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認知症とは

認知症は病名ではない

認知症というと病名のように捉えられることもありますが、病名ではありません。記憶障害など特有の症状を示す「状態」を総称する言葉です。

病気や怪我といった何らかの原因で脳の細胞に損傷がおき、記憶障害や言語障害といった症状が発生。日常生活に支障がおきている状態のことです。


もの忘れと認知症の違いは？

年をとると誰でも記憶力が低下します。加齢によるもの忘れと認知症は混同されやすいのですが、まったく別のものです。


もの忘れの場合は、自分がなにかを忘れてしまったという自覚はありますが、認知症の場合は自覚そのものがありません。自分がしたこと自体を忘れてしまうのが認知症です。


老人ホームでの認知症可に関するよくある質問

認知症の人を介護するとき気を付けることは何ですか？

認知症の人を介護する際に気を付けることは、「気持ちを理解する」「信頼関係を築く」「ペースを合わせる」「環境の変化は最小限に抑える」などが挙げられます。


家族が認知症になってしまった場合、今までできていたことができなくなっていく様子に、気持ちや対応が追いつかない場合がほとんどです。適切に対応していくためには「驚かせない」「急がせない」「自尊心を傷つけない」といったことも意識すると良いでしょう。

認知症介護を難しくなってきたらどうすれば良いですか？

認知症介護を難しくなってきたら、小規模多機能居宅介護やグループホームへの入居も検討しましょう。


小規模多機能型居宅介護は「通所」「訪問「宿泊」の3つの機能を有した施設のことです。一時的に宿泊などを利用することによって介護者の負担を減らし、在宅介護も継続することができます。


また、グループホームは認知症の人を入居対象とした施設で、認知症の知識と経験があるスタッフが常駐しています。入居者はそれぞれ役割や責任が与えられ共同生活を送ります。

堺市の高齢者支援の取り組み

堺市では市内に住む高齢者への支援をおこなっています。主な取り組みは以下のようなものです。

  • 緊急通報システム事業
  • 紙おむつ給付事業
  • 生活管理指導短期入所（ショートステイ）事業
  • 日常生活用具給付等事業
  • 堺市高齢者徘徊 SOS ネットワーク事業（さかい見守りメール）
  • 認知症支援のてびき（堺市認知症ケアパス）
  • おでかけ応援制度

参考:「高齢者生活支援事業」（堺市）

緊急通報システム事業

「緊急通報システム事業」は、一人暮らしの高齢者宅に緊急通報装置を設置し、緊急時に消防局や委託業者に通報できるようにするサービスです。対象となるのは病弱な一人暮らし高齢者や高齢者のみの世帯。設置には状況確認などをおこなう協力者2名の登録が必要です。

利用には8400円の本人負担金が発生。同居家族が昼間や夜間に留守にする高齢者も利用できますが、その場合には本人負担金が32000円になります。生活保護世帯や所得税非課税世帯は無料で利用可能です。

紙おむつ給付事業

「紙おむつ給付事業」は常におむつが必要な高齢者を対象に、給付券を交付する事業です。給付券は1ヵ月あたり1枚交付、1枚あたり6500円を上限として利用できます。おむつは対象の事業者に直接注文して、受け取り時に給付券と交換をします。

対象となるのは、65歳以上の高齢者で要介護4以上の方です。

参考:「高齢者生活支援事業」（堺市）

生活管理指導短期入所（ショートステイ）事業

介護予防や家族支援を目的に、養護老人ホームで短期入所できるのが「生活管理指導短期入所事業」です。

対象者は、基本チェックリストで生活機能が低下していると判定された高齢者。短期入所によって生活習慣の指導や体調管理をおこないます。

利用期間は年間7日程度。家族が子育てと介護を両立するダブルケアをしている場合は、年間30日程度利用できます。

費用は食費、滞在費、レクリエーションの材料費などが必要です。

参考:「高齢者生活支援事業」（堺市）

日常生活用具給付等事業

一人暮らしの高齢者が円滑に生活を送れるように、自動消火器、電磁調理器、シルバーカーという日常生活用具を給付・助成するのが「日常生活用具給付等事業」です。

対象となるのは、要介護・要支援認定を受けている一人暮らしの高齢者。生活保護もしくは市民税非課税世帯が利用できます。生活保護世帯は自己負担ゼロで市民税非課税世帯は購入費用の1割が自己負担となります。

参考:「高齢者生活支援事業」（堺市）

堺市高齢者徘徊 SOS ネットワーク事業（さかい見守りメール）

堺市では、認知症の方が行方不明になったときに警察や協力機関と連携して早期に発見するネットワークをつくっています。

家族が認知症の方の情報を事前に市に登録しておくことで、協力機関が警察の捜索を保管し、行方不明者のより迅速な発見を目的としています。

利用には、市の地域福祉課もしくは長寿支援課への申請・登録が必要です。

参考:「高齢者生活支援事業」（堺市）

認知症支援のてびき（堺市認知症ケアパス）

「認知症支援のてびき」は、認知症の方への支援サービス・制度を一目でわかるリーフレットです。このてびきでは認知症の症状を5段階に分け、状態に応じて利用できるサービス・制度を紹介しています。

リーフレットではサービスや制度を利用するための相談窓口、認知症本人や家族が集まる通いの場、介護サービスなどがまとめられています。また、認知症の方への支援を家族が見通しを持てるように、いつ、どこで、どのような制度やサービスを利用できるのかを整理した表になっているので、認知症家族を介護する人が使いやすい冊子と言えます。

参考:「認知症支援のてびき　(堺市 認知症ケアパス)」（堺市）

おでかけ応援制度

堺市では65歳以上の高齢者へ「おでかけ応援カード」の交付をしています。このカードは市内の路線バスなどを1乗車100円で利用できるものです。

おでかけ応援カードには、利用回数に制限はありません。バスや電車の乗車・降車時におでかけ応援カードを読み取り機にタッチするだけで利用できます。

利用するには、65歳になる約3ヵ月前に堺市から送付される申請書兼納付書を郵送し、金融機関で1000円の負担金を納付する必要があります。

参考:「いきいき暮らすサービス」（堺市）

堺市の老人ホーム事情

2020年2月におこなわれた堺市の調査によると、市内の特別養護老人ホームの入居待機者数は4694人。市内の全施設定員の合計3012人よりも多くなっています。

ただ、この待機者のなかには複数の施設に入居申し込みしている人数も含まれます。さらに、特別養護老人ホームの入所順は申込みした順番ではなく、身体状況などの緊急度によって決められるため、必ずしも待機者全員の入所を待つというわけではありません。

しかし、同調査によると申込みから入所までは6.5ヵ月もの期間がかかっているそう。2017年の調査では平均待機期間が8.2ヵ月だったため以前よりは待機期間が短くなっているものの、「今すぐ施設に入りたい」という場合には特別養護老人ホームは向いていないかもしれません。

入居を急いでいる場合は、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの民間の老人ホームも検討するのも良いでしょう。特別養護老人ホームなどの公的な老人ホームよりは比較的短い期間で入居が可能です。

参考:「特別養護老人ホーム待機者状況等調査結果概要」（堺市）

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