宅介護サービスにどんどん頼りましょう!介護の相談窓口には、「地域包括支援センター」や市区町村の福祉相談窓口などがあります。そこで相談すれば、在宅介護サービスの利用手続きなどのアドバイスがもらえますよ。もし在宅介護サービスを駆使しても在宅介護を続けるのが難しい状況になったら、介護施設に入居することも検討してみてください。有料老人ホームなどのさまざまな種類の施設があるので、きっとお母様にぴったりの施設がみつかりますよ。 一人っ子の介護は相談窓口を頼ろう 実家の母が先日転倒して、ほとんど歩けなくなりました。母は父と二人暮らしですが、父が家事ができない人なので私が週に2回、実家に通って料理や洗濯をしています。私は一人っ子なので、介護はすべて私一人でやらないといけません。でも、今は母も身の回りのことは最低限できているものの、これから先、もっと介護が必要になるかもしれません。それに父の介護も必要になるかも…。そう考えると不安でいっぱいです。このままやっていけるでしょうか? 介護は一人でできるものではありませんよ!まずは誰かに頼りましょう!すぐに頼れるご親族がいないのであれば、介護の相談窓口に頼るのはどうでしょうか? 介護の相談窓口、ですか? そうです。以下のような相談窓口や相談先を持っておくことで、介護がかなり楽になりますし、これからの介護のアドバイスをもらえることもありますよ。 地域包括支援センター 市区町村の福祉相談窓口 医療機関 地域の民生委員 知り合い 地域包括支援センター 「地域包括支援センター」とは地域のご高齢者の暮らしを、介護・医療・福祉といった面から支援する窓口です。ご高齢者の生活の「総合相談窓口」ですね。保健師やケアマネジャーなどの福祉や介護の専門家が、ご高齢者の暮らしの相談に乗っています。市区町村が運営する福祉施設内に設置されていたり、特別養護老人ホームに併設されていることもあります。地域によって呼び方が異なることもありますので、お住まいの自治体に確認してくださいね。 うちの地域の地域包括支援センターはどこにあるんだろう?調べてみなくちゃ。 市区町村の福祉相談窓口 市区町村の役所に福祉に関する相談窓口が設置されています。「高齢者福祉課」「介護保険課」など名称は自治体によって異なりますが、役割は概ね同じです。介護サービスを利用するときに必要な「要介護認定」の申請もこの窓口でおこないます。介護をするうえで、介護サービスはぜひ使っていただきたいのでこの相談窓口を活用していってください。また、要介護認定は前に紹介した地域包括支援センターでも手続きができます。 医療機関 医療機関って病院のことですよね?病院で介護の相談ができるんですか? はい。特に認知症が疑われる場合は、かかりつけ医に診てもらうことになりますから、病院は介護と切っても切り離せない存在なんですよ。また、怪我や病気がきっかけで介護が必要になることもあります。そういうときにも介護や治療の相談に乗ってくれますよ。 地域の民生委員 地域の民生委員さんも介護するうえでの強い味方。民生委員さんは介護に関わらず、暮らしで困ったことがあったときに行政サービスなどにつないでくれます。地域のご高齢者の家を訪問して顔見知りになっていることもあるので、地域の民生委員さんに頼るのもひとつの手です。 知り合い もし、ご近所やお知り合いに介護の経験がある人がいれば、その人に相談してみるのも良いでしょう。自分の介護経験から具体的なアドバイスがもらえるかもしれませんし、何より、気軽に話ができます。それに、誰かに話すだけでも気持ちが楽になることもありますよね。 一人っ子の介護は介護サービスを駆使して そういえば、お母様は介護サービスを利用していますか? いえ、利用していません。身の回りのことはなんとか一人でやっているみたいですし、まだ必要ないかなと思って。 いえいえ、在宅介護サービスでは掃除や料理などの家事の依頼もできますし、身体の衰えを防止するために介護施設に通って介護予防体操などをするサービスもあるんですよ。そういったサービスを活用すれば、栗原さんの負担がもっと軽くなるんじゃないでしょうか? へー!トイレや食事の介助をしてくれるだけかと思っていました。在宅介護サービスってどんなものがあるんですか?詳しく教えてください。 もちろんです!在宅介護サービスにはたくさんの種類があります。具体的には以下のサービスです。 訪問サービス 訪問介護 訪問看護 訪問入浴 訪問リハビリテーション 居宅療養管理指導 夜間対応型訪問介護 通所サービス 通所介護(デイサービス) 通所リハビリ(デイケア) 宿泊サービス 短期入所生活介護(ショートステイ) 短期入所療養介護(医療型ショートステイ) 複合サービス 小規模多機能型居宅介護 主なサービスについて紹介していきますね。 訪問サービス 訪問サービスとは、介護の専門家が自宅まで来てくれてサービスを提供するものです。慣れた環境で介護を受けられるのが魅力です。 訪問介護 訪問介護は、訪問ヘルパーさんが自宅で介護サービスを提供するもの。入浴、排泄、食事などの身体介助や、料理、掃除、洗濯などの生活支援もおこないます。 訪問介護は聞いたことがあります!うちまで来てくれるなんて、助かりますよね。 訪問リハビリ 訪問リハビリは、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士というリハビリの専門家が訪問してくれるもの。自宅で一対一のリハビリが受けられ、自宅の設備に合わせた動作の方法や介助方法の指導もしてくれます。また、身体状況に合わせた福祉用具や住宅改修のアドバイスももらえます。 そんなこともしてくれるんですね!母が脚を悪くしてから家の中の小さな段差を怖がって部屋から出ることが減ったんです。アドバイスをもらえたら、もう少し動いてくれることが増えるかも…。 通所サービス 通所サービスは、介護施設に通ってサービスを受けるものです。介護施設での本格的なリハビリが受けられたり、サービスを受けている間、介護している人の時間が作れるなどのメリットがあります。 通所介護(デイサービス) デイサービスは、介護施設に行って食事や入浴などの介助を受けられるサービスです。レクリエーションで体操をしたり、機能訓練なども受けられます。利用時間は、9~17時までのパターンが多いですね。 宿泊サービス 宿泊サービスは短期間の宿泊ができるサービス。ご家族が家を数日留守にするときや旅行などに行くときに利用されます。つまり、ご家族がどうしても介護ができなかったりリフレッシュをしたいときに利用できるサービスですね。 家族のリフレッシュのためのサービスがあるんですね!知らなかったです。 短期入所生活介護(ショートステイ) ショートステイは、1日から介護施設に宿泊できます。宿泊している間は食事や入浴、排泄といった一通りの介助をしてもらえます。最大30日まで連続で利用できるので、老人ホームに入居する前の待機期間中に利用されることもあります。 複合サービス 複合サービスは、訪問・通所・宿泊サービスをすべて提供するサービスのこと。複合サービスは小規模多機能型居宅介護の1種類だけです。 小規模多機能型居宅介護 小規模多機能型居宅介護では、1つの同じ介護事業所が訪問・通所・宿泊の3つのサービスを提供します。それぞれのサービスを別々の事業所から受けることもできますが、一括して同一の事業所から受けることで、すべてのサービスを同じスタッフさんから受けられるのです。自宅、デイサービス、ショートステイのそれぞれ場面での様子を把握している人にケアしてもらえる安心感があります。それに、ご家族としても信頼関係のできているスタッフさんからサービスを受けられるのは魅力ですよね。 在宅介護が厳しくなったら施設入居も 在宅介護サービスについてお話ししましたが、今後、お母様の状況が変化していくと、在宅介護を続けるのが難しくなるかもしれません。 それは私も思っていました。今はトイレも入浴も自分でできますが、これからどうなるかわかりません。それに、父も高齢ですから介護が必要になるときが来ると思います。二人とも同時に介護が必要になったら、一人っ子の私が介護をしていけるとは思えなくて…。 そうですよね。不安になりますよね…。もし、「どうしても在宅介護が難しい」と感じたら、老人ホームなどの介護施設に入居することも考えてみてください。 老人ホームですか…。もしかしたら、近い将来、入ることになるかもしれません。でも、老人ホームってどんなものがあるんでしょうか?いろんな種類があるということを以前聞いたことがあるのですが…。 おっしゃる通りです。介護施設には、以下のようにたくさんの種類があります。 民間施設 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅 グループホーム 公的施設 特別養護老人ホーム(特養) 介護老人保健施設(老健) 介護医療院 養護老人ホーム ケアハウス 今回は、「介護付き有料老人ホーム」「サービス付き高齢者向け住宅」「特別養護老人ホーム(特養)」について紹介しますね。 民間企業が運営する介護施設 民間企業が運営する施設は、自由度が高いのが特徴です。ホームページや資料を見るだけでも、施設ごとの特徴がはっきりしていることがわかると思います。それだけに、明確な希望の条件を定めてから施設探しをすることをおすすめします。 介護付き有料老人ホーム 介護付き有料老人ホームは、「有料老人ホーム」と名の付く介護施設の中でも介護がより必要な人向けの施設。介護スタッフが24時間常勤しているので、夜間にトイレ介助やおむつ交換が必要な人も入居できます。 そうなんだ!だったら安心ですね。 サービス付き高齢者向け住宅 サービス付き高齢者向け住宅は、比較的にお元気なご高齢者向けの施設。介護スタッフが常に常駐しているわけではなく、介護サービスが必要なときは外部の訪問介護やデイサービスと契約が必要です。全館バリアフリーになっているので、「段差があるから自宅で暮らすのは不安だけど、そこまで介護が必要ではない」という人にはぴったりです。 なるほど。今の母には合いそうな施設ですね。 公的な法人が運営する介護施設 公的な介護施設は、社会福祉法人や医療法人が運営している施設です。民間施設よりも安いのが魅力ですが、入居の際の条件が多いのが特徴です。 特別養護老人ホーム(特養) 特別養護老人ホームは、要介護3以上の人が入れる施設です。要介護3というと、歩行がほぼできなかったり認知症が進んでいるために日常生活のほとんどで介護が必要な状態。ご自宅での介護が難しくなると、まず入居の候補に上がる介護施設です。 確かに、歩けないと自宅での介護は難しいですよね…。うちの両親がそうなったら、老人ホームに入ってもらわないといけなくなるかも。 ただ、一人っ子の栗原さんの場合、介護すること自体はもちろん、介護サービスの利用手続きや施設探しも一人ですることになると思います。仕事や介護、諸々の手続きを並行するのはとても大変です。ご両親の介護に限界を感じてからではなく、余裕のあるうちから施設探しを始めてくださいね。 一人っ子が介護するときは相談窓口を積極的に頼ろう! 在宅介護サービスをどんどん使って負担を減らすのが大切 在宅介護が難しくなったら、施設に入居することも考えて pre { margin: ...

2023/04/27

施設入居 在宅介護 介護の基礎知識

通いで両親の介護をするのが限界!もう疲れました…

半年ほど前から、電車で片道2時間ほどのところの実家に住む母を介護しています。週2回くらい実家に通っている状況です。 今まで父は家のことは母に全部任せきりだったので、父はなかなか家事がこなせないようです。実家に帰る度に家がめちゃくちゃになっているんです。 父も家事が上手くできないことを母に指摘されることが度々あり、毎日のようにケンカしています。父も私も疲弊しているのを感じています。 こんな状況をどうにかしたいのですが、どうしたら良いかわかりません。何か良い方法はないでしょうか? (岩本さん・62歳・パート) 仕事や自分の家のことをしながら、通いで介護をするのはとても大変ですよね…。お母様は介護サービスを利用していますか?まだ利用していないのであれば、まずは介護認定から始めましょう。介護認定が下りれば介護サービスが利用できますから、できるだけ介護サービスに頼って、介護をもっと”楽”にしましょう!それでも「通い介護は難しい」と感じたときは、介護施設への入居を考えてください。親御さんを介護施設に入れることに抵抗がある方もいらっしゃいます。が、ご自分の生活が一番大切です。無理して通い介護を続けていると、体調をくずしたり「介護うつ」になってしまうこともあります。介護サービスを活用して”ほどほどにがんばる介護”を心がけてみてくださいね。 通い介護に疲れたときの相談先 半年ほど前に母が脚を骨折してから、片道2時間ほどの実家に住む母の介護をしています。母は長い時間立つのが難しいので家事がほとんどできず、主に父が家事や介護をおこなっています。ただ、父はこれまで家のことを母に任せっぱなしで、料理も洗濯もろくにできなかった人です。家事が上手くできなくてしょっちゅう母に指摘されるので、毎日のようにケンカしているのでこちらもイライラしてしまいます。それに、週に2回ほど実家に私が帰ると、家の中がめちゃくちゃになっていてそれを見るのも憂鬱です。でも、私も自分の家のことや仕事もあるのでこれ以上帰る回数を増やせません。どうにかしたいとは思うのですが、どうしたら良いかわからないし、どこに相談したら良いのかもわからなくて…。 なるほど…。通い介護は大変ですし、お父様の負担も大きそうですね。でしたら、まずは介護で悩んだときの相談先をお伝えします。「何から手を打ったら良いのかわからない」という疑問も解決できると思いますよ。 地域包括支援センター 「地域包括支援センター」とは、市区町村に1つは必ず設置されている窓口。介護に限らずご高齢者の生活全般について相談できます。 市区町村の福祉相談窓口 地域包括支援センターはどこにあるのかわからない場合でも、市役所の場所はわかりますよね。なので、もしかしたらこちらの方が相談しやすいかもしれません。「高齢者福祉課」「介護保険課」など、自治体によって名前が異なるので、窓口がわからなければとりあえず役所に行ってみるのもありですよ。 なるほど、役所なら相談しやすいです。行ってみます! 医療機関 医療機関でも介護の相談ができるんですか? そうなんです。特に認知症が疑われる場合は、ドクターが強い味方になります。具体的には、「最近、物忘れが多いかも」「会話が噛み合わない」などの異変を感じたときはドクターの出番です。あとは、病気や怪我が原因で入院して、介護が必要になったときも医師に相談するのが良いでしょう。 認知症か…。まだうちの母はそんな感じはしないですが、気をつけておいた方が良いのかも。 地域の民生委員 また、地域の民生委員さんも介護の相談に乗ってくれます。民生委員さんは、地域のご高齢者の家を訪問して顔見知りになっていることも多いので、ご両親の住む地域の民生委員さんに相談してみるのも良いかもしれません。 知り合い もし、身近に介護の経験をしたことがある人がいたらその人に相談してみるのもあり。ご家庭によって状況が異なるので、その人の解決法が必ずしも岩本さんの悩みも解決できるとは限りませんが、誰かに話すだけでも気持ちが楽になることもあるので、積極的に頼ってみましょう。 そういえば、うちの近所でお母さんを介護している人がいた気がします。その人に相談してみるのも良いのかな。 通い介護に限界を感じたら在宅介護サービスの活用を そういえば、お母様は介護サービスを利用していますか? 利用していないです。まだ、そこまでの状況ではないと思って…。介護サービスって認知症とか、自分でトイレにも行けないとか、そういう状態の人が使うものじゃないんですか? いえいえ!もっと状態の軽い人でも利用できますよ。特に岩本さんのお宅は、通い介護で負担が大きいと思うので、積極的に活用していきましょう! と言われても…。どうやって介護サービスを利用したら良いのかわからないです。 では、介護サービスを利用するまでの流れをお話ししていきますね。 初めて利用する場合は介護認定から 介護サービスを利用するには、はじめに介護認定を受ける必要があります。その介護認定によって「要介護度」が決定し、介護度に応じて利用できる介護サービスの量がわかります。介護認定を受けるときの流れは以下の通りです。 介護認定の申請をする 認定調査を受ける 認定結果の通知を受ける ケアマネジャーを選ぶ 介護サービスを利用開始する 1.介護認定の申請をする 介護認定の申請は、認定を受ける人が住んでいる市区町村の役所でおこないます。つまり、お母様が住んでいる地域の役所で手続きをおこなうわけです。 2.認定調査を受ける 認定調査は「介護認定調査員」がお母様を訪ねて、直接の面談でおこなわれます。この面談でお母様の受け答えや身体の動き、普段の生活能力などを確認します。 3.認定結果の通知を受ける 介護認定の申請から30日以内に認定結果が知らされます。介護認定は「要介護1~5」「要支援1・2」「非該当(自立)」のいずれかに分類され、「要介護1~5」に認定されると「介護保険サービス」が利用できるようになります。 4.ケアマネジャーを選ぶ 介護認定が下りたら、介護サービスを利用するためにケアマネージャーを探しましょう。ケアマネージャーとは、「ケアプラン」と呼ばれる介護サービスの計画書を作る専門家。介護サービスや介護の悩みの相談窓口でもあります。このケアマネージャーは、役所か地域包括支援センターに相談するとケアマネージャーの事業所(居宅介護支援事業所)のリストをもらえるので、その中から選びます。 5.介護サービスを利用開始する ケアマネージャーにケアプランを作成してもらい、それに沿って介護サービス事業所と契約をすれば、あとは介護サービスの利用が開始されます。 初めて聞く言葉も多いし、なんだかややこしいですね…。 そうなんですよね…。初めてのことでわからないことが多いと思うので、わからないことがあったら逐一、担当者に質問したり、役所の窓口に相談してみてくださいね。 在宅介護サービスの種類 えーっと…。介護認定が下りたら介護サービスを利用できるわけですよね。でも、介護サービスってどんなものがあるんですか?よくわからなくて…。 では、ここからは在宅介護サービスの代表的なものについて簡単にお伝えしましょう。他にも在宅介護サービスはいくつもあるので、詳しく知りたい場合は以下の記事もチェックしてみてくださいね。 訪問介護 訪問看護 通所介護(デイサービス) 短期入所生活介護(ショートステイ) 訪問介護 訪問介護は、ご自宅の訪問ヘルパーさんが来て掃除や食事の支度などの身の回りの世話や、排泄介助、入浴介助といった介護をしてくれるサービスです。介護サービスの対象者であるお母様に関する家事・介護しかしてもらえませんが、食品の買い物などもやってもらえるので、どうしても岩本さんやお父様の手に余るような家事をお願いするのも良いかもしれません。 訪問看護 訪問看護は、訪問介護と同じように訪問看護師さんがご自宅に来て健康管理や、薬の管理、医療ケアを提供してくれるサービスです。健康な人には日常的な健康管理をおこない、医療的ケアが必要な人には点滴や注射といった医療処置も提供可能です。 通所介護(デイサービス) デイサービスは、介護施設にご高齢者が通ってケアを受けるサービス。具体的には、食事、入浴、排泄介助といった身の回りの介助に加えて、レクリエーションや機能訓練なども提供します。ご高齢者の集いの場となっているので、自宅にこもりがちな人でも自然と人との交流ができる環境です。 短期入所生活介護(ショートステイ) ショートステイはその名の通り、介護施設に短期間宿泊できるサービスです。1日から利用でき、最長30日間連続の宿泊もできます。利用するご高齢者も気分転換になりますし、ご家族も介護から離れてリフレッシュする時間が確保できるのが魅力。介護をするご家族が休憩するためのサービスとも言えるんです。 施設入居も検討して 在宅介護サービスっていろんなものがあるんですね。もっと早く使っておけばよかった…。 そう思っていただけたのなら良かったです!介護は他の人に相談しにくく、一人で抱え込む方が多いんです。なので、ご紹介したようなサービスを活用して、どんどん介護のプロに頼りましょう!ただ、もしかしたら在宅介護サービスを使っていても「介護がきつい」と感じるときが来るかもしれません。そういうときは、老人ホームなどの介護施設に入居することも検討してくださいね。 えっ、老人ホームですか?でも、私もまだまだ介護できますし…。何より、父は「介護は家族がするもの」と口癖のように言う人です。それで母を施設に入れるなんて、父が首を縦に振るはずありません。 なるほど…。もしかしたらお父様は「施設に入れるのはかわいそう」と思っているのかもしれませんね。でも、無理して在宅介護を続けることで、岩本さんやお父様が体調を崩してしまうこともあるかもしれません。そうなってしまっては元も子もないですよ。介護は楽をして良いんです。むしろ岩本さんとお父様が体調を崩してお母様の介護ができなくなったら、お母様が生活できなくなってしまいますよね。そうならないように、「在宅介護は限界かも」と感じたらすぐに施設探しを始めましょう。 うーん、そうですね…。でも、老人ホームにもたくさんの種類があるんですよね?違いがよくわからなくて…。 でしたら、主な介護施設について簡単にお話ししていきますね。代表的な介護施設には以下のようなものがあります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) グループホーム 特別養護老人ホーム(特養) 介護施設の種類 介護付き有料老人ホーム 介護付き有料老人ホームは、24時間介護職員さんが常駐しているので、トイレ介助といった夜間の介助が必要な方におすすめです。また、日中には看護師さんも常駐しているため、インスリン注射などの医療ケアが要る場合でも入居ができます。 住宅型有料老人ホーム 住宅型有料老人ホームは、訪問介護やデイサービスなどの在宅介護サービスを利用しながら生活する施設。そのため、介護サービスの組み合わせの自由度が高いのが特徴です。 サービス付き高齢者向け住宅 サービス付き高齢者向け住宅は、基本的には介護の必要のないご高齢者向けの住まい。中にはカラオケやフィットネスジムなど、元気に活動できる設備が整っている施設もあります。サ高住に入居して介護サービスを使いたい場合は、在宅介護サービスの事業者と別途契約が必要になります。 グループホーム グループホームは、認知症のご高齢者限定の施設です。少人数の「ユニット」単位で生活しており、1ユニット9名までと定められているのが特徴なんです。ただ、「介護度が要支援2以上」「施設のある市区町村に住民票があること」などいくつか入居条件があるので、入居を希望する場合は注意が必要です。 特別養護老人ホーム 特別養護老人ホームは、公的施設のため比較的、費用が安いのが特徴です。ただ、安価なためとても人気で、入居までに1年以上待つケースも。「すぐに入居したい」と思っても入居できないのがネックなんです。そのため、特養に入居したい場合は、余裕のあるうちから入居の申込みをするのがおすすめです。 介護施設ってこんなに種類があるんですね…。 実は、ここでお話ししたのは一部だけ。詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてみてください。 通い介護を無理して続けて起きる問題 通い介護は介護をする人にとって負担が大きいですよね。移動時間もかかりますし、頻繁に通うとなると交通費も高額になってしまいます。それでも、無理をして通い介護を続けていくと次のような問題が起こる可能性があります。 介護離職 老老介護 介護うつ 介護虐待・殺人 在宅介護で虐待が起こる理由 在宅での介護で虐待が起こる一番の理由は、虐待者の介護疲れやストレスです。介護は食事・入浴・排泄の介助など、身体的に負荷がかかるものが多く、肉体的な疲労が精神的疲労にもつながりやすいものです。 さらに、高齢者の生活を支えていくには、一日の中で長時間の付き添いが必要です。そのため、介護者がゆっくりと過ごす時間が減り、自宅にこもりきりになります。 いつまで介護が続くかわからない状況で、外部との交流が減ったり、肉体的な疲れから追い詰められ、虐待に発展してしまうことも多いです。 また、介護費用がかかることや、介護に時間を使うことで収入が減り、経済的な不安から虐待につながることもあります。在宅介護は閉鎖的な環境で、一人で抱え込みがちになってしまうため注意が必要です。 「介護虐待」とか、テレビで聞いたことがあります…。でも、虐待してしまうのって寝たきりの人を介護していたり、介護がすごく大変なケースですよね?うちの母はまだ元気ですし…。 いえ、これらの問題は介護をするすべての人に起こる可能性があります。現に、岩本さんのご実家でもお父様がお母様を介護する「老老介護」の状態になっていますよね。老老介護は、介護をしている人も高齢のために体調を崩しやすいですし、「気がついたら介護している人が認知症になっていた」という話もあるんですよ。それくらい共倒れしやすい状況なんです。 え、父が認知症に…?うーん、確かに父も高齢ですし、ありえないことではないですよね…。 老老介護・認認介護とは 老老介護とは 老老介護とは、高齢者が高齢者を介護している状態のことを言います。具体的には、介護する人も介護される側の人も65歳以上の高齢の場合で、さらに、共に75歳を超えている場合には「超老老介護」とも言われます。 日本では、老年人口と呼ばれる65歳以上の高齢者の割合が25%を超えてきており、完全に超高齢社会となりました。要介護者の人数が増加に伴って老老介護のケースも増えており、問題になってきています。 認認介護とは 認認介護とは、認知症の高齢者が認知症の高齢者を介護している状態を言います。老老介護と同様に高齢社会に伴って増加の傾向にあります。 厚生労働省が2019年に実施した調査の結果では、介護が必要になった理由として一番多かったのは認知症であり、認知症患者の増加が認認介護が増えてきている要因となっています。 また、要介護申請をしていない人は現在800万以上いるといわれており、実態は調査結果などの数字以上に増加している可能性もあります。 不安になるようなことを言ってすいません。ただ、そういうリスクを想定して介護サービスを積極的に使ったり、少しでも異変があったらケアマネージャーなどの専門家に相談しましょう。お母様の介護も大切ですが、岩本さんとお父様の生活が第一です。いろんなサービスを頼りながら”楽”に介護できる環境を整えてくださいね。 在宅介護サービスを活用して、通い介護の負担を軽減して 介護サービスを利用するときは、まず介護認定から 老老介護は介護する人が認知症になって介護できなくなることも… pre { margin: 40px 0; ...

2023/03/03

施設入居 認知症介護 介護の基礎知識 サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅の「特定施設」とは何ですか?普通のサ高住と何が違いますか?

認知症の父を自宅で介護することが難しくなってきました。なので、施設探しを始めたところ、ネットで「特定施設」と記載のあるサービス付き高齢者向け住宅を見つけました。「特定施設」の記載のないサービス付き高齢者向け住宅もあるようですが、何が違うんでしょうか? (堀さん・会社員・62歳) 特定施設ではない一般型のサ高住では、介護サービスを提供していません。なので、介護サービスを利用したいときは別途、外部の介護事業者との契約が必要です。対して特定施設のサ高住は、施設が介護サービスを提供します。しかも、介護サービス費は介護度に応じた定額制になっています。つまり、 サ高住の中でも介護体制が充実しているのが特定施設と言えます。 サービス付き高齢者向け住宅の「特定施設」とは? つい先日、父が自宅で転倒してから脚が痛むのか歩くのを嫌がるようになりました。すると、どんどん身体が衰えて介護の負担がとても大きくなってしまって。私も仕事があるので自宅で介護するのは限界です。なので、介護施設を探し始めたところ、サービス付き高齢者向け住宅に「特定施設」と記載があるものとないものがあると知りました。この「特定施設」の記載の有無は何が違うんですか? 「特定施設」という表記のないサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、いわゆる”「一般型」のサ高住”と”特定施設のサ高住”には、いくつか違いがあります。順番にお話ししていきますね。 サ高住の「特定施設」とは まず、「特定施設」は正式には「特定施設入居者生活介護」と呼ばれ、介護職員の人員基準などの複数の条件を満たした施設だけが都道府県の指定を受けられます。つまり、特定施設の指定を受けている施設はそうでない施設に比べて充実した介護体制が整っているというわけですね。 なるほど。一般型のサ高住は、介護体制は整っていないんですか? 施設によって異なりますが…。基本的には重度の介護度の方にはサ高住はおすすめできません。というのも、一般型のサ高住に入居して介護サービスを利用するときには、別途、外部の介護事業者と契約が必要。施設の介護職員が介護サービスを提供してくれる訳ではないんですね。さらに、特定施設の介護サービス費が介護度に応じた定額制であるのに対して、一般型は利用した分だけ発生します。つまり、常に介護が必要な人は、介護サービス費が高額になってしまうことがあるんです。 えっ!そうなんですか!費用が高いのは困ります。 また、一般型のサ高住の中には夜間に職員がいなくなるところもあります。万が一のときに知らせられるように緊急ボタンを居室に設置している施設もありますが…。このボタンを押すと介護職員さんではなく、警備員さんが駆けつけます。介護のためではなく緊急時対応のためのボタンですので、一般型のサ高住は「トイレに行きたいから手伝って」と気軽に頼める環境ではないことはイメージできるかと思います。 そういう状況なんですね…。父はトイレに付き添いが必要な状態ですから、一般型では難しそうです。 頻繁に介助が必要な状況でしたら、やはり特定施設の方が合っているかもしれません。というのも、サ高住でも特定施設であればケアマネージャーさんが常駐しており、一人ひとりに合わせたケアプランを作成してくれます。それに基づいて食事や排泄などの介助をおこないますので、頻繁に介助が必要な場合でも安心なんです。 サ高住以外にも特定施設はある! ちなみに、「特定施設」の指定を受けられる介護施設はサ高住だけではありません。サ高住も含めて、以下の4種類の介護施設が条件を満たせば、特定施設の指定を受けられます。 有料老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅 ケアハウス(軽費老人ホーム) 養護老人ホーム へぇ、特定施設ってサ高住だけの話ではないんですね。そういえば、特定施設の指定を受けるための条件ってどんなものなんですか? 厳しい条件がたくさんあるので、全てはお伝えできませんが…。例えば、職員さんの人員配置についてであれば、以下のような条件があります。 入居者:介護・看護職員 =3:1 看護師1名以上 ケアマネジャー1名以上 こうした人員配置基準など、たくさんの条件を満たしていないと特定施設にはなれません。つまり、特定施設はそれだけ介護や看護の体制が整っていると言えますね。 一般型と特定施設のどちらを選ぶ? やはり、特定施設の方が介護体制が整っていますし、特定施設を選ぶのが良いですよね? うーん、一概にそうとも言えません。それぞれに特徴がありますからね。一般型と特定施設を比較して選んでみることも大切です。なので、一般型のサ高住と特定施設のサ高住を比べるために、それぞれの特徴をまとめてみました。「介護体制が充実しているから」と、特定施設だけに限定してしまうのではなく、どちらがお父様に合うのかに注目して比較してみてください。 一般型のサ高住 生活の自由度が高い 居室にキッチン、浴室がついていることも 共用施設が充実している 特定施設のサ高住 職員体制が手厚い 介護サービス費は定額制 認知症、重介護度の人も対応可能 一番上にある一般型のサ高住の「生活の自由度が高い」とはどういう意味ですか? もともと、サ高住というのは自立して生活できるご高齢者向けの住宅なんです。”「安否確認」「生活相談」といった見守りサービスが付いた賃貸住宅”という位置付けなんですね。なので、一般型のサ高住では外出が自由にできますし、外食や自炊することにも制限がないことがほとんどです。対して、特定施設のサ高住は介護が手厚い反面、行動に制限がかかることがあります。認知症の人も入居しているので、安全のために建物の玄関に施錠がされている場合もありますし、居室にお風呂がないことが多いので自分の好きなタイミングで入浴するのは難しいでしょう。 そうなんですね!確かに、認知症の人が一人で外出してしまって帰れなくなったら危険ですもんね…。 つまり、介護の必要がなかったり介護が必要な量が少ない場合は、一般型のサ高住の方が自由な生活ができるのでおすすめです。もし、定期的に介護が必要な状況、例えば「トイレに見守りや介助が必要」といった場合は、特定施設の指定を受けたサ高住の方が安心した生活を送れるでしょう。 なるほど…。となると、父はトイレに付き添いや介助が必要なので、特定施設の方が安心かもしれません。 一般型、特定施設のどちらのサ高住もメリットとデメリットがあります。入居する方の身体状況や希望する生活スタイルに合わせて選択してくださいね。 サ高住の特定施設には、常に介護できる体制が整っている 介護量が少ないなら一般型、介護量が多いなら特定施設のサ高住がおすすめ pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; ...

2023/02/20

施設入居 介護の基礎知識 サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅の「安否確認」とはどんなサービスですか?他の介護施設との違いも教えてください。

私の自宅の近くに呼び寄せようと思い、父が入れる介護施設を探しています。ネットで調べていて、私の自宅近くに「サービス付き高齢者向け住宅」という介護施設を見つけ、興味を持っています。 サービス付き高齢者向け住宅には「安否確認」というサービスがあるとネットに記載されていたのですが、これはどんなサービスですか?他の介護施設では、安否確認サービスはないのでしょうか? (尾崎さん・会社員・58歳) サービス付き高齢者向け住宅の安否確認サービスは、ご入居者に異変がないかを毎日確認するものです。具体的には、1日1回、居室を訪問したり室内センサーなどのシステムを使って、状況を確認します。有料老人ホームなどの他の介護施設のほとんどは、身体介助などの介護サービスを提供しているので、安否確認の必要がないんです。対して、サービス付き高齢者向け住宅は、介護の必要のない人を対象としており、ご入居者の状態を把握する機会がないので、安全のために安否確認サービスを提供しています。 サービス付き高齢者向け住宅ではどんな方法で安否確認をする? 私の自宅の近くに呼び寄せるために、父が入る介護施設を探しています。その中で、ネットで私の自宅近くに「サービス付き高齢者向け住宅」という施設を見つけました。サービス付き高齢者向け住宅では、「安否確認サービス」を提供していると記述があったのですが、このサービスはどんなものなんでしょうか?「安否確認」と言われても、いまいちピンと来なくて。 サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)で提供している「安否確認」とは、ご入居者に異変がないかを毎日確認するサービスです。ご高齢になると、室内で転倒したり急な体調不良で救急車が必要になる可能性が高くなりますから、そういった異変がないかを確認するわけですね。 そういうことなんですね。どうやって安否確認をするんですか? 安否確認には、主にシステムを利用したものと、施設スタッフによるものの2種類あります。システムを使った安否確認の場合、ご入居者の居室内に人の動きを察知するセンサーが設置されており、そのセンサーが一定時間、反応していないときに警報などで異常を知らせます。センサーは居室内の廊下などに設置されていることが多いです。つまり、長時間にわたってセンサーの前を通っていないとなると、室内で倒れているなどの異常が起きている可能性があるというわけですね。 なるほど。センサーの前を通るだけで安否確認ができるんですね。 また、電気やガスなどの使用状況で安否確認する方法もあります。通常よりも極端に電気やガスの使用が少ないときに、異常を知らせるんです。こうしたシステムを使った安否確認の方法は、いつもどおり生活しているだけで良いのでご入居者にとって負担や手間がないのがメリットですね。 あと、施設のスタッフさんによる安否確認もあるんでしたっけ。 はい。施設スタッフが決められた時間にご入居者の居室を訪問して安否確認をする方法があります。サ高住で食事を提供している場合は、食事の際に安否確認をしている施設もありますね。施設スタッフによる安否確認の場合、スタッフが確認を取らないといけないという負担はあります。が、ご入居者と直接コミュニケーションが取れるので、日々のご入居者の状況を把握できるというメリットもあるんです。このように安否確認の方法は、サ高住によってさまざまです。安否確認は安心した生活のために重要なことですから、入居前に良く確認するのが大切ですよ。 サ高住では介護サービスは利用できない!? ネットの情報には、サ高住では安否確認サービスと生活相談サービスを提供していると書いてありました。安否確認サービスと生活相談サービスというのは、介護サービスとは別のものですよね?介護サービスは提供していないんでしょうか? そうなんです。サ高住では介護サービスは提供していません。というのも、サ高住は安否確認・生活相談サービスというご高齢者の安心をサポートするサービスがついた賃貸住宅という立ち位置のため。介護が必要な人を想定した住まいではないんです。 えぇ!そうだったんですね!父は今のところ介護の必要はありませんが、高齢なのでいつ介護が必要になるかわかりません。将来のことを考えると、介護サービスを受けられる施設の方が良いんでしょうか? サ高住でも介護サービスを利用する方法はあります。例えば、外部の訪問介護サービスやデイサービスを利用することで、在宅介護サービスを利用できるんです。中には訪問介護事業所を併設しているサ高住もあります。もし、近い将来、訪問介護サービスを利用する予定がある場合は、訪問介護事業所を併設しているサ高住に住み替えるのも良いかもしれません。 サービス付き高齢者向け住宅と他の介護施設は何が違う? 私の自宅の近くにサ高住があったのでサ高住について調べていますが、介護施設って他にもいろいろとありますよね。サ高住は他の介護施設と何が違うんでしょうか? そうですね。介護施設にもさまざまな種類があります。では、主な介護施設の特徴をご紹介しながら、サ高住との違いをお話ししますね。      種類 サービス付き高齢者向け住宅 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 入居対象者 自立 ◯ △(施設により異なる) ◯ 要支援 ◯ ◯ ◯ 要介護 △(施設により異なる) ◯ ◯ 付帯サービス 食事 オプション ◯ ◯ 緊急時の対応 フロントサービスが対応 ◯ ◯ 介護サービス ◯(外部を利用) ◯ ◯(外部を利用) 終身での生活可否 △(施設により異なる) ◯ ◯ まずサ高住は、先ほどのお話にあったとおり、安否確認と生活相談サービスを提供しています。生活相談サービスとは、電球の交換や重い荷物を運ぶなどのちょっとした生活のお困りごとに対応するもの。さらに、緊急時にご家族への連絡にも対応しています。その他、そのサ高住独自のサービスを提供していることもありますが、基本的には介護サービスは提供していません。 サ高住で介護サービスを利用するには、外部の介護サービスと契約する必要があるんでしたね。 おっしゃるとおりです。対して、有料老人ホームは介護が必要な人を前提とした施設ということもあり、比較的、介護体制が整っています。具体的には、「介護付き有料老人ホーム」では介護サービスがすべて施設の職員さんによって提供されます。そのため、介護サービスを利用するために別途、契約する必要はありません。 へー、つまり、介護施設にすべて任せられるというわけですね。 ただ、同じ有料老人ホームでも「住宅型有料老人ホーム」はサービス付き高齢者向け住宅と同じように外部の介護サービスを利用する必要があります。ただ、サービス付き高齢者向け住宅とは異なるのは、食事の提供や健康管理などのサービスを施設側が提供していることです。つまり、サ高住は他の介護施設よりも介護を必要とする量が少ない人や、まったく必要のない人に向いている施設と言えます。 うーん。父は今のところ介護は必要ないですし、サ高住が良いのかな…。 ただ、サービス内容も施設ごとに大きく異なるので、 それぞれの種類の施設の特徴を頭に入れておきつつ、個々の施設のサービス内容を確認した方が良いでしょう。介護施設は、施設ごとにサービスがまったく異なります。ですので、いろんな施設があって迷ってしまうかもしれません。そういうときは、ぜひ「いい介護 入居相談室」にご相談ください。介護施設を熟知した入居相談員が、お父様に合う施設をお探ししますよ! サ高住の安否確認は、入居者の異変がないか確認するサービス 安否確認にはセンサーなどのシステムによるもの、スタッフの訪問などの方法がある サ高住では介護サービスの提供はないため、自立~軽介護度の人に向いている pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before { content: ...

2023/01/17

施設入居 認知症介護 介護の基礎知識 入浴

老人ホームでの入浴回数や時間が気になります。お風呂の介助はどこまでしてもらえるんでしょうか?

認知症の母の老人ホームを探しています。母はお風呂が大好きなので頻繁に入れてあげたいのですが、老人ホームでは入浴の回数が決まっているのでしょうか? また、皮膚が乾燥しているのでお風呂から出たら保湿剤を塗らないといけません。でも、母は自分ではできないので、誰かに塗ってもらう必要があります。職員さんに塗ってもらえますか? (小池さん・パート・60歳) 老人ホームでの入浴回数は「週2回以上」と国の基準で決められています。多くの施設では週2回の入浴ですが、中にはそれ以上の頻度でお風呂に入れる施設もありますよ。また、入浴後に保湿剤を塗るのも介護職員さんが対応可能です。事前に施設に相談しておきましょう。 老人ホームでの入浴は?回数に決まりがある? 認知症の母が入る老人ホームを探しています。母はお風呂に入ることが大好きで、今も自宅で毎日入浴しています。老人ホームでは、入浴は毎日できるのでしょうか?それとも、入浴できる回数が決められているのでしょうか? 老人ホームの入浴回数は「週2回以上」と国の基準で定められています。多くの施設では、週2回入浴ができ、ご入居者ごとに「火曜日と木曜日」「水曜日と金曜日」と入浴日が決められていることが多いです。 週2回ですか…。けっこう少ないですね。 もちろん、もっと頻繁に入浴できる施設もあるのですが、その多くは介護職員さんの人員に余裕があるところです。週2回より多く入浴できる施設は数少ないのが実情ですね。 そうなんですね…。ちなみに、入浴する時間も決められているんですか?母は夕方になると落ち着かなくなるので、昼食後にお風呂に入ることが多いのですが…。 午前から夕方にかけて幅広く入浴時間を確保している施設が多いですね。お風呂の数がたくさんあるわけではないので、順番にご利用者が入浴していきます。施設の状況によりますが、事前に相談しておけば「昼食後」「14時ごろ」といった入浴時間の指定もできることがあります。 そういうこともしてくれるんですね!母はお風呂は大好きなんですが、認知症のせいか夕方になると機嫌が悪くなってしまうんです。そうなると頑固で絶対にお風呂に入ってくれなくなるので、できれば昼間に入浴させてほしいです。 もし、拒否されてしまったり発熱などで入浴ができない場合は、次の日に入浴していただくこともあります。ただ、それでも入浴できないときはお湯で濡らしたタオルで体を拭く「清拭」に切り替えて対応しています。 入浴介助の内容は? 母は足腰が弱っていてお風呂で滑る可能性もありますし、認知症の影響で自分で体を洗うこともできません。そのあたりも介護職員さんがサポートしてくれるんでしょうか? もちろんです!介護施設ではその方の心身の状況に合わせて声掛けは介助をおこなっています。入浴の際も、頭や身体を洗うときに介助が必要な人であれば介護職員さんが代わりにしてくれますよ。それに、身体機能が落ちて浴槽をまたぐのが大変になってきている人には介護用品を使ったりして動作の支援をおこないます。 そうなんですね、それなら安心です。あ、それとお風呂から出た後に全身に保湿剤を塗らないと、皮膚の乾燥がすごくて…。母は自分では保湿クリームを塗れないのですが、それも介護職員さんがやってくれますか? はい。入浴後に保湿剤や軟膏を身体に塗るのも可能です。普段、ご自宅で使っている保湿クリームがあれば、事前に施設に預けておくと良いでしょう。 老人ホームの入浴設備は? もう一つ、お風呂に関して心配なことがあって…。今はなんとか浴槽をまたいでお湯に浸かれていますが、これからもっと身体が動かせなくなったらお風呂に入れなくなってしまうんでしょうか?母は昔からお風呂が大好きなので、できればシャワーだけじゃなくてお湯に浸からせてあげたいんです。 でしたら、「チェアー浴」や「ストレッチャー浴」などの機械浴の設備のある施設を選びましょう。 機械浴ですか?初めて聞く言葉です。 機械浴というのは、座ったままで浴槽に入れるチェアー浴や寝台に横になったままで入れるストレッチャー浴のことです。機械で動かして浴槽に入るので、機械浴と呼ばれているんですね。対して、一般的なご家庭にあるユニットバスのことを「個浴」や「一般浴」と呼びます。 介護施設にはそういう設備があるんですね。機械浴の設備があると、何か良いことがあるんでしょうか? 例えばチェアー浴の場合、脚が上がらなくなって自力で浴槽をまたげなくなった人が利用します。椅子が機械によって昇降したり、椅子のまま入れるように浴槽が開く構造になっているタイプもありますね。どちらのタイプも、座ったままでお湯に浸かれるので転倒を防止できます。 なるほど!母も湯船をまたげなくなったら、チェアー浴を使えば良いということですね。 もう一つのストレッチャー浴は、座った姿勢を保てなくなった人が寝台に寝たまま入浴できる設備です。チェアー浴でも難しくなったら、ストレッチャー浴を使用するイメージですね。 そうか…、寝たきりになると座った姿勢を保つのも難しくなるんですね。 介護施設の中には、こうした機械浴設備を複数備えてご入居者の介護度に合わせて使い分けている施設がたくさんあります。長く安心して暮らすために、身体状況が悪化しても入浴できる設備を持っているのかに注目してみるのも良いかもしれませんね。 老人ホームの入浴は週2回以上。それ以上の頻度で入浴できる施設も 洗身、洗髪、着替えなどの一連の介助が可能。軟膏や保湿剤を塗るのも対応している 一般浴、ストレッチャー浴といった入浴設備を身体状況に応じて使い分けている pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before { content: '[sample]'; ...

2022/12/28

認知症 認知症対策 在宅介護 介護の基礎知識

認知症の検査を嫌がる母親の説得方法を教えてください

最近、母の様子がおかしくて、認知症かもしれないと感じています。午前中にした話を午後には忘れていたり、何度も同じ質問をしてくることもあります。 なので、認知症の検査を受けてもらおうと「認知症の検査に行こう」と言ったのですが、「認知症じゃない!」と拒否されてしまいました。どうやったら、母を説得できるでしょうか。 (浜田さん・61歳・会社員) 「健康診断に行こう」と別の理由で誘ってみるのもひとつの手です。また「お母さんが認知症になったら、私が困るから病院で診察してもらおう」と浜田さんが心配に感じていることを素直に伝えると、検査を受ける気になってくれるかもしれません。認知症を発症した多くの人が、自分の様子がおかしいことに気がついて不安を感じています。なので、そこを刺激するような「最近、変だから検査しよう」「認知症なんじゃない?」といった伝え方をしてしまうと、拒絶されてしまうことがあるので要注意です。 認知症の検査を嫌がるときの誘い方は? 母の様子が最近おかしくて。午前中にした話をその話をしたことすら忘れてしまったり、同じ質問を1日に何度もしてくることもあります。もしかしたら認知症なのかもしれないと思って「最近、様子が変だから認知症の検査に行こう」と言ったら「認知症なんかじゃない!」と怒って拒否されてしまいました。母が認知症検査を受けてくれる上手い誘い方はないでしょうか? うーん、実は、ご高齢者を認知症検査に誘う言い方として、「おかしい」とか「ボケている」といった言い方はNGなんです。 えぇ!そうなんですか? はい…。認知症の人の多くは、初期の段階では自分の変化に気がついています。なので、「認知症かも」と指摘されるとその不安感が大きくなってしまうんです。それに、認知症だと自分で認めなくない気持ちもあるので、反発されてしまうこともあります。 そうだったんだ…。もしかしたら、母も自分の異変を感じて不安になっているかもしれないんですね…。 そうなんです。なので、さらに不安になってしまうような言い方はNGです。加えて、「ご飯を食べに出かけよう」「私が調子が悪いから病院に付き添って」というような嘘もしない方が良いですね。病院に着いてお母様が嘘に気がついたとき、信頼関係が崩れてしまう可能性もありますから。 うーん、認知症の検査を受けてもらうのは難しいですね…。良い言い方があると良いのですが…。 そうですね…。例えば、「健康診断を受けてみない?」と誘ってみるのはどうでしょうか?また、「高齢になると検査する人が多いみたいだよ」「近所の○○さんも検査したみたいだよ」と、第三者を引き合いに出すのも良いかもしれません。 それだけで納得してくれますかね?母が納得しなくて、結局、無理やり連れていくしかないように思います。 いえ、無理やり受診するのはおすすめできません。というのも、認知症は「検査して診断が出れば終わり」というものではなく、長期的に治療を続けていくものだからです。そのため、無理やり病院に連れて行って認知症だと判明しても、その後の治療のための通院がとても大変になる可能性があります。なので、無理やり検査を受けるのではなく、じっくり説得してお母様が納得したうえで検査を受けていただくのが今後のためにも良いんです。 なるほど…。 もし、なかなか検査を受けてくれないようだったら、ストレートに「お母さんが認知症だったら、私がとても困る。私のために検査を受けて」とお願いしてみるのも良いでしょう。また、かかりつけ医にお願いして、検査を勧めてもらうのも手。「先生が言うなら…」と意外とスムーズに受診してくれる人も多いですよ。 あぁ、確かに。かかりつけの先生の言うことなら素直に聞くので、先生にお願いするのが良いかもしれません。ちなみに、認知症の検査を受けられるのは何科の病院ですか? 精神科、脳神経内科、脳神経外科、心療内科、老年科…などいろんな診療科で検査が受けられます。どの病院で検査を受けるか迷ったら、それもかかりつけ医に相談してみるのが良いでしょう。検査を受けられる病院を紹介してくれると思いますよ。 認知症診断の流れ 認知症診断の流れは以下の通りです。 面談(問診) 身体検査 認知症検査 認知症診断では、問診を含む面談、他の病気の可能性も確認するための身体検査、神経心理学検査と脳画像検査となります。 認知症と診断されたら… 検査の結果、母が認知症と診断されたらどうしたら良いんでしょうか? まずは、認知症や介護の専門機関に相談してみましょう。そうすることで、適切な介護サービスや支援を受けられますよ。 そうか、認知症になると介護が必要になるんですよね。 そうです。今は元気でも認知症が進行していくと、さまざまな面で介護が必要になります。なので、適切な介護サービスが受けられるように、介護認定を受けましょう。介護認定を受けるには、介護やご高齢者の暮らし全般をサポートしている「地域包括支援センター」の窓口で申請する必要があります。そのため認知症の診断が下りたら、まずは地域包括支援センターに行くことをおすすめします。 地域包括支援センターとは 地域包括支援センターを要約すると、介護だけでなく医療や保険、福祉などの面から高齢者やその家族の生活を支える総合窓口、ということになります。 地域包括支援センターにはそれぞれの専門家が常駐しており、高齢者が住み慣れた場所での生活を続けられるようにさまざまなサービスを提供してくれたり、相談に乗ってくれたりします。 地域包括支援センターの運営主体は各市町村。それら自治体から委託を受けた社会福祉法人や社会福祉協議会が運営しているケースがほとんどで(稀に民間企業が運営しているセンターも)、全国には約5000以上もあります。 ...

2022/12/21

施設入居 医療体制 介護の基礎知識

老人ホームには尿バルーンを利用していても入居できますか?施設の探し方も教えてください。

前立腺肥大症のために父が尿バルーンを使用することとなりましたが、自宅では介護ができないので施設探しをしています。 尿バルーンを利用していても老人ホームには入居できるのでしょうか? (田口さん・パート・66歳) はい。尿バルーンを利用している人を受け入れている介護施設はたくさんありますよ。カテーテルが抜けてしまったときの対応は看護師や医師でないとできないので、看護師が常駐している施設を選びましょう。また、尿バルーンをしていると感染症や皮膚トラブルなどを起こしやすくなります。それらのトラブルにスムーズに対応できることも考えると、看護師が常駐している老人ホームに入居するのがおすすめです。 尿バルーンで老人ホームに入れる?入居の条件は 父が前立腺肥大症の影響で排尿ができなくなり、尿バルーンを使うことになりました。現在は入院中なのですが、体調が落ち着いたら退院できると言われています。でも、私も仕事をしていますし、尿バルーンの管理をしながら父の介護をするのは難しいので、介護施設に入居させたいと思っているんですが…。尿バルーンを使っていても入れる介護施設ってあるんでしょうか? はい、たくさんありますよ!尿バルーンは医療行為のひとつですが、その中でも比較的受け入れしやすいものなんです。 そうなんですね!よかった…。どんな施設であれば、尿バルーンでも受け入れてくれるんですか? できれば看護師が常駐している施設が良いですね。尿道に挿入しているカテーテルが万が一抜けてしまったりしたときに、看護師が常駐していればすぐに対応できますから。そういったカテーテルのトラブルはいつ起こるかわからないので、24時間看護師が常駐している施設が理想です。ただ、24時間看護師が常駐している施設は少ないですから、訪問看護サービスですぐに対応できる体制が整っている施設であれば、尿バルーンの人でも受け入れてくれると思いますよ。 なるほど。尿バルーンを取り扱うのは看護師さんしかできないというわけですね。 基本的にはそうです。ただ、尿バックに溜まった尿を捨てるのは介護職員でもできます。カテーテルの日常的な管理やトラブルは看護師、定期的な尿の破棄は介護職員がおこなう、というわけですね。 尿バルーンの注意点は? 念のため、尿バルーンを利用するときの注意点についてもお伝えしておきますね。 注意点ですか? はい。介護施設であれば、介護職員や看護師が注意しているので心配はいらないと思いますが、頭に入れておいてください。尿バルーンの主な注意点は、以下の通りです。 感染症 皮膚トラブル 膀胱結石 チューブの詰まり 自己抜去 尿バルーンの場合、カテーテルを入れている部分から細菌が膀胱に侵入しやすく、感染症のリスクが高くなります。他にもカテーテルの接続部や尿バッグの排液口からも感染しやすいんです。そのため、挿入部やカテーテルなどを常に清潔に保っておく必要があります。 感染症か…。怖いですね。 また、カテーテルを入れっぱなしにしているので、皮膚トラブルも起こりやすいんです。例えば、カテーテルを挿入している尿道が切れてしまったり、かぶれてしまうこともあります。さらに、長期間にわたって尿バルーンを使用していると、カテーテルの周りに結石ができてしまうこともあるんです。それに、カテーテルと尿バッグをつなぐチューブの扱いにも注意が必要です。チューブが折れ曲がると、尿がバッグに流れていきませんから常にチューブがねじれていないかを確認しないといけないんですね。 カテーテルもチューブにも注意が必要なんですね。 そうなんです。ねじれたり折れ曲がっていないかにも注意しないといけないんですが、中にはカテーテルを自分で抜いてしまう人もいるんですね。 えっ!カテーテルを抜いちゃうんですか!? 認知症の人の中にはカテーテルが入っていることを理解できず、抜いてしまうケースもあるんです。よくわからない異物が挿入されていて違和感を覚えて抜いてしまうんですね。 うーん、こんなにもたくさんの注意点があるんですね。こんなに大変なら、やっぱり在宅介護は難しいな…。 尿バルーンを使いながらご自宅で暮らしている人もたくさんいますが、やはり看護師が常に管理してくれる環境の方が安心ですよね。もし、施設探しで悩むことがあったら「いい介護 入居相談室」にぜひご相談ください。全国の介護施設の特徴や強みを理解した入居相談員が、お父様に合う施設をご案内しますよ。 尿バルーンでも入れる老人ホームはたくさんある 看護師常駐、もしくは訪問看護を利用できる施設を探そう 尿バルーンは感染症や皮膚トラブルのリスクが高い pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } ...

2022/12/07

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

2021/11/10

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

2021/11/15

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【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

2021/10/28

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