介護保険サービスを受けるにあたり、ケアマネジャーは自身や家族にとって、なくてはならない存在です。しかしながら、ケアマネジャーとの相性や、その人の知識や能力の問題により、ケアマネジャーを変更したくなるケースも出てくるでしょう。
今回は、そのような時に、おさえておきたいポイントを紹介します。
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ケアマネジャーは、介護保険サービスを利用する際に、ケアプランを作成してくれたり、各施設との調整などをおこなってくれますが、前提として、担当は固定されているわけではなく、利用者の希望があればいつでも変更することが可能です。
また、変更にあたって何か特別な理由が必要ということもなく、手続きには費用も発生しません。変更してもらいたい理由は人それぞれかもしれませんが、理由などは気にすることなく、担当変更の手続きを進めることができます。
もし今のケアマネジャーとのやりとりにストレスを感じているようなことがあれば、遠慮せずにすぐに変更を検討しましょう。
介護保険サービスを受けるにあたって大切なパートナーとなるケアマネジャーですが、状況によっては変更した方が良い場合もあります。そのようなケースの代表的な例が以下の7つです。
ケアマネジャーの資格をとるためには、介護福祉士や社会福祉士、もしくは医師や看護婦、保健士などの資格を持ち、かつ指定業務を5年以上900日以上経験しているなどの条件が必要になります。そのため、ケアマネジャーも人により得意分野が異なります。
例えば、もし病気や身体のことについて不安がある場合に、医療関係の経験が不足しているケアマネジャーは少し頼りなく感じてしまうことがあるかもしれません。そのような場合には、自身や家族が期待する専門性に強いケアマネジャーへの変更を検討しましょう。
こちらの希望をあまり聞いてくれてないケアマネジャーは不安やストレスの要因となると思います。もちろん専門性のあるケアマネジャーの意見は参考にするべきですが、サービスを受ける主体はあくまでもこちらです。
自身や家族の希望を聞いてくれなかったり尊重してくれないような場合、ケアマネジャーを変更したほうが良いでしょう。
ケアマネジャーは、毎月利用者と面談をし、その証明として毎月一度、印鑑をもらうことが義務付けられています。しかしごくまれに、毎月この印鑑だけをもらっていくだけのケアマネジャーがいるようです。
これでは利用者に寄り添う姿勢がまったく感じられませんね。もしそのようなケアマネジャーが担当している場合には、すぐに変更したほうが良いでしょう。
ケアマネジャーは、利用者の状況や要望をしっかり把握、理解したうえで、最も適した提案をすることがその役割です。ただ、ケアマネジャーによっては、利用者の状況は関係なしに、自分が所属する事業所のサービスだけを提案してくることもあるようです。
本当に自身や家族にとって、適切な提案をしてくれてるかどうか、しっかり判断することを心がけましょう。
施設入居に対して消極的なケアマネジャーも、変更を検討したほうが良い場合があります。基本的にケアマネジャーは、在宅でケアプランを作成することで報酬もらっており、利用者が施設に入居した場合には、自分が引き続き担当することができないケースも多いです。
特に理由なく施設入居に対して消極的な場合には、その担当は自分本位のケアマネジャーである可能性も考えられます。
介護を受けながら在宅で看取られるケースも多く、その場合は、日々医師や看護師が訪問し、状況に応じて介護の内容も細かく変更する必要が出てきます。
看取りの経験があるケアマネジャーであれば適切な対応ができますが、経験がない場合にはどうしても不安が残ります。そのような場合には、遠慮せずにケアマネジャーの変更を検討しましょう。
介護保険サービスを受けるにあたり、ケアマネジャーに緊急で対応をお願いしたい場合や、すぐに相談をしたいケースも出てくるでしょう。その際、スムーズにケアマネジャーと連絡がとれるようになっているかは重要なポイントです。
休日や夜間も含め、すぐに連絡が取れる状況になっていないケアマネジャーは、変更したほうが良いかもしれません。
ここからは、実際にケアマネジャーの変更を決めた時に、失敗しないための注意すべき5つのポイントを紹介します。
ケアマネジャーを変更する際に、現在利用しているサービスをそのまま継続したい場合には、その希望を旧ケアマネジャーと新ケアマネジャーの両方に明確に伝えることが重要です。それにより、今までどのようなサービスを利用しているのかがしっかりと引き継がれて、スムーズな担当変更がおこなわれます。
事業所ともコミュニケーションをとり意思を伝えることが大切です。これがうまく伝わっていない場合、例えば再度ケアプランから作成し直すなど、余計な手間が発生してしまうことも考えられます。
ケアマネジャー変更の際には、相手に変更の理由を明確に伝えることが重要です。
変更にはさまざまな理由があるかと思いますが、その理由が明確になっていないと、せっかく担当を変更してもまた同じ状況を繰り返してしまう場合があります。
理由を伝える際には、感情的にはならず冷静に、また相手に気を使いすぎると正しい内容が伝わらないこともあるので、遠慮しすぎないことも大切です。伝え漏れがないように事前に内容を整理しておくと良いでしょう。
ケアマネジャーに不満がある場合に、その原因がケアマネジャーだけでなく、そのケアマネジャーが所属する事業所に問題があることも考えられます。
そのケースでは、ケアマネジャーを変更したとしても、根本的な問題が解決できないかもしれません。ケアマネジャーが所属している事業所にもさまざまな形態があるので、ケアマネジャーの変更を検討する際には、事業所を変更することも視野にいれておいても良いでしょう。
不満のあるケアマネジャーの変更はメリットも多いですが、デメリットもいくつかあります。例えば事業所を変えた場合には、新たに契約書を結ぶ手間が発生しますし、新しいケアマネジャーとは、また一から信頼関係を構築し直すことが必要になります。
ケアマネジャーを変更する際には、事前にこれらのデメリットも理解しておくことが重要です。
ケアマネジャーの変更はあくまでも自己責任。新しいケアマネジャーとうまく関係性を作り、ストレスなくサービスを受けることができることができそうかを事前にしっかり判断する必要があります。
慌てずに、必要な情報をしっかり集め、妥協のないようにケアマネジャーや事業所の選定をすることをおすすめします。
ここからは、ケアマネジャーを変更したい場合の相談先や手続きについて、具体的に説明していきます。
ケアマネジャーの変更を相談したい場合は、基本的には、現在のケアマネジャーを紹介してくれた先に問い合わせをするのが一般的で、以下のリストが主な相談先になります。事業所は変えずに、担当だけ変更したい場合は、その事業所に相談しましょう。
どちらに相談するにしても、相手に変更理由や希望を明確に伝えることが重要です。
ケアマネジャーの変更にあたり、そのための手続きには面倒な書類の作成や役所への届け出などが必要となります。ただし、これらはすべて新しいケアマネジャーが対応してくれるので、自身や家族などには特に手間や負担は発生しません。手続きの手間については気にせずに、安心して変更を検討して良いでしょう。
快適な介護保険サービスを受けるためには、ケアマネジャーとの関係性はとても重要です。現在のケアマネジャーに対してストレスや不安を感じている場合は、この先の介護生活を考えて、新しいケアマネジャーへの変更を検討してみても良いでしょう。
その選定の際には、なぜ現在のケアマネジャーを変更したいのかを自身でしっかり整理して、同じ失敗を繰り返さないよう、できる限り慎重に進めていきましょう。
「専門性が合っていない」「希望を聞き入れてくれない」「月1回訪問して印鑑をもらうだけ」「自社のサービスだけを提案してくる」「施設入居について積極的でない」「在宅看取りの経験が少ない」「連絡がつきにくい」などといったことが挙げられます。
変更の際は、特別な理由は必要なく、手続きに関しても費用などは発生しません。該当するようなことがあればケアマネジャーの変更を検討しましょう。
在宅生活から老人ホームへ入居する場合、現在のケアマネジャーから入居先のケアマネジャーに変更になるのが一般的です。
住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅のような住宅扱いの施設は、現在のケアマネジャーを引き継ぐことができます。ただし例外もあるので、入居前に確認しましょう。
ケアマネジャーの所属する居宅介護支援事業所ごと変更することはできます。
ケアマネジャーに不満がある場合に、その原因がケアマネジャーだけでなく、そのケアマネジャーが所属する事業所に問題があることも考えられます。変更を検討している際は、事業所ごと変更することも手段のひとつです。
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