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母(83歳)の老人ホームへの入居を検討する中で、ひとつ悩んでいることがあります。それが、生まれて間もない頃から母が大切に育ててきた愛猫「ココちゃん」のことです。 母にとってココちゃんは家族同然で、離れるとなると母が大きな衝撃を受けてしまうのではないかと心配しています。ペット可の老人ホームに入居できたとしても、母の要介護度が進んだ際にココちゃんのお世話ができなくなったら、ココちゃんはどうなってしまうのでしょう? 施設で引き受けてもらえるのか、預かり・引き取り先を家族が別途用意しする必要があるのか…など、教えてください!(矢島さん・会社員・56歳) お母さまとココちゃんとの長い時間、そしてその絆を大切にされてきたわけですから、老人ホームへの入居によってその絆が絶たれてしまうのは悲しいですよね。ご安心ください、老人ホームに入居した後も一緒に暮らすための道はあります!ペットとともに暮らせる老人ホームは確かに選択肢として増えてきていますが、特に「要介護度が進んだ場合にどうするか」という点はあらかじめ整理しておくことで、母さまもココちゃんも、そしてご家族の皆さまも安心できる暮らしに近づけます。これから、具体的にどんな点を確認していくといいのか、一緒に整理していきましょう。 ペット可の老人ホームにはどんな種類がある? 「ペット可」といっても、どんな施設があるんでしょうか? 具体的にイメージがわかなくて……。 いい質問ですね。実は「ペット可」といっても、その範囲は施設によってまったく違います。大きく分けると、次の3つのタイプがあります。 「完全同居型」:入居者本人がペットと一緒に同じ部屋で暮らせるタイプ 「共有スペース併用型」:施設内にペット専用の部屋やスペースがあり、決まった時間に会えるタイプ 「預かり・連携型」:普段は施設外の動物病院やボランティア団体と連携して、ペットを預かってもらうタイプ このうち「完全同居型」は比較的珍しく、費用も少し高めになります。ですが、愛猫と生活を共にしたい方にはいちばん人気ですね。 施設はペットの世話までしてくれるの? なるほど。では、もし「完全同居型」の施設に入ったとして、母の要介護度が上がって、お世話ができなくなった場合……。施設のスタッフが代わりにお世話してくれるんでしょうか? ここが非常に重要なポイントです。結論から言うと、多くの施設では「基本的にペットの世話は入居者本人または家族が行う」ことになっています。つまり、スタッフが猫のトイレ掃除や食事、通院などを日常的に行ってくれるケースはごくまれなんです。 そうなんですね……。じゃあ、たとえば母が寝たきりになったら、ココちゃんはどうなるんでしょうか? その場合、以下のようにあらかじめ「お世話の引き継ぎ体制」を決めておくことが大切です。 家族が定期的に施設に通ってお世話する 近隣のペットシッターや動物病院に委託する 施設が提携する外部業者に有料で依頼する こうした仕組みを整えておけば、要介護が進行しても安心して同居を続けられます。 「ペット共生型住宅」ではサポート体制が整っている なるほど……。でも母は高齢ですし、私も遠方に住んでいるので、通うのは現実的に難しいかも。そういう場合でも安心して預けられる施設はあるんでしょうか? もちろんあります。最近では、「ペット共生型住宅」や「動物愛護団体と連携したホーム」が注目されています。こうした施設では…・ペットケアスタッフや動物看護師が常駐している・入居者が介護状態になった際、スタッフが一定範囲でお世話を代行する・飼い主が亡くなった後の「終生預かり」制度があるといった体制が整っているところもあります。 終生預かりまで……! そんな施設もあるんですね。それなら、母も安心して入居できそうですね。 はい。猫ちゃんにとってもストレスが少なく、慣れた飼い主と一緒に暮らせる時間が長く保てるのは理想的です。ただし、こうした施設は数が限られているので、早めの情報収集が肝心です。 入居前に確認すべき「3つのチェックポイント」 具体的に、見学するときはどんなところを確認すればいいでしょうか? ペットと一緒に入居を検討する場合、必ず以下の3点をチェックしてください。 ペットの飼育ルール お世話ができなくなったときの対応 もしものとき(入院・死亡時)の取り決め まず、「どんなペットが飼えるのか」という基本的なルールですね。犬や猫の体重に上限を設けていたり、1世帯1匹までといった頭数制限がある施設も多いです。それに、ワクチン接種の証明書や去勢・避妊手術の有無を条件にしているところもあります。 なるほど。単に「ペットOK」と書いてあっても、実際にどんな条件なのかを確認しないといけませんね。 そうなんです。そして次に大事なのが、「もしお母さまが猫のお世話をできなくなったら、どうするか」という点です。多くの施設では、基本的に飼い主さん本人がお世話をする前提になっています。ですから、要介護度が上がって介助が必要になった場合は、家族が通ってお世話を引き継ぐとか、外部のペットシッターや動物病院に委託するなど、あらかじめ体制を整えておく必要があります。施設によっては、提携している動物ケアの業者に有料で代行をお願いできるケースもありますよ。 なるほど。お世話の引き継ぎまで考えておかないと、あとで困ることになるんですね。 その通りです。そしてもう一つ大事なのが、「もしもの時」の取り決めです。たとえばお母さまが入院されたり、万が一亡くなられた場合に、ココちゃんをどうするのか。施設によっては一時的に預かってくれるところもありますが、そうでない場合はあらかじめ引き取り先を指定しておく必要があります。ここを曖昧にしておくと、残されたペットが困ってしまうこともあるんです。 確かに……。いざという時のことまで考えておくのは、ちょっとつらいけれど大事なことですね。 ペットと一緒に暮らせるホームを選ぶうえでは、こうしたルールを事前にきちんと確認しておくことが、トラブルを防ぐいちばんのポイントです。「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、入居前に施設担当者としっかり話をしておきましょう。 「ペットがいるから施設に入れない」と諦めないで 母のように猫を家族のように思っている人は、やっぱり入居に踏み切れないケースも多いですよね。 そうですね。「ペットがいるから施設に入れない」とご相談いただくことは本当に多いです。ですが、最近は“ペットも家族”という価値観が広がり、受け入れ体制が整いつつあります。たとえば、過去にはこんなケースもありました。・猫のトイレ掃除を施設スタッフが有料オプションで代行してくれる・月に数回、動物病院の往診を施設が手配してくれる・ペット仲間同士で助け合いながら暮らすコミュニティがあるつまり、「どうしても無理」ではなく、「どうすれば一緒に暮らせるか」を一緒に考える時代になってきた、ということですね。 そう聞いて少し安心しました!でも、探すのが難しそうですね。 確かに、一般的な施設検索サイトでは「ペット可」と書かれていても、実際には条件付きの場合が多いんです。ですから、専門の入居相談員に相談するのがいちばんの近道です。「いい介護 入居相談室」でも、ペット同伴入居の実績が多いホームをいくつかご紹介していますし、ペットの年齢や性格、お母さまの介護度を踏まえて最適な選択肢を一緒にお探しします。ぜひお気軽にご相談ください! 「ペット可」といっても、世話の範囲や条件は施設ごとに異なる ペット共生型や動物愛護団体と連携した施設なら、安心して暮らせる可能性が高い 専門の入居相談員に相談して、条件を具体的にすり合わせるのがおすすめ pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: ...
2025/11/21
90代前半の母が老人ホームに入居しています。ここ最近、体力の低下が目立ち、「最期のときが近いのかもしれない」と感じることもあります。 病院ではなく、今のホームで看取ってもらうことになるかもしれないと考えると、不安を覚えます。 老人ホームで行われる「看取り介護」とはどのようなものか、また「ターミナルケア」とはどのように違うのか教えてください。 (門松さん・会社員・61歳) ご家族が高齢になると、「もしものとき、どんな最期を迎えるのが良いのか」を考える機会が増えてきますね。特に老人ホームでの看取りについては、「本当に医療的な対応ができるの?」「苦しまずに過ごせるの?」といった不安を抱かれる方がとても多いです。今回は、老人ホームで行われる「看取り介護」と「ターミナルケア」との違い、そして実際のサポート内容について、できるだけ分かりやすくお話ししたいと思います。 「看取り介護」は、“その人らしい最期”を支えるケアです まず「看取り介護」とは、入居者の方が“人生の最終段階”を迎えたときに、延命治療ではなくその人らしい最期を迎えられるよう支える介護のことを指します。老人ホームでは、入居者の体調変化を日々見守る中で「そろそろお身体が最終段階に入ってきた」と判断されると、ご家族・医師・看護師・介護スタッフが話し合い、“どのような最期を迎えたいか”を共有します。そして、その意思に基づいて、穏やかで苦痛の少ない時間をサポートするのが「看取り介護」です。 なるほど。つまり、“命を延ばす治療”ではなく、“穏やかに見送る介護”ということですね。 そうですね。病院では延命治療が前提になることが多いですが、老人ホームの看取り介護は「自然な流れの中で、その方の尊厳を守る」ことを大切にします。例えば、無理な点滴や経管栄養を避け、口から食べられる範囲で好物を口にしてもらう、痛みや不安を和らげるケアを中心に行います。また、体位変換や清拭、口腔ケアなど、身体的な苦痛を少しでも軽減する介助も丁寧に行われます。 「ターミナルケア」との違いは、ケアを行う“場”と“視点” ターミナルケア」という言葉もよく聞きますが、これは「看取り介護」と同じではないんでしょうか? 混同されやすいですが、少し違いがあります。「ターミナルケア」は医療の現場で使われる言葉で、がんの末期など、治療が難しい状態になった患者さんに対して行われる“医療的ケア”を指します。主な目的は、痛みや呼吸困難などの身体的苦痛を軽減し、精神的にも穏やかに過ごせるようにすること。医師や看護師が中心です。一方で、「看取り介護」は、介護施設の現場で行われる生活支援を含んだケアです。医療的な処置は往診医や訪問看護師と連携しながら行いますが、日々寄り添って支えるのは介護スタッフです。つまり、“医療中心のケア”がターミナルケア、“生活に寄り添うケア”が看取り介護と考えると分かりやすいと思います。 なるほど、ターミナルケアは病院的な医療、看取り介護は生活の場での支援なんですね。 実際の「看取り介護」の流れ 実際に、どのような流れで看取り介護が行われるんでしょうか? 施設によって多少の違いはありますが、一般的には次のような流れになります。 体調の変化を確認 医師の診察と「看取り期」の判断 看取り介護の同意とケア方針の決定 日常生活のサポートと苦痛緩和 ご家族への連絡・見守り 看取り後のサポート 体調の変化を確認 まずは、日々の介護やバイタルチェック(体温・血圧・脈拍など)を通じて、わずかな変化を見逃さないことからです。「食欲が落ちてきた」「眠る時間が増えた」「反応がゆっくりになった」――そうした小さなサインをスタッフが敏感にキャッチします。介護職員や看護師は毎日状態を共有し、必要に応じて医師へ早めに報告。「以前と違う」と感じたら、チーム全体で話し合いながら対応していきます。この段階での観察と判断が、穏やかな看取りにつながる大切な第一歩です。 なるほど……。日々の様子を丁寧に見てくれているんですね。そのあと、医師が判断するんですか? 医師の診察と「看取り期」の判断 そうです。往診医が診察を行い、「これからは延命治療よりも安らかに過ごすことを優先したい」という段階に入ったと判断した場合、ご家族と話し合いの場を設けます。このときに大切なのが、ご本人やご家族の思いを共有すること。「苦しませたくない」「自然な形で見送りたい」「痛みだけは取ってほしい」など、さまざまな希望を伺いながら、医師・看護師・介護スタッフが一緒に方針を考えます。ここからが、看取り介護の本格的な始まりです。 家族の希望もきちんと聞いてもらえるんですね。延命をどうするかって、すごく悩ましいところですから。 看取り介護の同意とケア方針の決定 そうですよね。実際に、多くのご家族が一番迷うのがこの段階です。ホームでは、医師・看護師・介護職員が同席して、ケアの具体的な方針を一緒に話し合います。「点滴を続けるか」「酸素吸入を使うか」「痛み止めはどの程度使うか」といった医療的な内容から、「できるだけベッドの位置を窓際にしてほしい」「好きな音楽を流したい」など生活面の要望まで、細かく共有します。書面で同意を交わすこともありますが、それはご本人の最期を“どう生きるか”をチームで確認するためのものなんです。ご家族が納得してケアに臨めるよう、スタッフ全員がサポートします。 医療だけでなく、生活のことも一緒に考えてくれるのはありがたいですね。その後は、具体的なケアが始まるわけですか? 日常生活のサポートと苦痛緩和 はい。看取り期に入っても、「その人らしい日常」をできるだけ大切にします。たとえば、清拭(からだを拭くケア)や口腔ケア、保湿ケアなどを丁寧に行い、清潔で気持ちの良い状態を保ちます。痛みや息苦しさを感じている場合は、姿勢を変えたりクッションを工夫したりして、少しでも楽に過ごせるようにします。また、意識があるうちは、好物を少し口にしてもらったり、好きな音楽をかけたり、スタッフが手を握って声をかけたりと、心のケアにも力を入れています。ご家族がいらっしゃるときには、一緒に思い出話をしたり、静かに寄り添ったり。「その人らしく最期まで生きる」ためのサポートを、チーム全体で行います。 そういうケアをしてもらえるなら、本人も安心できますね。家族としては、最期のときにちゃんと会えるのかも気になります。 ご家族への連絡・見守り そこは多くの方が気にされるところです。容体に変化が見られたときは、24時間体制でご家族へ連絡を入れます。夜中や早朝でも「今、少し状態が変わりました」とすぐに知らせてくれます。最期の時間を家族が一緒に過ごせるよう、スタッフも最大限に配慮します。照明を落として静かな空間をつくったり、宗教的な祈りの時間を設けたりと、ご本人・ご家族・スタッフが心をひとつにして見送る瞬間を大切にしているんです。 最後の時間をきちんと一緒に過ごせるのは、すごくありがたいです。その後のことも、ホームでサポートしてもらえるんでしょうか? もちろんです。ご本人が旅立たれたあとは、スタッフが丁寧にお体を清め、衣服を整え、静かにお別れの準備を進めます。ご家族の心が少しでも落ち着くように、葬儀社への連絡や搬送の段取りをお手伝いすることもあります。長い時間を共に過ごしてきた職員にとっても、「お見送り」は大切な仕事です。涙ぐみながら「今までありがとうございました」と声をかけるスタッフも少なくありません。“最期まで人として寄り添う”――それが看取り介護の本質なんです。 お話を聞いて、すごく安心しました。母が信頼しているスタッフの方々に囲まれて過ごせるなら、それが一番かもしれませんね。 そうですね。病院のような医療的な対応とは少し違いますが、ホームでの看取り介護には“その人らしい穏やかな最期”を実現できる良さがあります。医療と介護が協力し、ご家族と一緒に支えることで、「安心して最期まで過ごせる場所」をつくっていくんです。 看取り介護を行うホームを選ぶ際のポイント ホームによっては、看取りができないところもあるんですよね? はい、その通りです。すべての老人ホームが看取り対応をしているわけではありません。医療体制が整っているホームや、看護師が24時間常駐しているホームは看取り対応が可能なことが多いですが、介護職員だけの施設では難しい場合もあります。「看取り可」を謳っている施設の中でも、良い施設を探すポイントは以下の通りです。 「看取り介護加算」を算定しているか 協力医療機関との連携体制があるか 実際に看取りの実績があるか 正直、母の“最期”をどこで迎えるか考えるのはつらいです。でも、決めておかないといけませんよね。 そうですね。でも、「看取り=悲しいこと」だけではありません。住み慣れた場所で、顔なじみの職員に囲まれて穏やかに過ごす時間をつくることは、ご本人にとってもご家族にとっても大きな意味があります。多くのご家族が、「最後まで自分らしくいられた」「最期の時間を一緒に過ごせてよかった」とおっしゃいます。ですから、今のうちに施設のスタッフや主治医と話し合い、「母がどんな時間を望むのか」を共有しておくことが大切だと、私は思います。 ありがとうございます。少し心が軽くなりました。母が安心して過ごせるように、そして私自身が後悔しないように、ホームの方とよく話し合っていきたいと思います。 看取り介護=「その人らしい最期」を支える生活支援 ターミナルケア=医療中心の終末期ケア 看取り対応ホームを選ぶ際は体制・実績を確認 「どこで」「どう過ごすか」を早めに話し合うことが安心につながる pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; ...
2025/11/07
うちの隣に一人暮らしのおばあさんがいるんです。もう80代半ばくらいで、近所づきあいも長いんですけど、最近は体の動きがかなり不自由になってきて……。 この前、民生委員の方が来て「そろそろ介護が必要かもしれませんね」と話していました。私もできる範囲ではお手伝いしてきましたが、これ以上となると正直、限界です。 おばあさん自身も「施設に入るのも仕方ないかな」と言っているのですが、身寄りがなくて保証人になれる人もいません。そういう場合でも、老人ホームって入れるんでしょうか? (伊藤さん・79歳) とても優しいお付き合いをされていますね。こうしたご相談、実は増えているんです。「身寄りがなく、保証人がいないけれど、施設に入りたい」という方は、年々多くなっています。結論から言うと、「保証人がいなくても入居できる老人ホームはあります」。ただし、その場合は施設側の受け入れ体制や入居契約の仕組みによって、条件が変わります。 元気なシニア向けの老人ホーム・介護施設を探す そもそも、保証人は何のために必要なのか そもそもなんですが、老人ホームへの入居にはなんで保証人が必要なんでしたっけ? 老人ホームが保証人を求める主な理由は、入居者の「生活や契約を支える存在」が必要だからです。例えば、次のような手続きが必要な場合に、入居者の代わりに責任を負ってくれる人がいないと、施設としても担保がなく不安になってしまいます。 入居費や利用料の支払いが滞ったときの連絡先が必要な場合 医療行為や緊急搬送時の同意者が必要な場合 万が一亡くなった場合の遺品整理や退去手続きが必要な場合 ただし、近年は「身元保証人がいなくても入れる仕組み」を整えている施設も増えています。 それは、どんな仕組みですか? たとえば「身元保証代行サービス」や「成年後見制度」を利用する方法があります。最近では、身寄りがない高齢者が安心して施設に入れるよう、民間の保証代行会社が増えました。これらの会社が、契約時や入居中の「緊急連絡先」「医療同意」「死後の手続き」などを引き受ける形です。また、判断能力に不安がある場合には、家庭裁判所を通じて成年後見人をつける方法もあります。後見人が財産管理や契約行為を担うことで、施設側も安心して受け入れやすくなります。 そんな制度があるんですね。でも、おばあさんはお金も多くはなさそうで……。代行会社を頼むと費用がかかりますよね? そうですね。民間の身元保証代行は、契約内容にもよりますが、数十万円単位の費用が発生するのが一般的です。ただし、経済的に難しい場合は、自治体の支援制度や地域包括支援センターに相談してみることをおすすめします。川崎市にも「身寄りのない高齢者支援」や「福祉型成年後見制度利用支援事業」などがあります。対象者であれば、費用の一部を助成してもらえることもあります。 そうなんですね。でも、保証人がいないと嫌がられる施設も多いんじゃないですか? 確かに、以前はそうでした。しかし今は事情が変わりつつあります。 施設側も“柔軟な受け入れ”を始めている 高齢化と単身世帯の増加により、保証人がいないことは珍しくなくなっています。そこで、社会福祉法人系や自治体連携型の施設では、「保証人がいなくても入居可」という方針を打ち出すところが増えています。また、最近は「緊急時連絡先は行政職員でも可」など、柔軟な対応をする施設もあります。実際、私がご案内したケースでも、「民生委員+地域包括支援センターの連携」で入居が決まった方がいましたよ。 なんだか少し安心しました。でも、こういう話をおばあさんにどう切り出せばいいか、迷ってしまいます。 とても大事なポイントですね。おばあさんの“気持ち”を尊重しながら進めることが、何よりも大切です。いきなり「施設に入りましょう」と伝えると、拒否反応を示す方もいます。ですから、まずは「体の負担を減らす方法を一緒に考えませんか?」といったやわらかいアプローチから始めるといいでしょう。そのうえで、「今後の暮らしを安心して続けるために、施設を見てみるのも一つの方法ですよ」と提案してみてください。 “相談の場”をつくることが第一歩 まずは相談の場をつくるのがおすすめです。たとえば地域包括支援センターに「身寄りのない高齢者の施設入居について相談したい」と電話してみてください。担当のケアマネジャーや社会福祉士が、現状を聞きながら必要な支援制度を提案してくれます。そのうえで、私たちいい介護」入居相談室にご相談いただければ、条件に合った施設をご紹介できます。 ありがとうございます。おばあさんのように、家族のいない方が安心して暮らせる場所を見つけられるといいですよね。 本当にそう思います。今の時代、「身寄りがない」「保証人がいない」ことは、もう特別な事情ではありません。だからこそ、施設側も地域も、そうした方々を支える仕組みづくりを進めています。川越さんのように気にかけてくれる方の存在が、入居実現の大きな力になることも多いです。「保証人がいない=入れない」と思い込まず、まずは相談から始めてみてください。それが、おばあさんにとっての“安心への第一歩”になると思いますよ。
2025/10/24
ホームの紹介ページを見ると、「レクリエーションが充実」「毎日イベントを開催」といった言葉が目立ちます。 でも、父はもともと人づきあいが苦手で、旅行やカラオケなどにも積極的ではありません。そんな父でも、入居してやっていけるのか不安です。 レクリエーションって、やっぱり参加しないといけないんでしょうか? レクリエーションが苦手で、静かに過ごしたい――そんな方も少なくありません。20年近く老人ホームの入居相談を受けてきましたが、実は“にぎやかな場が得意ではない”というお悩みはとても多いんです。老人ホームと聞くとイベント中心のイメージがありますが、今は“自分のペース”を大切にできる施設も増えています。今回は、一人の時間を楽しみたい方に合うホームの選び方を、お教えしますね。 レクリエーションは「参加自由」が基本 最近、父の介護が必要になりそうで、老人ホームを調べているんです。でも、どこの施設も「レクリエーションが豊富」「イベントが毎日」と書いてあって……。父は昔から集団行動が苦手で、一人で静かに過ごすのが好きなんです。そういう人でも、やっていけるものなんでしょうか? お父さまのような方、実はとても多いですよ。私が相談を受けてきた中でも、「にぎやかなことは苦手」という方は全体の3〜4割はいます。まず安心していただきたいのは、レクリエーションは基本的に“参加自由”だということ。強制ではありませんし、参加しないからといって職員の対応が変わることもありません。 そうなんですね。なんとなく「みんなでやるもの」という印象があったので……。 そう思われる方が多いんです。ただ、施設によって“自由”の度合いには差があります。たとえば、毎朝10時に体操、午後はカラオケ、夕方は脳トレ――と一日のスケジュールがきっちり決まっているところもあります。そうなると、「今日は休みたい」と言いづらい雰囲気になることもあります。 たしかに、それだと父は疲れてしまいそうです……。 一方で、「その人の体調や気分を尊重する」方針を掲げているホームもあります。職員が「今日は無理なさらなくて大丈夫ですよ」と声をかけてくれるような。つまり、同じ“参加自由”でも、施設の雰囲気次第で“過ごしやすさ”は大きく変わるんです。 参加しなくても孤立しない。いまは“多様な暮らし”を認める時代 でも、みんなが参加している中で自分だけ部屋にいたら、孤立してしまわないですか?父は社交的ではないので、そのあたりも心配です。 そこもよくある不安ですね。でも最近のホームは、“それぞれのペースを尊重する”という考え方が広がっています。たとえばある施設では、午前中に入居者さん同士で集まって体操をしている人もいれば、居室で新聞を読んでいる人もいる。でも、どちらも自然に受け入れられています。 そういう雰囲気なら、父も安心できそうです。 一人でゆっくりできているからといって、職員がほったらかしにしているわけではなく、「今日はお部屋でゆっくりされていましたね」と、ちゃんと見てくれています。無理に誘うよりも、「自分の時間を尊重してくれる」関わりのほうが信頼関係が築けるんです。ただ、最近は“孤立”という言葉の受け止め方も変わってきています。「一人でいる=孤独」ではなく、“一人の時間を楽しむ”という価値観がちゃんと理解されるようになっているんです。読書や音楽、散歩など、自分の時間を上手に過ごす方もたくさんいらっしゃいますよ。 “静かに過ごしたい人”に合うホームとは? 父のような、ひとり時間を好むような人に向いた施設の種類って、どんなものがあるんでしょう? お父さまのように「自分のペースを大切にしたい」方には、「住宅型有料老人ホーム」や「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」が向いています。 名前は聞いたことがありますが、介護が必要でも大丈夫なんでしょうか? 介護が必要なときは、外部の訪問介護を利用するので問題ありません。介護サービスを受けながらも生活リズムは自分で決められる。「朝はゆっくり起きたい」「夜は静かに本を読みたい」――そんな暮らし方がしやすいのが、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の特徴なんです。 老人ホーム見学のコツは、“空気”を感じ取ること どのような雰囲気の老人ホームか……というのは、やはり現地を見学してみないとわからないですかね? そうですね。我々のような老人ホームの入居相談員も知ってはいますが、それを話したとして、“雰囲気”という言葉にしづらいものはやはり、ご自身で見学することが一番です。 では、どのような点に注意して見学すれば良いでしょうか? ホームの雰囲気を知るための施設見学のポイントは以下の3つです。 居室のつくり・設備 職員による声掛け 入居者の表情 まず1つ目は、居室のつくりと設備の確認です。完全個室で、キッチンや冷蔵庫があるタイプなら、自分の時間を保ちやすいです。 確かに、プライベート空間がしっかりしているのは大事ですね。 そうですね。そして2つ目は、職員の声かけです。「今日は皆さんでレクリエーションですよ!」と元気に誘うのか、「お疲れの日は無理されなくていいですよ」と柔らかく声をかけるのか。そんなちょっとした温度感の違いで、施設の文化が見えてきます。 なるほど~。どちらが父に合うか、想像できますね。 そして最後に3つ目は、入居者の表情のチェックです。穏やかに過ごしている人が多いホームは、職員との関係も良好で、自分のペースを守れている証拠です。逆に、みんなが落ち着かない様子だったり、全員が一斉に行動しているような施設は、少し注意したほうがいいかもしれません。 “社交的でなくても介護は受けられる”という安心 父は介護職員さんとも、あまり話したがらないタイプで……。そういう人でも、うまく介護を受けられるものなんでしょうか? はい、大丈夫です。介護は基本的に一対一のケアなので、社交的である必要はありません。入浴、食事、排泄など、すべての介護ケアについて職員が“個別に”対応するのでご安心ください。必要なときだけ関わるという距離感を保てる施設も多いんですよ。 積極的に話したりしないと悪く思われないか、少し気になっていました。 むしろ、無理に話そうとして疲れてしまうより、“自然体で接する”ほうが長く安心して生活できますからね。大切なのは、職員が「この方はこういうタイプ」と理解してくれること。そのためには、入居前の面談でご家族が性格や生活スタイルをきちんと伝えることもポイントですよ。 “静けさ”も大切なサービス。心穏やかに過ごせる環境づくり 北野さんがこれまで見てきた中で、「静かに過ごしたい人に向いている」と感じたホームにはどんな特徴がありますか? 一言でいえば、「静けさを“居心地の良さ”として提供している施設」ですね。たとえば、館内に落ち着いたBGMが流れていて職員の声も控えめとか、共有スペースに観葉植物や小さな図書コーナーがある――そんな施設は、どこか空気がやわらかいんです。 なんだか雰囲気が目に浮かびますね。 そうでしょう?また、レクリエーションも“きっかけ”として扱っているような施設もあります。「今日は庭の花を見に行きませんか?」と軽く声をかける程度で、参加はあくまで本人次第。無理に誘わず、興味があるときだけ顔を出せる――それが理想のバランスだと、個人的には思いますね。 最後に、静かに過ごしたい人に合うホーム探しのコツを教えてください! はい!まずは、インターネットの情報を鵜呑みにしないこと。インターネットサイトに「イベント充実」などと書かれていても、実際は“参加自由”という施設が多いんです。だからこそ、必ず見学に行って、自分の目で“その空気”を確かめてください。そしてもう一つ大事なのが、「こういう暮らしがしたい」と素直に伝えることです。“静かに過ごしたい”という希望はわがままではありません。それは“自分らしい生き方”を大切にする、立派な意思です。私たち「いい介護 入居相談室」では、そうした個性や価値観に合うホーム選びをお手伝いしています。お父さまが心穏やかに、自分らしい時間を過ごせる場所――それが、真の意味での“いい介護”だと私は思います。
2025/10/17
父が末期がんと診断され、余命3ヵ月程度と宣告されました。 一人娘の私は隣県に住んでおり、父は一人暮らし。自宅でもしものことがあっては困るので施設に入所してもらいたくて、調べていたら「ホスピス」というのがあることを知りました。 ホスピスというのは、病院の緩和ケア病棟や老人ホームとも違うのでしょうか?詳しく教えてください!(平良さん・パート・60歳)
2025/10/10
父は昔から好き嫌いが多く、かなり偏食です。たとえば、魚は白身しか食べないとか、肉も脂身は一切食べない、野菜も特定の種類しか口にしない……といった具合です。 これまで母が工夫してなんとか対応してきたのですが、最近母も高齢になり、介護の負担が大きくなってきました。老人ホームへの入居を検討しているのですが、ホームではこうした偏食にどこまで対応してもらえるのでしょうか? 食事が合わなかったら、父が暮らしていけないのではないかと心配です。(川越さん・主婦・60歳) お父さまの食事へのこだわり、とてもよく分かります。実は、入居相談の現場でも“食事”は非常に多くいただくご相談のひとつなんです。老人ホームは『生活の場』なので、食事が合うかどうかは、日々の満足度や心身の健康にも直結します。それでは今日は、老人ホームにおける食事対応について、具体的にお話ししていきましょう。 老人ホームでの食事提供の基本 まず前提として、老人ホームの食事は『多くの入居者に向けて作られるもの』です。そのため、家庭のように一人ひとりの細かい好みに合わせて完全オーダーメイドというわけにはいきません。ただし最近は、「高齢者が食べやすいようなやわらかい食事」「栄養バランスに配慮したメニュー」「季節感を大切にした行事食」など、質を高める取り組みが進んでいるんですよ。 なるほど。となると、“嫌いなものは完全に避ける”というのは難しいんでしょうか? はい、完全に避けるのは難しいケースが多いです。でも、『対応できない』と一概に言えないのが実情で、施設ごとに食事対応にはかなり差があるんですよ。 偏食への対応は施設によって大きく異なる 老人ホームには、食事面に関して大きく分けて「一括調理型(セントラルキッチン方式)」「施設内調理型(施設内の厨房で調理)」という2つの種類があります。 なんとなく聞いたことはありますね。 詳しくご説明すると、こんな感じになります。ご覧いただくとわかると思うのですが、お父さまのように偏食が強い場合は、施設内調理型の施設の方が対応してもらいやすい傾向がありますね。 一括調理型:『大量調理』が基本のため、細かい個別対応が難しい反面、衛生管理やコスト面に優れている。 施設内調理型:『施設内の厨房で調理する』ため、比較的柔軟な対応ができることがある。 具体的な対応例 実際に私が相談を受けたケースをいくつかご紹介しましょう。 ケース1:魚嫌いの方 魚がまったく食べられない方がいましたが、施設が代替として鶏肉や卵料理を提供してくれました。ただし、行事食の“鯛めし”などは難しく、基本はメニューから外す対応のみ。 ケース2:生野菜が苦手な方 サラダを蒸し野菜に変更して対応してもらえたケースがあります。 ケース3:糖尿病の持病がある方 これは“好き嫌い”ではなく“必要な制限”なので、ほとんどの施設が対応します。例えば、減塩食や糖質制限食は標準的に準備されていることが多いです。 こうして聞くと、まったく無理というわけではなさそうですね。 はい。ただし、“どこまで対応してくれるか”は事前に必ず確認が必要です。 事前確認でチェックしたいポイント 食事面について不安がある場合は、施設見学や契約前に以下の3つのポイントを必ずチェックしましょう。1.どこまで食事対応ができるのか2.追加料金が発生するかどうか3.管理栄養士や調理スタッフの体制についてここを押さえておくと、入居後に『こんなはずじゃなかった』というトラブルを防げますよ。 詳しく教えてください! まずひとつ目は、どこまで食事対応ができるのかという点です。たとえば「嫌いな食材だけを除いてもらえるか」とか、「代わりの食材を使ってもらえるのか」といったことですね。らに、「完全に別メニューを用意してくれるのか」というレベルまで対応できる施設もあります。ただ、これは施設によってかなり差があるんです。なので、必ず事前に確認しておきましょう。 なるほど…。うちの父は好き嫌いが激しいので、代替メニューができるかどうかは特に気になります。 そうですよね。そしてふたつ目が、追加料金が発生するかどうかです。個別対応をしてくれる施設でも、それが“標準サービス”なのか“オプション扱い”なのかで大きく変わります。特に、完全に別メニューとなると追加料金がかかるケースが多いので、事前にしっかり確認しておくことが大切です。 追加料金がかかるかどうか、つい見落としてしまいそうですが、後々大きな問題になりそうですね。 そうなんです。そして3つ目は、管理栄養士や調理スタッフの体制についてです。管理栄養士が常駐している施設は、入居者一人ひとりの健康状態や嗜好に合わせたメニューを考えることができます。結果として、食事対応の幅が広がりやすいんですよ。逆に、外部委託で管理しているだけの施設だと、どうしても柔軟性が限られる場合があります。の3つをしっかり確認しておけば、お父さまが安心して食事を楽しめる施設を見つける手がかりになりますよ。 家族ができるサポート お父さまが新しい環境に慣れるまでは、家族のサポートも重要です。たとえば、最初のうちは好物を差し入れしてあげることもできますし、施設と連携して“食べられるメニュー”を一緒に考えるのも有効です。 なるほど。家族が協力することで、本人も安心できそうですね。 お父さまが安心して暮らすためには、食事対応の可否を事前にしっかり確認することが一番重要です。見学時に言いにくいことがあったりしても、遠慮せずに質問してみてください。そのやり取りで、施設側の柔軟性や誠意も見えてきます。 ありがとうございます!とても参考になりました。父が安心して暮らせるホームを探すために、見学時にしっかり確認してみます。」 それが一番です。食事は生活の楽しみのひとつですからね。ぜひ納得いく施設を見つけてください。
2025/09/26
母が入居する老人ホームを探しているところです。いくつか候補があり、その中の施設で体験入居を申し込もうと考えています。ただ、母は認知症があるため、自分で施設の雰囲気やサービスの良し悪しを判断できるか心配です。私自身も一緒に体験入居に参加して、母の様子を見守りながら一緒に決めていきたいのですが、そういったことは可能でしょうか。また、体験入居の期間中、母をどのように支えてあげればよいかも知りたいです。(川越さん・主婦・60歳) 体験入居は、実際の暮らしを体験できるとても大切な機会です。特に認知症の方の場合は、ご本人の言葉や表情だけで施設を評価することが難しいため、娘さんが一緒にサポートされるのはとても良いことです。今回は、次の2点について中心にお話していきましょう。娘さんが一緒に体験入居できるかどうか認知症の方が体験入居する際のサポートのポイント 家族も一緒に体験入居できる? まず、娘である川越さんが一緒に宿泊できるかどうかですが、これは施設によって対応が異なります。多くの老人ホームでは“同伴宿泊”という形で家族も一緒に泊まれるケースがあります。ただし、施設によっては感染症対策や安全面から、家族の宿泊は不可としているところもあります。ですので、事前に必ず確認しましょう。もし同伴宿泊ができない場合でも、日中は一緒に過ごせる施設がほとんどです。お母さまの生活を近くで見守りながら、スタッフの対応や入居者の雰囲気をしっかり確認することができます。 同伴できる場合とできない場合、どちらにもメリットがあるんですね。 そうですね。同伴できると、お母さまも安心されますし、娘さんも実際の生活を肌で感じられるというメリットがあります。一方で、同伴しないことで、お母さまが“入居後のリアルな生活”を経験できるという側面もあります。娘さんが常に隣にいると、お母さまが本当は困っているのに気付けなかったり、施設スタッフがサポートしてくれる様子をしっかり確認できなかったりすることもあります。ですから、最終判断はお母さまの性格や認知症の進行度、娘さんの不安感などを踏まえて決めると良いでしょう。 認知症の方が体験入居する際の準備と注意点 体験入居がスムーズに進むかどうかは、事前準備にかかっています。認知症の方の場合は特に、初めての場所に行くと強い不安を感じることが多いので、次の点に気を付けて準備しましょう。 普段使っているものを持参する 生活の流れを事前に伝える 本人への説明はわかりやすく、簡潔に 普段使っているものを持って行ってもいいんですね。 もちろんです!お母さまが普段使っている毛布やお気に入りのカップ、家族写真など、“見慣れたもの”があると気持ちが落ち着きやすくなるんですよ。 なるほど。自宅にあるものを持っていくと安心できるんですね。 そうなんです。2つ目は、お母さまの日々の生活リズムを施設に伝えておくことです。たとえば、起床・就寝の時間や服薬のタイミング、好きな食べ物や苦手な食べ物などをメモにしてスタッフへ渡すと、とても助かります。 細かい情報まで伝えていいんですね。 そうすることで施設側もスムーズに対応できますからね。そして3つ目が、お母さまへの説明の仕方です。認知症の方にとって“老人ホーム”という言葉は不安を呼びやすいことがあるんです。ですから、わかりやすく簡潔な言葉で、安心できる表現を心がけましょう。たとえば『ちょっと旅行に行くのよ』『お泊まりしてみようか』といった言い方で十分です。 そうなんですね。正直に全部説明しなきゃいけないと思っていました。 無理に全部を伝えなくても大丈夫ですよ。お母さまが不安にならず、安心して過ごせることが一番大切ですから。 体験入居中に家族ができるサポート 体験入居中、川越さんに意識していただきたいポイントは大きく4つあります。 見守る距離感を大切に スタッフの声かけや対応を観察する 施設全体の雰囲気を確認する 施設スタッフに積極的に質問する 見守る距離感を大切に まず1つ目は、“見守る距離感を大切にすること”です。お母さまが困っていると、つい助けたくなるお気持ちはよくわかります。でも、まずは施設スタッフに任せてみてください。 すぐに声をかけたくなってしまいそうですが……。 そうですよね。でも、娘さんが常に手を貸してしまうと、施設スタッフがどのように対応するのか見えなくなりますし、お母さまが本当に困っていることも把握しづらくなるんです。必要なときだけ、そっとサポートする。その距離感を意識することが大切ですよ。 なるほど……、スタッフの力量を見極める意味でも、ぐっとこらえて見守ることが大事なんですね。 スタッフの声かけや対応を観察する 2つ目は、スタッフがどんな声かけや対応をしているか観察することです。 具体的にはどんなところを見ればいいのでしょうか? たとえば、表情や言葉遣いは適切かどうか。お母さまだけでなく、他の入居者への接し方もポイントです。特に認知症ケアでは、“言葉以外の対応”がとても重要なんですよ。 言葉以外……ですか? はい。笑顔やアイコンタクト、やさしい仕草などですね。そうした部分をじっくり見ていると、その施設のケアの質がよくわかるんです。 施設全体の雰囲気を確認する 3つ目は、施設全体の雰囲気を見ることです。お母さまのことだけでなく、施設全体が安心できる環境かどうかをチェックしましょう。 具体的にはどんな点を見ればいいですか? たとえば、入居者同士が穏やかに過ごしているか、共有スペースが清潔に保たれているか、そして食事は美味しそうかどうか。こうしたことは実際に現場を見て初めてわかることですから、しっかり確認してください。 施設スタッフに積極的に質問する そして最後、4つ目は積極的に質問することです。疑問や不安はその場で解消しておきましょう。 たとえば、どんな質問をすればいいでしょう? 『夜間はどんな体制ですか?』『急変時にはどんな対応をしてもらえますか?』などですね。さらに、お母さまの性格や普段の様子を伝えながら、『こういうときはどう対応していただけますか?』と具体的に聞くと、よりリアルな回答が得られます。 それなら施設が実際にどう対応してくれるのかがよくわかりそうですね。 ええ。体験入居は、施設側とのコミュニケーションを深める絶好の機会ですから、遠慮せずに質問してみてください。 体験入居後の振り返りと判断のポイント そして、体験入居が終わったあとは“振り返り”がとても大切です。次の3つの視点で整理してみましょう。 お母さまの様子 スタッフとの関係性 施設全体の印象 お母さまの様子 まずはお母さまの様子です。笑顔が見られたか、不安そうだったか、落ち着いて眠れていたかなどをよく思い出してみてください。認知症の方は言葉で自分の気持ちを伝えるのが難しいことが多いので、表情や行動をしっかり観察することがポイントです。 母がどう感じていたのか、しっかり見てあげることが大切なんですね。 スタッフとの関係性 次にスタッフとの関係性です。娘さんご自身が、安心して任せられると感じられたか、信頼できる対応だったかどうかを振り返ってみましょう。 母とスタッフ、そして私自身の安心感も大切なんですね。 施設全体の印象 最後は施設全体の印象です。設備が清潔に保たれていたか、食事の内容はどうだったか、入居者同士の雰囲気は良かったか……こうした点をトータルで見て判断しましょう。 なるほど、母だけじゃなくて、施設全体を広い視点で見て判断するんですね。 はい。お母さまが安心して暮らせるか、娘さんが納得して預けられるか、その両方を満たすことが大切です。 体験入居を成功させるために 認知症のお母さまの体験入居は、娘さんにとっても大きな挑戦です。しかし、準備と観察をしっかり行えば、お母さまに合った施設を見極めることができます。最も大切なのは、「家族として安心して任せられると感じるかどうか」です。体験入居で得た感覚を信じて、後悔のない選択をしてくださいね。
2025/09/12
84歳で一人暮らしをしている母がアルツハイマー型認知症で、要介護1と認定されています。そんな母のために老人ホームを探しているのですが、「施設に入ると認知症が進む」という話を耳にしました。本当なのでしょうか? もしこれは本当だったり、可能性はあるというようなら、施設入居も考え直さないと…と思っています。(山川さん・主婦・60歳) 誰がそんなことを言ってるんですかね(苦笑)。結論から申し上げると、「施設に入ったら認知症が進む」というのは誤解です。確かに認知症は、病気の特性として徐々に進行するものですが、そのスピードや表れ方は人によってまったく異なります。そして、進行の度合いには「生活環境」「人との関わり」「心身の安心感」などが大きく関係しているんです。では、認知症についてのご説明と、認知症の方が老人ホームでどんな過ごし方をされるか、詳しくご説明していきますね。 認知症の進行に関わる要因とは 認知症の進行に関わってくる要因というのは、概ね次の4つと言われているんです。 生活リズムの乱れ 社会的交流の減少 安心・安全の損失 医療・介護サポートの欠如 生活リズムなんかは、老人ホームの方がよっぽど整っているように思いますけどね。 おっしゃる通りですよ。このポイントだけ見ても、「老人ホームに入ると認知症が進行する」なんていうのが事実無根だとおわかりいただけますよね。一人暮らしだと、昼夜逆転してしまったり食事の時間が不規則になったりすることがありますよね。こうした不安定な生活は体調に負担をかけ、結果的に認知症の進行を早めてしまうこともあるんです。逆に施設に入れば、食事や就寝の時間が整い、規則正しい生活が送れるので、体調が安定する方が多いんです。 次の「社会的交流」も、老人ホームでスタッフさんや他の入居者さんと触れ合ったり、イベントなんかもしてくれてたら、それでOKって感じですね。 もうおっしゃる通りです(笑)!認知症の方にとって、人と会話したり触れ合ったりすることは、とても良い脳への刺激になるんです。でも一人暮らしだと、日によって誰とも話さないまま終わってしまうこともありますよね。老人ホームではスタッフや他の入居者と自然に関わる時間が増えるので、それが認知機能の維持につながるケースも多いんです。 母も最近は会話の機会が減ってきていて心配だったんですが、老人ホームの方がより安心ですね。 それから 安心・安全 の面も大きいです。自宅だと「もし転んだらどうしよう」「火の元が心配」など、常に不安がつきまといます。こうした不安はストレスとなって、心身に悪影響を及ぼすことがあります。老人ホームなら安全面がしっかり整っているので、その分気持ちが落ち着きやすいんです。 安心して過ごせるって、とても大事ですよね。 最後に 医療・介護のサポート です。例えば、自宅ではお薬を飲み忘れてしまうこともありますが、施設ならスタッフがきちんと管理してくれるので安心ですし、日々の健康チェックもこまめにしてもらえます。これらは認知症の症状の安定につながる大切な要素です。 なるほど…生活リズム、交流、安全、介護・医療支援、全部つながっているんですね。 そうなんです。認知症は「環境次第で大きく変わる」ということを、まずは知っていただけて良かったです。 認知症の方に合う施設の選び方 ありがとうございます、少し安心しました。でも、じゃあ母にとってどんな施設が良いのか?と考えると、まだイメージができないですね…。 そうですよね。では、認知症の方に合った施設を選ぶうえで大切なポイントをお伝えしますね。 認知症ケアの体制の充実度 医療連携の有無 生活の雰囲気や自由度 まずは 認知症ケアの体制の充実度です。スタッフが認知症について専門的な研修を受けているかどうか、そして日常生活でどのように対応してくれるのかを確認してみてください。たとえば、急に不安になったときの声かけや、物忘れがあったときの接し方など、細かい部分で大きな差が出ます。 なるほど。表面的なサービスだけじゃなく、スタッフの理解や対応力が重要なんですね。 そうなんです。そして次に大切なのは「医療との連携」です。認知症は進行に伴って合併症が起こることも少なくありません。だからこそ、近隣の病院ときちんと連携しているか、あるいは施設内に看護師が常駐しているかどうかを確認すると安心ですよ。 確かに、医療面のサポートがあるかどうかは心強いですね。 そして3つ目は「生活の雰囲気や自由度」です。実は認知症の方というのは環境の変化に敏感なんです。ですから、施設が家庭的で落ち着いた雰囲気かどうか、レクリエーションや会話の場がちゃんと用意されているかを見学時に感じ取るのが大事ですね。入居者同士が穏やかに過ごしているか、スタッフが自然に声をかけているかといった点もチェックするといいですよ。 認知症の方のための施設の種類と特徴 いろいろわかってきました!その上で、母はどんな施設に入るのが良さそうでしょうか?施設にはいろいろな種類があると聞きますが。 老人ホームの種類はたくさんあって、種類ごとの違いを理解するのも難しいですよね。では、認知症の方が安心して過ごせる老人ホームを以下に挙げてみますね。 グループホーム 介護付き有料老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) まずは グループホーム です。ご存知かもしれませんが、認知症の方だけが入居する、特化型の施設です。認知症の方が5〜9人程度で共同生活を送る、小規模な施設なんです。家庭的な雰囲気のなかで少人数制のケアが受けられるので、認知症の方にはとても向いているといえます。 少人数で過ごせると、母も安心できそうですね。 次に 介護付き有料老人ホーム。ここは介護職員が24時間常駐していて、生活全般をサポートしてくれる施設です。ただし、施設によって認知症対応の手厚さがかなり違うので、必ず確認が必要ですよ。 「介護付き」といっても、一律ではないんですね。では、サービス付き高齢者向け住宅は…。 こちらはある程度自立している方向けで、必要に応じて外部サービスを利用するスタイルになります。認知症が軽度の段階なら選択肢に入りますが、要介護が進んでくると対応が難しい場合もありますね。 母は要介護1ですから、ぎりぎり対象になるくらいですかね。 そうですね。今回は、お母さまが要介護1という状況を考えると、まずはグループホームか介護付き有料老人ホームを優先的に検討されるのが現実的だと思いますよ。 「施設に入ると認知症が進む」とは一概には言えない 認知症ケアに強い施設を選ぶことが重要 グループホームや介護付き有料老人ホームが現実的な候補 pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: ...
2025/08/29
父が老人ホームに入居することになりました。遠距離介護が大変だったのでそれはそれでホッとしたのですが、また新たな問題が…。それが、実家の処遇問題です 私には弟が1人いるのですが、私も弟も世帯を持って独立してすでに自宅は購入済みで、一人暮らしだった父の自宅…つまり私たちにとっての実家は空き家になってしまいます。 壊したり売ったりしてしまうのは忍びない、けどそのままにしておいても維持管理費がかかるばかり…と思うと途方に暮れてしまいます。また、弟と軽く話してみた感じ、どうするか?の意見も食い違いそうな予感がしていて、今後のことを考えると憂鬱で…。(加島さん・会社員・53歳) 空き家問題ですね。加島さんだけでなく社会的にも問題になっているので、しっかりご説明していきますね。また、ご兄弟との関係性や異なる考え方のすり合わせ方なども含めて、一緒に解決していきましょう! 空き家問題の現状 少子高齢化を伴う人口減少によって、空き家問題は加島家だけでなく社会的にも問題になっているんですよ。このグラフを見てみてください 出典:「令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)結果」(総務省) すごい…右肩上がりで増えてるんですね。で、うちの実家もこの中に入る可能性があるわけですね。 そうですね。空き家数は900万戸と過去最多で、2018年からは51万戸も増加しています。空き家率も13.8%と過去最高。賃貸・売却用や、別荘などの二次的住宅を除く空き家が37万戸も増加しているんです。で、どうして空き家が発生してしまうのか、その原因の半数以上が「相続」となっていて、それまで住んでいた人が亡くなったり、また介護施設に入ったりすることで空き家になってしまう、というのが現状なんです。 出典:令和元年空き家所有者実態調査(国土交通省) まさにうちと同じだ…。 空き家が適切に管理されず長期間放置されると、老朽化が進んで、地域の「問題」を引き起こす原因になってしまうんです。また他にも、野良猫が住み着いておしっこやウンチの臭いがキツいとか、ポイ捨てのメッカになっちゃってるとか、道路が枯れ葉だらけで雨の日に滑って危ないとか、最悪のケースですと、犯罪に使われるケースだって起こり得ますからね。 これは避けたいですね…。でも実際問題、どうすれば適切に管理できるのかわからなくて困っているんです。 では、どうすれば良いか、一緒に考えていきましょう! 「空き家をどうする?」の合意を取ることが先決 まずは、空き家状態を解消するための“方向性”について考えていきましょう。ご兄弟で意見が割れそうとおっしゃっていましたが、それぞれは、次のうちどのようにお考えなんでしょうか? 土地も建物もいらない 土地は残したいが建物は解体したい 土地も建物も残したい 弟も私も「3」で考えが一致してはいるんです。リフォームして賃貸に出して、家賃収入を得ようという考えですね。ただ、それをどのように分配していくか、というところで食い違いそうなんですよね…。 なるほど…そもそもなのですが、賃貸にに出して分配、という考え方は止めた方が良いと思いますよ。 どうしてですか? 不動産を共有した上で賃貸を行う場合、原則として共有者全員の同意が必要となるからです。何か問題が起こったときに、都度、それぞれの意見をすり合わせるというのも難儀な話ですよね。また、時間の経過とともに関係者が増えていくので、合意形成がどんどん難しくなっていく、というデメリットもあるんです。 うわ~、想像するだけで面倒くさそうです(汗)。でも、どちらかだけが家賃収入を得るとなると、すごく不公平ですよね。 その不公平感が生じないように、例えば加島さんが不動産を相続して、弟さんは現金や保険金、株券を相続するなど、相続するものの種類をわける、といった方法が良ですね。とにかく、権利関係を単純化することで、相続財産の管理や処分を簡素化することが大事になります。 空き家を賃貸に出す際に検討したい「空き家バンク」 もう少し問題、というか不安があって。例えば賃貸に出すにしても、古い家ですし、そうそう借り手がつくのかな…と。 不動産業者に依頼する、というのが一般的ではありますが、けっこうな手数料がかかるなど、一定の費用は必要になってきますよね。ただ昨今では、「空き家バンク」という制度があって、これを活用する方も増えているようですよ。ご存知ですか?「空き家バンク」。 なんとなく耳にしたことがある、という程度ですね。具体的に教えてください! 空き家バンクというのは、「空き家の所有者」と「空き家を買いたい人・空き家に住みたい人」とをつなぐ、空き家のマッチングサイトのことです。国土交通省の調べによると、2022年6月時点で約7割の自治体が導入しているそうです。全国の自治体の空き家バンクの情報を集約し、閲覧しやすくした「全国版空き家バンク」というサービスを民間企業が運営しているので、ぜひ覗いてみてください。 解体費用には補助金が出る自治体も多い ちなみに…解体したり、はたまた売却したりとなると、また結構な費用がかかってきてしまいますよね…? それは、更地に戻した上で土地を売却する、ということになりますかね?だとすると、確かに費用はかかりますが、これも昨今では課題解決の一環として以下のような補助金を出している自治体が多くあります。 老朽危険家屋解体撤去補助金 都市景観形成地域老朽空き家解体事業補助金 建て替え建設費補助金 空き家を解体費用は、建物の構造や建坪等によって異なるものの、100~200万円程度かかることが多く、空き家の解体を躊躇する人も多いです。ですが、自治体から空き家解体にかかる補助金の支給を受けられる場合があるので、これは上手に活用したいところですね。補助金制度は自治体によって名称や審査条件が異なるので、各自治体のHPで確認してみてくださいね。 ありがとうございます! ちなみに…ですが、もし売却をご検討のようであれば、「いい介護」の姉妹サービスである「いい不動産」の活用もご検討ください!不動産を売却するにあたって、納得の価格で売却できるまで専門のコンシェルジェがとことんサポートいたします!…という営業トークで〆させていただきました(笑)。 空き家のまま残しておくのはリスクが高い 相続する不動産は、権利関係を単純化するのがポイント 空き家をどうする?の方向性について関係者間で合意を取ろう pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; ...
2025/08/15
兄弟間で介護費用の分担について意見が割れており、相談させてください。 父の要介護認定を申請中で、要介護2と認められそうです。早くに母を亡くしているため父は一人暮らしで、少し認知症の症状が出始めていることもあって、老人ホームに入居してもらおうと考えているのですが、いかんせん父に貯金などの財産がほとんどなく、父自身のお金では老人ホームに入居できなさそうです。 そこで、子どもである私たち兄弟が負担したいと考えているのですが、弟が賛同してくれず困っています。(柳田さん・会社員・53歳) 親の介護費用を誰が負担するのか?というのは、介護が必要になったご家族が必ず通る道、と言っても過言ではないくらい一般的な問題です。ご心配なく。負担とは何を指すのか?兄弟間で話し合うべき議題は何なのか?などなど、ひとつひとつ紐解いていきましょう。 費用も含めて、介護の負担は「兄弟で平等に」が基本 兄弟間のやり取りとしては、現状はどこで問題が発生しているのでしょう? 費用面の負担、ですね。入居金がいらない施設もあるとわかったので入居できることはできると思うんです。でも、父は年金生活者なので月々の支払いが本人には難しそうで、「だったら兄弟で少しずつでも負担していこう」と話しているんですが、首を縦に振ってくれず…。 やはりお金の話、ですね。まず大前提として、民法第877条によって「親の介護における扶養義務は子ども全員にある」と定められていることを理解してもらう必要がありそうですね。 そうなんですね。それは“平等に”ということなんでしょうか? そうですね。基本的な考え方としては「平等に」ということになります。ただし、そもそもこの義務には強制力はなく、介護者の経済的・生活的な余裕がある場合だけ、その余裕の範囲内で発生するものなんです。 それぞれの家計事情に合わせて…ということなんですね。 その通りです。ただ、自己申告では信憑性に欠けますし、一方で家族とはいえお互い正確に家計事情を共有するのもためらわれますよね。それでも白黒はっきりつけたい、というようであれば家庭裁判所に判断を仰ぐ、という手段もあるのですが…。 兄弟間で裁判所というのもなんだか…という感じですね(汗)。 ですから大事なのは、「事前にきちんと話し合う」ということなんです。話し合いを進めるうちに腹が立ったりすることもあるでしょう。でも、怒気を含んだ話し合いでは関係性が悪くなってしまいます。兄弟だとなおさら、感情が前面に出てしまうこともあり得ますしね。あくまで冷静に、落ち着いて話し合いに臨むようにしましょう。 「誰が、何を負担するのか」きちんと話し合いましょう でも、話し合いといっても、どんなことを、どのように進めれば良いんでしょうか? 兄弟間で話し合いたいのは、以下のようなことです。 それぞれの“できること”“できないこと”を整理する 主たる介護者を決める 主たる介護者以外の兄弟姉弟の役割を決めておく 金銭的負担の分担を決めておく それぞれの“できること”“できないこと”を整理する 順番にご説明していきますね。まずは、「それぞれの“できること”“できないこと”を整理する」。たとえ「兄弟が平等に」という前提があったとしても、すべてを平等に負担するのは現実的ではありません。「お金は出せるけど日々の介護には協力できない」という方もいらっしゃるでしょうし、その逆も然り。だったら、それらを補完するような形で協力体制を築けば良いよね、ということです。 うちの場合、弟はお金の負担が厳しいということであれば、そのほかでできることはないか?を確認する、ということですね。 主たる介護者を決める 次に「主たる介護者を決める」です。親の介護では、“主介護者”という言葉がしばしば出てきます。これは、その言葉の通りリーダーとして親の介護を担っていく人のことです。 それは私、ということになりそうです。 リーダーとはいえ、自分勝手に物事を進めないことが大事です。弟さんの意見もちゃんと聞いて、しっかり話し合った上で決めていきましょう。 普段、弟とはあまりコミュニケーションを取ったりしないのですが、これからは、何かあったらすぐに相談できるような関係を保っておきます。 すごく大切なことです!ぜひそうしてください! 主たる介護者以外の兄弟姉弟の役割を決めておく 次に、「主たる介護者以外の兄弟姉弟の役割を決めておく」です。もちろんですが、リーダーだけに介護の負担を押し付けるのが良いわけではありません。主介護者の方の介護負担が重くなり過ぎないように、それ以外の方にも役割を割り当てて、担っていただくようにしましょう。 経済的な負担が難しいというなら、定期的に面会に行ったり、介護施設とのやり取りの窓口になってもらう…とかでしょうか。 いいですね!やはり大事なのは、兄弟のうちのどちらかだけに負担が偏らないことなので、そのように分担していけると良いですね。 金銭的負担の分担を決めておく とはいえですね、金銭的な負担のすべてを柳田さんが背負うというのも大変でしょう。そこで、話し合っておきたいことの最後が「金銭的負担の分担を決めておく」です。 確かに…老人ホームの月額費用を支払うのは、父の年金を差し引いたとしても結構な負担になりますよね。弟には、5,000円でも1万円でも良いので、少しでも負担して欲しいというのは正直な気持ちです。 何度も繰り返しになってしまいますが、お金のことになると途端に感情がヒートアップしてしまうことも多いですからね。だからこそ、普段から弟さんとコミュニケーションを取って、相談しやすい関係性を築いておくと良いですね。 おっしゃる通りですね!そうします! 老人ホームの入居資金、基本は本人の財産で 介護は終わりが見えないのが難しい点で、いつまで費用負担が続くのかわからないのは、柳田さんも弟さんも不安になってしまいますよね。だからこそ、介護の費用については「本人の財産で支払う」を基本的な考え方として欲しいのです。 でも、うちの父にはほとんど財産がないんですよね…。 柳田さんのようなご事情の方も、昨今は非常に多いです。では、そういった方々のすべてのケースで子どもが費用負担を強いられているかというと、そうではありません。なぜなら、財産が少ない方でも入居が可能な、いわゆる“安い老人ホーム”も増えているからです。昨今では入居時費用が0円という施設も多く選択肢が増えていますし、月額の利用料も低額な施設が増えてきています。「いい介護」にご相談いただければ、ご希望の価格帯で入居・生活できる老人ホームをご紹介できますので… わかりました!まずは父の財産を把握して、その上で弟ともう一度、きちんと話し合ってみます! そうしてください(笑)。 兄弟間でしっかり話し合おう 介護における“役割”を分担しよう 費用負担の少ない老人ホーム探しも一手 pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before ...
2025/08/01
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。