老人ホームの選び方|理想の施設に入居するための7つの条件

老人ホームの選び方|理想の施設に入居するための7つの条件

更新日 2024/03/19

「老人ホームを選ぶ」とひとことで言っても、ほとんどの方は初めての経験でしょう。そんな方々にとって、種類も多く、特徴もそれぞれ、費用もまちまち…となると、何から手を付けていいのかわからず不安になる方も多いでしょう。

そこでこの記事では、老人ホーム選びのひとつの基準となる「条件」について詳しく解説していきます。ぜひ入居先検討の参考にしてください!

老人ホーム入居時の決め手となる7つの条件

老人ホームの種類もいろいろあり、入居条件も異なります。入居者本人が介護や医療をどの程度求めたいのかによって選ぶ施設も変わってきます。また、施設によっては設備やレクリエーションなどの特徴もさまざまです。

老人ホームを選ぶためには、まず本人が施設でどのように過ごすことを希望しているかを確認することが重要です。本人が望む生活を考えて、ご本人にあった施設選びをしましょう。

以下、老人ホームを選ぶ際に重要な7つの条件についてご説明します。

  1. 費用面での条件
  2. 立地面での条件
  3. 介護サービスにおける条件
  4. 医療体制における条件
  5. 居室設備における条件
  6. 共用設備における条件
  7. その他の条件

費用面での条件

老人ホームの選び方で大事なのは本人の希望する条件を明確にすること

有料老人ホームの利用には多くの場合、入居一時金などの「初期費用」と毎月支払う「月額利用料」という2種類の費用が必要になります。

施設の地域や設備、利用するサービスの内容によって金額が大きく異なることを考えると、無理のない支払い計画を立てることが大切です。

生活保護の方は自治体により入居先の条件が異なるので、担当ケースワーカーに相談しましょう。

払える費用を確認する

まずは資産を計算し、どのくらいの費用が老人ホームに支払えるのか確認します。

  • 年金額を確認する
  • 預貯金を確認する
  • 資産を確認する(不動産・保険など)
  • 家族の支援の有無を確認する
  • ローン借入金などの有無を確認する

支払える金額に応じて、入居できる老人ホームも変わります。初期費用等一括で支払う場合には現在の預貯金から支払うことになるでしょう。

土地、マンション、車などの資産を持っている場合には、売却もしくは賃貸に出すことで老人ホームの費用に充てることも可能です。

かかる費用を確認する

有料老人ホームの入居にかかる費用は、「入居一時金」と「毎月の利用料」です。またそれ以外に、交際費や医療費、紙おむつ代などの「日常生活費」がかかります。

施設の種類(住宅型有料老人ホームサービス付き高齢者向け住宅など)によっては、介護サービスの利用が増えるとその分費用も増えます。

  • 老人ホームの入居時費用、月額費用を確認する
  • 日常でかかる費用(日用品や水光熱費など)の目安を確認する
  • 介護費用を確認する(介護保険自己負担額など)
  • 医療費を確認する(毎月の薬代など)

現在は100歳も珍しくない時代となっており、厚生労働省の調べでは、1990年の3,298人と比較すると2020年では85,610人と約25倍となっています。余裕をもった試算を心がけましょう。

立地面での条件

老人ホームの選び方の条件としては立地面の条件も重要

立地条件は本人の希望のほかに、家族が通いやすいということも大切。本人が元気で外出できる場合は、本人が住みやすい環境であることも重視しましょう。

立地の条件例

施設の周辺環境を確認し、入居者本人が安心して暮らせる場所であるかを調べておきましょう。家族が通う交通手段の確認も大切です。

  • 散歩を日課にしているので、周辺は交通量の少ない環境
  • ベッド上での生活となるので、窓からの景色が良いところ
  • 通院先が決まっているので、タクシーで通える距離
  • 最寄り駅から徒歩圏内
  • 車移動のアクセスや距離
  • 家族の家からの移動時間

介護サービスにおける条件

老人ホームの選び方の条件としては介護サービスの提供体制の条件も重要

施設によって介護体制が異なります。介護付き有料老人ホーム特別養護老人ホーム介護老人保健施設は施設内で施設スタッフから介護サービスを受けます。住宅型有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅などは基本的に外部の事業者と契約することになります。

要介護度の高い人にとっては、介護サービスがついてる施設が安心です。外部の介護サービスを利用する場合は、利用した分だけ支払うことになるので費用を抑えることができます。今後介護度が変わることもあるので、介護サービスをどこまで求めるのか見極める必要があります。

介護サービスの条件例

基本的に介護サービスの内容には違いはありませんが、施設により個人に合った介護サービス体制に対応できるかは異なります。介護サービスに希望がある場合は確認をしましょう。

介護サービス条件例
  • 老人ホームで規定される入浴回数を超えての入浴が対応可能か、追加費用がかかるのか
  • 在宅で受けていた介護サービスを継続できるか
  • スタッフの人員体制(日中や夜間の最少人数を確認する)

医療体制における条件

老人ホームの選び方の条件としては介護施設の医療体制の条件も重要

年齢を重ねるごとに認知症や持病がある方も多くなります。高齢者は、病気や疾患とうまく付き合っていくことが重要になり、老人ホーム選びでは持病や必要な医療的処置の内容から条件を考えていくことも必要です。

医療体制の条件例

どのような医療面のケアが必要か、今後必要になるのかを考えて必要な対応をおこなえる老人ホームを探しましょう。

  • 看護師が勤務しているか、または時間帯など
  • 提携医療機関との連携、緊急時の対応など
  • リハビリの提供が可能か
  • 必要な医療ケアの対応が可能か
  • 看取り対応が可能か

居室設備における条件

老人ホームの選び方の条件としては居室設備の条件も重要

居室は自分の家であり、心地よく過ごせるかがとても重要です。

有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅であれば、居室は「個室」であることがほとんどですが、特別養護老人ホームや介護老人保健施設では、個室だけではなく多床室という数人で使用する大部屋の場合もあります。

個室は広いことが良いとは限りません。足が悪くなったときには移動をせずに身の回りのものに手が届くコンパクトな空間が便利になることもあります。家族が考える満足度が本人にとって最適な環境とは限りません。本人の生活のしやすさを優先しましょう。

居室設備の条件例

本人にとって過ごしやすい設備の備わった施設を選びましょう。

  • 居室の広さや間取り
  • 居室内にキッチンや浴室があるか
  • ベッドからトイレまでの距離

共用設備における条件

老人ホームの選び方の条件としては共用設備の条件も重要

共用設備にはトイレ・浴室・食堂・機能訓練スペースなどの基本的な設備と、施設によって談話室・娯楽室・理美容院などの設備があります。高級な有料老人ホームなどではレストラン、サウナ、温泉、プール、売店などホテルのような豪華な設備があるところもあります.

個室の浴室がある場合や大浴場のケース、浴室や食堂の利用時間が決まっている施設、個人に合わせて自由に使える施設など、施設によって異なるので確認しましょう。

共用設備の条件例

自分の希望のライフスタイルが実現できる設備があるかを確認しましょう。

  • 陶芸などの趣味を継続できる設備があるか
  • 温泉やプールがあるか
  • 庭や、屋上庭園など緑を感じられるか

その他の条件

身体状況や疾患、これまでの生活習慣で本人や家族によっては譲れない条件もあります。本人の希望をすべて満たすのは難しいかもしれません。絶対に譲れない「必須条件」と、「希望条件」に分けると施設選びのひとつの基準になります。

持ち込み可能な私物

老人ホームの個人スペースは限られているので、自宅に合ったものをすべて持ち込むことはできません。

認知症の方は環境変化をおさえるためにも在宅で使用していた家具を持ち込むと良いとされていますが、大きな家具や危険性のある家具には条件や制限が設けられている場合がほとんどです。

多額の現金やアクセサリーも禁止の場合があります。持ち込みたい私物がある場合は、事前に確認しましょう。

ペットと一緒に入居できるか

老人ホームを選ぶ条件としてペットと一緒に入居できるかどうかも要件のひとつ

家族の一員としてペットを飼っている方にとって、ペットと一緒に入居できるかどうかは重要な条件のひとつです。ペットの世話を頼める相手がいない方、ペットと離れることで精神的に落ち込みが大きくなる方は、ペットと一緒に入居できる施設を検討しましょう。

まだペットと一緒に入居できる施設は多くはありませんが、徐々に増えてきてはいます。ペット可の施設でも、種類や条件が施設ごとに異なるので事前に確認しましょう。

レクリエーション・イベント・サークル活動

老人ホームで行われるレクリエーションやイベント、サークル活動は、入居者の身体機能や脳機能を活性化させる目的があります。また、入居者同士や地域の人々とコミュニケーションをとることにより意欲を向上させたり、認知機能の維持にもつながります。

施設によりレクリエーションやイベントの内容や頻度は異なります。自分の趣味ややりたいことがおこなわれている施設を選ぶことで健康的に過ごすことができます。

身元保証人・身元引受人を忘れずに

老人ホームの9割以上で、身元保証人・身元引受人が入居時に必要になります。

保証人の主な役割は「緊急時の連絡窓口」「治療方針の確認や判断・入院手続き」「費用が滞った際の金銭面の保証」「入居者が亡くなった時の手続きや身柄引き取り」など。身元保証人の人数は1名から、施設によっては数名必要な場合もあります。

施設により条件が異なるので、施設見学の際に確認をしましょう。

大切なのは本人に合った施設を選ぶこと

老人ホームは施設によりサービス内容が異なり、施設の特徴もさまざまです。老人ホームを選ぶためには入居する本人の優先したい条件を決めて、本人に合った施設を選ぶことです。 

老人ホームはこの先長く生活をする場所になります。施設の条件をよく確認し、実際に施設を訪れて、入居する本人が納得した施設に入居できるようにしましょう。

老人ホームの条件に関するよくある質問

認知症の人は入居できますか?

認知症があっても身体的に元気な人はグループホームへの入居条件を満たしています。グループホームは専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活を送ります。

また昨今では、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などでも認知症の人の対応ができる施設が増えてきています。

入居の際はすべての条件が叶いますか?

入居者本人、家族の希望をすべて満たすのは難しいかもしれません。絶対に譲れない「必須条件」と、「希望条件」にわけ施設側と良く話し合うことが大切です。入居の際に家族間で妥協できる点とできない点を話し合っておくとよりスムーズに入居できます。

医療行為が必要な人は入居できますか?

老人ホームなどの介護施設の多くは、医療行為を目的としておらず介護が主体です。しかし、24時間看護師が常駐している施設や病院が隣接している施設などは介護だけではなく医療的ケアにも力を入れています。

また、日中だけ看護師がいる場合は勤務時間帯の確認をしておくと良いでしょう。

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