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老人ホームの選び方

老人ホームの保証人は無職でも良い?頼む人がいないときの解決策は

老人ホームに入居する際、施設側から「身元保証人が必要」と説明を受けることがほとんどでしょう。身元保証人は誰でもなれるのか気になりますね。 老人ホームの身元保証人は「老人ホームにおける費用の金銭面の保証人」のため、無職の人は身元保証人になれません。また、一定の収入がある証明を施設側に提出する必要があります。 この記事では、「老人ホームの身元保証人にはどんな人がなれるのか」「身元保証人に心当たりがない人はどうすれば良いのか」を解説しますので、参考にしてみてください。 老人ホームの身元保証人は無職でも良い? 無職の人は老人ホームの身元保証人にはなれません。なぜなのでしょうか? 身元保証人は無職ではなれない 身元保証人は入居者の金銭面の保証をする役割があるので、無職の人では身元保証人を務められません。 身元保証人の年収や資産状況などは金額が具体的に決められているわけではありませんが、施設と契約するときには収入を証明する書類の提出が必要です。 そもそも身元保証人とは 身元保証人とは、施設では対応しきれないことが起こった場合に、入居者に代わって対応する人のこと。例えば、以下のような対応を求められます。 緊急連絡先としての登録 入居中の治療方針の判断や入院手続き 入居者が毎月かかる施設の費用の支払いが滞ったときの対応 入居者が亡くなったときの身柄の引き取り 身元保証人と身元引受人の違い 身元保証人と似たものに「身元引受人」というものもあります。身元引受人と身元保証人は法的に区別されていないため、一人でその両方の役割を担う場合もあれば、それぞれ一人ずつ必要な場合もあります。 身元保証人と身元引受人を区別している老人ホームでは、主に身元保証人は「入居者の債務の保証をする人」、身元引受人は「入居者の意思を尊重した対応や決断をする人」と役割を分けている場合が多いです。 身元保証人と身元引受人がそれぞれ必要なのか、一人で十分なのか、施設によってさまざまなので、施設を検討する際にしっかり確認しましょう。 身元保証人の条件 身元保証人の条件は、その役割に対して責任を担うことができる人物でなければなりません。身元保証人の条件は主に以下が挙げられます。 一定の収入がある できるだけ親族が良い 高齢すぎない 身元保証人は、施設によって条件を満たせば友人や知人が引き受けられる場合もあります。しかし、配偶者や子どもなど、親族が身元保証人になるのが望ましいです。身元保証人は金銭の取り扱いや入居者の意思決定という重要なことも代行するため、入居者と信頼関係があり入居者をよく知る人が適任とされるためです。 また、身元保証人に明確な年齢制限は定められていませんが、高齢すぎないことが条件に挙げられます。高齢すぎると施設の費用の支払い能力や、判断力の低下などが原因で、身元保証や連帯保証の責任を負えなくなる可能性があるためです。 身元保証人がいなくても老人ホームに入居できる? 身元保証人がいなくても入居できる老人ホームはあります。しかし、その数はとても少ないです。 2013年に公益財団法人がおこなった実態調査では、老人ホームなどの施設の91.3%が身元保証人を必要としているとの結果が出ています。 出典:「病院・施設等における身元保証等について」(公益財団法人成年後見センター・リーガルサポート) 身元保証人の心当たりがない人は、身元保証人が不要な施設を探す他に、主に以下の方法で施設に入居できる場合があります。 身元保証会社を利用する 成年後見人を用意する それぞれ詳しく見てみましょう。 身元保証会社を利用する 身元保証会社とは、身元保証人の役割を代行するサービスを提供する会社です。主に民間企業やNPO法人が運営しています。弁護士や司法書士、行政書士といった法律の専門家と連携し、身元保証や連帯保証を引き受けてくれます。 身元保証会社が提供するサービスは会社によってさまざまですが、主に以下のサービスがあります。 身元保証人や身元引受人としての対応(緊急連絡先など) 介護施設の費用、入院費の保証 介護施設への入居や入院、転院の手続き ケアプランの同意など施設への対応 役所でおこなう各種手続き 通院など日常生活のサポート 引っ越しのサポート 介護施設の入居や入院にかかる費用の保証 死亡時の身柄の引き受け 葬儀、納骨、喪主代行、遺族への連絡など、死亡後の対応 身元保証会社の費用 身元保証会社を利用するには、当然ながら費用が必要となります。利用する身元保証会社やサービス内容によって、費用は大きく異なります。 費用の支払い方法は、預託金としてあらかじめまとまった金額を先払いして何かあったときには預託金から支払うスタイルや、契約時の初期費用とさらに月額費用も両方引き落とされるスタイルになっていることもあります。 契約内容によってはかなり高額になることもあるので、事前に費用を確認しましょう。 身元保証会社を選ぶ際の注意点 身元保証会社は会社によってサービス内容がさまざまです。さらに、身元保証会社によって預託金、月額費用、初期費用などかかる費用の種類も異なります。 身元保証会社を選ぶ際には以下の点を注意しましょう。 1社だけではなく、2〜3社を比較する 費用に見合ったサービスかどうか確認する 信頼できる第三者に同行してもらう(1人で判断しない) 必要がないサービスは契約しない 身元保証会社が破綻した場合を確認する 成年後見人を用意する 施設によっては身元保証人がいなくても、成年後見制度を利用し、成年後見人を立てることで入居できることもあります。成年後見制度とは、 認知症や知的障害、精神障害などによって判断能力が不十分である人の援助者(成年後見人)を選ぶ制度です。 成年後見人には、本人に代わって財産管理や法律行為をおこなう代理権と、本人がおこなった法律行為の取り消しができる取消権の権限が与えられます。 成年後見制度(成年後見人)には大きく分けると2つの制度があります。 法定後見制度(法定後見人) 任意後見制度(任意後見人) 法定後見制度は、すでに判断能力が不十分である場合に本人に代わって支援する制度。任意後見制度は、将来、判断能力が不十分になってしまった場合に備えておくための制度のことを指します。 身元保証会社と成年後見人の違い 身元保証会社と成年後見人の大きな違いは、万が一、入居者の資産がなくなり支払いができなくなっても、生活保護などの行政手続きを成年後見人がおこなえるため、支払いが滞らない点です。 身元保証会社は身元の保証をしてくれる会社なので、入居者に代わって法的手続きはおこなえません。成年後見人は入居者に代わり、財産管理や法律行為をおこなう権利を持っているので、生活保護などの申請ができるのです。 生活保護者の受け入れが不可の老人ホームの場合だと施設を変えることになりますが、その手続きも成年後見人なら務められます。 成年後見人は身元保証人ではない 成年後見人は身元保証人にはなれません。成年後見人は入居者の財産を管理するので、成年後見人が身元保証人になると、「自分で管理している財産を自分で連帯保証をする」といった状態になってしまうからです。 成年後見人は入居者の債務の保証はできませんが、入居者の財産管理をしているので入居者に代わって資産から費用の支払い手続きをすることは可能です。そのため、「身元保証人がいなくても、成年後見人がいれば入居できる」としている施設があるのです。 しかし、施設によっては、成年後見人がいても身元保証人をたてる必要がある場合もあるので、入居前によく確認しましょう。 身元保証人に関するトラブル 身元保証人に関するトラブルには以下があります。 勝手に身元保証人にされてしまった 身元保証人の経済状況が変わってしまった 身元保証人が亡くなってしまった それぞれ詳しく見てみましょう。 勝手に身元保証人にされてしまった 身元保証人に関するトラブルに「知らない間に勝手に身元保証人にされてしまった」というものがあります。身元保証人の条件に合うからといって、親族や友人・知人を勝手に身元保証人にするのはやめましょう。 身元保証人は入居者に代わって意思決定をおこなったり、金銭面の管理をしたりなど、重要な立場です。身元保証人は、よく話し合って慎重に決めましょう。 身元保証人の経済状況が変わってしまった 入居した当時は身元保証人に十分な収入があったとしても、将来、身元保証人の経済状況が変わってしまうこともあります。例えば、身元保証人が自己破産をしたり、職を失ってしまったりした場合などです。 身元保証人の経済状況が変わってしまった場合には、身元保証人を変更しなくてはなりません。 身元保証人が亡くなってしまった 身元保証人が入居者よりも先に亡くなってしまうというトラブルも、まれにあります。万が一、身元保証人が入居者よりも先に亡くなってしまった場合には、新しく身元保証人をたてるか、身元保証会社を利用する必要があります。 基本的に亡くなるリスクが高い高齢の人は、身元保証人になれない場合がほとんどです。しかし若い人であっても、交通事故や天災によって急死する可能性はあります。身元保証人が亡くなったり連絡がつかなくなったりするリスクを心配する人は、はじめから身元保証会社を有効活用するのも良いでしょう。 入居後も身元保証人は変えられる 老人ホームに入居した後も身元保証人は変えられます。身元保証人を変える理由はさまざまですが、主には以下の場合が多いです。 身元保証人が死亡した場合 身元保証人が病気や怪我をした場合 身元保証人の経済状況が変わった場合 身元保証人を変える場合には、新しい身元保証人が条件を満たしているか、施設側が確認する必要があるため、必要書類を提出し、もう一度審査をします。身元保証人を変更する際は、施設側に事情を説明し必要な手続きをしましょう。 よくある質問 老人ホームの身元保証人は無職でもなれますか? 老人ホームの身元保証人は無職の人はなれません。身元保証人は入居者の金銭面の保証をする役割があるので、一定の収入が必要だからです。施設と契約するときには収入を証明する書類の提出が必要です。 老人ホームの身元保証人に心当たりがない場合はどうすればいいですか? 身元保証人がいなくても入居できる老人ホームはあります。しかし、「身元保証人が不要の施設」は全体の約1割と、とても数が少ないです。身元保証人の心当たりがない人は、身元保証会社を利用するという手段があります。また、施設によっては身元保証人がいなくても、成年後見制度を利用し、成年後見人を立てることで入居できることもあります。 老人ホームの身元保証人に関してのトラブルはありますか? 身元保証人に関するトラブルには「知らない間に勝手に身元保証人にされてしまった」「身元保証人の経済状況が変わってしまい、入居者の金銭面の保証ができなくなってしまった」「身元保証人が入居者よりも亡くなってしまった」などがあります。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "老人ホームの身元保証人は無職でもなれますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2023/10/27

老人ホームの入居審査に落ちたのはなぜ?│落ちた際の対処法・相談先も解説

老人ホームへの入居には審査があります。すんなり入居できればそれに越したことはありませんが、入居を希望していた老人ホームの審査に落ちてしまう事例も少なくありません。 老人ホームの入居審査に落ちてしまうのには理由があります。希望している老人ホームの入居条件を満たしていなかったり、入居希望者の状態に老人ホーム側が対応できなかったり、理由はさまざまです。 この記事では、老人ホームの入居審査に落ちた理由を解説します。また、入居審査に落ちてしまった場合にはどうしたらいいのか、入居審査に落ちないためにはどのようにすれば良いのかも解説しますので、あわせて参考にしてください。 老人ホームの入居審査に落ちた理由 老人ホームの入居審査に落ちてしまうのには理由があります。 主な理由として以下が挙げられます。 入居希望者側の理由 要介護度などの入居条件を満たしていない 費用の支払いに問題がある 保証人・身元引受人がいない 老人ホーム側の理由 必要な医療行為に対応できない 認知症に対応できない それぞれ詳しく見てみましょう。 入居審査とは 老人ホームに入居する際は、基本的に入居審査を受けます。入居審査とは、老人ホーム側が入居希望者に対して、「入居させられるか」を判断するための審査で、書類審査と本人面談が実施されます。本人面談では、老人ホームの責任者などが入居希望者と実際に会い、健康状態や介護の状況などを確認します。 要介護度などの入居条件を満たしていない そもそも、入居を希望する老人ホームが定めた入居条件を満たしていない場合には、その老人ホームの入居審査は受かりません。 条件は、施設の種類や運営方針により異なりますが、一般的には要介護度や健康状態、年齢などが条件となります。 要介護度 老人ホームでは入居条件に要介護度が定められている場合があります。要介護度とは、自立、要支援(1・2)、要介護(1~5)と段階的に介護の重さを表したものです。 例えば、自立した日常生活が可能な高齢者を対象とした施設では、介護度が高い人は入居できません。また、入居条件が要介護3以上とあれば、それ以下の人は入居できません。 年齢 老人ホームの入居条件に要介護度が定められている場合は、年齢も65歳以上と定められています。要介護認定は原則、65歳以上でないと申請できないからです。 一方、サービス付き高齢者向け住宅などの自立した人向けの施設は、原則60歳から入居可能な場合が多いです。 費用の支払いに問題がある 老人ホームの入居審査に落ちてしまう理由に、費用の支払い能力も挙げられます。老人ホーム側は入居審査で提出する年金収入などの資産状況を見て、入居希望者の支払い能力を判断します。 老人ホームの費用は、施設の設備やサービス、立地などにより大きく異なりますが、一般的には、月額10万円以上が必要となることが多いです。3ヵ月以上の支払いが滞った場合は退去勧告を受けることもあります。 老人ホーム側が「入居希望者の経済状況が不安定である」「長期間の入居費用を支払う能力が疑われる」と判断した場合は入居審査に落ちる可能性があります。 年金だけで入居できる? 収入が年金のみの人でも入居できる老人ホームはあります。特に特別養護老人ホームのような公的施設は低価格で入居することができ、非常に人気の施設です。 また、昨今ではサービス付き高齢者向け住宅やグループホームなどの民間施設も低価格でサービスを提供しており、年金だけで生活していける可能性があります。 ただし受給しているのが国民年金のみ(=受給額が少ない)の場合は、老人ホームの選択肢が少なくなり、最悪のケースとして入居先がないということも考えられます。 生活保護受給者でも入居できる? 生活保護受給者でも入居できる施設はあります。主に以下の5種類です。 特別養護老人ホーム 有料老人ホーム グループホーム サービス付き高齢者向け住宅 ケアハウス しかし、生活保護受給者が入れる施設はとても少ないので、探すには注意が必要です。 出典:「有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅に関する実態調査研究事業報告書」(公益社団法人全国有料老人ホーム協会) 例えば、生活保護受給者の受け入れをしている住宅型有料老人ホームは全体の約3割、サービス付き高齢者向け住宅は約2割、介護付き有料老人ホームは約1割ほど。希望の施設があっても生活保護受給者を受け入れているとは限りません。 また、生活保護受給者が入居可能な施設でも、受け入れ人数を制限している場合もあります。生活保護受給者の定員が埋まっていれば入居できません。 「生活保護受給者を受け入れてくれる施設は少ない」「定員が制限されている」ということを考えて、希望の地域だけではなく広い地域の施設を検討しましょう。 保証人・身元引受人がいない 保証人・身元引受人がいない場合には老人ホームの入居審査に落ちてしまう可能性があります。 保証人・身元引受人とは、施設利用料の連帯保証、緊急時の連絡、ケアプランの了承、治療方針の判断、入院・死亡などの対応を任される人のこと。入居者が施設のルールを守れない場合や、費用の支払いが滞った場合などにも対応を求められます。 一般的には家族が引き受けますが、家族がいない場合は成年後見人を立てるか、保証人代行サービスを利用する方法もあります。 必要な医療行為に対応できない 老人ホームの入居審査に落ちてしまった理由として、入居希望者にとって必要な医療行為に老人ホーム側が対応できないことが挙げられます。 老人ホームは、施設によって対応できる医療行為が違います。例えば、インスリン注射やたん吸引、人工呼吸器や在宅酸素の管理などは医療行為のため、原則として看護師または医師がおこないます。そのため、看護師または医師が居ない施設では、入居希望者に必要な医療行為を提供できないので、入居審査に落ちてしまう可能性が高いです。 高齢者によくある主な病気と、その病気に必要な医療行為の例は以下です。 病名・病状名医療行為糖尿病インスリン注射脳梗塞、パーキンソン病、気管支喘息など喀痰(かくたん)吸引呼吸不全(肺炎など)人工呼吸器慢性呼吸不全、慢性心不全在宅酸素腎臓病人工透析嚥下・摂食障害、誤嚥性肺炎経管栄養(胃ろう、腸ろう、経鼻経管栄養)腸閉塞、潰瘍性大腸炎などストーマ(人工肛門・人工膀胱)寝たきり床ずれ・褥瘡(じょくそう)への処置 認知症に対応できない 老人ホームの入居審査に落ちてしまう理由には、認知症の有無や度合いも挙げられます。 施設によって対応している介護度が異なるように、認知症の受け入れについても施設によりさまざまです。重度の認知症では受け入れてもらえない施設もあるので、入居希望者に認知症の症状がある場合は注意が必要です。 認知症の症状が重い場合には、認知症介護に特化しているグループホームを候補に入れてみましょう。 老人ホームの入居審査に落ちてしまったら もし、老人ホームの入居審査に落ちてしまっても、そこで終わりにせず、次の機会に活かすことが大切です。 老人ホームの入居審査に落ちてしまった場合、以下のことをしてみましょう。 老人ホームに落ちた理由を確認する ほかの老人ホームを探す それぞれ詳しく見てみましょう。 老人ホームに落ちた理由を確認する もし老人ホームから「入居審査に落ちた」と連絡を受けたら、落ちた理由を確認しましょう。理由を聞いても「老人ホームの基準を満たしていない」という答えしか返ってこない場合は、きちんと具体的な理由を説明してもらいましょう。 落ちてしまった理由がわかれば、次の老人ホーム探しに役立てることができます。また、その理由が改善できるものであれば、再度、同じ老人ホームに受け入れの判断をしてもらうことも可能です。 例えば、夜間にもインスリン注射が必要な入居希望者が、「夜間には看護師が居ないので対応できない」という理由で入居審査に落ちてしまった場合。 看護師がいる日中のみにインスリン注射をするなど回数を調整したり、注射から飲み薬に変更するなど、入居を希望する老人ホームが対応できるように工夫するのもひとつです。対応可能な治療方法に切り替える場合には、主治医とよくし、無理のない範囲でおこないましょう。 医療行為が必要な人が、希望の施設に入居するためにおこなった例を以下のページで取り上げています。ぜひ見てみてください。 ほかの老人ホームを探す 希望していた老人ホームの入居審査に落ちてしまったら、落ちた理由をもとに受け入れ可能なほかの老人ホームを改めて探しましょう。ある老人ホームで受け入れを断られても、別の老人ホームでは対応してもらえることもあります。 「常時医療行為が必要」「認知症の症状がある」などの不安要素がある人は、あらかじめ複数の老人ホームを同時に申し込んでおくのもおすすめです。 どうしても納得できなかったら 入居審査に落ちた理由にどうしても納得できない場合、その老人ホームの施設長や担当のケアマネジャーに相談してみましょう。 老人ホームの責任者である施設長に相談すれば、事実確認をしたうえで正式な回答をもらえる場合があります。 また、老人ホームに落ちた理由が「作成されたケアプランに対応できない」などであれば、ケアマネジャーに相談しましょう。ケアプランを見直すことで受け入れてもらえる可能性もあります。 入居審査で本人面談をする目的 老人ホームの入居審査には「本人面談」があります。もし、「老人ホームの入居審査に落ちた理由に心当たりがない」「落ちた理由をいろいろ改善してみたけど、まだ不安」という人は、本人面談の目的を理解し、対策を考えましょう。 本人面談は、老人ホーム側が入居者に対して適切なケアやサービスを提供するために重要な行程です。普段生活している環境や、老人ホームに対する要望などは人によって異なるため、それぞれのニーズに合わせるには入居前の面談が大切なのです。 また、老人ホーム側は本人面談で把握した情報から、入居条件と入居希望者の状態を判断します。 本人面談は、入居希望者だけでなく家族や看護師、ケアマネジャーの同席が可能です。 本人面談で老人ホーム側が確認すること 本人面談では、老人ホーム側が入居希望者に対していくつかの質問をします。また、入居希望者からも老人ホーム側に質問することもできます。 主に以下のような質問があります。 名前、生年月日、家族構成など、入居希望者の基本的な情報 介護サービスなど、普段利用しているものや今後利用したいと思っているサービス かかりつけの医院やいつも飲んでいる薬、持病やこれまでの病歴 トイレや紙おむつなど排泄に関する情報 移動するために使用している手段(車椅子、歩行器、杖など) 夜に睡眠が十分に取れているかどうか 普段の生活で困っていること、悩んでいること 老人ホーム側が特に重視する確認事項は以下です。 入居希望者の身体状態 入居後の生活について(趣味や好きなこと) 老人ホームについて、聞いておきたいことや気になること それぞれ詳しく見てみましょう 入居希望者の身体状態 本人面談では入居希望者の身体状態を確認されます。 身体状態の確認とは具体的には、握力の強さ、足が上げられる範囲、入れ歯の有無などです。入居希望者の身体状態を確認することで、どのような状態であるのかを、より明確に把握することができます。 また本人面談では記憶力についての質問もされます。例えば、今日の日付や誕生日などです。 そのほかにも入居希望者に看護師が付き添っている場合は、リハビリ内容や血圧、血液検査の結果などを確認されることもあります。 入居後の生活について(趣味や好きなこと) 本人面談では、入居後の生活について質問をされます。趣味になりそうなものを確認したり、入居後にしたいことを知るためです。 多くの老人ホームでは、さまざまなイベントやレクリエーションを実施しています。レクリエーションとは、施設の入居者が楽しみながら気分転換や機能訓練をおこなう活動のことです。茶道、書道、体操、体を動かすゲーム、歌を歌ったりと、その内容は施設によってさまざまです。 老人ホーム側が本人面談で入居希望者の趣味や好きなことを確認することによって、入居希望者が入居後にイベントやレクリエーションに参加しやすいように配慮できます。 老人ホームについて、聞いておきたいことや気になること 本人面談は老人ホーム側の情報収集が目的ですが、入居希望者や家族からの質問にも対応しています。気になることや聞いておきたいことがあれば、本人面談の際に質問しましょう。 例えば、個室に持ち込んで良いものや、共有スペースにはどのような設備があるのかなど確認するのがおすすめです。 老人ホーム側に入居希望者の状態をきちんと把握してもらうことが、適切なサービスの提供へと繋がります。お互いに不明な点を解消しながら、心を開いて会話することを心がけましょう。 老人ホームを探す際の相談窓口 希望していた老人ホームの入居審査に落ちてしまい、新たに老人ホームを探す場合、以下の相談窓口を利用してみましょう。 地域の相談窓口「地域包括支援センター」など 介護施設紹介サイト それぞれ詳しく見てみましょう。 地域の相談窓口「地域包括支援センター」など 地域の相談窓口には、主に以下のものがあります。 地域包括支援センター 自治体の窓口 社会福祉協議会 市町村の役所には、地域包括支援センターをはじめ、高齢者向けの相談窓口が複数設置されているところも多くあります。 老人ホームの入居審査に落ちたことについて、地域の相談窓口に相談してみましょう。入居希望者の状態に対応可能な老人ホームや、老人ホームに受かりやすい手段など、教えてくれるかもしれません。 介護施設紹介サイト 老人ホームを探す場合には、介護施設の紹介サイトを利用するのも良い方法です。紹介サイトでは、さまざまな施設の情報が提供されているので、入居希望者の状態に合った施設を探すことが可能です。 また、紹介サイトの相談員に相談すると、いくつかの希望に合った施設を紹介してくれることもあります。自分一人で施設を探すよりも、入居希望者に合った施設を効率的に見つけられます。 よくある質問 老人ホームの入居審査に落ちた理由はなんですか? 老人ホームの入居審査に落ちた理由として、「要介護度や年齢などの入居条件を満たしていない」「必要な医療行為に対応できない」「認知症に対応できない」「費用の支払いに問題がある」「保証人・身元引受人が居ない」などが考えられます。 老人ホームの入居審査はどんなことをするのですか? 老人ホームに入居するための入居審査では、書類審査と本人面談が実施されます。本人面談では、施設の責任者などが入居希望者と実際に会い、健康状態や介護の状況などを確認します。 老人ホームの入居審査に落ちてしまったら何をすればいいですか? もし、老人ホームの入居審査に落ちてしまったら、まずは老人ホームに落ちた理由を確認しましょう。落ちた理由を改善できるならば、再度老人ホームに受け入れの判断をしてもらうことも可能です。また、落ちた理由をもとに、受け入れ可能なほかの老人ホームも改めて探しましょう。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "老人ホームの入居審査に落ちた理由はなんですか?", "acceptedAnswer": { ...

2023/10/17

老人ホーム探しの相談窓口を知りたい!入居までの流れ、相談前の準備も

入居する老人ホームを探そうとして「何からしたら良いかわからない!」「一人で施設探しをするのは大変!」と、とまどっている人もいるかもしれません。 そこで、今回は老人ホーム探しの相談窓口を紹介。各施設の大まかな特徴や、相談窓口を訪ねる前にしておきたい準備についても解説しているので、施設探しに迷っている人は参考にしてください。 老人ホームにはたくさんの種類がある 「老人ホーム」と言っても、高齢者が入居できる施設にはさまざまな種類があります。なかでも民間企業が運営している「民間施設」と、自治体や社会福祉法人などが運営する「公的施設」では、大きな違いがあります。 民間施設と公的施設の特徴を大まかに押さえておくと、施設探しがスムーズに進みます。 民間施設 民間施設には、以下の4つの種類があります。 施設の種類入居時費用月額利用料入居条件認知症の受け入れ介護付き有料老人ホーム0~数千万円15~30万円要介護1以上○住宅型有料老人ホーム0~数千万円11~25万円自立~要介護3程度△サービス付き高齢者向け住宅0~数十万円11~25万円自立~要介護1程度△グループホーム0~数十万円10~15万円要支援2以上◎ 公的施設 公的施設には、以下の5つの種類があります。 施設の種類入居時費用月額利用料入居条件認知症の受け入れ特別養護老人ホーム(特養)0円8~14万円要介護3以上○介護老人保健施設(老健)0円7~14万円要介護1以上○介護医療院0円7~14万円要介護1以上○養護老人ホーム0円0~14万円自立×ケアハウス0~数十万円6~17万円自立~要介護3程度△ 老人ホーム探しの相談窓口 老人ホームと同様に、相談窓口にも民間のものと公共のものがあります。使いやすい窓口を活用しましょう。 老人ホームの相談窓口には以下のようなものがあります。 公的窓口 役所の福祉課の窓口 地域包括支援センター 医療ソーシャルワーカー 高齢者総合人材センター(シルバー110番) 民間窓口 ケアマネジャー インターネットの検索サイト 老人ホーム紹介センター 【公共】役所の福祉課の窓口 役所のなかには、「高齢者福祉課」「介護保険課」といった名称で、高齢者の生活を支援するための窓口が設置されています。この窓口に相談すれば、地域の老人ホームを紹介してくれるでしょう。 また、介護が必要な状態にも関わらず介護認定を受けていない場合、まずは住んでいる地域の役所の福祉課に相談しましょう。 【公共】地域包括支援センター 地域包括支援センターは、老人ホーム探しに限らず高齢者やその家族の生活を支援する施設。医療や保険、成年後見制度の活用など、高齢者の困りごとを一手にサポートしています。 各分野の専門家が相談に乗り、さまざまな状況の高齢者を支援できる体制があります。 【公共】医療ソーシャルワーカー 医療ソーシャルワーカーとは、病院から退院する際の問題を解決するために各機関と患者との間で調整をする専門家です。 具体的には、以下の内容を相談できます。 退院時の援助や退院後の入居先の調整 患者本人や家族の心理的・社会的な問題 医療費や生活費などの経済的な問題 退院後の社会復帰 退院後の通院 入院中の場合は、医療ソーシャルワーカーに相談するのが良いでしょう。 【公共】高齢者総合相談センター(シルバー110番) 高齢者総合相談センターは、都道府県に1ヵ所ずつ設置されている高齢者の相談窓口。「シルバー110番」とも呼ばれ、「#8080」に電話すると、その地域の窓口につながります。 高齢者の健康や介護、年金、就労など、総合的な問題に対して情報提供などをおこないます。 【民間】ケアマネジャー ケアマネジャーは、介護サービスを利用する人にそれぞれ個別ケアプランを作成し、高齢者の生活を支援します。利用者の体調の変化や家庭の事情によって在宅介護が難しくなった場合にも、相談に乗ってくれます。 既に介護サービスを利用している場合は、利用者の普段の様子や利用している介護サービスを把握しているケアマネジャーに相談するのがスムーズです。 担当のケアマネジャーがいる場合は、まずはケアマネジャーに相談しましょう。 【民間】インターネットの検索サイト インターネット上には、老人ホームの料金やサービス内容、設備といった詳細な内容を記載している老人ホームの検索サイトがあります。 検索サイトでは、予算、地域、受け入れ可能な医療行為などの複数の条件を指定して、老人ホームの検索が可能。複数の施設を比較できるうえ、気になる施設の資料請求や見学予約を一括でできるサイトも多数あります。 「いい介護」で有料老人ホームを探してみる 【民間】老人ホーム紹介センター 老人ホーム紹介センターでは、さまざまな老人ホームの情報の提供や具体的な施設の提案を受けられます。 対面で相談できる窓口と、電話で相談できる窓口があります。どちらの場合も、「認知症でも入れる施設は?」「これくらいの予算で入れる施設を探してほしい」といった要望に合わせた老人ホームを紹介してもらえます。 多くの老人ホーム紹介センターでは相談料は無料ですが、なかには有料の場合もあるので、相談する前に確認しましょう。 相談窓口に相談する前にしておきたい準備 「何からすれば良いかわからない!」と混乱してすぐに窓口に相談に行く前に、いくつか準備をしておきましょう。少し手間はかかりますが、その方がスムーズに老人ホーム探しが進みます。 健康状態(既往歴)の確認する 入居する本人の健康状態によっては、老人ホームに入れない場合もあります。相談窓口でも確認されるので、以下の内容を確認しておきましょう。 年齢 要介護度 認知症の症状 既往歴・服薬の有無 特に確認しておきたいのが、認知症の症状と既往歴・服薬の有無です。 例えば、「認知症の影響で他人に暴力を振るう」「徘徊して建物から出ていく危険性がある」といった場合、受け入れられる老人ホームは限られます。 また、日常的に医療的なケアが必要だったり、特別な対応が必要な薬を飲んでいる場合も対応できる施設が限られます。 相談するときにスムーズに伝えられるように、メモに残しておきましょう。 予算を決める 老人ホームの費用は、「入居金」と「月額費用」に分けられます。入居金を設定していない施設もあるため、「入居金がある場合は、入居金◯万円まで。月額◯万円まで」「入居金がない場合は、月額◯万円まで」と上限額を考えておきましょう。 ただし、終身利用を考えている場合、長期間にわたって入居する可能性もあります。入居時の本人の年齢から大まかな入居期間を想定して、予算を決めてください。 地域を決める 本人が住み慣れた地域が良いのか、遠方に住む家族の近くが良いのかで選択できる老人ホームが大きく異なります。そのため、入居を希望する地域も事前に考えておきましょう。 また、希望する地域には他の希望条件に合う施設がないこともあります。その場合、どのくらいまで地域を広げられるのかも検討しておくと良いでしょう。 また、比較的に本人が元気なうちに老人ホームに入居する場合、周辺にスーパーや役所、駅などの施設がないと不便に感じることも。本人の活動状況によって希望する立地条件を考えましょう。 入居のタイミングを決める 入居する本人の心身の状態や介護の状況によって、入居を希望するタイミングは異なります。 数年先を見越しての情報収集なのか、すぐにでも入居したいのかによって、選択できる老人ホームが異なるので、「2~3年後」「半年後」「すぐにでも」など、大まかに入居のタイミングを考えておきましょう。 なお、民間の老人ホームに入居するには、基本的に1ヵ月はかかります。さらに、特別養護老人ホームなどの公的施設は人気があるため、数年待つことも。そういった点も念頭に置いて施設探しを進めましょう。 希望するサービスを考える 老人ホームでは、基本的には食事、レクリエーション、介護サービスなどが提供されますが、なかには提供されない施設もあります。本人が快適に過ごせるように、どんなサービスが必要なのかを事前に決めておきましょう。 施設入居を決定する人を決める 入居する本人ではなく、家族が中心となって施設探しをする場合、家族の誰が決定権を持つのかを明確にしておきましょう。明確にしておかないと、施設探しの際に時間がかかったり、入居後のサポートが上手くいかずにトラブルになることもあります。 そのため、入居する本人との関係性や入居後のサポートを主に誰がするのかを考慮に入れて決定権を持つ人を決めると、スムーズに施設探しができるでしょう。 老人ホーム探しは相談窓口に頼んだ方が良い? 老人ホームは、相談窓口に頼らなくても自分だけで探すことも可能です。しかし、以下のような理由から、相談窓口や専門家に老人ホーム探しを頼ることをおすすめします。 施設探しの専門家から詳しい情報を聞ける 希望に合った施設探しが難しい 入居条件の確認や見学予約に手間がかかる 施設探しの相談窓口では、各施設の詳しい情報を持った専門家に相談できます。そのため、希望条件にぴったりの施設を提案してくれるでしょう。 また、老人ホームの受け入れ体制は各施設で異なりますが、それをいくつもの施設に直接確認するのは大変です。相談窓口であれば、そうした受け入れ状況の確認も一括でおこなえるので便利です。 老人ホームに入居するまでの流れ 老人ホームに入居するまでには、主に7つのステップがあります。入居の流れを把握して、スムーズに施設探しを進めましょう。 よくある質問 老人ホームの入居相談はどこですれば良いですか? 老人ホームを探すときは、相談窓口を活用しましょう。具体的には、役所の福祉課の窓口、 地域包括支援センター、医療ソーシャルワーカー、高齢者総合人材センター(シルバー110番)などの公的な窓口や、ケアマネジャー、インターネットの検索サイト、老人ホーム紹介センターなどの民間の窓口があります。 入居相談をする前に準備することはありますか? 入居相談をする前に、いくつか決めておいた方が良いことがあります。それは、本人の健康状態、入居のタイミング、予算、地域、希望サービス、入居の決定権のある人です。これらを予め考えておくことで、老人ホーム探しがスムーズになり、後悔しない施設選びができるでしょう。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "老人ホームの入居相談はどこですれば良いですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2023/06/23

老人ホームは何歳から入れる?入居のタイミング、施設探しの流れも解説

老後のことを考えたときに、老人ホームに入居することを検討する人も多いでしょう。もしかしたら「老人ホームは何歳から入れるの?」「何歳くらいの人が入居しているの?」と考えている人もいるかもしれません。 そこで今回は、年齢やタイミングなど、老人ホームへの入居について解説。入居に際して不安を感じている人はぜひ参考にしてください。 老人ホームは何歳から入れる? 老人ホームの多くは、入居条件を「60歳以上」もしくは「65歳以上」としています。 介護度が高い人が入居する傾向のある介護付き有料老人ホームは、「65歳以上」と設定していることが多く、サービス付き高齢者向け住宅などの比較的自立度の高い人が入る傾向のある施設では「60歳以上」と入居時の年齢を定めていることが多いです。 ただ、実際には年齢以外にも認知症の状態や医療行為の有無なども入居条件として設定されていることがほとんどなので、入居を考える際には確認しましょう。 60歳未満でも入居できる特定疾病とは? 基本的には60歳以上の人が入る老人ホームですが、介護保険制度で定められた16の「特定疾病」の人は、要介護認定を受けることで60歳未満でも入居可能です。 特定疾病を持つ人は、疾病が原因で要介護状態になった場合のみ介護保険が適用され、介護サービスの利用や老人ホームへの入居ができます。 16の特定疾病 がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る)関節リウマチ筋萎縮性側索硬化症後縦靱帯骨化症骨折を伴う骨粗鬆症初老期における認知症進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病脊髄小脳変性症脊柱管狭窄症早老症多系統萎縮症糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症脳血管疾患閉塞性動脈硬化症慢性閉塞性肺疾患両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症 出典:「特定疾病の選定基準の考え方」(厚生労働省) 老人ホームに入る平均年齢は? 老人ホームに入るのは80代であることが多いです。ただ、施設の種類によって入居者の年齢には多少のばらつきがあります。 野村総合研究所の調査によると、各施設の入居者の平均年齢は、介護付き有料老人ホームで87.1歳、住宅型有料老人ホームで84.0歳、サービス付き高齢者向け住宅で84.1歳です。なかでも介護付き有料老人ホームの7割以上は、平均年齢が86歳を超えているそうです。 参考:「高齢者向け住まいにおける運営実態の多様化に関する実態調査研究」(株式会社野村総合研究所) 老人ホームに入居するタイミングは? 「◯歳になったら入居する」と決めるよりも、心身の衰えを感じたり将来のことを考えて老人ホームに入居するのがおすすめです。では、具体的にどういった状況になったら老人ホームの入居を検討すると良いのでしょうか。 介護量が多くなったら 実際には、年齢よりも、介護が必要な頻度や量が多くなって在宅介護が難しくなったときに老人ホームの入居を検討するケースがほとんどです。 特に、在宅介護を続けることで、介護が必要な人の安全が守れなかったり健康を維持できなくなったり、介護をする人の生活や健康に影響が出ることを理由に施設に入居することが多いです。 例えば、以下のような状態になったら老人ホームへの入居を検討することをおすすめします。 自宅の中を自力で歩けなくなった 火の不始末が増えた 薬の飲み間違い・飲み忘れが増えた 介護の負担が大きいため介護をする人が体調を崩してしまう 在宅介護を続けるために仕事を辞める、減らす必要がある 介護度が「要介護3」になったら 要介護3というのは、特別養護老人ホームの入居の条件のひとつ。特別養護老人ホームは費用が安価なうえに終身利用ができる施設で検討がしやすいため、施設入居のタイミングを見極める基準にしても良いでしょう。 ちなみに要介護3とは、基本的に一人で生活できず、常に介助が必要な状態のこと。車椅子を利用していたり、入浴や排泄の介助が必要です。こうした状態のため、一般的には要介護3になったら在宅介護は難しいとされています。 そのため、老人ホームに入居するタイミングとして要介護3になったときを目安とするのも良いでしょう。 老後の展望に合わせて 老後をどう過ごしたいかによって、老人ホームに入居するタイミングは大きく異なります。 「できるだけ自宅で過ごしたい」という場合は、在宅介護の限界を感じたときに入居検討を始めるのが良いでしょう。対して「元気なうちに入居して悠々自適な生活をしたい」という場合は、60代や70代前半の元気なときに入居検討を始めて早めに老人ホームに入居するのが良いでしょう。 元気なうちから老人ホームに入居するときの注意点 元気なときに老人ホームに入居すれば、急な体調不良や万が一のときでも安心。しかし、施設選びには注意が必要です。 元気なうちから終身利用できる老人ホームを選択すると、介護が必要な人や認知症の人と一緒に生活する可能性も。介護が必要な人が多い施設の場合、イベントやレクリエーションが物足りなく感じることもあるでしょう。老人ホームに入ったことでストレスを感じる場面が増えるかもしれません。 また、そうした身体・生活レベルのズレにストレスを感じて部屋にこもりがちになり、入居してから気力や身体機能が低下するおそれもあります。 そのため、元気なうちから老人ホームに入居する場合は、以下の点に注意して施設探しをしましょう。 身体状況が近い人が多いか 外出やイベントが充実しているか 元気な入居者と介護が必要な入居者のフロアを分けているか 老人ホーム探しは早め早めに 老人ホームを探すのは、なるべく早めに始めるのがおすすめです。「自宅での生活はもう難しい」と感じてから一から老人ホーム探しを始めると、以下のような問題が起こる可能性があります。 すぐに入居したいのに、希望施設に空室がない 介護に忙しくて施設探しの時間がない 認知症で適切な判断ができない 体力が低下して見学に行けない 施設探しは、各施設の情報を集めて希望条件に当てはまる施設の中から複数の施設を見学して比較検討したり、必要な書類を取り寄せたりと、さまざまな手間と時間がかかります。 希望する施設に入居するには、情報集めから入居までに2ヵ月~半年はかかると考えましょう。最短でも1ヵ月はかかるので、早め早めの行動をしましょう。 老人ホーム探しの流れは? 老人ホームに入居するまでには、大まかに以下の7つのステップがあり、大半はこの流れにそって入居が進みます。 老人ホーム探しのチェックポイント 老人ホームを探すときに、ぜひ確認しておきたいポイントがあります。後悔のない老人ホーム選びのために、施設の情報集めや見学の際には以下の点に注目して探してください。 施設全体・スタッフの雰囲気費用の内訳介護・医療体制食事内容立地・周辺環境設備入居後に思い描く生活ができるか よくある質問 老人ホームには何歳から入居できますか? 原則としては60~65歳から入居できます。ただし、介護保険制度で定められている16の特定疾病を持つ人は60歳未満でも介護保険が適用されるため、老人ホームに入居可能です。 老人ホームに入っているのは何歳くらいの人が多いですか? 老人ホームの種類で入居者の平均年齢が異なります。平均年齢は、介護付き有料老人ホームで87.1歳、住宅型有料老人ホームで84.0歳、サービス付き高齢者向け住宅で84.1歳となっています。 介護度が高い人が多い施設ほど、平均年齢も上がる傾向があります。 比較的若いうちから老人ホームに入居すると問題がありますか? 老人ホームの一般的な入居者の年齢よりも若いときに入居すると、他の入居者と心身の状態にギャップを感じて、ストレスを感じる可能性があります。また、レクリエーションやイベントが物足りなく感じるかもしれません。 その結果、老人ホームでの暮らしがつまらなく感じて自室にこもることが多くなり、心身機能が低下するおそれがあります。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "老人ホームには何歳から入居できますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2023/06/09

老人ホームで喫煙と飲酒はできるが、認めている施設は少ない

老人ホームで喫煙・飲酒はできる?|注意点や老人ホーム独自の取り組みについて

「老人ホームでもたばこを吸いたい!」「老人ホームでお酒は飲めるの?」などと嗜好品に関しての疑問を持っている方は多いでしょう。では、実際に喫煙や飲酒ができる老人ホームはあるのでしょうか。 この記事では、老人ホームで喫煙や飲酒ができるのかや注意したいことを解説しています。 「老人ホームに入居しても喫煙・飲酒をしたい」と希望がある方は、是非、参考にしてみてください。 老人ホームでの「喫煙」 「喫煙可能」の老人ホームは全国に存在します。しかし、居室や共用スペースで自由に喫煙できる施設は少なく、決められたスペースでの利用を求められるケースが多いです。では、何故、自由に喫煙ができないのでしょうか。 以下では、居室や共用スペースで自由に喫煙できない理由をまとめました。 理由①ほかの入居者・スタッフ・建物への影響 居室や共用スペースで喫煙することで、ほかの入居者やスタッフの健康を害する可能性があります。そのため、喫煙可能の老人ホームでも喫煙スペースは決まっており、そのほとんどが屋外です。 また、施設内で喫煙をするとたばこのヤニによって壁紙が変色する可能性があるというのも自由に喫煙できない理由のひとつと言えます。 理由②火事の危険性 居室での喫煙は寝具などに火が燃え移る危険性があるとされ、喫煙可能の老人ホームでも、ほとんどが居室での喫煙はNGです。基本的にたばこやライターは、施設側で管理し、喫煙量や時間帯などは決められている場合が多いです。 老人ホームでの喫煙対策 現状、喫煙可能な老人ホームは存在していますが、徐々に全面禁煙という動きが強まっているのが実情です。 出典:「京都府下の高齢者介護施設のタバコに関する実態調査」(日本禁煙学会) 日本禁煙学会がおこなった京都府内254施設に向けた調査によると、建物内は禁煙という施設が56%、敷地内は禁煙という施設が30%でした。 8割の施設が禁煙推進を掲げる一方で、入居者の今までの生活を尊重するという考えから、一部の施設では喫煙を容認しているケースもあるようです。ただし、それでも自由に喫煙できるわけではなく喫煙スペースを設けるなどの対応をしています。 老人ホームでの「飲酒」 喫煙とは違い、受動喫煙や火事の危険性がないことから適度な飲酒を認めている施設が多いです。ただし、飲酒を認めているほとんどの老人ホームでは時間や量、場所が決められており、自宅で生活していた頃と変わらず飲酒するのは難しいと言えるでしょう。 また、当然ですが医師から禁酒の指示が出ている場合は飲酒ができません。 飲酒に関してどのようなルールがあるかは施設によって異なるので、その施設のルールに従いお酒を楽しみましょう。 飲酒をする際に注意したいこと 喫煙とは違い、老人ホームで飲酒をするのは比較的ハードルが低いと言えるでしょう。しかし、嗜む上で注意したいこともあります。以下では、老人ホームで飲酒をする際に注意したいことをまとめました。 ほかの入居者とのトラブル アルコールを摂取したことで気持ちが高ぶり、ほかの入居者と些細なことで口論になるというケースが見られます。ほとんどの施設でお酒の量に関してルールを設けていますが、自室で飲酒する際はスタッフの目が届かない場合があります。そのため、自分自身でもお酒の量を抑える必要があります。 怪我や健康障害につながる 高齢者は若年者と比べて体内の水分の占める割合が低く、少量の飲酒であっても、酩酊・転倒などの問題を起こしやすいです。そのため、お酒の量は限度を超えないように嗜むことが大切です。 また飲酒は脳の萎縮と深い関係にあり、限度を超え大量に摂取してしまうと認知症の発症リスクを高める可能性があります。 各老人ホームの独自の取り組み 老人ホームによっては、喫煙・飲酒に関して独自の取り組みをおこなっている施設があります。 喫煙の場合、排煙設備が整っていたり中庭に喫煙スペースを設けたりとさまざまな取り組みをおこなっている施設も。狭い空間ではなく、中庭のような開放された空間でたばこを楽しむことはリラックス効果が期待できます。 また飲酒に関しては、施設内にバーカウンターを設置して、特定の曜日や時間にお酒を楽しんでもらうという工夫もおこなわれています。暑い夏場には、屋上でビアガーデンを開催する施設もあり、お酒を飲むということをレクリエーションとして企画している施設もあります。 これらを認めている施設は「普段の日常生活、季節的な行事を楽しんでもらいたい」という思いから取り組んでいる施設がほとんどです。「お酒が飲める施設」というよりも、「入居者の方に楽しんでもらいたい」という思いが強い施設と言えるかもしれませんね。 嗜好品の取り扱いは入居前にチェック 老人ホームに入居した後も喫煙や飲酒をしたい方は、場所や量、時間など制限に関して入居前にチェックしましょう。特にたばこやお酒といった嗜好品は人体に悪影響を及ぼすほか、人によって好き嫌いが分かれ、厳しい制限をしている施設もあります。 しかし、中には嗜好品に対して制限を緩くしている老人ホームも存在します。そのため、できるだけ多くの施設を比較検討することが重要だと言えるでしょう。 老人ホームでの喫煙・飲酒に関するよくある質問 老人ホームで喫煙や飲酒はできますか? 老人ホームで喫煙や飲酒をすることはできます。ただし、すべての施設が該当するわけではなく比較的少ないということを認識しておきましょう。 たばこはどこでも吸えますか? 居室や共用スペースなどで自由に喫煙できる施設は少なく、決められたスペースでの利用が求められます。その背景には、ほかの入居者やスタッフへの影響、火事の危険性があるということが挙げられます。 お酒は毎日飲めますか? 飲酒を認めているほとんどの老人ホームでは時間や量、場所が決められている場合が多いです。そのため、自宅で生活していた頃と変わらず飲酒するのは難しいと言えるでしょう。 ▶「いい介護」で喫煙できる老人ホームを探してみる ▶「いい介護」で飲酒できる老人ホームを探してみる { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "老人ホームで喫煙や飲酒はできますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2022/07/06

老人ホームの費用が支払えなくなる原因は、資金が底をついたり家族の援助が受けられなくなったりとさまざまです。

老人ホーム入居で保証人は絶対に必要?|いない場合の対処法も解説

老人ホームの入居には、保証人や身元引受人が必要な場合もあります。保証人や身元引受人はどのような役割があり、いない場合にはどのように対処したら良いのかを解説します。 なぜ身元保証人・身元引受人が必要なのか 老人ホーム入居時になぜ身元保証人・身元引受人が必要なのかと言うと、老人ホーム側では責任を負えないリスクを回避するためです。老人ホームでは対応しきれないことが起こった場合に、入居者に代わって対応するのが身元保証人・身元引受人です。 緊急連絡先入居中の治療方針の判断や入院手続き費用の支払いが滞ったときの支払い対応入居者が亡くなったときの身柄の引き取り 保証人には上記のような役割があり、きちんと責任の所在を明らかにしておくことで老人ホーム側はリスク回避をしているのです。 身元保証人・身元引受人の人数は施設による 1名で身元保証人と身元引受人を担うことができる老人ホームなども多いですが、老人ホームの中には身元保証人と身元引受人を別々に立てなくてはならない施設もあります。 連帯保証人という経済的な債務を負う役割と、身元引受人や身元保証人として身元保証と身元引受をわけて1名ずつ立てる場合もあります。施設によって異なるので、見学や入居を希望する場合はしっかり確認しましょう。 入居途中に変更もできる 入居時に決めた身元保証人や身元引受人は、後から変更することができます。身元保証人や身元引受人が病気になってしまったり、先に亡くなってしまう場合もあります。 身元保証人や身元引受人の役割を果たせなくなってしまった場合には、すぐに施設へ連絡し新しい身元保証人や身元引受人を立てる必要があります。その際は新しい身元保証人や身元引受人に関する書類を提出し、改めて契約を結びます。 身元保証人・身元引受人の条件は? 身元保証人や身元引受人の条件は、その役割に対して責任を担うことができる人物でなければなりません。 身元保証人や身元引受人は配偶者や子ども、親族がなることが多いですが、施設によっては条件を満たせば友人や知人が引き受けることもできる施設もあります。 身元保証人や身元引受人には、年齢や年収、資産状況など具体的な条件が決められているわけではありませんが、契約するときには収入を証明する書類の提出が必要です。 施設によっては身元保証人になる人には年齢や収入状況、資産状況などの条件がある施設もあるので、見学時に確認しましょう。 身元保証人・身元引受人の違い 老人ホームによっては、身元保証人と身元引受人とをはっきりと区別しておらず、一人でその両方の役割を担う施設もあります。 身元保証人と身元引受人を区別している老人ホームでは、身元保証人の役割は主に債務の保証です。 身元引受人は、入居者が亡くなった際の手続きや老人ホームでの生活に困難が起こった場合や病気の治療面などにおいて、本人の意思を尊重した対応や決断をする役割を担うことが多いです。 身元保証人・身元引受人の役割 それでは身元保証人と身元引受人の具体的な役割について説明しましょう。 緊急時の連絡先生活上の各種手続き本人に代わる意思決定金銭の連帯保証身柄の引き取り 1.緊急時の連絡先 老人ホーム内での怪我や事故が起きてしまった場合や、体調の急変で救急搬送されたときなどの緊急時に身元保証人と身元引受人に連絡が来ます。 遠方に住んでいてすぐに来ることができない場合には、老人ホームなど施設のスタッフが付き添ってくれることが多いですが、なるべく早く駆けつけ対応することが求められます。 2.生活上の各種手続き 身元保証人と身元引受人は、入院・退院時の手続きや支払いのための銀行の手続き、年金や保険に関する行政手続きなどを入居者本人に代わっておこなうことになります。 3.本人に代わる意思決定 本来なら本人が決めるべき重大なこと、例えば病院で治療を受けた際の治療方針や老人ホームでのケアプランの決定などを、入居者が認知症だったり判断能力が衰えたりしている場合に本人に代わって意思決定をします。 4.金銭の連帯保証 老人ホームの月額使用料など、支払いが滞った場合には身元保証人が債務を負うことになります。 5.身柄の引き取り 老人ホームを退去するときや、亡くなったときには身柄を引き取る必要があります。退去に必要な手続きや私物などの引き取り、未払いの費用があればそれを清算しなくてはなりません。 身元保証人・身元引受人がいないときの対処法 身元保証人や身元引受人がいないときには、いったいどのように対処すればいいのでしょうか。 保証会社を利用する 身元保証人や身元引受人の役割を代行してくれる保証会社は、民間企業やNPO法人によって運営されています。弁護士や司法書士、行政書士といった法律の専門家と連携し、身元保証や連帯保証を引き受けてくれます。 保証会社によっては、役所関係の手続きや老人ホームとの打ち合わせなど生活面でのサポートをしてくれたり、財産管理や入居者の意思に沿った葬儀の手配や喪主代行まで請け負ってくれる会社もあります。 保証会社によってサービス内容や月々の費用も大きく異なります。信頼度や実績を考慮し、自分の希望に合う保証会社を慎重に選ぶ必要があります。 身元保証人・身元引受人 身元保証人や身元引受人として、老人ホーム入居時の手続きや入院や転院の手続き、 老人ホームの月額費用、入院費の連帯保証、退去時や死亡時の身柄引き受けをおこなってくれます。 生活サポート 入居者の役所関係の手続きや老人ホームなど介護事業所との打ち合わせ、ケアプランの同意など生活サポートをお願いできる保証会社もあります。 財産・金銭の管理 入居者の年金口座や生活費口座の管理、家賃などの不動産収入の回収など、その他必要な財産管理もお願いできます。 葬儀・納骨、死後の整理 保証会社には入居者の生前の意思に従った葬儀・納骨の手配だけでなく、喪主代行や遺族への連絡を請け負ってくれるところもあります。また、行政への連絡や家財の処分もお願いできる場合もあります。 身元保証会社の費用と選ぶ際の注意点 身元保証会社を選ぶ際にはどのようなことに注意して選べば良いのか説明します。 老人ホームと保証会社の提携が増加している 身元保証人不要とパンフレットなどに記載し、それをメリットのひとつとしている老人ホームもあります。 そういった老人ホームは身元保証会社と連携していることが多く、保証サービスを利用することが入居条件となっているところもあるようです。 身元保証人がいなくても老人ホームに入居できますが、身元保証サービスの費用も追加で必要になってきます。追加の費用も含めて支払っていける金額なのかをしっかり確認しましょう。 保証会社にかかる費用 身元保証会社を利用するには当然費用が必要となります。身元保証会社によっても、利用するサービス内容によって費用は大きく異なります。当然ながら、サービスを利用するだけ費用がかかります。 預託金としてあらかじめまとまった金額を先払いし、何かあったときには預託金から支払うスタイルや、契約時の初期費用とさらに月額費用も引き落とされる二重払いになっていることもあります。 契約内容によってはかなり高額になることもあるので、事前に費用を確認しましょう。 保証会社の選び方 普段は利用する機会の少ない身元保証会社ですから、どこを選んで良いのかを見極めるのは難しいものです。 身元保証会社の仕組みや保証内容、契約条項など複雑な部分も多いので、信頼できる第三者に同行してもらい納得した上で契約するのがベストです。 サービスに見合った費用か 身元保証会社のサービスはこれまで説明してきたとおり、幅広いサービス内容を展開している会社も多いです。 さらに身元保証会社によって預託金、月額費用、初期費用などかかる費用の種類も異なります。1社だけの話を聞いて契約するのではなく、2〜3社の説明を聞いて比較してみるとそれぞれの違いがわかり、費用に見合ったサービスかどうかも見えてくるでしょう。 保証会社が破綻した場合を確認する 近年では身元保証会社が破綻し、身元保証や預託金の返還でトラブルが増えています。 身元保証がなくなることで入居している老人ホームにいられなくなってしまうかもしれないという不安や、入金した預託金が全額返還されるかどうかもわかりません。 万が一のことも考え、身元保証会社が破綻したらどうなるのかを契約前に確認し、納得できない場合には契約を考え直すなど慎重に進めましょう。 成年後見人は身元保証人になれない 成年後見人は身元保証人にはなれません。成年後見人は入居者の財産を管理するので、その法定代理人が入居者の債務を連帯保証するということはできません。 自分で管理している財産を、自分で連帯保証をするといった状態になってしまうからです。そのため、成年後見人が身元保証人になるのは職務権限外となります。 成年後見人と身元保証会社の違い 成年後見人と身元保証会社との大きな違いは、万が一資産がなくなり支払いができなくなっても、生活保護などの行政手続きを成年後見人がおこなうことができるため、支払いが滞らない点です。 生活保護者の受け入れが不可の老人ホームの場合だと施設を変えることになりますが、その手続きも成年後見人が務めることができます。その点では、老人ホームにとっては成年後見人と身元保証会社のどちらでも良いといえるのかもしれません。 特別養護老人ホームでも身元引受人は必要? 特別養護老人ホームの中には、身元保証人や身元引受人がいない人でも入居できる可能性があります。 そのため身元引受人を用意できない場合や、生活保護を受給しているため身元保証会社を利用できない場合は、特別養護老人ホームへの入居を検討してみましょう。 ですが、全ての特別養護老人ホームが身元保証人や身元引受人がいなくても入居できるわけではありません。特別養護老人ホームの入居は、原則65歳以上で要介護3以上の介護認定が出ていることが条件です。 利用希望者が多いため入居までに長期間かかることもあります。ただし、緊急性を要する場合には優先的に入居できる場合もあります。 ​​身元保証人・身元引受人が不要な施設を探す 2014年に公共社団法人がおこなった実態調査では、老人ホームなどの施設の91.3%が身元保証人を必要としているとの結果が出ています。 出典:「病院・施設等における身元保証等に関する実態調報告書 」((公社)成年後見センター・リーガルサポート) とはいえ、施設によっては身元保証人や身元引受人不要と謳っている施設もあるので、身元保証人や身元引受人がいなくても諦める必要はありません。しかし施設によっては、身元保証会社の利用が条件だったりする場合もあるので注意が必要です。 将来に備え身元保証人・身元引受人を検討する 老人ホームに入居する場合には、身元保証人や身元引受人を立てる必要がある施設が多いです。 「まだ元気」「まだ若い」と先延ばしにするのではなく、いざ必要に迫られた際に慌てないで済むように、「身元保証人・身元引受人を誰に頼むのか」「身元保証会社を利用するのか」「後見人へと依頼するのか」など、余裕を持って検討しておくことが重要です。 老人ホームの入居に必要な身元保証人・身元引受人に関するよくある質問 老人ホームに身元保証人・身元引受人は必要ですか? 老人ホームの入居には、基本的に身元保証人や身元引受人が必要です。理由として、老人ホーム側では責任を負えないリスクを回避するためということが挙げられます。 老人ホームの中には保証人と身元引受人を別々に立てなくてはならない施設もあるので、入居を検討する際は注意しましょう。 身元保証人・身元引受人がいない場合はどうすれば良いですか? 身元保証人・身元引受人がいない場合は保証会社を利用しましょう。保証会社は、弁護士や司法書士、行政書士といった法律の専門家と連携し、身元保証や連帯保証を引き受けてくれます。 ただし保証会社によってサービス内容が異なり、サービスが多くなれば自ずと費用もかかります。事前にパンフレットや電話などで詳細について確認し、信頼できる保証会社を選択しましょう。 友人が身元保証人・身元引受人になることは可能ですか? 一般的に身元保証人や身元引受人は配偶者や子ども、親族がなることが多いです。ただし、施設によっては条件を満たせば友人や知人が引き受けることもできる施設もあるので、見学時に確認しましょう。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "老人ホームに身元保証人・身元引受人は必要ですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2022/02/08

老人ホームに入居するための資金計画

老人ホーム入居のための資金計画|マネープランのポイント解説

老人ホームは入居する施設の種類や入居条件によって必要資金が異なります。始めに予算を立てておくと資金計画が立てやすくなります。入居検討を始める人は、資金計画を立てるためのポイントをしっかり押さえましょう。 老人ホームの入居検討に必要な資金計画の3つのポイント 老人ホームの入居を検討するにあたって押さえるべき3つのポイントは「世帯の資産」「収入」「入居期間」です。それぞれ見ていきましょう。 資産の確認をする はじめに、どれだけの資産を保有しているかをしっかりと把握し、支払うことができる予算を検討しましょう。 資産としては預貯金額、退職金額などの現金や有価証券、土地や建物などの売却可能な不動産などです。売却予定のものは見積りをとって事前に資産価値を確認しましょう。 価値が変動する資産に関しては、低めの金額を想定をしておくと万が一のときにも安心できます。資産として下記の項目を確認しましょう。 預貯金、退職金土地やマンションなど、売却可能な不動産株式や債券など、売却可能な有価証券満期を迎える生命保険など 収入の確認をする 今後見込める定期的な収入を確認しましょう。例えば退職金、企業年金の金額、年金受給額、利息、有価証券の配当、不動産を保有している人は家賃収入などが該当します。配当や家賃収入は変動するので低めの金額で設定すると良いでしょう。 入居期間の想定をする 厚労省資料「令和2年 簡易生命表の概況」によると、平均寿命は男性81.64歳、女性87.74歳と発表されています。 老後の資金計画を立てるには「老人ホームの入居期間」「入居するときに必要になる費用」「入居してから資金がどれだけ必要か」を前もってシュミレーションしておくことが大切です。 80〜84歳の約3割の人が要支援・要介護と認定されており、平均的な介護期間の「5年」を経て亡くなることをベースに考えると想定入居年数を設定することができます。あくまでもこの5年というのは目安です。 健康状態は常に変化するので、想定より多く見積もった方が安心です。 発生する費用のシュミレーション 将来の資金計画を立てるにあたり、どういった費用項目があり、どれくらいの予算が必要なのかを具体的に把握しておくことが重要です。老人ホームにかかる費用は「初期費用」と「月額費用」の大きく分けて2種類です。 初期費用とは引っ越しにかかる費用や入居一時金を指し、月額費用は月額利用料として毎月の家賃、生活費、介護サービス費、医療費などが含まれます。施設の種類や入居一時金の有無で必要になる費用が大きく異なります。 必要な費用をシュミレーションして余裕を持った資金計画を立て、経済的に行き詰まることのないよう自身の経済状況にあった施設を選びましょう 入居時に必要な3つの費用 入居時に支払う初期費用は事前に質問し、契約書などの書類で受け取るようにして、いつでも確認できるようにしましょう。 入居時費用(入居一時金) 運営母体 施設の種類 ...

2022/01/27

老人ホームの設備・特徴

老人ホームの選び方~設備編~|老人ホームの種類別の違い

老人ホームでの生活を快適で安全なものにするために、施設を選ぶ際は設備にも注目してみましょう。この記事では、施設の種類ごとの主な設備や施設選びのポイントを紹介するほか、介護ベッド、浴槽、車椅子について重点的に解説しています。 設備は老人ホームの種類により異なる 老人ホームや介護施設では、老人福祉法や介護保険法により居室の広さや共用設備などの基準が決められています。施設の種類によって目的が違うため、設備基準も施設によって異なります。 パンフレットに書かれている居室の広さなどの数字は、実際に自分の目で見た印象と違う場合も多いです。資料は参考にとどめ、必ず見学してから入居を検討しましょう。 種類別の主な設備 高齢者向けの施設や住宅には、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、シニア向け分譲マンションなどいくつもの種類があり、それぞれ設備が異なります。種類ごとの主な設備や特徴を見ていきましょう。 有料老人ホーム 有料老人ホームはさらに「介護付」「住居型」「健康型」に分けられ、種類ごとに設備が異なります。居室内の設備基準はありませんが、広さは3つのタイプともに1人用の個室で13㎡以上、夫婦部屋は26㎡以上と定められています。 アットホームな施設から高級施設まで選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 サービス付き高齢者向け住宅 「サ高住」とも呼ばれる高齢者向けの賃貸住宅です。居室に浴室、キッチン、洗面設備、トイレ、収納設備があるのが一般的ですが、施設によってはキッチン、浴室は共用の場合もあります。 居室の広さは、キッチンと浴室がある場合は25㎡以上、ない場合には18㎡以上と決められています。 シニア向け分譲マンション バリアフリーや充実した共用施設など、高齢者が生活しやすいよう設計された分譲型のマンションです。生活支援などのサービスを受けられますが、施設ではなくあくまで住居のため、設備に基準はありません。 グループホーム グループホームは、認知症の人を対象とした小規模の介護施設です。施設スタッフの支援を受けながらアットホームな環境のもと生活を送る場で、共同のリビングや食堂、機能訓練室などが設置されています。 ケアハウス ケアハウスには「自立型」と「介護型」があり、それぞれ設備が異なります。介護型では介護をおこなうための一時介護室が設置されています。 特別養護老人ホーム 「特養」とも呼ばれ、介護が必要で自宅での生活が困難な人向けの施設です。共用のトイレや複数名で入る浴室、リビングや食堂、機能訓練室などが設置されています。 居室は複数名での相部屋が多いですが、近年では個室も増えてきています。 介護老人保健施設 「老健」とも呼ばれ、退院直後で自宅での生活が難しい人や要介護認定を受けた人などが一時的に入居し、リハビリをおこないながら在宅復帰を目指す施設です。診察室、機能訓練室やレクリエーションルームが設置されています。 居室設備と共用設備の特徴 老人ホームで日常生活を送るために重要なのが、居室設備と共用設備です。どのような特徴があるのか見ていきましょう。 居室設備 居室は自分の家であり、心地よく過ごせるかがとても重要です。 有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅であれば、居室は「個室」であることがほとんどですが、特別養護老人ホームや介護老人保健施設では、個室だけではなく多床室という数人で使用する大部屋の場合もあります。 個室は広いことが良いとは限りません。足が悪くなったときには移動をせずに身の回りのものに手が届くコンパクトな空間が便利になることもあります。家族が考える満足度が本人にとって最適な環境とは限りません。本人の生活のしやすさを優先しましょう。 共用設備 共用設備には、トイレ・浴室・食堂・機能訓練スペースなどの基本的な設備と、施設によって談話室・娯楽室・理美容院などの設備があります。高級な有料老人ホームなどではレストラン・サウナ・温泉・プール・売店などホテルのような豪華な設備があるところもあります. 個室の浴室がある場合や大浴場のケース、浴室や食堂の利用時間が決まっている施設、個人に合わせて自由に使える施設など、施設によって異なるので確認しましょう。 介護ベッドと主な種類 介護ベッドには、主に「背上げ機能」「高さ調節機能」「膝上げ機能」という3つの機能が備わっており、ベッドから起き上がったり立ち上がるのを助けてくれます。ボタン操作による電動リクライニングベッドが主流で、ベッドに搭載されたモーターの数で機能が異なり、5種類にわけられます。 ほとんどの介護付き有料老人ホームでは、次に紹介する5種類のうちいずれかが標準設備になっています。 1モーターベッド2モーターベッド3モーターベッド4モーターベッド1+1モーターベッド 1モーターベッド 1モーターベッドには、背上げ機能または高さ調節機能のどちらかがついています。細かい調節は難しいため、比較的、体を自由に動かせる人の起き上がり補助として使用するのに向いています。 2モーターベッド 2モーターベッドには、背上げ機能と高さ調節機能が備わっています。 背上げ機能に付随して膝上げ機能が付いていることも多く、自力での起き上がりと立ち上がりの両方をサポートしてくれます。 3モーターベッド 背上げ、高さ調節、膝上げの3つの機能がすべて備わっており、それぞれを個別に細かく調整することが可能です。 ベッドで過ごす時間が長い人や自力で寝返りを打つのが難しい人は、3モーター以上のベッドを選ぶと良いでしょう。 4モーターベッド 背上げ、高さ調節、膝上げに加え、左右の肩の部分を傾けて寝返りを補助する機能が備わっています。機能がそれぞれ独立しているため細やかな調節が可能な反面、操作がやや煩雑というデメリットもあります。 比較的新しいタイプの介護ベッドで、タイマーによる自動寝返り機能のついた機種などもあり、要介護度が高い人の床ずれ防止に役立ちます。 1+1モーターベッド 背上げ機能と膝上げ機能がついていて、それぞれ単独で操作できます。2モーターベッドと混同されがちですが、2モーターベッドは背上げと膝上げを1つのモーターでおこない、もう1つのモーターで高さを調節します。一方、1+1モーターベッドに高さ調節機能はついていません。 浴室(浴槽)の主な種類 入浴は衛生を保つとともに、老人ホームでの生活の楽しみのひとつです。このため、介護が必要な人でも入浴できるよう身体状況に合わせたさまざまな浴室(浴槽)があります。 ただし、施設によって設備は異なります。自立している人が一人で入れる浴室があるか、寝たきりになっても入浴できる設備があるかなど、入居前に確認しましょう。 一般浴リスト浴(中間浴)機械浴 一般浴 自立している人や歩行ができる人の入浴は「一般浴」と呼ばれることが多いです。浴室は手すりや滑りにくい床素材などで高齢者でも安全に入浴できるよう設計されていますが、自宅のお風呂や銭湯のように自分自身で湯船につかります。 居室に浴室がついている場合と大浴場が整備されている場合があり、浴室付きの居室であれば、自由に入浴可能です。 大浴場でも、一般浴は入浴回数や時間などが比較的自由なことが多いです。ただし、週あたりの入浴回数などは施設により決められていることもあるため、入居前に確認しましょう。 リフト浴(中間浴) 自力での歩行は難しいものの座った体勢を保てる人は、リフト付きの椅子を用いて入浴します。「中間浴(リフト浴)」と呼ばれ、車いすからリフト付きの椅子に移動して、椅子に座ったまま入浴します。このため、浴槽をまたぐことができない人でも安全に入浴できます。 リフトは上下左右に動かせるため、楽に移動することができます。ただし、湯船につかる際リフトの高さが上がるため、最初は不安を感じる人も多いです。しかし、手すりや安全ベルトが付いており、介護スタッフが付き添ってくれるため、ほとんどの人は慣れれば安心して入浴できます。 機械浴 リフト浴での入浴も難しい人は、リフトより大掛かりな機械を用いた「機械浴」で入浴します。 機械浴には、「チェアー浴」と「ストレッチャー浴」の2種類があります。 チェアー浴 チェアー浴は、側面に扉のついた浴槽に専用の椅子ごと入り、お湯を張って入浴します。 リフト浴と同じく座った姿勢を保てる人向けの入浴方法ですが、上下の移動がない分安心して入浴できます。 ストレッチャー浴 ストレッチャー浴は、座った姿勢が保てなかったり寝たきりの人でも利用できる入浴方法です。 ストレッチャーに横になった状態で髪や体を洗ったあと、ストレッチャーごと浴槽に移動して入浴します。 車椅子の主な種類 車椅子は歩行が困難な人の移動を補助する手段で、体格や身体状況により適した種類が異なります。福祉用具であり施設の設備ではありませんが、介護付き有料老人ホームでは多くの入居者が利用しているため、ここで紹介しておきます。 なお、老人ホームによっては無料で借りられたり、要介護度によって介護保険を使ってレンタルできるなど、施設や利用者によって費用は異なります。車椅子が必要な人は、入居を希望する施設に確認しましょう。 スタンダードタイプモジュールタイプリクライニング・ティルトタイプ電動タイプ スタンダードタイプ スタンダードタイプは、老人ホームでも在宅でも最も多く利用されている標準的な車椅子です。利用者自身が手や足で操作して移動する「自走式」と、介助者が後ろから押して使う「介助用」の2種類があります。 モジュールタイプ モジュールタイプは、車輪サイズや座幅・座面高などを利用者の体形に合わせられ、スタンダードタイプより疲れにくいのが特徴です。決められたラインナップの中から選ぶため、費用は比較的リーズナブルです。 リクライニング・ティルトタイプ 座った姿勢を保つのが難しい人でも使える車椅子で、スタンダードタイプと同様に自走式と介助式があります。リクライニングタイプは背もたれを、ティルトタイプは背もたれと座面の角度を変えることができます。 電動タイプ 電動モーターを使って車輪を動かす車いすです。手元のリモコンで操作でき、長時間の移動でも疲れにくいのが特徴です。 ただし、バッテリーを搭載するため非常に重く、本体とバッテリーで40kgを超えるものも珍しくありません。 老人ホームの設備はなにを確認する? 老人ホームの設備は法律で基準が決められたものもありますが、細かい設備は施設ごとに異なります。ここからは、老人ホームを選ぶ際にどのように設備を確認するかを解説します。 安心して過ごせる設備か 安心して日常生活を送るため、まず重要なのは快適な生活環境です。身体状況によっても異なりますが、浴室やトイレは居室内にあるのか、共用施設を利用するのかは確認しましょう。 また、自宅と変わらず自立した生活を送りたい人は、居室内の設備をしっかり確認しましょう。例えば、キッチンがあれば簡単な自炊ができますし、冷蔵庫があれば食品の保存に便利です。 サポートを受けやすい設備か 入居時は自立状態でも、年齢を重ねることで介護や医療的ケアが必要になることもあります。このため、介護などが必要になっても入居し続けられる施設を選ぶと安心です。さらに、どのようなケアやサポートが受けられるのかを確認するとともに、ケアやサポートを受けやすい設備が整っているかもチェックしておきましょう。 また、対応可能な医療的ケアは施設によって異なります。持病がある人は、必要なケアが受けられるか必ず確認しましょう。 外出しなくても気分転換をはかれるか 介護が必要になると、日常生活のほとんどを施設内で過ごします。図書室やシアタールームなどの娯楽設備が充実した施設なら、外出しなくても気分転換がはかれます。 また、売店があれば、受け身になりがちな老人ホームの生活の中で自分で選んで購入する喜びを感じることができます。 多くの人は形のない快適さを望んでいる 高級有料老人ホームの中には、プールや温泉などの豪華な設備のある施設もあります。このような設備はシニアライフを充実させるのに役立ちますが、それ以上に入居者が希望するのが、日常生活を送る上での快適さです。 スタッフの対応やきめ細やかな介護、充実した医療的ケアなど、実際に老人ホームで生活する多くの人は、こういった形のない快適さを望んでいます。 有料老人ホームを終の棲家とするために 有料老人ホームを「終の棲家」として選ぶ人が多くなり、ホームを文字通り「家」としてとらえる人が増えています。 日常生活を快適に過ごすために、居室内や共用施設などのハード面の充実は大切です。しかし、加齢や病気によって低下する身体機能や認知機能へのきめ細やかなケアや、我が家で生活しているかのようなさりげない生活面のサポートは、それ以上に重要です。 有料老人ホームを終の棲家とするため、設備などのハード面だけでなく、サービス内容やスタッフの対応などのソフト面もしっかり見極めて、自分に合った施設を選びましょう。 老人ホームの設備に関するよくある質問 有料老人ホームの居室設備はどのような基準で作られていますか? 有料老人ホームの居室内の設備基準は特にありません。ただし、居室の広さは一人用の個室が13㎡以上、夫婦部屋は26㎡以上と定めがあります。施設によっては、居室内に浴室やキッチンが付いている施設もあるので入居者の状態に合わせて選択しましょう。 自炊ができる施設はありますか? サービス付き高齢者向け住宅であれば居室内にキッチンがあるので自炊が可能です。サービス付き高齢者向け住宅はキッチンのほか、浴室、洗面設備、トイレ、収納設備があるのが一般的です。 ただし、居室の広さが25㎡以下の場合はキッチン、浴室ともに共用の場合が多いので、一人でゆっくり自炊を楽しみたい人は25㎡以上のサービス付き高齢者向け住宅を選びましょう。 車椅子の人でも入浴できる設備は整っていますか? 各施設では入居者の身体状況に合わせたさまざまな浴室(浴槽)があります。特に有料老人ホームや公的施設などでは、リスト浴と呼ばれる車椅子からリフト付きの椅子に移動して、椅子に座ったまま入浴するものや、機械浴と呼ばれる寝たきりの人でも入浴できる設備も整っています。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "有料老人ホームの居室設備はどのような基準で作られていますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2022/01/26

老人ホームでの感染症対策

老人ホームでの感染症対策|集団感染をしないためには?

老人ホームでの新型コロナウイルス集団感染に、不安を感じている人も多いのではないでしょうか。老人ホームは多くの人が暮らす施設だけに、感染予防対策は重要です。この記事では、老人ホームでの集団感染対策を徹底解説。安心して入居できる老人ホーム探しに役立てください。 高齢者に重要な感染予防対策 老人ホームには、免疫力の弱い高齢者が多く入居しています。感染症が持ち込まれると施設内で拡がりやすいため、安全な日々の暮らしを守るために感染予防対策が欠かせません。 施設によっては、認知機能の低下した高齢者が入居している場合もあります。認知症になると自分自身で感染予防対策を徹底するのが難しくなるため、施設のスタッフが中心となって対策をおこなう必要があります。 また、老人ホームに感染症を持ち込まないためには、面会する家族も感染予防対策を理解し、実行することも大切です。 感染症対策ガイドライン 感染症対策ガイドラインは、医療・介護関係者が感染症に対する知識を身につけたうえで業務に取り組むため、厚生労働省により制定されました。 老人ホームは施設ごとに入居者数や設備などが異なります。このため、ガイドラインではそれぞれの施設に適した感染症対策がおこなえるよう基本的な対策方法を定めています。 新型コロナウイルスの影響で、施設内の集団感染対策が一段と重要になりました。安心して過ごせるよう、入居を希望する施設がどんな対策をおこなっているか知っておきましょう。 老人ホームでおこなう感染予防対策事例 老人ホームでは、具体的にどのような感染予防対策を講じているのでしょうか。どの施設でもおこなわれている基本的な対策を紹介します。 うがい、手洗いの徹底換気湿度管理予防接種接触場所の消毒排泄物と嘔吐物の適切な処理入居者の健康状態についての情報共有 うがい、手洗いの徹底 多くの老人ホームでは感染症を持ち込んだり拡大するのを防ぐため、入居者やスタッフはもちろん、面会に来た家族や納入業者など、施設に出入りするすべての人に対してうがいや手洗いをするよう徹底しています。 換気 新型コロナウイルスが流行したことで、感染症予防に対する換気の重要性が改めて見直されました。しかし、高齢者にとって急な温度変化は体調不良を引き起こす危険性もあります。このため換気は入居者の意見を聞いたり、体調を観察しながらおこないます。 湿度管理 加湿器により湿度を一定に保つことで、空気感染や飛沫感染のリスクを下げます。ただし、タンク内にレジオネラ菌が繁殖し、室内に噴霧されたことによる感染死亡例もあります。このため定期的に加湿器を清掃し、清潔に使用することも大切です。 予防接種 インフルエンザなどへの感染を防ぐため、定期的に予防接種をおこないます。現在では、新型コロナウイルスの予防接種も進んでいます。 接触場所の消毒 老人ホーム内は、ドアノブやエレベーターのボタン、手すり、照明のスイッチなど、複数の人が接触する場所が数多くあります。このような場所では、1日に数回アルコール消毒をおこないます。 排泄物と嘔吐物の適切な処理 大腸菌などは、人の排泄物を介して感染が拡がります。このためおむつの交換などは、適切でスピーディーな処理が必要です。 入居者だけでなく介護スタッフが感染する可能性もあるため、処理する際は使い捨て手袋やビニールエプロンを使用します。また、汚物が服やシーツに付着した場合は速やかに交換し、適切な方法で洗濯します。 入居者の健康状態についての情報共有 発熱や嘔吐、下痢、咳、頭痛、発疹など入居者の体調に異変を感じた場合は、申し送り時に次の時間帯のスタッフに報告するなど情報を共有します。 老人ホームで多い感染症は 入居者・スタッフ共にかかりやすく集団感染の恐れがある感染症には、新型コロナウイルスのほか、インフルエンザ、ノロウイルス(感染性胃腸炎)などがあります。特に、冬場は空気が乾燥しやすくウイルスや細菌が飛散しやすいため、感染予防対策が一段と重要です。 また、免疫力の低下した高齢者は「MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)」に感染しやすくなります。MRSAは抗生物質が効きにくく院内感染を起こしやすいため、注意が必要です。 老人ホームで感染症が発生する経路は? 老人ホームで感染症が発生する主な経路には、以下の4つがあります。 接触感染飛沫感染空気感染血液媒介感染 それぞれの経路で感染する代表的な感染症や、その予防対策について見ていきましょう。 接触感染 接触感染は、感染者から排出された病原体に直接触れたり、それらが付着したものに接触することで起こります。代表的な感染症に水虫や尿路感染症があり、多くの人が触れる場所や汚物が付着しやすい場所では特に注意が必要です。 複数の人でタオルなどを使いまわしたり、ほかの人が使ったものを消毒せずに使用することで感染が拡がるため、不用意にものに触れないことや使用後の消毒を徹底することが大切です。 飛沫感染 飛沫感染は、ウイルスや細菌が感染者の「咳」「くしゃみ」などで飛び、ほかの人の体内に入ることで起こります。 代表的な感染症にはインフルエンザがあり、発症すると「咳」「くしゃみ」が増えます。目に見えない細かい飛沫は遠くまで飛散するため、マスクをするとともに適度な距離を取ることを意識します。 また、多くの入居者が集まる食事やレクリエーションなどは、気をつけていても飛沫を浴びる危険性が高まるため、特に注意が必要です。 空気感染 ウイルスや細菌を含んだ飛沫の水分が蒸発すると、微粒子となって空気中に漂います。これを吸い込むことで感染するのが空気感染で、代表的なものに麻しんや水痘があります。 病原体が広い範囲を漂うため、接触したり感染者に近づかなくても感染します。また、粒子が非常に細かいため、一般的なマスクで完全に防ぐのは困難です。 締め切った空間ではリスクが高まりますが、換気をすることで病原体は外に出ます。このため、居室などを長時間締め切った状態にしないことが大切です。 血液媒介感染  血液媒介感染は、病原体を含む感染者の血液などが他者の体内に入ることで起こります。輸血や針刺し事故などが原因になることが多く、代用的な感染症にB型肝炎やC型肝炎、HIVがあります。 老人ホームでの発生頻度は高くありませんが、採血や血糖測定など血液を扱うことも多々あります。このような場面では使い捨て手袋を着用するとともに、しっかり消毒された機材を使うことも重要です。 また、ほかの人への感染を防ぐため、血液媒介感染で起こる疾患を持っている場合は必ず施設に申告します。 面会に行く家族が気を付けることは? 老人ホームで生活する親や友人に面会へ行く際は、次の点に注意しましょう。 建物や居室に入る際は、手洗いやアルコール消毒剤などで手指の消毒をおこなうせきが出ていなくても、マスクを着用する体調不良のときや発熱している場合は面会を控える感染症が流行する時期は、予防接種を受けるなど感染防止対策をおこなう食品を持ち込む場合は事前に職員に確認し、内容などを伝えておく小さな子どもは幼稚園や保育園などを経由してウィルスを持ち込む可能性があるため、連れて行く場合は事前に確認する オンライン面会を活用する 新型コロナウイルスの流行により、オンライン面会が可能な老人ホームも増えています。 パソコンやタブレットなどの通信機器とWi-Fiが使える環境を用意する必要はありますが、遠方に住んでいても気軽に面会できたり、対面での面会制限がかかっている場合でもオンラインなら面会できるなどのメリットもあります。対面での面会と使い分け、うまく活用していきましょう。 感染対策委員会の設置 老人ホームは入居者の安全を確保する責任があることから、感染症対策は非常に重要です。 施設内での感染症(食中毒を含む)の発生や感染拡大を防止するため、令和3年度介護報酬改定からすべての介護サービスで感染対策委員会の設置が義務化されました。 感染対策委員会は、運営委員会などのほかの委員会とは独立して設置・運営されます。ただし、事故防止検討委員会は関係職種や取り扱う内容が近いことから一体的に設置・運営することも認められています。 感染対策委員会の構成 感染対策委員会は、組織全体をカバーできるよう幅広い職種で構成されます。感染症対策の知識を持った人を入れる必要があるため、外部の医師などに参加してもらうなど施設の実態に合わせてメンバーが決定されます。 例として、次のような職種で構成されます。 施設長施設全体の管理責任者事務長事務関連、会計関連を担当医師検査・診断・治療等、専門的知識の提供を担当看護職員看護ケアなど、専門的知識の提供と同時に生活場面への展開を担当可能であれば複数名で構成介護職員介護場面における専門的知識の提供を担当各フロアやユニットから1名デイサービス等の各併設サービスの代表者1名ずつなど栄養士栄養管理、抵抗力や基礎体力維持・向上生活相談員入所者からの相談対応、入所者への援助入所者の生活支援全般にわたる専門的知識の提供を担当 出典:「高齢者介護施設における感染対策マニュアル 改訂版」(厚生労働省) 感染対策委員会の開催頻度 感染対策委員会は定期的に開催されるとともに、感染症が発生しやすい時期や感染症の疑いがある場合などには、必要に応じて随時開催されます。 参加メンバーの負担を減らすため、ほかの委員会と続けておこなうなど時間を無駄なく使えるよう工夫しながら実施されています。 感染対策委員会の活動内容 感染対策委員会の主な役割は「感染症の予防」と「感染症発生時の対応」で、具体的には下記の内容を実施します。 施設内の具体的な感染対策の計画を立てる。施設の指針・マニュアルなどを作成・見直しをし、あらかじめ見直す時期や担当者を決めておく。感染対策に関する職員などへの研修を企画、実施する。感染症発生時を想定した訓練(シミュレーション)を実施する。新規入居者の感染症の既往等を把握し、適切なケアプランを検討するとともに、必要な配慮事項(むやみに隔離するのではなく、何がリスクであるかを理解して対応することが重要)などがあれば現場関係者等に周知する。入居者・職員などの健康状態の把握に努め、状態に応じた対応・行動などを事前に明確にしておく。感染症の発生時には、あらかじめ作成したルールや職場で定めた連絡系統図に沿って、適切な対応をおこなうとともに、必要な部署や行政などと情報共有をする。終息の判断は、保健所と相談のうえ、感染対策委員会で最終的に判断をする。各部署での感染対策の実施状況を把握、評価し、改善すべき点などを検討する。 出典:「高齢者介護施設における感染対策マニュアル 改訂版」(厚生労働省) 感染対策委員会の活動例 実際に老人ホームでおこなわれた活動例を紹介します。 教育・啓発(研修の計画・運営、感染に関する職員の意識調査など)マニュアルの見直し(現在の手順書の問題点の検討と見直し)食事に関する衛生管理(厨房、食堂、食事介助における衛生管理)口腔ケアの検討 ※歯科医が口腔ケアを行うことで発熱がなくなった事例あり排泄介助の検討(感染管理の観点から望ましい排泄介助手順の検討など) 出典:「高齢者介護施設における感染対策マニュアル 改訂版」(厚生労働省) 老人ホームでの感染症予防に関するよくある質問 新型コロナウィルスに対する対策は何をしていますか? 主に入居者、介護スタッフ、面会に来る家族、その他業者へのうがい・手洗い・消毒・検温の徹底、館内の換気、共用部分の消毒、飛沫感染防止のアクリル板の設置などが挙げられます。 また家族の面会については時間の制限を設けたり、通信機器でのオンライン面会を実施している施設もあります。施設によっては、面会時にワクチン接種証明を求められる場合もあるので事前に施設へ確認しましょう。 老人ホームで多い感染症は何ですか? 老人ホームで集団感染の恐れのある感染症には、新型コロナウイルスのほか、インフルエンザ、ノロウイルス(感染性胃腸炎)などが挙げられます。特に、冬場は空気が乾燥しやすくウイルスや細菌が飛散しやすいため、うがい・手洗い・消毒が必須です。 老人ホームで感染症が発生する主な経路は何ですか? 主に感染経路として挙げられるのが「接触感染」「飛沫感染」「空気感染」「血液媒介感染」です。 特に、現在流行中の新型コロナウィルスについては「空気感染」する事例も多くみられます。「空気感染」の場合、粒子が非常に細かいため、一般的なマスクで完全に防ぐのは難しいので定期的に部屋の換気をすることが求められます。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "新型コロナウィルスに対する対策は何をしていますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2022/01/25

老人ホーム 良い施設長

老人ホームの選び方~施設長編~|良い施設長を見極めるための質問事項

老人ホームを検討するときの優先事項はなんでしょうか。立地や設備、食事内容、どれも妥協できないポイントですが、施設の雰囲気も大切です。 施設の雰囲気は施設長で決まるといっても過言ではありません。この記事では老人ホームの施設長について焦点を絞って解説します。 施設長の役割は? 施設長とは、老人ホームを統括している責任者のことを指します。施設によって、所長・ホーム長・管理者と呼び方はさまざまですが、責任者としてマネジメントをするという役割は同じです。 主な業務は管理業務となりますが、その業務内容は施設の統括者として幅広く、施設の形態や規模によっても異なります。下記では、施設長の一般的な仕事内容について紹介します。 サービスマネジメント 感染症などのリスク管理 指導、改善、体制構築 入居者や入居者の家族のクレーム対応 施設内のトラブル対応 介護サービスなどの提供状況・品質の把握 利用者の状況は常に安定しているわけではなく、日々変動が起きるもの。毎日安定した介護サービスを提供するのは難しいことです。 しかし、老人ホームの利用者と家族としては安定した品質の介護サービスを期待しています。 よって、施設長を中心にサービスの提供状況を定期的に見直し、必要に応じて指導・改善をし、体制を構築し介護サービスを常に安定し向上させる必要があります。 また、感染症予防のためのリスク管理や施設内トラブル、利用者と家族のクレーム対応も業務となることが多いでしょう。 財務マネジメント 入居者獲得促進 適切な収支を保持 毎月の収支を管理 財務状況を把握 施設長には、利益を出すために財務状況を把握しマネジメントする能力も必要です。特に民間の有料老人ホームなどは毎月の収支を管理して利益を出し続けなければいけません。 また、入居者獲得促進のための広報活動や営業活動、取引業者の選定をして適切な収支を保持することも求められます。入居検討者の対応、利用者の家族対応も業務となることが多いでしょう。 スタッフの人事・労務 スタッフの採用、教育研修 適切な人員配置の調整 ・労働時間や残業時間 休日休暇の取得状況 福利厚生などの把握 職場環境の整備・改善 スタッフの採用、教育は施設長の重要な仕事のひとつです。優秀な人材を採用し、介護スタッフの質を高めるために教育研修をおこない、適切な人員配置をして職場環境を整えることが必要です。 また、介護スタッフの労働時間や残業時間、休日休暇の取得状況を把握したり、福利厚生を把握することで職場環境を整備します。 入居検討するなら施設長に会おう 施設長は施設の全体的な統括をする重要な立ち位置となります。 よって、施設長の人柄や考え方が施設全体の雰囲気や、介護サービスの品質を左右するといっても過言ではありません。老人ホームに入居を検討する際、契約前には必ず施設長と会話をすることが大切です。 施設長をチェックする5つのポイント 実際に老人ホームに足を運ぶ際、施設長のどういったポイントをチェックすれば良いか具体的に見ていきましょう。老人ホームを見学する際、押さえておくべき5つのポイントを紹介します。 介護や施設のことを理解しているか入居者が施設長にどんな態度をとるか横柄な言動でないか余裕を持った対応ができているかスタッフに対する信頼や愛情を感じられるか 1.介護や施設のことを理解しているか 介護施設の施設長には介護資格が求められないため、運営会社や役所からの出向や他業種・他業界の責任者から転職をしてきた介護の現場経験が少ない施設長もいます。 できれば「施設長をどのくらいの期間勤めているか」「どのような経験をしてきたのか」など確認する必要があります。 現段階では介護や現場の知識が不足していても、これまでの経歴を生かして今後施設長として頼れる存在になるかどうかが見極めるポイントになるでしょう。 2.入居者が施設長にどんな態度をとるか 施設長と長い時間共にしているのは入居者です。そんな入居者が施設長とどのようにコミュニケーションをとっているかを自分の目で見ると、施設長が信頼できるか判断しやすくなります。 入居者が質の高いサービスを受けて満足をしていれば、信頼して笑顔を向けて交流を楽しむ様子が伺えるでしょう。 そのため、施設長に対して笑顔を向ける入居者が少なかったり、顔を合わせても交流が少ない施設は入居者の満足度が低い可能性があります。 3.横柄な言動でないか 施設長の日頃の言動が、施設スタッフに影響を与えていることがあります。介護施設の運営は一種のサービス業という心得が大事です。 「介護をしてやっている」などという思いやりのない言動が施設長から発せられる場合、スタッフにもその考えが無意識に植え付けられている可能性があります。 そして、周囲を尊重できない環境で働いているスタッフは施設長との信頼関係も希薄で、結果として施設として質の高い介護サービスは期待できないでしょう。 4.余裕を持った対応ができているか 施設長も人間なのでストレスを抱えることもあれば、機嫌が悪くなることもあるでしょう。 ただし、入居者や家族の前で施設スタッフに対し声を荒げたり、感情的に接するのを自制できないのであれば、日常生活を過ごす入居者に対して悪い影響を及ぼす可能性があります。 そういった施設長に大切な家族を安心して託すことは難しいでしょう。余裕を持った対応ができる施設長を選びたいですよね。 5.スタッフに対する信頼や愛情を感じられるか 施設長がスタッフに対して信頼したり愛情を持って普段から接していれば、施設見学に行ったときに施設長の口から「施設のスタッフがどれだけ素晴らしいか」「信頼できるスタッフが揃っている」という回答を聞くことができるでしょう。 施設で共に働くスタッフを尊重する発言がなかったり、コミュニケーションが希薄に感じたらその施設では納得のいくサービスは期待できないかもしれません。 施設長に質問すべき5つのポイント 良い施設長とは、ずばり「家族を安心して託せる人」ではないでしょうか?それを見極めるために見学へ行った際、下記のような質問をしてみましょう。 入居者に対して注意していることは?施設スタッフに対して注意していることは?実際に起きたクレームとその対処方法は?施設の長所と短所は?短所をどう補っている? 1.入居者に対して注意していることは? この質問に対して予想される回答は「自宅のように寛いで生活してもらう」「入居者様に合ったお世話をさせていただく」などがありますが、その際、さらに詳しく知るために「そのために具体的にどういったことを心がけているか」を聞いてみましょう。 施設で本当に心がけている内容であれば、本人も家族も安心できる具体的な回答が返ってくるでしょう。 2.施設スタッフに対して注意していることは? スタッフの仕事環境を整えることは、介護サービスの質の向上につながります。 「スキルアップのための定期的な研修」「仕事へのやる気を引き出すためスタッフを鼓舞する」「労働環境を整備し人材の定着に繋げている」など具体的な回答をくれる施設長はスタッフを大事にしていることがわかります。 3.実際に起きたクレームとその対処方法は? この質問をすることで、実際に起きた失敗を含め開示できる環境か、その施設が隠ぺい体質か否か、施設運営責任者としての資質が問われます。施設の弱みに対して、誠実に対処しているのを施設長の回答から感じられたら安心できますよね。 万が一「過去クレーム」はないという回答がきた場合は要注意です。老人ホーム運営において利用者や家族の意見や要望をできる限り対応する努力をしていますが、必要以上に望む利用者や家族がいるのも現状で、大なり小なりのクレームはつきものです。 4.施設の長所と短所は? 施設を常に改善して介護サービスの向上を目指している意識が強い施設長であれば、施設の長所と短所を把握しているので質問に対してすぐ回答が来ることが期待できます。良いところをキープしながらさらに伸ばし、短所は改善したいという気持ちの表れです。 5.短所をどう補っている? 長所と短所を聞いたあと「短所についての改善策は?」など深く聞いてみると、改善に向けた施設の具体的な取り組みやチームワークを垣間見ることができます。 目標を共有し、スタッフが明確な指針の元に働ける環境を提供し、職場の士気を高めることも施設長の大事な役割です。 施設長が施設の雰囲気をつくる 施設長は老人ホームで働くスタッフの管理者であり、老人ホーム全体の総責任者です。施設長の方針や人柄はホーム全体の雰囲気に影響します。見学をする際はしっかり施設長と話す時間を取りましょう。 面談をすることで介護サービスに対する考え方、入居者だけでなく一緒に働いている職場スタッフに対する接し方に加えて、マネジメント能力がわかるので、長く安心して家族を託せるかの判断材料になるはずです。 もし、見学時に施設長に会えなくても入居前に必ず会う機会を設けることをおすすめします。 あくまでも入居検討するポイントのひとつ 複数の老人ホームを展開している規模の大きい有料老人ホームは、施設長が異動して変わることがあります。見学に行った時の施設長の人柄や雰囲気だけで入居を判断するのではなく判断材料の一つとして捉えましょう。 それでも契約前に施設長と話す機会を持つことは重要です。企業方針や運営会社の採用力、教育研修がしっかりおこなわれているかなどがわかるので老人ホームの決め手につながるかもしれません。 老人ホームの施設長に関するよくある質問 施設長は何をしている人ですか? 施設長は主に「サービスマネジメント」「財務マネジメント」「スタッフの人事・労務」が一般的な業務です。また状況に応じて、現場で入居者に介護サービスの提供もおこないます。業務内容は施設の形態や規模によって多岐に渡ります。 良い施設長とはどんな人ですか? 「介護や施設のことを理解しているか」「入居者が施設長にどんな態度をとるか」「横柄な言動でないか」「余裕を持った対応ができているか」「スタッフに対する信頼や愛情を感じられるか」などが挙げられます。見学の際は、以上のことを踏まえ施設長と話し合うと良いです。 見学時、施設長には何を質問すべきですか? 「入居者に対して注意していることは?」「施設スタッフに対して注意していることは?」「実際に起きたクレームとその対処方法は?」「施設の長所と短所は?」「短所をどう補っている?」などといった質問を投げかけると良いです。 特に「入居者に対して注意していることは?」については、家族として気になるのは当然のことなので、施設全体で入居者に対しどのような姿勢でサービスにあたっているかを施設長に確認しましょう。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "施設長は何をしている人ですか?", ...

2022/01/20

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

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