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Q&A

老人ホームに入居する、なんていう経験は人生でもそうあるものではありません。当然、わからないこと、不安なこと、疑問などなど、頭の中が「?」マークでいっぱいになっていることでしょう。そんなアナタに、自称“日本一、老人ホームの入居相談を受けてきた男”こと「いい介護」入居相談室の室長・北野が、みなさんの疑問・質問にお答えします!
#施設入居 #老人ホームの費用

老人ホームの「上乗せ介護費」とは何ですか?何のための費用なのか教えてください

実家で一人暮らしをする母の介護をしています。母が認知症が進行して料理ができなくなったり、ゴミの日がわからなくなってゴミ捨てもできなくなったりしており、そろそろ一人暮らしが難しそうなので老人ホームを検討しています。 実家近くの老人ホームが気になって資料を取り寄せたのですが、その資料の料金表に「上乗せ介護費」という記載がありました。上乗せ介護費とは何のための費用でしょうか? (長田さん・60歳) 上乗せ介護費とは、介護保険で決められている以上のスタッフを配置しているときに発生する追加費用のことです。主に人件費に充てられており、介護保険外なので全額がご入居者の負担となります。上乗せ介護費は毎月数万円の負担が発生します。そのため、費用を抑えつつ、介護保険外のサービスを利用したい場合は、オプションサービスを利用するのが良いでしょう。オプションサービスは利用時間や回数に応じた都度払いのため、上乗せ介護費が設定されている施設よりも費用負担が抑えられると思いますよ。 老人ホームの上乗せ介護費とは? 実家で一人暮らしをしている母の介護をしています。母は認知症が悪化して、料理や掃除といった家事ができなくなってきてしまっています。そのため、私が週3回ほど通って家のことをしているのですが…。私がいない間に何か起こったらどうしよう、と不安な気持ちでいっぱいです。なので、老人ホームに入れようと思って施設探しをしています。実家の近くに気になる施設があったので資料を取り寄せたところ、料金表に「上乗せ介護費」という記載がありました。上乗せ介護費とは何のための費用なのでしょうか? 上乗せ介護費というのは、介護保険法で決められている以上の人員配置をしている場合に発生する追加料金のことです。介護保険法では、「要介護者3名に対して介護スタッフ・看護師が1名」以上の比率で人員を配置しなければならないと定められています。上乗せ介護費は、この比率以上の人員体制であるときに発生するものです。 人員配置というのは、何を見ればわかるんですか? 施設の資料などの職員体制の欄に記載があると思います。職員体制の項目に「3:1」「2.5:1」という記載がありませんか? えーっと…。そうですね。「2:1」と書いてあります。 となると、「要介護者2名に対して介護スタッフ・看護師が1名」の比率で配置されていることになりますので、かなり手厚い人員配置をしているようですね! なるほど、そういうことなんですね! 上乗せ介護費は、介護保険が適用されない費用です。そのため、全額がご入居者の負担。各施設で決められる料金なので、金額は施設ごとに大きく異なります。また、ちなみに上乗せ介護費は「特定施設入居者生活介護」に認定されている施設のみ設定できる費用です。それ以外の施設では発生しません。 「特定施設入居者生活介護(特定施設)」とは 北野 特定施設は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。特定施設ではケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。 特定施設として認定を受けている施設は以下の種類です。 介護付き有料老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅の一部 ケアハウスの一部 養護老人ホームの一部 サービス付き高齢者向け住宅の一部 上乗せ介護費は毎月支払う ほとんどの施設で、上乗せ介護費は家賃などと同様に毎月支払う料金体系になっています。 料金表に「介護サービス費」というものもありますが、それとは別の費用なんですね。 はい、そうなんです。介護サービス費は、介護保険が適用される介護サービスの費用のこと。つまり、「3:1」に収まる費用ですね。上乗せ介護費はそれ以上の人員を配置して、基準以上のサービスを提供するための費用ですので、介護サービス費とは別に発生します。 上乗せ介護費がかかる老人ホームの特徴 上乗せ介護費がスタッフさんの人件費ということはわかりました。ただ、上乗せ介護費として追加でお金がかかる以上、上乗せ介護費がかからない施設と違いがあるということですよね? そうですね。上乗せ介護費が発生するような手厚い人員体制の施設では、通常の人員配置だと難しい”プラスアルファ”のケアをおこなっていたり、レクリエーションやイベントが充実している傾向があります。 「”プラスアルファ”のケア」ってどんなものですか? 具体的には、週に1度、スタッフがお客様のお話を一対一で聞く時間を設けたり、リハビリの時間以外でもスタッフが付き添って歩行訓練をしたり…。そのほか、「天気が良いから」と、空いた時間で近隣のお散歩に出かけることもあります。こうした対応は、人員に余裕があるからできることだと思います。もちろん、どのようなケアをしているかは施設ごとの運営方針によって大きく異なるので、一概には言えません。あくまで、”プラスアルファ”のケアをしてもらえる傾向がある、と考えておいてくださいね。 上乗せ介護費をかけずにオプションで賄えることも 人員体制が手厚い施設は、通常の施設よりも充実したケアをしてくれる一方で、何万円もの追加費用が毎月発生します。そのため、予算的に厳しい場合は上乗せ介護費が発生する施設を選べない場合もあるでしょう。そこで、オプションサービスを活用することで、必要なケアを賄えることもあります。 オプションサービスとは何ですか? 例えば、オプションサービスには以下のようなものがあります。 買い物の代行・同行 通院の同行・送迎 食事の提供 理美容 行政手続き代行 移動販売 これらのサービスは、1時間ごとや回数ごとに料金が発生します。そのため、例えば「月2回の通院の同行だけはしてほしい」という場合には、その回数分だけ支払えば良いわけです。 つまり、何万円の上乗せ介護費を毎月支払うよりも費用を抑えられるというわけですね。 おっしゃる通りです。ただし、注意していただきたいのが、基準以上の人員配置の施設でも、上乗せ介護費に上記のオプションサービス費が含まれているとは限らないことです。つまり、上乗せ介護費がある施設でもオプションサービスとして費用が追加発生することがあります。「介護保険外のサービスはすべて上乗せ介護費に含まれている」と考えてしまうと、想定していない出費が発生することがあります。上乗せ介護費にどこまでの費用が含まれているかは施設によって異なるので、事前に確認が必要です。複数の施設の資料を取り寄せたり見学に行ってみたりして、必要なサービスが提供してもらえるか、追加費用が発生するのかを比較するのがおすすめです。 上乗せ介護費とは、基準以上の人員配置がある場合の人件費 手厚い人員配置の施設では、独自のケアやレクなどが充実している 介護付き有料老人ホームなら上乗せ介護費がなくても24時間介護を受けられる pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: ...

2024/07/03

#施設入居 #看取り

老人ホームの看取りとはどれくらいの期間ですか?施設に「看取り」と言われたので覚悟をしておきたいです

父が入居している老人ホームから、「そろそろお看取りかもしれません」と言われました。「看取り」と言われて亡くなるまではどれくらいの期間があるものでしょうか?大まかでも良いので父の残りの時間を知って覚悟しておきたいです。 (谷さん・61歳) お看取りの期間はかなり個人差が大きいためなんとも言えないのが正直なところです。施設側で看取りケアを始めてから1ヵ月ほどで亡くなる方もいれば、数年後に亡くなる方もいます。ただ、最期のときが近づくにつれてだんだんお父様の状態が変化していくので、経過を把握しておくことで大まかな時期がわかるでしょう。特に亡くなる直前は眠っている時間が長くなって反応がなくなり、のどがゴロゴロと鳴ることがあります。 老人ホームでの看取りの期間はどれくらい? 父が入居している老人ホームから「そろそろお看取りかもしれません」と言われています。施設から「看取り」と言われて亡くなるまでの期間はどれくらいのものなのでしょうか?父は87歳と高齢なので想定はしていたことですが、いつ亡くなるのかを知って覚悟をしておきたいです。 うーん…。申し訳ないのですが、正直なところお看取りの期間は個人差が大きく、なんとも言えないのが正直なところなんです。老人ホームで看取りケアを開始してから1ヵ月以内で亡くなることもあれば、数年後に亡くなることもあります。 1ヵ月以内から数年…。確かにわからないですね。 ただ、最期のときが近づくにつれてお父様の状態は変化していきます。その変化で大まかな最期のタイミングがわかると思いますよ。 看取りのはじめ 看取りケアが始まってしばらくは以下のような状態が見られます。 体重が減少する 食欲が低下する 尿量が減少する せん妄が起こる 最期のときが近づくと、食欲が低下して食事量や体重、尿量が減っていきます。噛んだり飲み込んだりする機能が低下するため、施設ではやわらかい食事やペースト状の食事を提供。食事が摂れない場合も無理をせずに、好きなものや、アイスクリーム、高栄養ゼリーなどの食べやすいものを食べてもらうようにします。また、体力が低下して誤嚥性肺炎などの感染症にかかりやすくなっているので、老人ホームでは口腔ケアを徹底し、口の中の清潔に努めます。 父は今は食事は摂れているようなので、まだ大丈夫かな。父の好きなアイスクリームがあるので、差し入れに持っていこうと思います。その次の「せん妄」とはなんですか? せん妄とは、意識障害のことです。時間や場所がわからなくなって混乱したり、つじつまの合わないことを言ったり、急に興奮することがあります。また、逆にぼーっとしたり、ウトウトと居眠りをすることもあります。老人ホームでは、つじつまの合わない話をしていても否定せずに傾聴したり、興奮している場合は落ち着けるような声掛けをするなどの対応をします。普段と違う様子があっても、なるべくいつも通りに過ごせるように配慮しているんですね。 自宅で介護していて急に興奮し始めたら戸惑ってしまいそうですが、プロがそばにいるなら安心ですね。 亡くなる直前 亡くなる直前になると、以下のような状態になります。このような状態になると、施設側から最期が近い旨を伝えられるかもしれません。 食べ物や飲み物がほとんど取れなくなる のどがゴロゴロ鳴る 眠っている時間が長くなる 反応がなくなる 亡くなる直前は、水分を口に運んでも飲めなくなります。口の中が乾燥しているためたんをうまく出せず、のどからゴロゴロとした音がすることがあります。このようなときはぬらしたガーゼやスポンジで口内のたんを取り除き、湿らせる対応をします。また、眠っているような状態で話しかけてもほとんど反応がなくなります。しかし、反応がなくても最後まで耳は聞こえていると言われているので、老人ホームではこまめに声掛けをしたりご本人が好きな音楽をかけたりして、孤独を感じないような配慮をしています。 そんな状態になるんですね…。老人ホームでは、寝たきりになって話もできなくなったら寝かせきりになってしまうのかと思っていましたが、いろいろと配慮してくれると聞いて安心しました。 ターミナルケア、緩和ケアとの違い 北野 看取りケアによく似ているものに「ターミナルケア」「緩和ケア」というものがあります。混同しやすいので、看取りケアとの違いを簡単にまとめました。 ターミナルケア:「終末医療」とも呼ばれる。点滴や酸素吸入などの医療ケアを中心とした対応 緩和ケア:痛みを緩和するためのケア。がんの疼痛コントロールなど、投薬などによる治療をおこなう 看取りケア:医療的ケアをおこなわず、日常生活のケアを中心におこなう 老人ホームでの看取りケアの内容 老人ホームでの看取りケアは、以下のように大まかに3種類に分かれます。どんなケアをしてもらえるのか、事前に把握しておくと安心できるんじゃないでしょうか。 身体的なケア 精神的なケア 家族へのケア 身体的なケア 身体的なケアとは、以下のような対応をすることです。 清潔の保持(口腔ケア、入浴、ベッドのシーツ交換など) 身体的苦痛の緩和(床ずれ防止など) 栄養や水分補給 排せつ バイタルサインのチェック 老人ホームは医療機関ではないので、延命のための医療行為は基本的にできません。そのため、入浴や清潔保持、排泄、食事といったいつも通りのケアに加えて、寝たきりになった際に床ずれ防止などの苦痛の防止・緩和をおこないます。看取りケアを始めるといっても、通常のケアの延長線上にあるものなので特別なことはしません。いつも通りのケアを手厚くおこなって、できるだけ苦痛のないように配慮するのが老人ホームでの看取りケアです。 なるほど…。看取りケアだからといって特別なことはないんですね。5年以上も今の老人ホームにお世話になっていますし、顔見知りの職員さんにいつも通り接してもらうのが父にとっても良いのかもしれませんね。 精神的なケア 精神面では以下のようなケアをおこないます。 こまめに訪問する 声掛けをする スキンシップをする 室内環境の整備 先ほどお話しした通り、最期のときが近づくと会話ができなくなることがほとんどです。だからといってコミュニケーションを取らないのではなく、こまめに声掛けをしたり、手を握るなどのスキンシップをして孤独感を和らげます。 家族へのケア 家族に対してもケアがあるんですか? そうなんです。大切な人が亡くなる前後はご家族にとっても不安ですから、精神的なサポートをおこないます。具体的には以下のようなことです。 入居者の状態をわかりやすく伝える ケアの内容を丁寧に説明する 家族の希望をケアに反映する 家族が気持ちを打ち明けやすい雰囲気をつくる 家族の気持ちに寄り添う こういうことをしてもらえるんですね。安心しました。家族のサポートをしてもらえるなら、施設のスタッフさんにいろいろ相談してみようと思います。 老人ホームでの看取り期間は数ヵ月~数年と個人差が大きい 看取りのはじめは食欲低下やせん妄などが起き、亡くなる直前には眠っている時間が長くなる 老人ホームの看取りケアは、身体的なケア、精神的なケア、家族へのケアをおこなう pre { ...

2024/06/28

#認知症 #施設入居 #在宅介護 #介護疲れ

認知症の末期になるとどうなる?症状や対応方法も教えてください

母が認知症になって5年以上が経ち、以前よりも症状が悪化しているのを感じるようになりました。今でも介護が大変なのに、今後、もっと悪化して認知症の末期になったらどうなってしまうんでしょうか? (松崎さん・自営業・68歳) 認知症のご家族を在宅介護するのは本当に大変ですよね…。認知症の末期では、歩行能力などの運動機能が低下するため、トイレや入浴、食事などさまざまな場面で介助が必要になります。寝たきりになることもあります。また、免疫力の低下によって感染症にかかりやすくなることも。感染症によって入院し、さらに心身の機能が低下することもあります。 認知症の末期になったらどんな症状が出る? 母が認知症と診断されてから5年以上が経ち、はじめより物忘れがひどくなったり、テレビや電子レンジなどの家電の使い方もわからなくなってしまいました。トイレや風呂などにも介助が必要で常に目が離せません。認知症の末期になると、もっと症状が悪くなるんですよね?今でも大変なのに末期になったらどうなってしまうんでしょうか? 認知症の方の介護は本当に大変ですよね…。認知症の症状は個人差がありますが、末期になると一般的に以下のような症状が出るとされています。 身体機能が低下する 食欲が低下する 失禁が増える 感染症が増える 身体機能が低下する 認知症の末期になると、身体機能の低下が起きることがあります。トイレや入浴、食事、着替えといった日常生活全般に介助が必要になるでしょう。また、歩行や体のバランスを取ることが難しくなって転倒し、骨折してしまうリスクも高いです。また、身体機能が低下して、寝たきりになってしまうケースも珍しくありません。 寝たきり!今もふらついたりすることがあるので付き添いが必要ですが、歩けなくなってしまうことがあるんですね…。 食欲が低下する 認知症末期になると、意欲の低下や認知機能の低下によって食欲が落ちることがあります。認知症の影響により、「食べる気が起きない」「そもそも食べ物であると認識できない」「食べ方がわからない」といった理由で食事量が減少してしまうんです。また、食べ物を噛んだり飲み込んだりする力である嚥下機能が低下することも。今まで食べられていたものが食べられなくなって食欲が低下してしまうんです。食欲低下が慢性的になると、栄養不足によってさらに身体機能が衰える原因にもなります。 失禁が増える 認知症末期には、失禁が増えることも。「トイレの場所がわからない」「衣服の脱ぎ方がわからない」「歩行が遅くなったことで間に合わない」などの理由からです。 今もたまに失禁します。母はたまにトイレの場所がわからなくなっている様子がありますね…。 感染症が増える 認知症が進行したことで食欲が落ちて体力が低下。それによって免疫力が低下して感染症が増える傾向があります。また、嚥下機能が低下することで誤嚥を起こしやすくなり、誤嚥性肺炎に感染することもありえます。感染症になって入院してしまうと、それが原因でさらに認知症が進行したり体力が低下するなど、全体的な状態が悪化しやすくなるのも注意が必要なポイントです。 認知症の人の寿命は? 北野 「認知症の人と家族の会」の調査によると、認知症の方の介護年数は平均7年。つまり、認知症の方は診断を受けてから平均7年で亡くなっているということです。 ただ、回答は1~31年とかなりバラつきがあります。認知症の進行にはかなり個人差があるため、平均年数は目安として考えておいてください。 参考:「認知症の人と家族の思いと介護状況および市民の認知症に関する意識の実態調査報告書」(公益社団法人認知症の人と家族の会) 認知症末期になる前の備え 認知症が末期になることというのは、最期のときが近づいていることでもあります。そのため、「あのとき、ああしてあげれば良かった」と後悔しないように、事前の備えが大切です。 適切な対応を知る 認知症末期となると、介護する側にとっても心身の負担が大きくなることが考えられます。そのため、事前に適切な対応を知っておきましょう。正しい知識がないためにあまり良くない対応をしてしまい、さらに状態が悪くなることもありえるからです。 良くない対応とはどんなものですか? 例えば、「強要する」「ひとりにする」などの対応です。具体的には、「食欲がないのに無理やり食べさせる」「家族の会話に入れずに仲間外れにする」といったことです。先ほどお話しした通り、認知症末期には食欲低下が起こりやすいです。食べたくない様子があるのに無理やり食べ物を口に入れたりすると食べる構えができていないため誤嚥をしやすく、誤嚥性肺炎を引き起こす可能性があります。ご家族としては、食事量が少ないとさらに体力が落ちてしまわないか心配になってしまうかもしれません。ですが、認知症末期の方が食欲が低下するのは自然なこと。食べられるときに食べたいものを食べてもらうようにしましょう。嚥下機能が落ちても食べやすいアイスクリームや、高栄養食品を摂ってもらうのも良いと思いますよ。 母の食欲が落ちてきていて心配で「もっと食べて」と言っていましたが、食べられるときに食べれば良いんですね。アイスクリームは昔から好きなので、今度出してみようと思います。 また、認知症末期には反応が薄くなったり会話ができなくなることが多いです。コミュニケーションが取れないからと言って家族の会話に入れずにひとりぼっちにしたり、最低限の声掛けしかしないのはNG。さらに孤独感が募り、気力の低下が進んでしまいます。なので、以前のような反応がなかったとしても笑顔で話しかけましょう。お母様と目線を合わせて話しかければ、反応はできなくても話しかけられていることはわかります。その日の出来事を話すなど、何でも良いので話しかけることが大切です。 介護サービス利用や老人ホーム入居を検討する 認知症末期や最期のときが近づいている状態は、介護の負担が大きいですし、何より衰弱していく様子を目にするのは精神的な負担が大きいでしょう。そのため、認知症末期の方の介護はご家族だけではなく、介護サービスを使ってプロに頼ることをおすすめします。 介護サービスなら、今はデイサービスを利用しています。 そうなんですね!でしたら、ケアマネジャーさんと相談しながらデイサービスの回数を増やしたり別のサービスも併用したりと、在宅介護サービスを調整していきましょう。ただ、在宅介護サービスを利用しても介護の負担が大きいと感じたら、老人ホームに入居することも検討してください。 そうなんですよね…。今も常に目が離せなくて大変なので、そろそろ自宅で介護するのは限界なのかなと感じていました。 そうだったんですね…。今後、お母様が認知症末期になると、寝たきりになって徐々に衰弱していくことが考えられます。そうなると、ご家族がそばを離れられなくなるでしょうし、いつ状態が変わるのか気が気でない日々が続くかもしれません。気を張り詰めている時間が長くなるのは、精神的な負担が大きいですよね。老人ホームであれば施設には常にスタッフさんがいますし、プロによる適切なケアを受けられます。最期のときが近づいている場合には、お母様に変化があれば逐一連絡してくれるので安心ですよ。後悔しないためにも、プロに任せるのもひとつの方法です。 なるほど…。私は仕事でずっと母に付き添っていられるわけではないので、老人ホームに入れるのも考えた方が良いかもしれないですね。 身体機能の低下、家族の顔がわからないなどの症状が出ることがある 強要したり、ひとりにしたり、慌てたりするのはNG! 認知症の人の寿命は平均7年だが、個人差がかなり大きい pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before ...

2024/06/28

#認知症 #施設入居

介護スタッフの数が多い老人ホームはどうやって探せば良い?手厚い介護が受けられる施設を探しています

同居している母の老人ホームを探しています。母は体は元気なのですが、認知症の影響で介助がないと何もできません。トイレの行き方やお風呂の入り方もわからなくなってしまったので、すべて私が手助けしている状況です。 手がかかる母なので、介護スタッフさんがしっかり介護してくれるところが良いと思っています。例えば、スタッフさんの数が多いとか…。 介護スタッフさんがたくさんいる老人ホームってどうやって探せば良いんでしょうか?見分け方があれば教えてください。 (前川さん・会社員・57歳) 介護スタッフさんが多い老人ホームを探す際は、施設のホームページなどの「職員体制」を確認しましょう。介護保険法では、「要介護者3人に対して介護スタッフもしくは看護師が1人以上」と定められているので、それ以上の人員を配置していれば職員体制を手厚くしていることがわかります。職員体制欄には、ご入居者と職員さんの割合を「3:1」や「2.5:1」のように表しています。この数字の前半の数字が少ないほど職員1人に対するご入居者の割合が少ないので、手厚い人員配置にしているということがわかります。ただ、手厚い人員配置にしている老人ホームは人件費が多くかかるので「上乗せ介護費」が追加で発生する場合があります。通常の人員配置の施設よりも高額になる傾向があるので、よく確認しておきましょう。 スタッフ数が多い老人ホームの見分け方 認知症の母の老人ホームを探しています。母は体は元気ですが、認知症のせいで身の回りのことが何もできません。トイレの場所がわからなくなったり、お風呂の入り方がわからなくなって、何をするにも介助が必要な状態なんです。そんな状態でとても手間がかかるので、しっかり介護してもらえるところが良いな、と思っています。できれば、介護スタッフさんがたくさんいるところだと安心です。介護スタッフさんが多い施設と少ない施設の見分け方はありますか? ありますよ!スタッフ数が多くて手厚い職員体制の老人ホームを探す場合は、以下の2点を確認してみましょう。 職員体制 看護師の勤務時間 職員体制 まずは、老人ホームのホームページなどで職員体制を確認しましょう。特に介護付き有料老人ホームの場合、職員体制の項目に「3:1」や「2.5:1」といった記載があると思います。 そういえば、近くの老人ホームのホームページには「3:1」と書かれていました。これってどういう意味ですか? これは、介護が必要な入居者に対しての介護スタッフと看護師の比率を表しています。つまり、「要介護者3名に対して、介護スタッフ・看護師が1名」の比率で配置されているという意味です。ということは、「3:1」の要介護者側の人数が少ないほど、スタッフが多く配置されていることになります。ちなみに、介護保険法では「3:1」以上の人員配置をしないといけないと定められています。そのため、「2.5:1」「2:1」と記載されていたら、法律で定められている基準よりも多くスタッフがいるということがわかりますね。 「2.5:1」「2:1」のように、前半の数字が少ないほどスタッフさんがたくさんいるんですね。職員体制の比率をよく確認しておかないと。 ちなみに、老人ホームのなかでも住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅には、人員配置の基準がありません。そのため、ホームページなどで確認できないことがあります。また、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅で介護を受ける場合は、外部サービスを利用する必要があります。決められたタイミングでしか介護を受けられないことも多いので、柔軟に手厚く介護を受けたい場合は、介護付き有料老人ホームを探すのがおすすめですよ。 看護師の勤務時間 もし、日常的に医療ケアが必要な場合は、看護師の勤務時間についても確認しておきましょう。民間の老人ホームのなかでも、介護付き有料老人ホームでは少なくとも日中の看護師の配置が義務付けられています。しかし、夜間も医療ケアが必要な場合は、24時間看護師が常勤している施設でないと入居ができないことがほとんどです。具体的には、朝食前や夕食後のインスリン注射や、たん吸引が必要な場合は、看護師が24時間常駐している施設を探しましょう。 スタッフ数が多い老人ホームに入るメリットと注意点 ここまで、スタッフの数が多い老人ホームの探し方についてお話ししましたので、改めてスタッフの数が多いことのメリットと注意していただきたい点をお伝えしますね。 メリット スタッフが多くて手厚い介護体制がある施設のメリットは、以下のようなものがあります。ただ、これらの対応は施設の運営方針によっても異なるので、あくまで「こういう傾向がある」と考えてくださいね。 柔軟な対応ができる オプションサービスが充実している アクティビティ、レクリエーションが充実している スタッフの数が多い施設は、人員に余裕があります。そのため、日常的な介助をするだけではなく、”プラスアルファ”の対応もしてもらえることが多いんです。 「”プラスアルファ”の対応」ってどんなものですか? 例えば、ご入居者のお話をスタッフが一対一で聞く時間を設けたり、機能回復のためにスタッフが寄り添って歩行訓練をしたり、有料で買い物代行のオプションサービスがあったり…。ホームページやパンフレットなどではわかりにくい部分なのですが、人員にゆとりがあるからこそ柔軟な対応をしています。また、アクティビティやレクリエーションなどが充実している傾向もあります。人員が少ないとどうしてもアクティビティやレクリエーションに時間を割けないのですが、人員にゆとりのある施設では毎日、1日に複数回のアクティビティやレクリエーションをおこなっていることもあります。 1日に何度もレクリエーションをしているんですね!母は参加したがると思うので、嬉しいですね。 アクティビティやレクリエーションの内容も豊富なので、老人ホームに入ってから活動する機会がほしい方は、スタッフの数が多い施設はおすすめです。 注意点 スタッフの数が多い施設は良いことだらけのように感じますが、注意しないといけない点があるんですか? はい。スタッフの人員に余裕がある施設は対応が柔軟なのが良い点なのですが、費用が高い傾向がある点に注意していただきたいです。というのも、基準より多くスタッフが常駐しているため、その人件費を「上乗せ介護費」として追加していることが多いんです。 そうなんですね。確かに、通常より多くスタッフさんがいるから、その分、人件費がかかりますもんね。 おっしゃる通りです。上乗せ介護費は、介護サービス費とは別に毎月発生します。介護サービス費は介護保険に収まるサービスの費用のこと。対して上乗せ介護費は、介護保険の基準を上回る職員に対しての費用なので、追加で発生してしまうんです。 なるほど…。上乗せ介護費の金額にもよりますが、ある程度はしょうがないかな…。 上乗せ介護費の金額は、施設の料金表などで確認できます。行き違いがあって、入居後に施設とトラブルになっては大変なので、予めよく確認しておいてくださいね。 人員配置が「3:1」より多い老人ホームを選ぼう 看護師が24時間常駐していると医療行為があっても安心 スタッフが多いと柔軟な対応ができるが、費用が高くなることがある pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } ...

2024/06/26

#認知症 #在宅介護 #介護疲れ

レビー小体型認知症の父親が寝てばかり…。起こした方が良いのでしょうか?

レビー小体型認知症の父が、昼間に寝てばかりで気になっています。寝ていなくてもぼーっとしていることが増えましたし…。 声をかけて起こしてもまたすぐに寝てしまうのですが、起こさずに放っておいた方が良いのでしょうか? (植田さん・パート・60歳) できるだけ日中は起きて活動してもらうのが良いです。ただ、寝ているときに起こすだけではなく、どうしてお父様が日中に眠ってしまうのかの原因を知り、それに基づいて起きていられるように対策をとっていきましょう。例えば、レビー小体型認知症による抑うつ症状や睡眠障害が発生している可能性があります。そのせいで夜間に眠れなくなり、昼間に寝てしまっていることも考えられます。このような場合は、医師に相談して薬の変更・調整をしたり、生活リズムを整えて夜に眠りやすい環境を作りましょう。また、お父様が夜に起きているときに「早く寝て」というように寝ることを強制するような声掛けをしてしまうと、それがストレスで余計に眠れなくなることがあるので要注意です。 レビー小体型認知症だと寝てばかり?原因は? 同居しているレビー小体型認知症の父が、昼間に寝てばかりで気になっています。何度起こしてもまたすぐに寝てしまうので、最近は起こさずに放っておいていますが、その都度起こした方が良いのでしょうか? 日中は眠らずに活動するのが理想です。ですが、起こしてもすぐに寝てしまうのなら難しいですよね…。ただ、日中に寝てしまうと体内リズムが崩れて夜に眠れなくなることもあります。なので、どうしてお父様が日中に寝てしまうのか原因を見つけて対策をとっていくことが大切です。 父が昼間に寝てしまう原因ってどんなものが考えられるでしょうか? レビー小体型認知症の方が昼間に寝てしまう原因として、以下のようなものが考えられます。 抑うつ症状 睡眠障害 神経伝達物質の不足 抑うつ症状 抑うつ症状とは、気持ちが落ち込んだり不安感が強くなったりする状態のこと。認知症の影響でできないことが増えて、ご家族に迷惑をかけていると感じてストレスが強くかかると抑うつの状態になることがあります。抑うつ症状がある方は無気力になり、声をかけても反応が薄かったり表情が乏しくなることがあります。 あっ、それは父に当てはまるかもしれません。声をかけてもぼーっとしていて。返事はするんですが以前よりも反応が薄いというか…。 それは心配な状態ですね…。ちなみに、抑うつ症状があると疲労を感じやすくもなるため、体を回復させるために日中も寝てしまうことが考えられます。また、寝ることで一時的にストレスから離れられるので昼夜問わず寝てしまっていることもあります。 睡眠障害 レビー小体型認知症の特徴的な症状のひとつに「レム睡眠行動障害」というものがあり、それが夜間の眠りを妨げているために日中に眠くなってしまう可能性があります。レム睡眠行動障害というのは、眠りの浅いレム睡眠中に怖い夢やリアルな夢を見て、夢の中と同じ動きをしてしまうこと。恐怖のあまり大声を上げたり暴れるといった行動をしてしまうんです。 そういえば、以前、父が夜中に急に大声を上げたことがありました…。 それはびっくりしますよね。レム睡眠行動障害を起こすことで目覚めてしまい、質の良い睡眠が取れていない可能性も。寝不足のせいで昼間に寝てしまうことも考えられますね。 神経伝達物質の不調 レビー小体型認知症の影響で、神経伝達物質が減少することがわかっています。この神経伝達物質の不調によって情緒不安定になり、そのストレスを減らすために眠る時間が増える傾向があるのです。具体的には、リラックス効果のあるセロトニンや、ストレスに対抗するための準備をするノルアドレナリンという神経伝達物質が不足することで、抑うつ症状や情緒不安定になり、不安な気持ちから逃げるために寝てしまっている可能性があります。 レビー小体型認知症の人が寝てばかりのときの対策 父が寝てばかりの理由がなんとなくわかったかもしれません。でも、父が起きていてくれるような対策はあるのでしょうか? いくつかありますよ。次のような対策を試してみてください。 薬の調整をする 睡眠環境を整備する 生活リズムを整える コミュニケーションの方法を変える 薬の調整をする 神経伝達物質のバランスが崩れている場合、抗パーキンソン病薬や抗うつ薬、抗不安薬を使うことで睡眠状態が改善することがあります。抗パーキンソン病薬や抗うつ薬、抗不安薬といった薬は神経伝達物質のバランスを整える効果があり、情緒を安定させたり睡眠の質を向上させることが期待できます。 睡眠薬ではない薬でも、睡眠状態を改善することがあるんですね。 はい。薬での治療をおこなうかどうかは医師の判断になるので、まずはかかりつけ医に相談してみてくださいね。 生活リズムを整える 基本的なことですが、生活リズムを整えることも睡眠状態を改善する方法のひとつです。具体的には以下のことを意識してみましょう。 同じ時間に起床・就寝する 3食同じ時間に摂る 日中に活動をする 夜に眠れないのは、日中の過ごし方が原因である場合があります。そのため、毎日の起床・就寝時間、食事の時間を決めて規則正しい生活にすることで、夜の睡眠状態が改善することがあります。また、夜間に寝付けないのは日中の活動量が少ないからかもしれません。なので、散歩に出かけたり体操をしたり、趣味の時間をつくったり、家事を手伝ってもらったりなど、体を動かす時間を増やすと良いでしょう。 言われてみれば、父はテレビを見てばかりで体を動かすことはほとんどないですね。うーん、簡単な家事はやってもらった方が良いのかな。 デイサービスを利用するのも良いかもしれませんね。デイサービスなら毎回同じ時間での利用になるので、生活リズムを作りやすいですし、レクリエーションや体操で体を動かす機会もありますよ。 睡眠環境を整備する 睡眠状態を良くするには環境を整えるのも大切です。例えば、以下のようなことに気をつけてみましょう。 部屋を暗くする 騒音のない静かな部屋を選ぶ 寝具やマットレスを季節や体に合ったものにする カフェインやアルコールを控える なんだか、当たり前なことばかりですね。 そうなんです。当たり前のようなことなのですが、ご高齢者は夜に足元が暗いのが怖いからと電気を付けたまま寝ていたり、夜になると近所の騒音が聞こえたり…ということがあるんです。また、ご高齢になると暑さや寒さを感じにくくなります。気温に合っていない寝具を使っていることもあるので、そこも改めて確認しておいてくださいね。 コミュニケーションの方法を変える 「コミュニケーションの方法を変える」ってどういう意味ですか? レビー小体型認知症に限らず認知症を患う多くの人が、不安やストレスを感じやすい状態です。今までできていたことができなくなったり、認知機能の低下の影響で状況が把握できなくなったり…。私たちにとって何でもないことがストレスになることもあります。そのため、夜に眠れない様子があっても「早く寝て」と寝ていないことを責めることを言わない方が良いんです。 えっ、そうなんですか!夜中に起きることがあるので「早く寝てよ」といつも言ってしまっていました…。 気持ちはよくわかります。ただ、「早く寝て」と寝ることを強制されると、「寝ないといけない」と思って余計に眠れなくなることもあります。なので、「どうしたの?」と眠れない理由を聞いてみたり、「眠れなくても布団に入ると体が休まるよ」といった声掛けがおすすめです。不安感をあおらないような声掛けが大切なんです。 なるほど…。普段のコミュニケーションの方法も睡眠に関係してくるんですね。気をつけるようにしないといけませんね。 レビー小体型認知症の場合、抑うつ症状や睡眠障害によって寝てばかりになることがある 寝室の環境を整えたり、生活リズムを整えることで睡眠状況を改善しよう pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; ...

2024/06/19

#認知症 #施設入居 #在宅介護

認知症の義父が性的な行動をするのが嫌!セクハラのせいで介護したくありません

認知症の義父を自宅で介護しているのですが、この数ヵ月、着替えを手伝うときに私の体を触ってきたり下着を脱いで下半身を見せようとしてくるんです。毎日のようにセクハラされるので、義父の介護が嫌で嫌でたまりません。 夫に相談して夫から義父に強く言ってもらったのですが効果はありません。認知症の義父は体は元気ですが認知症がひどく、どんなことにも介助が必要。介護する間はまたセクハラされるんじゃないかと気を張っているので、とても疲れます。 「認知症だからしょうがない」と割り切りたくても割り切れません。どうしたら良いのでしょうか? (田中さん・パート・60歳) それはお辛い状況ですね…。認知症の方によるセクハラは、不安やストレスを感じていたり、記憶障害の影響で気持ちが若い頃に巻き戻っていることが原因と考えられます。いずれにしても認知症の影響で孤独感を持っていることが根本にあることが多いので、セクハラされたら「私はお義母さんではないですよ」と軽く流して、話を変えるのが良いかもしれません。お義父様の好きなテレビ番組や趣味の話をすると、そちらに興味を持って性的関心が薄れるかもしれませんよ。「止めてください」と拒否をしたり嫌がると逆効果になることもあります。認知症の方は不安感を強く持っていることがほとんどなので、言動を否定せずに流すのが大切。セクハラは受けた方の精神的なダメージが大きいですから流すのは大変かもしれませんが、「不安を感じているんだな」とお義父様の気持ちを想像してできるだけ冷静に対応をしてくださいね。 認知症の親が性的な行動をする理由 認知症の義父がセクハラをしてくるので介護が嫌でたまりません!義父はひどい認知症なので、着替えやトイレなど身の回りのことほとんどを私が介助しています。そのときに私の体を触ったり下着を脱いで下半身を見せようとしてきたりと性的な行為をしてくるのが嫌なんです。「認知症だからしょうがない」と思えれば良いのですが、どうしても割り切れずに義父への嫌悪感が募ってしまって。認知症になっても最近までは穏やかで落ち着いている人だったのに、どうしてこんな風になってしまったんでしょうか? ご家族にセクハラをされるのは、精神的にきついですよね…。認知症の方は、症状の進行によってときに社会の規範から外れた行為をすることがあります。特に性的行動は以下のような理由で症状として現れることがあります。 不安やストレスを抱えている 記憶が若いころに戻っている 不安やストレスを抱えている 認知症の方は、常に不安感を抱えていると言われています。認知症によって理解力や判断力が低下して状況を把握できなくなったり、認知症によって自分の役割がなくなって孤独を感じることで不安になっているのです。そのため、人とのつながりやスキンシップによって安心感を得ようとすることがあります。その行為のひとつが性的行動なのです。性的行動をして相手に受け入れてもらいたい、という気持ちがあるのかもしれません。行動自体は社会のルールから外れたことですが、「誰にも受け入れてもらえない」という不安感があることは理解してくださいね。 確かに、認知症になる前よりも義父との会話が減った気がします。それが原因で孤独を感じていたのかな…。 記憶が若い頃に戻っている 認知症の方は記憶障害の影響で、精神的に若い頃に戻っていることがあります。認知症になると新しい記憶から忘れてしまうので、直近数十年分の記憶がないことも珍しくありません。実年齢は80代でも記憶が40代で止まっていて「自分はまだまだ若い」と思い込んでいることもあります。40代というとまだまだ性欲が旺盛な年代。もしかしたら、身近でお世話してくれる女性である田中さんにアプローチしているのかも。また、認知症の影響で田中さんを自分の奥さんと勘違いしていることも考えられますね。 えぇっ!?お義母さんと?そんなことがあるんですね。 ちなみに、今のご高齢者は女性に対して性的な言動をするのが当たり前だった時代を生きてきた方も多いです。そのため、セクハラという意識がない可能性も念頭に入れておくと良いでしょう。 認知症の親が性的な行動をするときの対策 義父がセクハラをする理由に思い当たることがありました…。でも、だからといって気持ちを切り替えて介護できるものでもありません。 そうですよね。なので、田中さんの精神的な負担を軽くできるよう、お義父様が性的行動をしたときの対応をいくつかお伝えします。対応方法は以下のようなものがあります。 話題を変える その場を離れる 老人ホームに入居する 話題を変える 認知症の方からセクハラを受けたときは、話題を変えてみましょう。お義父様の趣味や好きなテレビ番組など、興味を持ちそうな話をするんです。そうして性的な関心をそらせるのがおすすめです。あとは、お義父様の昔の思い出や楽しかったことなどを聞いてみると、懐かしい気持ちで性的な気持ちが薄らぐこともあるでしょう。田中さんの旦那さんの子供のころの話や、お義母様の話を聞いてみるのも良いかもしれません。共通の話題なので、田中さんも聞きやすいんじゃないでしょうか。 家族の昔の話なら話題として振りやすいですね。 その場を離れる 性的行動によって田中さんの不快感が収まらないときやお義父様が性的な行為を止めないときは、その場を離れるのもひとつの手。時間を置くことで、お義父様が性的関心を忘れてしまうこともありえますし、何より田中さんの気持ちを落ち着ける時間を稼げます。ときには、旦那さんに介護を代わってもらったり介護サービスを活用したりして、介護から離れる時間を作るのも大切です。 しかる、嫌がると逆効果になることも 北野 認知症の方が性的行動をしてしまったとき、ご家族がしかったり嫌がったりすることがあると思います。気持ちは大変よくわかるのですが、これが逆効果になる可能性もあります。 なぜなら、不安感や孤独感を和らげるためにセクハラをしている場合、自分の行動が否定されるとさらに不安感や孤独感が増してしまうことがあるため。そのため、しかったり嫌がることを繰り返すと、セクハラがエスカレートするだけでなく、ほかの認知症の症状が進行する可能性も考えられます。 老人ホームに入居する 田中さんがセクハラから開放されるために、お義父様が老人ホームに入居することもひとつの方法です。 セクハラだけで老人ホームに入れるんですか?確かに介護をするのは嫌ですが、義父はまだ自分で歩いたりできていますし…。 老人ホームというと、歩けなくなったり寝たきりになったタイミングで入居するもの、というイメージを持っている方が多くいらっしゃいます。ですが、それだけでなく介護をする人とされる人の関係が上手くいかなかったり、介護する人の負担が大きくて在宅介護が続けられないときに入居される方も少なくありません。ただ、お義父様がほかのご入居者や職員さんにセクハラをする場合は、入居を断られてしまうこともあります。そこはお義父様の状態と施設の受入状況の兼ね合いなので、まずは施設に相談してみましょう。 今のところ、セクハラを受けるのは私だけなのですが、入居後のことはわからないですもんね。これまで私が我慢すれば良いから、と思っていたのですが、夫にも老人ホームのことを相談してみようと思います。 認知症の親がセクハラをするのは不安感や記憶が若い頃に戻っていることが原因かも セクハラが嫌なときは、話題を変えたりその場を離れたり誰かと共有しよう pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before ...

2024/05/28

#施設入居 #介護疲れ

低所得者でも入れる介護施設はありますか?年金が少なく貯金もない父は老人ホームに入れますか?

父の認知症が悪化して、在宅介護に限界を感じています。なので介護施設に入れようと思うのですが、父は年金が月に8万円もないうえに、貯金もほとんどありません。 父のような低所得者でも介護施設に入れるのでしょうか? (加藤さん・会社員・59歳) はい。所得が少ない人も入れる介護施設はあります。例えば、特別養護老人ホームやケアハウス、介護老人保健施設といった公的施設です。また、介護施設や介護に関わる費用を助成する制度もあるので、積極的に活用しましょう。もし、公的施設でも入居が難しい場合は、生活保護を受給するのもひとつの方法。民間施設の有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅では生活保護の方向けの料金プランを用意している場合があり、選択肢が広がる場合があります。 低所得者でも入れる介護施設はある? 同居している父の認知症が悪化して、もう手に負えません。夜になると「家に帰る」と言って外に出かけようとするので私はおちおち眠っていられないですし、いつの間にか一人で出かけていて警察に保護されたこともあるんです。こんなことが続いているので、在宅介護をするのはもう難しいかなと思って介護施設に入れたいと思っています。ですが、父の年金は月に8万円もありません。貯金もほとんどないですし、私もそこまで余裕があるわけではなくて…。父のような低所得者でも入れる老人ホームはあるんでしょうか? はい。所得の少ない人でも入れる老人ホームはありますよ!老人ホームには、社会福祉法人などの公的な団体が運営する公的施設と民間企業が運営する民間施設の2種類があります。なかでも公的施設は費用が安く抑えられているので、収入が少ない方でも入りやすいのが特徴なんです。具体的には、以下のような介護施設があります。 特別養護老人ホーム 介護老人保健施設 ケアハウス 特別養護老人ホーム 特別養護老人ホームは、要介護3から入所できる施設。介護スタッフが24時間常駐しており、常に介護が必要な場合でも入所できます。また、多くの施設で看取りまで対応していますので、「終の棲家」として選ばれることが多い施設でもあります。 もし父が介護施設に入るとしたら、最期までその施設でお世話してもらおうと思っていました。特別養護老人ホームなら安心して父を任せられそうですね。 認知症の方の受け入れもしているので、安心できると思います。ただ、特別養護老人ホームは安くて看取りまで対応しているとあってかなり人気。入所待ちが100人以上発生していることもありますし、なかには申込みから入所まで1年以上かかるケースもあるんです。そのため、「今すぐ入所したい」と思っても入れないのが実情。ある程度の余裕がある段階で入所申込みをしておいて順番を待つのがベターです。 特別養護老人ホームにはすぐに入れないんですね。いつ入れるかわからないけど、入所の申込みだけでもしておこうかな…。 介護老人保健施設 介護老人保健施設は、リハビリをすることで在宅復帰を目指す施設です。自宅に戻ることが目的なので、入所期間が限定的なのが特徴。3~6ヵ月に一度、心身の状態の検査をおこない、自宅に戻っても問題ない状態と判断されれば退所を求められます。そのため、「足腰が衰えたからリハビリをして、再び自宅で生活できるようになりたい」という方にはぴったりなのですが、終身利用をしたい方には向いていない可能性があります。 父は、今のところ足腰が弱った様子がないので、特にリハビリは必要ないと思います。それに、終身利用できないのはちょっと困りますね…。 ケアハウス ケアハウスとは、身寄りがなかったり家族の支援が受けられないご高齢者のための住まいです。ケアハウスには「一般型」と「介護型」の2種類があります。一般型は食事の提供などの生活支援サービスを提供しており、介護が必要な場合は外部の介護事業所と別途、契約する必要があります。対して、介護型は介護サービスも含まれており、昼夜問わず常駐している介護スタッフによってケアを受けられます。ただ、介護型ケアハウスは数が少ないうえに人気も高いので特別養護老人ホームと同様、入所待ちが発生している可能性が高いです。 やっぱり、介護体制が整っている施設は人気なんですね。 低所得者が介護費用を軽減する方法 介護にはいろんなお金がかかりますから、低価格な施設に入る以外にも介護費用を軽減する方法をお伝えしますね。 介護費用を安くする方法があるんですか? そうなんです。例えば、以下のように介護費用を軽減する制度があるので、ぜひ活用していきましょう。 特定入所者介護サービス費 高額介護サービス費 高額介護合算療養費 社会福祉法人等による利用者負担額軽減制度 特定入所者介護サービス費 「特定入所者介護サービス費」は公的施設の利用料の一部を減額する制度。世帯所得によって段階が分けられ、段階によって金額も異なります。具体的には、以下の5段階に分けられます。 特定入所者介護サービス費を利用した際の特別養護老人ホームと介護老人保健施設の金額は以下のとおりです。 特別養護老人ホーム 介護老人保健施設 所得によってこんなに金額が変わるんですね…。うちがどの段階に当てはまるのか、家に帰ったら調べてみないと。 高額介護サービス費 「高額介護サービス費」は、1ヵ月に支払った介護サービス費が上限額を超えた場合に払い戻しを受けられる制度。これも、世帯の所得によって上限額が決められています。世帯所得と上限額は以下のとおりです。 区分負担の上限(月額)生活保護を受給している方など15,000円(個人)前年の「公的年金等収入額」と「その他の合計所得金額」の合計が年間80万円以下24,600円(世帯)15,000円(個人※1)世帯の全員が市区町村民税を課税されていない方24,600円(世帯)市区町村税課税~課税所得380万円(年収約770万円)未満44,400円(世帯)課税所得380万円(年収約770万円)~課税所得690万円(年収約1160万円)未満93,000円(世帯)課税所得690万円(年収約1160万円)以上140,100円(世帯) ちなみに、施設入居した際の食費や日常生活費などは対象外。介護サービスに対する費用しか適用されない点は注意してくださいね。 介護に関わる費用だからって、何の費用でも払い戻しされるわけではないんですね。 高額介護合算療養費 「高額介護合算療養費」は、1年間の医療保険と介護保険の対象となる費用が高額になった場合に自己負担を軽減する制度です。高額介護サービス費と同じように、上限額は世帯の収入によって決められています。上限額は以下のとおりです。 70歳以上70歳未満年収約1160万円以上212万円212万円年収770万~1160万円141万円141万円年収370万~770万円67万円67万円年収156万~370万円56万円60万円市町村民税世帯非課税31万円34万円市町村民税世帯非課税(所得が一定以下)19万円34万円 社会福祉法人等による利用者負担額軽減制度 「社会福祉法人等による利用者負担額軽減制度」とは、自治体が指定した社会福祉法人などの団体が運営する特別養護老人ホームやショートステイを利用した際に、費用が軽減される制度です。利用には、世帯の収入が基準以下、介護保険料の滞納がないといった条件が定められています。この制度を利用すると、介護サービス費の自己負担分、食費、居住費などの25%が軽減されます。 生活保護も検討しよう ここまで、低価格の公的施設や介護費用を抑える制度についてお話ししてきました。ですが、低所得の方は入居先を見つけるのが難しい可能性もあります。そういう場合は、生活保護を受給することも検討してください。 生活保護ですか!?まだそんな状態ではないとは思うんですけど…。 公的施設は費用が安いために人気があり、すぐには入所できないとお話ししましたね。そのため、比較的に入居待ちが少ない民間施設も検討していただきたいのですが、民間施設は公的施設に比べて費用が高いんです。ですが、民間施設の中には生活保護を受給している方向けの料金プランを用意しているところがあり、生活保護を受給すれば、民間施設も選択できるようになります。 つまり、生活保護を受ければ公的施設も民間施設も入れるということですね。 おっしゃるとおりです。もちろん、生活保護を受給するには条件がありますし、受給することのデメリットもありますから、一概に生活保護をおすすめしている訳ではありません。なので、経済状況が逼迫しているのであれば、まずは役所の生活保護担当部署で相談してみるのもアリだと思いますよ。 なるほど…。生活保護については考えたこともありませんでした。生活保護を受給することも含めて、施設探しをしてみようと思います。 低所得者も特養、老健、ケアハウスなどに入れる! 介護費用を軽減する制度を積極的に活用しよう どうしても介護費用を捻出できないときは生活保護も検討しよう pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; ...

2024/05/16

#施設入居 #リハビリ

サービス付き高齢者向け住宅でリハビリは受けられますか?その方法も教えてください

実家で一人暮らしをしている母が入る施設を探しています。2ヵ月ほど前に母が自宅で転倒してしまいました。大きな怪我はなかったのですが、それ以来、家の中でも動くことを嫌がるようになってベッドで横になっていることが増えてしまいました。 そのせいなのか、立ち上がったり歩くときにふらつくようになって一人暮らしは危険だと感じています。そのため、私の家の近くのサービス付き高齢者向け住宅に入居させたいと思っているのですが、サービス付き高齢者向け住宅ではリハビリを受けられるのでしょうか?少しでも今の状態から良くなればと考えています。 (木村さん・会社員・62歳) はい。サービス付き高齢者向け住宅でリハビリを受けることは可能です。ただ、施設がリハビリを提供しているのではなく、訪問リハビリやデイケアという外部のリハビリサービスを利用する形となります。また、サービス付き高齢者向け住宅に限らず、有料老人ホームや介護老人保健施設などでもリハビリを受けられます。どの施設を選ぶかは、お母様の状態を総合的に考えて判断するのをおすすめします。 サービス付き高齢者向け住宅でリハビリを受ける方法 一人暮らしの母が2ヵ月ほど前に自宅で転倒してから歩くのを嫌がるようになり、ベッドで横になっている時間が増えています。そのせいで足腰が衰えたのか、立ち上がるときや歩くときにふらつくようになってしまいました。そのため、一人暮らしは難しいと考えて母が入る施設を探しています。私の家の近くにサービス付き高齢者向け住宅という施設があったのでそこにしようかと考えているのですが、サービス付き高齢者向け住宅ではリハビリを受けられますか?少しでも前のように歩けるようになると母も活動的になると思うので、リハビリを受けられる施設に入れたいと思っています。 はい。サービス付き高齢者向け住宅ではリハビリを受けられますよ。ただ、施設自体でリハビリを提供しているわけではなく、外部の介護サービスを利用してリハビリを受ける形です。 外部の介護サービスを利用するってどういうことですか? サービス付き高齢者向け住宅では、介護サービスを提供していません。そのため、介護サービスを利用したい場合は、訪問介護やデイサービスといった外部の介護事業者と別途契約する必要があるんです。リハビリも同じで、サービス付き高齢者向け住宅に入居してリハビリを受けたいときは「訪問リハビリ」や「デイケア」と契約することになります。それぞれについて、詳しくお話ししますね。 訪問リハビリ 訪問リハビリとは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といった専門職が訪問して一対一でリハビリを提供するサービスです。歩行や立ち上がりといった機能訓練や、着替えや食事といった生活に関わる動作の訓練をおこないます。加えて、居室や生活に合わせた福祉用具を選んだり、活用方法のアドバイスも提供しています。 へぇー。一対一でリハビリをできるのは嬉しいですね! ただ、どうしても使えるリハビリの器具やトレーニングマシンの種類が少ないので、できるリハビリ内容が限られてしまうのがネックなところです。寝たきりなどで外出が難しい場合には、利用しやすいサービスと言えます。 デイケア デイケアは専門の施設に通ってリハビリを受けるサービス。「通所リハビリ」とも呼ばれます。トレーニング用のマシンやリハビリ器具を設置してあるので、本格的なリハビリができるのが魅力です。また、集団でリハビリをする機会もあるので、ほかのご利用者と交流できるのも良い点でしょう。 なるほど。母は最近、家にこもりがちなので、交流の機会があるのは良い刺激になるかもしれません。 また、デイケアによっては入浴や食事のサービスを提供していることもあります。入浴や食事の支度に支援が必要な場合には、とても便利なサービスだと思いますよ。 それは良いですね!母はこのところまともな食事を摂っていないようですし、入浴も一人では心配です。デイケアに通うのも良いかもしれないなぁ。 サービス付き高齢者向け住宅以外でリハビリが受けられる施設 もし、サービス付き高齢者向け住宅でないといけないのではないのであれば、ほかにもリハビリを受けられる施設はあります。木村さんは、サービス付き高齢者向け住宅でないといけない理由はありますか? いえ。たまたま近くにある施設がサービス付き高齢者向け住宅だっただけです。ほかにリハビリが受けられる施設があるなら知りたいです。 でしたら、次のような施設でもリハビリを受けられますよ。 住宅型有料老人ホーム 介護付き有料老人ホーム 介護老人保健施設 住宅型有料老人ホーム 住宅型有料老人ホームは、介護サービスを施設では提供していません。そのため、サービス付き高齢者向け住宅と同様に外部の介護事業者と契約をして介護サービスを利用します。そのため、住宅型有料老人ホームでも訪問リハビリやデイケアの利用が可能です。もし、現在利用している訪問リハビリやデイケアがある場合も、引き続き同じ事業者を利用できることがあります。 介護付き有料老人ホーム 介護付き有料老人ホームは、その名の通り、介護サービスが付いた老人ホームです。住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅が介護サービス費が利用した分だけ発生するのに対し、介護付き有料老人ホームは定額制。介護サービスをどれだけ利用しても要介護度ごとに設定された金額は変わらないのが特徴です。介護付き有料老人ホームの介護サービスのなかには、リハビリも含まれています。施設によっては理学療法士や作業療法士などの専門家が常駐している場合もありますよ。 介護付き有料老人ホームなら、訪問リハビリやデイケアと契約しなくてもリハビリを受けられるんですね! 介護老人保健施設 サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームが民間事業者が運営している施設であるのに対し、社会福祉法人などの公的な機関が運営しているのが介護老人保健施設です。介護老人保健施設は、身体機能を回復して自宅に戻るのが目的の施設。そのため、リハビリが充実しているのが特徴です。ただ、自宅に戻るのが目的であるため、長期間の入所はできないことがほとんど。身体機能が回復して自宅で生活できる状態であると判断されたら、3~6ヵ月ほどで退所を求められることがあります。 入所期間はけっこう短いんですね。うーん。母の年齢を考えても長期的に入っていられる施設を探しているのですが…。 となると、介護老人保健施設は難しいかもしれませんね。リハビリを提供している施設はサービス付き高齢者向け住宅以外にもありますから、施設探しをする際は各施設の特徴やお母様の状況をふまえた上で、総合的に判断されることをおすすめします。 はい。「とりあえず家の近くの施設で良いや」と思っていましたが、それだけじゃなくて施設のサービスも確認しながら、探していこうと思います。 サ高住でリハビリを受けるには訪問リハビリやデイケアを利用する方法がある 有料老人ホームや介護老人保健施設でもリハビリを受けられる pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before { ...

2024/05/10

#施設入居

高齢者向けシェアハウスってどんなところ?老人ホームとの違いは何ですか?

歳のせいか体力がなくなって一人暮らしが不安になってきました。なので、息子夫婦の家の近くに引っ越そうかと思っているのですが、アパートを借りたくても断られてしまいました。 そんなとき友人から「高齢者向けシェアハウス」というものがあると聞いたのですが、どんなものなのでしょうか?老人ホームとは何が違うんでしょうか、教えてください。 (伊藤さん・79歳) 高齢者向けシェアハウスとは、キッチンなどをほかのご入居者と共有する形の住まいです。入居をご高齢者に限定しているものや、入居に年齢制限のないシェアハウスもあります。高齢者向けシェアハウスは、アパートを借りるよりも生活費を抑えられたり、ご入居者同士の交流があるのがメリット。その一方で、老人ホームとは異なり介護スタッフが常駐していなかったり、ご入居者同士のトラブルが起きやすいのが注意したい点です。 元気なシニア向けの老人ホーム・介護施設を探す 高齢者向けシェアハウスとは? 一人暮らしに不安を感じてきたので、息子夫婦の家の近くに引っ越そうかと思っています。しかし、私の年齢や収入を理由に賃貸アパートを断られてしまいました。そんなとき、友人から「高齢者向けシェアハウス」というものがあると聞いて、とても気になっています。どんなところなんでしょうか? 高齢者向けシェアハウスとは、それぞれが個室を持ちつつもリビングやキッチンなどをほかのご入居者と共有する形の住まいです。高齢者向けシェアハウスの特徴は、バリアフリーになっていたりご高齢者が使いやすい構造になっていることが多いこと。段差がなかったり車椅子でも利用できるトイレになっている物件もあります。 へぇー!使いやすいなら嬉しいですね。 高齢者向けシェアハウスのメリット 高齢者向けシェアハウスについてあまり知られていないので、高齢者向けシェアハウスに入るメリットについてお話ししていきますね。高齢者向けシェアハウスのメリットには以下のようなものがあります。 生活費を節約できる 入居者同士で交流できる 認知症や孤独死を防げることもある 介護サービスを利用できることもある 生活費を節約できる シェアハウスの多くでは、洗濯機や電子レンジといった家電は共用部に用意されています。そのため、一人暮らしでは揃えないといけない家電や家具を買う必要はありません。また、一般的な賃貸物件と異なり、敷金と礼金がないシェアハウスも多いので、初期費用を抑えられます。 初期費用を抑えられるのは助かります。アパートを借りようと思うと出費が大きくて。 それに、シェアハウスなら毎月の生活費も節約できると思いますよ。一般的な賃貸物件では、家賃に共益費が発生し、そのうえ水光熱費が別途かかりますよね。でも、シェアハウスは水光熱費が共益費に含まれていることが多く、トータルの生活費で考えると安くなる傾向があります。 年金暮らしだから、毎月の費用が安くなるのもとても助かります! 入居者同士で交流できる シェアハウスの魅力のひとつは、ほかのご入居者との交流でしょう。それを目的に入居されている方も多くいます。シェアハウスでは、キッチンやダイニング、リビングなどが共有スペースとして設けられており、自由に使えます。共有スペースでほかのご入居者と顔をあわせる機会があり、気軽にコミュニケーションができるのが大きなメリットと言えるでしょう。また、ご高齢者が入居できるシェアハウスのなかには、高齢者専用ではなく年齢制限のないタイプの物件も。若者と同じ屋根の下で暮らすことで、気持ちが若返るかもしれませんよ。 認知症や孤独死を防げることもある シェアハウスに入ると自然と顔をあわせる機会があるので、お互いの異変にも気が付きやすくなります。「会話が噛み合わないことが増えたな」「最近、見かけないけど何かあったのかな」など、ちょっとしたことが認知症などの病気や孤独死を防ぐこともありえるんです。一人暮らしだと認知症の前兆を見逃して気付いたときには症状がかなり進行していたり、室内で倒れて何日も発見されなかったりするリスクがありますが、シェアハウスならそうしたことも防げるかもしれません。 介護サービスを利用できることもある 高齢者向けシェアハウスでは、介護サービスを利用できることもあります。外部の訪問介護やデイサービスを利用することで、介護が必要になってもある程度まではシェアハウスで暮らし続けられるでしょう。ただ、介護が必要な状態でも入居し続けられるかどうかは物件によって大きく異なります。そのため、高齢になってからシェアハウスに入居する場合は、介護が必要になったときのことを事前に管理会社に相談しておくことをおすすめします。 高齢者向けシェアハウスの注意点 ここまで、高齢者向けシェアハウスに入るメリットについてお話ししてきました。ここからは反対に注意しておいていただきたいことについてお話ししますね。 高齢者向けシェアハウスはとても魅力的だと思いますが、やっぱり注意しておいた方が良いこともあるんですね。 はい。具体的には以下のことです。 介護スタッフが常駐していない プライバシーを確保しにくい 入居者同士のトラブルが起こることもある バリアフリーでないこともある 数が少ない 介護スタッフが常駐していない 高齢者向けシェアハウスは、老人ホームではありません。なので、介護スタッフが常駐しているわけではないんです。高齢者向けシェアハウスはあくまで住宅ですから、自分ひとりで身の回りのことができる方が前提です。そのため、日常的なケアや介護は受けられないと考えてください。常に介護が必要な状態だったり認知症だったりすると入居を断られる可能性もあります。 そうですよね。まだまだ自分で身の回りのことはできますが、今後、介護が必要になったら退去しないといけないですよね。 プライバシーを確保しにくい 一人ひとりに個室がありますが、自分の部屋以外は共用スペース。トイレやお風呂といった設備も共有のシェアハウスもあり、落ち着かないと感じる方もいるかもしれません。自室から一歩出たら人がいる、という状態にストレスを感じる方はシェアハウスは難しいでしょう。 入居者同士のトラブルが起こることもある 高齢者向けシェアハウスでは、入居者同士の交流が盛んな一方でトラブルが起こりやすい面もあります。騒音や共用設備の使い方などでほかのご入居者とトラブルになることもあるでしょう。そうしたトラブルがストレスになってしまうリスクがあります。 確かに。反りが合わない人がいる可能性もありますしね。ほかの入居者とおしゃべりできるのは良いけど、トラブルはちょっと困りますね。 バリアフリーではないこともある 先ほど、高齢者向けシェアハウスはバリアフリーになっていることが多い、とお話ししましたが、なかにはバリアフリーになっていない物件もあることには要注意です。というのも、「高齢者向けシェアハウス」としてのルールがなく、バリアフリーも必須ではありません。階段や段差のある物件もありますので、事前によく確認しておきましょう。 数が少ない 高齢者向けシェアハウスの大きな懸念点は、まだまだ数が少ないことです。そのため、引越し先として検討している地域に高齢者向けシェアハウスがない可能性もあります。 えっ、そうなんですね!もし、引越し予定の地域に高齢者向けシェアハウスがなかったらどうしたら良いんでしょうか? 高齢者向けシェアハウスと同じように元気なご高齢者向けの住まいに「サービス付き高齢者向け住宅」というものがあるので、そちらも合わせて探してみてください。 サービス付き高齢者向け住宅…。シェアハウスとは違うんですか? サービス付き高齢者向け住宅とは、ご高齢者向けの賃貸アパートのようなイメージです。居室の中にキッチンやトイレ、洗濯機置場などがあり、一般的な賃貸アパートと同じような設備が整っていることが多いです。また、館内はすべてバリアフリーですし、居室に緊急通報装置が設置されていることがほとんど。安否確認や生活相談サービスも付いているので、安心して生活できます。もし介護が必要になった場合は、外部の介護サービスを利用可能。住宅によっては要介護度が重度になると退去を求められることもありますが、ある程度までは住み続けられるところがほとんどです。 そんな住宅があったんですね。知りませんでした!シェアハウスも楽しそうですが、息子夫婦の家の近くにあるとは限らないので、サービス付き高齢者向け住宅も探してみます。 高齢者向けシェアハウスとは、生活空間をほかの入居者と共有する住まい 生活費を節約できる、入居者との交流があるといったメリットがある 介護スタッフが常駐していない、入居者トラブルが起こることがあるなどのデメリットがある pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: ...

2024/05/09

#認知症 #施設入居 #医療体制

グループホームではインスリン注射に対応してくれますか?認知症がひどくて在宅介護できません!

母の認知症がひどくて在宅介護に限界を感じています。なので、母をグループホームに入れようと思っているのですが、母は糖尿病のインスリン注射を自分で打てません。 今は私が代わりに打っていますが、グループホームに入ったらインスリン注射をどうしたら良いでしょうか?施設で代わりに打ってくれるのでしょうか? (中村さん・パート・64歳) 正直なところ、グループホームでインスリン注射の対応をしている施設はかなり少ないです。というのも、インスリン注射は看護師でないと対応ができないのですが、グループホームでは看護師が常駐しているところがあまりないんです。そのため、インスリン注射を打っている方はグループホームより有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の方がおすすめです。特に、認知症が進行している場合は手厚い介護体制のある介護付き有料老人ホームだとなお安心でしょう。 グループホームでインスリン注射は対応している? 母の認知症がひどくなってきて手に負えないので、老人ホームに入れようかと考えています。何度も同じ質問をしてきたり日が暮れると亡くなった父のことを探して家の中をウロウロしたり…。体は元気なのですが、認知症のせいで声をかけないと一人で何もできなくなってしまったので、何をするにも私が付き添わないといけないのも大変。なので、グループホームという認知症の人向けの施設を友人に勧められたので、グループホームに入れようかなと思っています。ただ、母は糖尿病も持っており、誰かがインスリン注射をしないといけません。グループホームではインスリン注射を施設で打ってくれるんでしょうか? 残念ながら、インスリン注射の対応をしているグループホームはかなり少ないんです。というのも、インスリン注射は看護師でないと打てません。ですが、グループホームには看護師の配置義務がないので、看護師がいないグループホームの方が多いんです。 えっ、そうなんですね! インスリン注射の対応ができるグループホームは、看護師を常駐させているか外部の訪問看護ステーションと連携しているかの2パターン。いずれにしても数は少ないですから、インスリン注射を打っている方がグループホームに入居するのはおすすめできないと言わざるを得ません。 グループホーム以外でインスリン注射に対応している老人ホームは? グループホームでインスリン注射を打ってくれないとなると、母は施設に入れないんでしょうか? いえいえ、ほかの施設であれば、インスリン注射に対応している老人ホームはありますよ!例えば、以下の種類の老人ホームなら、インスリン注射の対応が可能です。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅 この3種類の老人ホームはインスリン注射の対応はできるのですが、施設によってはちょっと対応方法が異なります。詳しくお話ししますね。 介護付き有料老人ホームは常駐看護師で 介護付き有料老人ホームには、少なくとも日中は看護師が常駐しています。そのため、インスリン注射の方の受け入れをしている施設がほとんどです。ただ、介護付き有料老人ホームの看護師の勤務時間は9~18時であることが多く、その時間外に注射が必要だと受け入れを断られてしまうこともあります。そういう場合は、看護師が24時間常駐している施設を選ぶか、医師に相談して注射の時間を変更してもらう必要が出てきます。 住宅型有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅は訪問看護で 住宅型有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅に入ってインスリン注射を看護師に打ってもらう方法は共通です。それは、外部の訪問介護を利用すること。住宅型有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅は、外部の介護サービスを利用できます。そのため、施設自体に看護師が常駐しているわけではないのですが、外部の訪問看護を利用することで、看護師にインスリン注射を打ってもらえるんです。 看護師さんが常駐していなくても、訪問看護を利用すればインスリン注射を打ってもらえるんですね。つまり、認知症だからってグループホームでなくても大丈夫なんですね。 住宅型有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅を探す おっしゃる通りです。ただ、認知症によって常に見守りが必要な状況であれば、介護付き有料老人ホームがおすすめです。なぜなら、住宅型有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅のなかには、介護スタッフが常駐していないことも多く、介護サービスについては外部の訪問介護を利用する形になっています。訪問介護は、必要なタイミングに決まった時間だけ利用できるサービスなので、常に見守りが必要な状態だとケアが足りない可能性があります。 なるほど…。それだと心配です。母は、食事もトイレもお風呂も声をかけないと何もできない状態なので…。 となると、24時間介護スタッフが常駐している介護付き有料老人ホームが良いかもしれません。昼夜問わず介護スタッフが常駐しているので、夜間の見守りや排泄介助なども任せられますよ。 それなら安心です!うちの母は介護付き有料老人ホームの方が合っているような気がしてきました。さっそく探してみます。 インスリン注射の対応するグループホームは少ない 介護付き、住宅型、サ高住ではインスリン注射の対応可能 認知症の症状が進行している場合は介護付きがおすすめ pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before { ...

2024/04/25

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

2021/11/10

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

2021/11/15

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【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

2021/10/28

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