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最新テクノロジー 認知症対策

「スープに虫が…」認知症の人の幻視・錯視をVRでリアルに体験!?

VRやメタバース技術の医療分野への転用などをおこなっている株式会社アルファコードと静岡大学は、メタバースと呼ばれる仮想空間内で、認知症の人に見えている世界観を再現するPX体験プラットフォームを開発したことを明らかにしました。 また、2023年3月15日にはこのプラットフォームの体験会も開催したそうです。 プラットフォームの体験会を実施 今回のPX(患者体験:Pacient eXperience)体験プラットフォームでは、体験者がVRゴーグルを装着することで、メタバース内で認知症の人の世界観を体験できるとのこと。具体的には、「スープに虫がいる」「いろいろなものが人の顔に見える」などの、脳の機能が低下することで見えてしまう幻視・錯視症状を体験できるそうです。 2023年3月15日には、実際に介護・医療従事者を招いてプラットフォームの体験会を実施。24人の医療職・介護職の人が参加しました。 この体験会に参加した人からは「言葉では認知症の人の症状は知っていても実際に体験したことはなかった。これは人材育成にも役立ちそうだ」など好評の声が聞かれたそうです。 また、このプラットフォームの開発を手がけた静岡大学情報学部に所属する石川翔吾氏は「認知症の方の症状を実際に体験することで、認知症の人をより深く知ることにつながるだろう」とコメントしました。 幻視、錯視について 今回のプラットフォームで体験できるのは、認知症の人が体験する「幻視」や「錯視」といった症状です。 では、「幻視」や「錯視」はどのようなものなのでしょうか? まず「幻視」とは、「自分のベッドで子どもが寝ている」など、実際にはそこに存在しないはずのものが見える症状のこと。幻視は、特にレビー小体型認知症を患っている人によく見られる症状です。 一方、「錯視」は「スープに入っている海苔がアリに見える」「壁のシミが人の顔に見える」など、あるものがほかのものに見えてしまう症状のこと。こちらもレビー小体型認知症の人がよく経験する症状だと言われています。 幻視や錯視は幻のようなものですが、本人にとっては「実際にそこにある」と思わざるをえないくらいリアルに見えるのだそうです。介護者はそれをむやみに否定せず、「危険のないものだから大丈夫」と幻視や錯視が見えている人を安心させることが大切です。 今回のプラットフォームが普及していけば、より親身に認知症の人のケアができるようになるかもしれませんね。

2023/03/31

介護の事故 介護職員

デイサービス送迎車の衝突事故で1人死亡。見通しの良い交差点で…

2023年3月30日、愛知県稲沢市の交差点で介護事業所の送迎者と一般乗用車が衝突して、高齢の利用者など10人が怪我をするという事故が起きました。 またこの事故によって、80歳のパート職員の死亡が確認されました。 デイサービス送迎車による事故 3月30日の午前9時ごろ、愛知県稲沢市の信号のない交差点で、デイサービスの送迎車と乗用車が衝突する事故が起きました。 警察の調べなどによると、70代と80代のパート職員が送迎車で事務所を出発し、5人の利用者を乗せたあと最後の1人を向かいに行く途中で事故に遭ったそうです。 また衝突の衝撃により、送迎車は横転。送迎車には60~90代の利用者5人と事業所のパート職員2人の計7人が乗っていました。 この事故で、送迎車に乗っていた7人と衝突した乗用車に乗っていた夫婦2人、それから救助に駆けつけた際に怪我をした男性1人の計10人が病院に運ばれ、治療を受けました。このうち、80歳のパート職員の男性が死亡しました。 ほかの人は、命に別状はないそうです。 警察が事故現場の状況などを調査したところ、送迎車は西向きに、乗用車は北向きにほとんど減速せずに交差点に入って、出会いがしらに衝突したと見られています。 事故現場となった交差点は田んぼに囲まれ、見晴らしの良い場所だったそうです。警察はさらに詳しい調査を進めるとしています。 コリジョンコース現象に要注意 どうして見晴らしの良い交差点だったのにもかかわらず、今回のような事故が起こってしまったのでしょうか? 専門家によると、交差点に入る際は「コリジョンコース現象」に注意が必要だと言います。 コリジョンコース現象とは、実際は近づいているのに対向車が動いていないように見える現象のこと。自分と相手が同じくらいの角度かつ同じくらいのスピードで走行しているときに起こるそうです。 相手の車が本当に止まっているかしっかり確認する必要があり、周りから急に車が飛び出してくるかもしれないという意識を常に持って運転してほしい、と注意を呼びかけています。 車の往来が少ない通りでは、スピードも出しやすくなります。重大な事故につながる前に、一層の警戒感を持って運転する必要がありそうですね。

2023/03/31

最新研究 高血圧

高血圧対策!「うま味」を”うまく”使えば最大2割も減塩できる?

新たな研究で、「うま味」を料理に有効活用すれば、成人の1日あたりの食塩摂取量を大幅に減らせる可能性が示されました。 この研究は、東京大学の研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「BMC Public Health」という学術誌に掲載されています。 日本食と食塩 食塩の摂りすぎは高血圧などの慢性疾患を引き起こすと言われています。そのため、塩分過多な食事は控える必要があります。 ただ、日本人の塩分摂取量は世界的に見ても特に高いのが現状。日本政府による国民健康づくり運動「健康日本21」の目標塩分摂取量は1日8g、WHOの推奨値は1日5gとされていますが、日本人の平均塩分摂取量は1日10g以上と、目標値を大幅に上回っています。 そこで研究グループは、和食で用いられる「うま味」に着目。うま味を有効活用することで、塩分摂取量をどれだけ削減できるかを調べることにしたのです。 うま味の有効活用で食塩摂取量が減少 東京大学の研究グループは、おいしさを損なわない程度にうま味成分を塩分の代わりにした場合において、1日の塩分摂取量がどう変化するかを国民健康・栄養調査のデータを用いて検証しました。 その結果、成人の1日あたりの塩分摂取量が7.7~8.7gほどに抑えられる可能性が示されたのです。これは、現状と比較して12.8~22.3%の減塩に相当します。 研究グループは「うま味成分は、減塩食品の開発と普及のために必要な技術革新となりえる。食品科学者や政策立案者、一般消費者が協力して、食塩摂取量を減らしていく努力をする必要がある」としています。 和食には健康的なイメージがありますが、しょうゆや塩など塩味に頼った味付けが多いのも事実。毎日の健康を保つためにも、減塩食品を活用してみてはいかがでしょうか。

2023/03/31

糖尿病予防 糖尿病治療

糖尿病用のウォーキングアプリ?「そとでる」で楽しみながら運動を

ノボ・ノルディスク・ファーマ株式会社と公益社団法人日本糖尿病協会は、2023年4月から、糖尿病啓発を目的とした「歩いて学ぶ糖尿病ウォークラリー」を開催することを明らかにしました。 対面での開催は4年ぶり。1年間に40地域以上で開催する予定としています。 「歩いて学ぶ糖尿病ウォークラリー」とは そもそも「糖尿病ウォークラリー」とはどのようなものなのでしょうか? 「糖尿病ウォークラリー」とは、糖尿病とともに健康的に暮らすことの重要性を広めるために、ノボ・ノルディスク・ファーマと日本糖尿病学会が1992年から共同で開催しているイベントのこと。このイベントに参加すると、糖尿病に関する講演やゲームなどを通じて、血糖値をうまくコントロールする方法や効果的な運動療法などを学べるのだそうです。 また、今回のイベントでは、糖尿病を患っている人向けのウォーキングアプリ「外に出ることから始めよう(通称:そとでる)」を活用した「日本一周1万2000kmチャレンジ」という新しい試みもおこなう予定。4~11月にかけて、「そとでる」を使って歩いた人の合計距離で、日本一周分となる1万2000kmを目指すとしています。 「歩いて学ぶ糖尿病ウォークラリー」の開催概要 今回の「糖尿病ウォークラリー」の概要は以下のとおりです。 開催時期:2023年4月~2023年11月  場所:全国40ヵ所以上の地域 内容:糖尿病に関するクイズ、糖尿病専門医による勉強会など ウォーキングは血糖値を良好に保つのに効果的であることはわかっていても、一人だとなかなか続かないという人も少なくありません。しかし、このイベントに参加すれば多くの仲間とともに楽しみながらウォーキングを継続できる可能性があります。 気になった人は参加してみてはいかがですか。

2023/03/30

最新研究 認知症対策

認知症による視力低下をDHAが改善!?視覚障がいの治療に光が

新たな研究で、アルツハイマー型認知症による視覚障がいを抑制する、新たな脂肪酸が開発されたことが明らかになりました。 この研究は、イリノイ大学の研究グループによっておこなわれたものです。 認知症にともなう視覚障がいについて ミシシッピ州立大学に所属するケンドラ・ファロー氏によると、アルツハイマー型認知症にかかると、視力はまだ残っている状態でも周辺の視野が失われるなどの視覚障がいをともなうことが多いと言います。脳が侵されることで、視覚情報を処理できなくなるのだそうです。 また米国眼科学会によれば、アルツハイマー型認知症にともなう視覚障がいには以下の症状がよく現れると言います。 奥行きが知覚しにくくなる 文章が読みにくくなる 色の判別が難しくなる 新たな脂肪酸で視覚障がいの症状が軽減 研究グループは実験の中で、オメガ脂肪酸の一種であるドコサヘキサエン酸(DHA)の新しい型を発見したことを明かしました。 ところで、DHAというと魚やそれに由来するサプリメントに含まれるイメージがあるのではないでしょうか。ただ、それらに含まれている従来型のDHAでは、網膜まで届かないことがわかっています。 一方、今回研究グループが発見したDHAは網膜まで作用することが判明。研究グループがおこなったマウスを使った実験によると、マウスにこの脂肪酸を接種することで、網膜に存在する脂肪酸の量が増加し、視覚障がいの症状が軽減したことが明らかになったのです。 研究グループは今後、さらなる調査をおこなっていくとしています。 この研究がさらに発展し、人間にまで応用できればアルツハイマー型認知症にともなう視覚障がいの症状を緩和できるようになる可能性があります。今後の研究に注目ですね。

2023/03/30

最新研究 認知症予防

認知症リスクに歯周病菌が影響!?糖尿病で歯を失うと認知機能が低下

新たな研究で、糖尿病の人が歯を失うと認知機能の低下速度が早まる可能性が示されました。 この研究はアメリカのニューヨーク大学によっておこなわれ、その研究結果は「Journal of Dental Research」という学術誌に掲載されています。 約1万人に上る高齢者の医療データを分析 研究グループは、ニューヨーク大学がおこなっている「就労や定年退職と健康に関する研究(HRS)」で蓄積された医療データを分析。対象となったのは、2006~2018年にHRSに登録された65歳以上の高齢者9948人です。 また研究グループは、研究開始時とそれから2年ごとに対象者の認知機能を評価。糖尿病の有無と歯の有無によって対象者をグループ分けして、認知機能の変化を追いました。 歯を失った糖尿病患者は認知機能の低下速度が早まる 研究の結果、糖尿病を患い歯も失った65~84歳の高齢者は、健康な同じ年齢層の高齢者に比べて、認知機能がより低下していたことが判明。また、糖尿病を患っていて歯が健康な高齢者と、糖尿病は患っていないが歯を失った高齢者についても、認知機能の急速な低下が見られたことが明らかになりました。 一方、85歳以上の高齢者は、糖尿病や歯を失った状態と認知機能の相関性は見られませんでした。この理由について研究グループは、糖尿病と歯を失った状態が併存している人はすでに死亡していたり、認知機能が大きく低下していたりする人が多いからではないかと推測しました。 なぜ、歯を失った状態にある人は認知機能がより低下しやすくなるのでしょうか? 研究グループによると、歯周病を起こす一部の細菌が認知機能に影響を及ぼす可能性があるとのこと。また、歯を失って十分な量の食事が取れなくなり、栄養状態が悪くなりやすいことも認知機能の低下を招く原因だと考えられるそうです。 今回の研究を主導したニューヨーク大学看護学部に所属するベイ・ウー氏は「米国糖尿病学会も糖尿病患者の歯科治療を推奨しているように、高齢者、特に糖尿病患者の歯科治療は非常に重要だ」と述べました。 もし、すでに多くの歯を失っている高齢者でも、入れ歯や口腔内を常に清潔に保つことで認知機能の低下を防げる可能性があります。入れ歯を洗ったりうがいを小まめにしたりして、健康な毎日を送りましょう。

2023/03/30

介護予防 認知症予防 高齢者の一人暮らし

孤独な高齢者を救え!おしゃべりロボット「あのね」で孤立感を緩和

セコム株式会社は、ロボットを使った高齢者向けのコミュニケーションサービス「あのね」をDeNA、ユカイ工学株式会社と共同開発。2023年4月3日に販売開始することを明らかにしました。 「あのね」は雪だるまのような形をしたコミュニケーションロボット。高齢者の孤立感を緩和し、認知機能などの維持と向上を図るとしています。 「あのね」を開発した背景 セコム株式会社などの開発チームが、「あのね」を開発した背景には高齢化があると言います。 内閣府が2017年に実施した「高齢者の健康に関する調査」によると、一人暮らしの高齢者の約半数は2~3日に1回くらいしか会話をしていないそうです。このような孤立状態が続くと、認知機能や身体機能が大きく衰えてしまうリスクがあります。 そこで、こういった状況を打破するために「あのね」を開発することにしたのだそうです。 「あのね」の特徴 コミュニケーションロボット「あのね」には以下のような特徴があります。 24時間365日リアルな会話が楽しめる ユーザーの生活パターンに合わせた声かけを実施 高齢者でも使いやすい設計 「あのね」は、ユーザーの生活パターンに合わせて、1日10回程度、定期的なメッセージを配信。配信メッセージの内容は、服薬の声かけ、朝・昼・夜の時刻のあいさつ、雑学情報など多岐に渡ります。 また、配信は24時間コミュニケーターがシステムを活用しながら作成し、返信するため自然なおしゃべりが可能だそうです。 さらに、初期設定は不要。電源を入れるだけで使用できるので、高齢者でも使いやすいものとなっています。 年を重ねるにつれて家族との死別など喪失体験が増えるため、気分がふさぎがちになる高齢者は少なくありません。こういったとき、「あのね」のようなコミュニケーションロボットがいれば、少し前向きになれるかもしれませんね。

2023/03/28

糖尿病予防 高血圧

高血圧や血糖値を改善する「スナック運動」って?5分の運動でOK!

新たな研究で、30分座るごとに5分ほどの短時間の運動をおこなうと、健康増進につながることが示されました。 この研究は、アメリカのコロンビア大学医療センターの研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「Medicine & Science in Sports & Exercise」という学術誌に掲載されています。 座る時間が長いと健康リスクが上昇 デスクワークやテレビ鑑賞など、現代生活では座っている時間が以前の生活様式に比べ長くなっています。しかし、長時間座ったまま過ごすようなライフスタイルを続けていると、運動を毎日おこなっていたとしても健康に悪影響を及ぼすことがさまざまな研究で明らかになっています。 そこで有効だとされているのが、座ったままの時間を減らして身体をより多く動かすこと。しかし、どのくらいの頻度で立ち上がり、どの程度運動をすれば良いのでしょうか?その具体的な数値は明らかになっていませんでした。 そこで研究グループは、その具体的な数値を探るために今回の実験をおこなうことにしたのです。 短時間の「スナック運動」で健康増進 今回の研究は、40~60代の11人の男女を対象に実施されました。対象者は、研究の前後に血圧値や血糖値を測定し、研究中は椅子に8時間着席。ウォーキングやトイレ休憩以外での立ち上がりは制限されました。 研究の結果、30分ごとに立ち上がり、5分間のウォーキングをおこなうと血糖値と血圧値の両方が大幅に低下したことが明らかになったのです。また、立ち上がって運動することで、食後の血糖値の急上昇が58%抑えられたこともわかりました。 一方、30分ごとの1分間のウォーキングや60分ごとのウォーキングではほとんど効果は見られないことも判明しました。 研究グループは、座ったままの時間を中断しておこなう、簡単なウォーキングや体操などのことを「スナック運動」と呼んでいます。 短時間でおこなう「スナック運動」は誰もが手軽にできるもの。毎日の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

2023/03/28

最新研究 糖尿病予防

やっぱりジュースは糖尿病リスクを上げる!スポーツ飲料も要注意

アメリカでおこなわれた大規模研究で、ジュースやエナジードリンク、加糖コーヒーなど、高カロリーの清涼飲料を飲みすぎると、糖尿病や肥満のリスクが高まることが示されました。 この研究は、アメリカのトロント大学とハーバード大学の研究グループによって実施され、その研究結果は「American Journal of Clinical Nutrition」という学術誌に掲載されています。 高カロリー飲料が体重増加を引き起こす 研究グループは、高カロリー飲料と体重増加の関連などを調べた85件の先行研究を分析。対象者は50万人以上に上りました。 先行研究を分析した結果、ジュースやエナジードリンクなどの高カロリー飲料を1日1回340g飲むだけで、体重が1年間で平均して0.83kg増加することが明らかになったのです。また、10年以上飲み続けると、体重は2.3kgほど増加することもわかりました。 一方、高カロリー飲料を飲まないようにすると、体重が年間0.49kg減少することも示されました。 以上の結果を受けて、トロント大学栄養学科に所属するヴァサンティ・マリク氏は「高カロリー飲料を飲むのをやめれば、加齢にともなう体重増加を防げる可能性がある。もちろん、大人だけでなく子どもにも高カロリー飲料を飲むことを制限すれば、より健康的な生活スタイルを実現できるだろう」と述べました。 運動不足が重なるとインスリンの働きも低下 アメリカのミズーリ大学がおこなった別の研究では、糖質の取りすぎに加え、運動不足が重なると糖の代謝を促すインスリンの働きも低下することが示されました。 研究グループは、36人の健康な男女を対象に10日にわたり調査を実施。1日の歩数を1万歩から5000歩に減らし、 糖質が多く含まれる高カロリー飲料を1日6缶飲む生活をしてもらいました。 その結果、特に男性で糖の代謝を促すインスリンの働きが悪くなり、糖尿病のリスクが高まる可能性が示されたのです。さらに、脚の血流量や心血管疾患の重要な指標である「アドロピン」と呼ばれるタンパク質の値も低下したことがわかりました。 高齢者は水分補給のために、スポーツ飲料を飲むことが少なくありません。しかし、スポーツ飲料も多くの糖質が含まれているため、飲みすぎると身体に悪影響を及ぼす可能性があります。 スポーツ飲料を飲む場合は、水で少し薄めてから飲むと良いかもしれませんね。

2023/03/27

事件 介護職員 虐待

介護職員がナースコールが鳴らないように!?夜間の人員不足から…

2023年3月15日、長野県の6市町村からなる北信広域連合は、同連合が運営する特別養護老人ホームで、介護放棄(ネグレクト)があったことを明らかにしました。 4人の介護職員が、入所者1人が使っていた職員を呼び出すためのナースコールを鳴らないように設定していたと見られています。 ナースコールを夜間に鳴らないものに 北信広域連合の発表によると、4人の介護職員が入所者1人のナースコールを、夜間に鳴らないよう電池を抜いた機器と取り替えていたことが判明。その入所者は頻繁にナースコールを押すものの、押していたことを覚えていなかったり理由がないのに押していたりしていたそうです。 介護者4人の一連の行為は2022年8月19日、この入所者が事務室に「ナースコールを押しても鳴らない」と申し出たことから発覚。内部調査後、北信広域連合は中野市に通報しました。 その後、中野市はナースコールを鳴らないものと取り替えた行為を虐待に認定。施設を運営する北信広域連合は改善計画書を市に提出し、虐待を防ぐ研修を実施したそうです。 また、虐待をしたとする職員4人は戒告の懲戒処分としたことも判明。上司の職員2人も訓告の処分を受けています。 人員配置の見直しを このニュースについて、介護・医療従事者からは「現場の状況をよく調査してから処分を下してほしい」といった声が相次ぎました。 ある介護従事者からは「ナースコールを使えないようにする行為が良くないのはわかっている。しかし、必要性の低いコールを連打されると、ほかの入所者のコールが拾えず、転倒事故や急変への対処が遅れる危険性がある」と特定の人が必要性の低いナースコールを押し続けることによる危険性を指摘する意見が寄せられました。 また、別の介護従事者からは「特に夜勤は職員の人数が足りない。人手が足りない状況下で何人もの入所者の対応をしなければならないため、どうしたって対応が遅れるケースが出てくる」と人員配置の見直しを迫る声が挙がりました。 夜勤職員は、多いところでも3人、少ないところでは1人しかいません。そもそも、職員が余裕を持って業務をおこなえる体制を整えることが、今回のような事態を防ぐことにもつながるのではないでしょうか。

2023/03/24

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【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

2021/10/28

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【動画でわかる!】グループホームの費用はいくらかかる?月額利用料の内訳や初期費用を徹底解説!

認知症の方の入居先を探す際、選択肢に挙がるのが認知症の高齢者が共同生活を営む小規模介護施設「グループホーム」です。 この記事では、グループホームの入居一時金や月額利用料を詳しく解説。グループホームで使える助成制度についてもご紹介しています。 https://youtu.be/5Bec4lhyW4M グループホームにかかる費用の相場 グループホームの費用には、入居時に必要な「初期費用」と毎月発生する「月額利用料」があります。民間、社会福祉法人、医療法人、NPO法人とさまざまな団体がグループホームを運営していることから、施設ごとの費用やサービスには差があります。 初期費用は0円の施設から100万円程度の施設まであり、平均すると10~20万円程度。月額利用料は施設の立地やサービス内容によっても異なり、おおむね15~30万円程度です。 一般的な有料老人ホームに比べると、初期費用・月額利用料ともに費用を抑えて入居することが可能です。 項目 ...

2021/11/15

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グループホームに必要な人員基準|注意点と他施設との比較

「グループホームの職員はどれくらい配置されてるの?」「夜間に人が少ないと徘徊などに対応できないのでは?」などとグループホームの人員基準に関して疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。 そこでこの記事では、グループホームの人員基準と注意点、他施設との比較に関して解説しています。 「グループホームの入居を検討しているけど、どんな人からサポートを受けられるの?」などと悩まれている方は、是非、参考にしてみてください。 グループホームは主に4つの人員基準で成り立っている グループホームの人員基準は主に次の4つの職種で設定されています。 介護職員 計画作成担当者 管理者 代表者 それぞれの人員基準について詳しく見ていきましょう。 介護職員の人員基準 介護職員は入居者の生活援助や身体介助などの業務を担っており、入居者3人に対して1人以上配置されます。また、複数の人員が配置されるときは、最低1人は常勤職員であることも人員基準で決められています。 入居者の見守りは深夜も必要なため、介護職員は24時間体制で常駐しています。また、複数のユニットがあるグループホームは、ユニットごとに専任の介護職員が配置されます。 計画作成担当者の人員基準 計画作成担当者は入居者一人ひとりに合わせたケアプランを作成する職員で、ユニットごとに1人以上配置されます。なお、1つの事業所に2ユニットある場合は計画作成担当者も2人必要です。 計画作成担当者になるには次の要件を満たす必要があります。 実務者研修基礎課程または認知症介護実践者研修を修了していること 専らその職務に従事する者であること また、計画作成担当者のうち最低1人は、介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格の保有が必要です。 管理者の人員基準 管理者とは経営や人事・労務管理など管理業務を担う職員で、ユニットごとに常勤の管理者が配置されます。自らも介護サービスの実施や他の職員の指導をおこなうため、介護の知識や経験も必要です。 管理者になるには次の要件が求められます。 特別養護老人ホームや介護老人保健施設などで3年以上従事した経験があること 厚生労働省が規定する管理者研修を修了していること 特定の介護施設における3年以上の実務経験に加え、認知症高齢者介護の経験も必要です。さらに厚生労働省の管理者研修を受けて、ようやく管理者になるための基準を満たせます。 なお、管理業務に支障をきたさなければ、ほかの職種との兼任も可能です。 代表者の人員基準 管理者の管理対象がユニット単位なのに対し、代表者はグループホーム全体を管理します。代表者になるには、次の要件を満たす必要があります。 介護施設で認知症高齢者介護に従事した経験を持つこと、もしくは保険・医療・福祉サービスの提供をおこなう事業所の経営に携わった経験があること 厚生労働省が定める認知症対応型サービス事業開設者研修を修了していること グループホームの人員基準の注意点 グループホームの人員基準を職種ごとに説明してきましたが、注意する点もあります。しっかり把握したうえで入居施設を選びましょう。 介護職員が常勤ではない場合がある 介護職員の人員基準は入居者3人に対して1人以上のため、1ユニットあたり最低でも2~3人が配置されます。全員が常勤である必要はなく、1人以上の常勤職員がいればパートやアルバイトなどの臨時職員も起用できます。このため、特に食事や入浴など人手が多く必要な時間帯では、非常勤職員が担当となる場合も多いです。 規定の人数が必ず24時間確保されているわけではない グループホームの人員基準は入居者3人に対して介護職員1人と決められています。しかし、適用されるのは日中のみで、24時間この人数が常駐するわけではありません。 人員基準は時間帯によって異なり、夜間や深夜は1ユニットに対して介護職員が1人以上いれば良いとされています。このように、時間帯によっては介護職員が手薄になる場合もあると把握しておきましょう。 規定の3:1を超えない場合もある 入居者3人に対して介護職員1人という比率は、実際に介護現場で働いている職員数ではなく労働時間をもとに計算します。つまり、人手が多く必要な時間帯を手厚くした分、それ以外の時間帯の職員数を抑えることも可能です。このように実際に働く職員数は人員基準をもとに調節されるため、時間帯によっては既定の「3:1」を超えないこともあります。 グループホームによってサービスの質や人員は大きく変わる グループホームの人員の最低基準は厚生労働省によって決められていますが、実際にどのくらい配置するかは施設の裁量に任せられています。このため、基準をギリギリクリアする施設もあれば、基準を上回る人員を確保している施設もあります。 人員が豊富なグループホームは職員一人ひとりにかかる負担が抑えられるため、サービスの質が向上します。逆に人員が少ないと、時間帯によってはサービスが行き届かなくなることも。人員配置によってサービスの質や量は変わるため、入居前に確認することが大切です。 グループホーム以外の介護施設の人員基準 グループホームだけでなく、ほかの介護施設の人員基準も知っておきましょう。介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅、特別養護老人ホームの人員基準を紹介します。 介護付き有料老人ホームの人員基準 介護付き有料老人ホームは、主に介護を必要とする高齢者が介護や生活支援を受けながら生活する施設です。 介護付き有料老人ホームの人員配置の最低基準は、要支援2以上の入居者3名に対して介護職員または看護職員を1名配置する「3:1」と決められています。施設によっては「2.5:1」「2:1」「1.5:1」などさらに手厚い配置にしている場合もあり、サービスが向上する分上乗せ介護費用が発生することもあります。 その他の主な人員は下記の通りです。 施設長(常勤の管理者) 事務員 生活相談員 看護職員 機能訓練指導員 計画作成担当者 栄養士 調理員 住宅型有料老人ホームの人員基準 住宅型有料老人ホームは、食事や洗濯、清掃といった生活支援サービスを受けられる高齢者施設です。 管理者を1人配置する必要がありますが、そのほかの職種の配置義務はありません。このため、下記の職種の配置は施設ごとに必要に応じて決められます。 介護職員 看護職員 生活相談員 機能訓練指導員 サービス付き高齢者向け住宅の人員基準 サービス付き高齢者向け住宅は、バリアフリー化された高齢者向けの賃貸住宅です。一般型と介護型があり、一般型は介護施設のような人員基準は特にありません。 一方、介護型は「特定施設」の認定を受けているため、入居者3人に対して介護職員1人以上の配置義務があります。 特別養護老人ホームの人員基準 特別養護老人ホームは基本的に要介護3以上の高齢者が入居する施設で、介護だけでなく医療ケアにも対応しています。人員基準は入居者3人に対して介護職員または看護職員1人以上の配置が定められています。 また、入居者100人に対して医師1名、看護師3名以上という基準も設けられています。 グループホームの人員基準に関するよくある質問 グループホームの職員の人員基準は? 入居者3人に対して介護職員を1人以上配置することが定められています。また、複数の人員が配置されるときは、最低1人は常勤職員であることも人員基準で決められています。 グループホームでは24時間規定の人員配置? 入居者3人に対して介護職員1人を配置するのは、日中にのみ適用されます。よって、夜間や深夜は1ユニットに対して介護職員が1人以上いれば良いとされています。 グループホームはどのような人員配置なの? グループホームの人員配置は、介護職員・計画作成担当者・管理者・代表者の4つの職種で成り立っています。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "グループホームの職員の人員基準は?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2023/02/13

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