神戸市の高齢者支援の取り組み
神戸市では、高齢者や介護をしている人を支援する取り組みをしています。その取り組みの一部を紹介します。
- 敬老優待乗車証(敬老パス)
- 後期高齢者75歳歯科健診
- 認知症神戸モデル
- 生活支援ショートステイ
敬老優待乗車証(敬老パス)
高齢者の外出を支援するため、神戸市では「敬老パス」というICカードを交付しています。敬老パスを使うことで市内の公共交通機関の一部を優待料金で利用できます。
敬老パスの交付を受けられるのは70歳以上の方。市バスや市営地下鉄など複数の交通機関が対象となります。
70歳になる前に市から申請書が郵送されます。申請書を郵送または電子申請すると、市から簡易書留にて敬老パスが送られてきます。
この敬老パスの有効期限は最大10年間。有効期限が近づくと市から更新に必要な書類が郵送されるので、書類に必要事項を記入して返送するか電子申請することで新しい敬老パスが送られます。
参考:「敬老優待乗車証(敬老パス)」(神戸市)
後期高齢者75歳歯科健診
神戸市では75歳以上の後期高齢者のうち、一部の方を対象に歯科検診を無料で受けられるクーポンを交付しています。対象者にはクーポンが郵送され、指定の歯科医院にて検診を受けられます。
この検診では歯の状態だけではなく、滑舌や飲み込む力、噛む力などの口全体の健康状態をチェックしてもらえます。
参考:「後期高齢者75歳歯科健診(オーラルフレイルチェック)」(神戸市)
認知症神戸モデル
認知症の早期受診を推進するための「診断助成制度」、認知症の方が事故にあったときに支援するための「事故救済制度」を合わせたのが「神戸モデル」です。
診断助成制度では、認知症の疑いの有無を判断する「認知機能検診」と認知症の種類などの詳細を調べる「認知機能精密検査」が無料で受けられます。認知機能検診で認知症の疑いがあった場合に、認知機能精密検査を受ける流れです。
事故救済制度では、認知症の診断を受けて事前登録をしていた方が事故で損害賠償責任を負った場合に、最大2億円を支給します。また、認知症の方が起こした事故に巻き込まれた市民には見舞金として最大3000万円が支給されます。
参考:「認知症神戸モデル特設サイト」(神戸市)
生活支援ショートステイ
生活支援ショートステイとは、65歳以上で要介護認定の自立・要支援1・要支援2の方が介護施設などに短期入所できる制度です。入所中は健康管理や食事、入浴、相談援助などをしてもらえます。
利用できる期間は、半年につき7日間以内。費用は1日2250円です。
申込みする際は、地域包括支援センター(あんしんすこやかセンター)に相談し、申請書の提出が必要です。
参考:「生活支援ショートステイ」(神戸市)
神戸市の老人ホーム事情
神戸市には、2024年3月時点で公的な老人ホームである特別養護老人ホームが125施設あり、定員の合計が7595人となっています。2022年に神戸市がおこなったアンケートによると、回答した特別養護老人ホーム67施設の入所待機者数の合計4481人。1施設あたりの入所待機者は72.3人でした。
特別養護老人ホームの入所順は申込み順ではなく緊急度順。身体状況や家庭状況をふまえて、総合的に判断されます。そのため、入所待機者を全員待たなければいけないわけではありませんが、特別養護老人ホームは人気があるので待機期間が長い傾向があります。
もし、急いで入居先を見つけたい場合は、特別養護老人ホームだけではなく民間の老人ホームも検討してみましょう。民間老人ホームの方が待機期間が短いケースが多いため、早く入居したい場合におすすめです。
民間老人ホームには、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などがあります。施設ごとにサービスが異なるので事前に確認しておきましょう。
参考:「特別養護老人ホーム」(神戸市)
参考:「介護保険施設実態調査 調査結果」(神戸市)