第1回 介護施設探しに関する実態調査(2025年)きっかけから入居後の満足まで ─ 介護施設選びの全体像と家族の選択に迫る

第1回 介護施設探しに関する実態調査(2025年)きっかけから入居後の満足まで ─ 介護施設選びの全体像と家族の選択に迫る

更新日 2025/08/19

超高齢社会を背景に需要が高まる「終活」に関するさまざまなサービスを提供する株式会社鎌倉新書(東京都中央区、代表取締役社長:小林 史生、東証プライム:6184、以下:当社)および株式会社エイジプラス(東京都中央区、代表取締役社長:岩﨑 考洋、以下:エイジプラス)が運営する「いい介護」は「第1回 介護施設探しに関する実態調査(2025年)」を発表しました。

調査の背景

日本の高齢化は加速度的に進んでおり、介護を必要とする高齢者の増加とともに、介護施設の需要も年々高まっています。

しかし、実際に施設を探す段階になると、「何を基準に選べばよいか分からない」「費用やサービス内容の違いが見えづらい」など、多くのご家族が迷いや不安を抱えるのが現実です。

加えて、介護施設探しの多くは、十分な準備期間をもって始められるものではなく、突然の入院や在宅介護の限界、認知症の進行などをきっかけに、「急に探さなければならなくなった」という声が少なくなく、限られた時間と情報の中で、家族が主導して意思決定を迫られるケースも多く見られます。

今回、こうした背景のもと、私たちが運営する介護施設の相談・情報サービス「いい介護」では、介護施設を実際に探した経験のある方を対象に、アンケート調査を実施しました。

探し始めたきっかけや重視したポイント、情報収集の実態、費用の想定と現実、入居後の評価まで、多角的に問いかけることで、介護施設選びのリアルな姿を明らかにしようとするものです。 本調査が、これから施設探しに直面する方の一助となれば幸いです。

調査概要

調査名第1回 介護施設探しに関する実態調査(2025年)
調査対象介護施設の検索・相談サービス「いい介護」を利用し、実際に施設を見学した経験のある方
調査期間2025年6月20日(金)~7月13日(日)
調査方法インターネット調査(メールアンケート)
有効回答数165件

※回答結果(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までを表示しているため、合計が100%にならない場合があります。
※「いい介護」経由で介護施設のご見学をされた方にアンケートを送付し、回答結果を集計しています。

調査トピックス

(1)施設探しのきっかけと探した方

医療的・生活的変化によるものが主な契機。施設探しを担った方は73.9%が「実子」

(2)情報収集と比較検討の実態

情報収集の手段は多岐にわたり、平均5.1施設分の資料を取り寄せ、平均3.7施設を見学

(3)施設選びで重視した条件と最終的な決定要因

「エリア・立地」が月額利用料よりも重視される結果に

(4)有料老人ホーム入居者の予算と実際

入居一時金と月額利用料の平均額は、ともに予算より実際のほうが高い結果に

(5)入居後の評価と満足度

家族の負担軽減が69.0%で最多。安心感や快適さも高く評価されている

調査結果

施設探しのきっかけと探した方
― 医療的・生活的変化によるものが主な契機。施設探しを担った方は73.9%が「実子」

施設を探し始めたきっかけとしては、「退院後の生活に不安があった」が20.0%で最も多く、次いで「認知症が進行してきたため」16.4%、「同居家族の介護が難しくなった」14.5%、「病気・怪我が増えた」13.3%が続きました。

これらの結果から、医療的な変化や在宅介護の限界といった現実的な状況が、施設探しの主な契機となっていることが分かります。その他にも、「同居家族のご逝去」(8.5%)や、「以前より検討していた」(6.1%)、「見学や説明会への参加で興味を持った」(3.6%)といった回答もあり、情報接触や心理的要因もきっかけの一端を担っていることがうかがえます。 一方で、「家族に迷惑をかけたくない」「知人・友人の影響」といった個人的動機による回答は1%未満にとどまり、全体としては、医療的・生活的な変化を契機に、現実的必要性から施設探しを開始する傾向が強いことが明らかとなりました。

また、介護施設を探した方(相談者)について、施設を利用する方(利用者)との関係性を尋ねたところ、利用者の「実子」が全体の73.9%を占め、多数であることが明らかになりました。

「利用者ご本人」自らが相談者となったケースも7.9%存在し、介護度や本人の希望によっては、自身で施設選びを進める姿も見られました。また、「義子(息子の嫁、娘の婿等)」は6.1%、「配偶者」は3.0%と、家族構成や状況に応じて多様な立場から施設探しが行われていることが分かりました。

さらに、「兄弟姉妹」「甥姪」「孫」などを含む「その他親族」も7.3%を占め、実子以外の親族が担うケースも一定数見られます。

一方で「ケアマネジャー」や「メディカルソーシャルワーカー」などの介護専門職は0.6%、「その他」は1.2%にとどまりました。 全体として、介護施設探しにおいては家族、特に実子が相談の中心を担っている構図が明確であると同時に、ご本人自身やその他親族も一定の役割を果たしている実態が浮き彫りになりました。

さらに、施設を探す際に、誰の意志を最も尊重したかを尋ねたところ、「利用者(本人)」とした回答が47.3%と最も多く、「相談者(施設を探した方)」が46.1%でほぼ同水準でした。

この結果から、施設選びにおいては、ご本人の意志を可能な限り反映させようとする姿勢が見られる一方で、施設探しを主導した相談者の判断も同様に重要な要素として意思決定に反映されているようです。施設選びが一方的な判断ではなく、家族や支援者と本人とのバランスを取りながら進められている実態を示していると考えられます。

情報収集と比較検討の実態
― 情報収集の手段は多岐にわたり、平均5.1施設分の資料を取り寄せ、平均3.7施設を見学

介護施設探しにおいて、情報をどのように集めたかを複数回答で尋ねた設問では、最も多かったのは「インターネット検索」(83.5%)で、圧倒的多数の相談者がWeb検索を情報収集の起点にしていることが明らかとなりました。次いで多かったのは「比較サイト・口コミサイト」(25.6%)、「ケアマネジャー」(20.7%)であり、インターネットを基盤としつつも、専門職からの紹介や助言も一定程度活用されていることがうかがえました。

一方で、「自治体の役所」「主治医」などの公的・医療的窓口や、「テレビ」「新聞」などのマスメディアを利用した回答はごく少数にとどまり、情報入手の主流が個人の検索行動や一部の支援者を頼りにしていることがわかりました。

資料請求数については、「3施設」が最も多く(25.5%)、平均は5.1施設、中央値については5施設でした。約6割の相談者が5施設以下に資料を請求しており、一定数の候補を比較しながら検討していると考えられます。

見学数において、最頻値・中央値はいずれも「3施設」で、半数以上が3施設以下の見学にとどまりました。平均見学数は3.7施設であり、資料請求数と比較してやや少ない傾向で、これは資料の段階である程度候補を絞り込み、選抜された施設を実際に訪れていると考えられます。

介護施設探しにおいて困ったことを複数回答で尋ねたところ、「施設見学が大変だった」(41.2%)が最多で、次いで「介護(介護施設)の知識がない」「情報収集が大変だった」(いずれも38.8%)が続きました。「条件に合う施設の探し方がわからない」(33.9%)や「何から始めたらよいかわからない」(21.2%)なども上位に挙がっており、多くの相談者が知識や情報の不足に悩みながら選定を進めている様子が浮かび上がりました。

施設選びで重視した条件と最終的な決定要因
― 「エリア・立地」が月額利用料よりも重視される結果に

介護施設の選定にあたって重視された条件について複数回答で尋ねたところ、「エリア・立地」(80.6%)が最も多くの回答を集め、場所が最重視されていることが明らかになりました。次いで、「月額利用料」58.8%、第4位には「入居一時金0円」21.8%と、費用と立地は、相談者・利用者双方にとって譲れないポイントであることがうかがえます。その他では、「施設の種類」22.4%、「居室内設備(キッチン・浴室など)」20.6%と施設の機能に関する項目も一定の関心を集めていました。施設選定時には、まず費用や立地といった“前提条件”が重視され、そのうえでサービス内容や設備の充実度が検討されていると考えられます。

また、実際に施設に入居した方に施設の選定理由を複数回答で尋ねたところ、「アクセスが良かったから」(58.0%)、「月額料金が妥当だったから」(46.2%)が最上位を占めました。前述の“希望条件”としての上位項目とほぼ一致しており、施設選びにおいて当初の重視ポイントがそのまま選定基準に反映されている様子がうかがえます。「施設スタッフの感じがよかったから」(35.3%)や「部屋の設備が充実していたから」(27.7%)など、“施設の雰囲気や印象”に関わる要素も多く挙げられており、最終的な決定には「見て・会って・感じる」実体験が影響していることも明らかになりました。

ちなみに、最も回答者が多かったエリアに関する具体的な希望を尋ねた設問では、最も多かったのは「相談者の自宅近く」で52.1%を占めました。次いで「利用者の自宅近く」が34.5%となり、相談者の生活圏が優先される傾向がうかがえます。そのほか、「その他のご家族の居住地の近く」(6.7%)、「利用者の思い入れのあるエリア」(1.2%)、「その他」(5.5%)を合わせると13.3%となっており、家庭の事情や本人の希望に応じて、柔軟に検討されているケースも一定数見られました。

全体として、施設選定においては、アクセスのしやすさや支援のしやすさといった実用的な観点から、相談者の生活圏を重視する傾向が主流であることが明らかになりました。

有料老人ホーム入居者の予算と実費
― 入居一時金と月額利用料の平均額は、ともに予算より実際のほうが高い結果に

入居一時金の予算額については、「0円または敷金・保証金のみ」と回答した方が50.9%で最多となりました。次いで「1万円~50万円未満」(24.6%)、「50万円~100万円未満」(10.5%)が続きました。

一方、実際の入居一時金についても「0円または敷金・保証金のみ」が50.7%と最多ではありますが、1,200万円~1,700万円未満やフリー入力による高額回答もあり、分布の幅は予算時より広がっています。

中央値/最頻値平均額(予算)平均額(実際)
0円または保証金のみ約291.1万円約615.0万円

平均額を比較すると、予算時の平均額は約291.1万円(※「0円または保証金のみ」および「予算は特にない」除く)、実際は約615.0万円(※「0円または保証金のみ」を除く)となり、予算を大きく上回る結果となっています。

月額利用料の予算額については、「15万~20万円未満」が最多で36.2%、次いで「20万~25万円未満」(15.9%)、「10万~15万円未満」(15.9%)と続き、中央値・最頻値も「15万~20万円未満」となりました。

実際の月額利用料では「20万~25万円未満」が最多で31.0%となり、予算時よりもやや高めの金額帯に分布が移動している様子が見られ、中央値および最頻値は「20万~25万円未満」となりました。

中央値/最頻値平均額(予算)平均額(実際)
15〜20万円未満(予算)
20〜25万円未満(実際)
約22.2万円約24.6万円

平均額は、予算が約22.2万円、実際が約24.6万円と、こちらも実費の方がやや上回る結果でした。

有料老人ホームでは、多様な料金プランが用意されており、同一施設であっても入居一時金の額に応じて月額利用料が上下するケースが少なくありません。そのため、金額だけを単純に比較することは難しく、各家庭がどのような支払い方を選ぶかによって、費用構成にも違いが生まれるため、十分に検討する必要があります。

入居後の評価と満足度
― 家族の負担軽減が69.0%で最多。安心感や快適さも高く評価されている

入居してよかったこととして挙げられた項目で最も多かったのは、「相談者様やご家族の精神的・身体的負担が軽くなった」(69.0%)でした。施設入居をきっかけに、介護者である家族の負担が軽減されたと実感する声が多いことがわかります。

次いで多かったのは、「専門的なケアや見守りがあり、安心できる」(59.5%)で、医療・介護の専門性に対する信頼感もうかがえます。「入居後、ご利用者様が快適に過ごせている」(52.6%)、「施設からの連絡等でご利用者様の様子がわかる」(39.7%)といった項目も上位にあがっており、ご本人・ご家族の両面から見た安心感や満足度が伺えます。

一方で、「レクリエーションやイベントを楽しんでいる」(31.0%)、「他の入居者やスタッフと交流するようになった」(24.1%)といった生活の質(QOL)向上に関わる面でも、一定の好意的評価がありました。

また、「特にない」と回答した方は3名と少数で、多くの方が入居後に何らかのポジティブな変化を感じていることが読み取れます。

選択肢以外のフリー回答では、以下のような具体的な声が寄せられました:

  • 頻繁に会いに行ける
  • 利用者の体調面の不安がなくなった
  • 時々外泊や外出できるし、家族も余裕ができて良い
  • まだ入居してはいないが、安心して暮らせそう
  • 糖尿病があり入居したが、食事の管理で数値が安定している
  • 在宅介護時から引き続き同じケアマネさん、訪問医療の先生にみていただけたのがよかったです*

こうしたフリーコメントからは、制度や設備といった「ハード面」だけでなく、家族との距離感や、医療連携、生活の自由度といった「ソフト面」での満足も高いことがうかがえます。とくに「会いに行きやすい」「外出できる」などは、入居によって関係が断たれるのではなく、むしろ安心して関わり続けられることが重要視されていることを示しています。

*施設によるため一概にご相談いただけない場合もあります

まとめ

今回が初となる本調査では、介護施設探しのきっかけから情報収集、費用面、入居後の評価に至るまで、検討の全体像を捉えることを目的としました。

施設を探したきっかけには医療的・生活的な変化が多く挙がり、情報収集は複数の手段を組み合わせながら、平均で5施設以上の資料請求や3施設以上の見学を行うなど、丁寧に比較検討されている様子がうかがえました。

一方、費用面においては、入居一時金・月額利用料ともに予算を実際の支出額が上回る傾向が見られました。

このようなギャップは一見、予算設計の難しさや判断材料の少なさによるものとも見えますが、裏を返せば「多少費用が上がっても、本人にとってよりよい施設を選びたい」というご家族の意向が表れているとも考えられます。特に相談者の多くが実子であることから、親にとっての安心・快適を最優先に考えた選択をしていることが、回答やフリーコメントからもうかがえます。

入居後の評価に関しても、「本人が快適に過ごせている」「見守りがあって安心できる」「家族の負担が軽減された」など、ポジティブな声が多く寄せられました。施設選びに至るまでの苦労はあっても、納得感のある結果に結びついているケースが少なくないようです。

こうした結果から、介護施設選びは単なる「高齢期の住まい探し」ではなく、家族の暮らし全体に関わる重要な選択であることが改めて浮き彫りになりました。

本調査が、これから介護施設探しに向き合う方々にとって、一歩踏み出すための参考になれば幸いです。こうした実態に光をあて、これから施設を選ぶ方々の判断の助けとなるよう、今後も調査・発信を続けてまいります。

回答者について

「いい介護」とは

全国の介護施設や老人ホームを紹介します。介護施設への入居について、専門相談員が電話・Web・対面などさまざまな方法でアドバイス。全国多数の介護施設をお客様の希望に沿ってご案内いたします。掲載施設数は約9,000施設。

公式サイト:https://e-nursingcare.com/

※2020年提供開始/運営主体:株式会社エイジプラス

鎌倉新書について

1984年創業の日本の高齢社会に向けた「終活」をテーマに出版やインターネット事業を行う東証プライム上場企業です。「介護施設探し」「相続の準備や手続き」「生前の整理や片づけ」「葬儀の準備」「仏壇」「お墓選び」をはじめとした多数の終活関連WEBメディアを運営しており、お客様センター等を通しての相談・情報提供も行っております。高齢社会がますます進展していく中で、多くの人々の希望や課題の解決をお手伝いすることで明るく前向きな社会づくりに貢献してまいります。

会社名  :株式会社鎌倉新書
設立   :1984年4月17日
市場区分 :東京証券取引所プライム市場(証券コード:6184)
本社所在地:東京都中央区京橋2丁目14-1 兼松ビルディング3階
代表者  :代表取締役社長COO 小林 史生
資本金  :10億5,802万円(2025年4月30日現在)
URL   :https://www.kamakura-net.co.jp/

本件に関するお問い合わせ先

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〒104-0031 東京都中央区京橋2-14-1 兼松ビルディング 3階
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