高齢者の孤独死が増加?原因と今からできる防止策を徹底解説

高齢者の孤独死が増加?原因と今からできる防止策を徹底解説

公開日 2022/06/08

近年、高齢者の一人暮らしによる「孤独死」が社会問題として多く取り上げられています。原因は「地域社会とのつながりが希薄」「経済的困窮」などが主に挙げられ、年々増加傾向にあるのも事実です。

この記事では、孤独死が起きる原因や防ぐための対策、増加する孤独死の現状を解説しています。

「一人暮らしをしている親や親族のことが将来心配…」と不安を抱えてる方は、是非、参考にしてみてください。

孤独死を招く原因

孤独死を招く原因はさまざまで「地域社会とのつながりが希薄」「経済的困窮」などが主な原因

孤独死とは、誰にも看取られず自宅で一人で亡くなることを指します。では、どうして孤独死に至ってしまうのでしょうか。

以下では、孤独死を招く原因をまとめました。

地域住民とのつながりが希薄

近所付き合いが減ることで、孤独死のリスクが高まっていることもある

近年では、SNSの普及や個人情報の意識が強くなった関係で、近所付き合いが減ってきています。

近所付き合いが減ることで、人と会話をすることが少なくなるだけでなく、万が一のときに頼れる人がいないということにもつながります。そのため、体調を崩したり怪我をしてしまったりすると誰にも気づいてもらえない状況に陥り、最悪の場合、孤独死に至ります。

未婚による孤独

結婚をせずに単身で生活していることが孤独死の原因のひとつとされています。若いときは未婚でもそれほどのリスクはありません。

しかし、高齢になるにつれ一人で生きていくことに不安を感じたり思わぬ病気や怪我をしてしまったりと、弊害が徐々に増えてきます。誰かと住んでいれば避けられる事態も、一人暮らしによって誰にも気づかれず、最悪な結末を招くケースも多々あります。

経済的困窮

孤独死の原因のひとつに経済的困窮も挙げられます。貧困に陥る原因はさまざまですが、例えば、企業の倒産やリストラによって収入が無くなり、体調不良でも病院に行けないなどがあります。その結果、必要な治療を受けられず、自宅で病死してしまうケースも後を絶ちません。

孤独死を防ぐための対策

孤独死を防ぐためには、人との関わりを持つことです

上記で記述した通り、孤独死の原因は状況によりさまざまです。では、孤独死に至らないようにするためにはどうしたら良いのでしょうか。

以下では、孤独死を防ぐための対策をまとめました。

見守りサービスを利用する

最近では、民間の事業者による見守りサービスが増加しています。主なサービスとして、センサーを設置し、一定時間動きがないと緊急の信号を発してセキュリティ会社を呼んだりカメラを取り付けることで家族が24時間本人の様子を確認できたりと、さまざまなサービスが用意されています。

各自治体による高齢者支援サービスを利用する

高齢者の支援に力を入れている自治体も増えている

高齢社会に伴い、各自治体で高齢者支援サービスに力を入れているところが増えてきました。例えば「緊急通報装置の貸し出し」「電話訪問」など、自治体によってさまざまです。安否確認につながるサービスが多数あるので、孤独死を防ぐための対策として大いに活躍することでしょう。

家族が頻繁に連絡をする

家族が本人へ向けて定期的に連絡することで、孤独死を回避できる可能性があります。連絡することを習慣化すれば、1日連絡が来なかった際に「もしかして何かあったのかも…」と判断することができます。最近では、スマートフォンを使いこなしている高齢者も多いので、LINEなどでメッセージを送り合うのも良いでしょう。

介護施設へ入居する

介護施設へ入居することで見守りが強化され孤独死を防げる

孤独死を防ぐ方法として最も適しているのは、老人ホームなどの介護施設に入居することです。老人ホームでは、スタッフによる安否確認や健康管理が毎日おこなわれるのはもちろんのこと、季節のイベントやレクリエーションなど豊富にサービスが提供されます。

日々スタッフの見守りや他の入居者との関わりがあるので、孤独死という最悪な結果を生むことはなく、家族としても安心できるでしょう。

データで見る孤独死の現状

高齢社会に伴って、孤独死は年々増加傾向にあります。以下では、孤独死の現状をデータにまとめました。それぞれ見ていきましょう。

孤独死数の推移

解剖をおこなっている東京都監察医務院が公表しているデータによると、東京23区内における一人暮らしで65歳以上の人の死亡者数は以下です。

東京23区内における一人暮らしで65歳以上の人の死亡者数

出典:「令和2年版高齢社会白書」(内閣府)

2009年の2,194人という結果に対して、2018年には約2倍の3,882人と増加傾向にあります。

男女比

男性が孤独死をする傾向が強いことがわかります。

出典:「孤独死現状レポート」(一般社団法人日本少額短期保険協会 孤独死対策委員会)

孤独死の男女比は男性が83.1%、女性が16.9%となっており、男性が孤独死をする傾向が強いことがわかります。また、死亡時の平均年齢はどちらも61歳という数値が出ており、比較的若いことが伺えます。

孤独死の死因

半数以上は病死ですが、孤独死の死因として少なからず自殺者がいることを認識しておきましょう。

出典:「死因別統計データ」(国土交通省)

厚生労働省の人口動態統計を見ると病死が62.3%、自殺が11.3%という結果が出ています。半数以上は病死ですが、孤独死の死因として少なからず自殺者がいることを認識しておきましょう。

高齢者の孤独死に関するよくある質問

孤独死する人はどんな人ですか?

家族や親族とのコミュニケーションがなく、近所付き合いも希薄な人が孤独死するケースが多いです。高齢社会に伴い、一人暮らしをしている高齢者が増加傾向にあるので、孤独死問題は軽視できません。

何故、男性の方が孤独死が多いのでしょうか?

女性に比べて男性の方が、日常的な地域の付き合いや、近所とのコミュニケーションを苦手とする人が多いと言われています。特に定年退職をした後は、社会との接点がなくなり孤立するケースも珍しくありません。

高齢者の一人暮らしはなぜ、増加しているのでしょうか?

少子化や核家族化などの理由から高齢者の一人暮らしが増加しています。2040年には65歳以上の高齢者4~5人に1人が一人暮らしをしているという予想がされており、年々増加傾向にあります。

よく読まれている記事

よく読まれている記事

article-image

【動画でわかる】有料老人ホームとは?介護付き・住宅型・健康型の特徴や費用感を解説

https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 種類 介護付き有料老人ホーム ...

2021/10/28

article-image

【動画でわかる!】グループホームの費用はいくらかかる?月額利用料の内訳や初期費用を徹底解説!

認知症の方の入居先を探す際、選択肢に挙がるのが認知症の高齢者が共同生活を営む小規模介護施設「グループホーム」です。 この記事では、グループホームの入居一時金や月額利用料を詳しく解説。グループホームで使える助成制度についてもご紹介しています。 https://youtu.be/5Bec4lhyW4M グループホームにかかる費用の相場 グループホームの費用には、入居時に必要な「初期費用」と毎月発生する「月額利用料」があります。民間、社会福祉法人、医療法人、NPO法人とさまざまな団体がグループホームを運営していることから、施設ごとの費用やサービスには差があります。 初期費用は0円の施設から100万円程度の施設まであり、平均すると10~20万円程度。月額利用料は施設の立地やサービス内容によっても異なり、おおむね15~30万円程度です。 一般的な有料老人ホームに比べると、初期費用・月額利用料ともに費用を抑えて入居することが可能です。 項目 ...

2021/11/15

article-image

グループホームに必要な人員基準|注意点と他施設との比較

「グループホームの職員はどれくらい配置されてるの?」「夜間に人が少ないと徘徊などに対応できないのでは?」などとグループホームの人員基準に関して疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。 そこでこの記事では、グループホームの人員基準と注意点、他施設との比較に関して解説しています。 「グループホームの入居を検討しているけど、どんな人からサポートを受けられるの?」などと悩まれている方は、是非、参考にしてみてください。 グループホームは主に4つの人員基準で成り立っている グループホームの人員基準は主に次の4つの職種で設定されています。 介護職員 計画作成担当者 管理者 代表者 それぞれの人員基準について詳しく見ていきましょう。 介護職員の人員基準 介護職員は入居者の生活援助や身体介助などの業務を担っており、入居者3人に対して1人以上配置されます。また、複数の人員が配置されるときは、最低1人は常勤職員であることも人員基準で決められています。 入居者の見守りは深夜も必要なため、介護職員は24時間体制で常駐しています。また、複数のユニットがあるグループホームは、ユニットごとに専任の介護職員が配置されます。 計画作成担当者の人員基準 計画作成担当者は入居者一人ひとりに合わせたケアプランを作成する職員で、ユニットごとに1人以上配置されます。なお、1つの事業所に2ユニットある場合は計画作成担当者も2人必要です。 計画作成担当者になるには次の要件を満たす必要があります。 実務者研修基礎課程または認知症介護実践者研修を修了していること 専らその職務に従事する者であること また、計画作成担当者のうち最低1人は、介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格の保有が必要です。 管理者の人員基準 管理者とは経営や人事・労務管理など管理業務を担う職員で、ユニットごとに常勤の管理者が配置されます。自らも介護サービスの実施や他の職員の指導をおこなうため、介護の知識や経験も必要です。 管理者になるには次の要件が求められます。 特別養護老人ホームや介護老人保健施設などで3年以上従事した経験があること 厚生労働省が規定する管理者研修を修了していること 特定の介護施設における3年以上の実務経験に加え、認知症高齢者介護の経験も必要です。さらに厚生労働省の管理者研修を受けて、ようやく管理者になるための基準を満たせます。 なお、管理業務に支障をきたさなければ、ほかの職種との兼任も可能です。 代表者の人員基準 管理者の管理対象がユニット単位なのに対し、代表者はグループホーム全体を管理します。代表者になるには、次の要件を満たす必要があります。 介護施設で認知症高齢者介護に従事した経験を持つこと、もしくは保険・医療・福祉サービスの提供をおこなう事業所の経営に携わった経験があること 厚生労働省が定める認知症対応型サービス事業開設者研修を修了していること グループホームの人員基準の注意点 グループホームの人員基準を職種ごとに説明してきましたが、注意する点もあります。しっかり把握したうえで入居施設を選びましょう。 介護職員が常勤ではない場合がある 介護職員の人員基準は入居者3人に対して1人以上のため、1ユニットあたり最低でも2~3人が配置されます。全員が常勤である必要はなく、1人以上の常勤職員がいればパートやアルバイトなどの臨時職員も起用できます。このため、特に食事や入浴など人手が多く必要な時間帯では、非常勤職員が担当となる場合も多いです。 規定の人数が必ず24時間確保されているわけではない グループホームの人員基準は入居者3人に対して介護職員1人と決められています。しかし、適用されるのは日中のみで、24時間この人数が常駐するわけではありません。 人員基準は時間帯によって異なり、夜間や深夜は1ユニットに対して介護職員が1人以上いれば良いとされています。このように、時間帯によっては介護職員が手薄になる場合もあると把握しておきましょう。 規定の3:1を超えない場合もある 入居者3人に対して介護職員1人という比率は、実際に介護現場で働いている職員数ではなく労働時間をもとに計算します。つまり、人手が多く必要な時間帯を手厚くした分、それ以外の時間帯の職員数を抑えることも可能です。このように実際に働く職員数は人員基準をもとに調節されるため、時間帯によっては既定の「3:1」を超えないこともあります。 グループホームによってサービスの質や人員は大きく変わる グループホームの人員の最低基準は厚生労働省によって決められていますが、実際にどのくらい配置するかは施設の裁量に任せられています。このため、基準をギリギリクリアする施設もあれば、基準を上回る人員を確保している施設もあります。 人員が豊富なグループホームは職員一人ひとりにかかる負担が抑えられるため、サービスの質が向上します。逆に人員が少ないと、時間帯によってはサービスが行き届かなくなることも。人員配置によってサービスの質や量は変わるため、入居前に確認することが大切です。 グループホーム以外の介護施設の人員基準 グループホームだけでなく、ほかの介護施設の人員基準も知っておきましょう。介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅、特別養護老人ホームの人員基準を紹介します。 介護付き有料老人ホームの人員基準 介護付き有料老人ホームは、主に介護を必要とする高齢者が介護や生活支援を受けながら生活する施設です。 介護付き有料老人ホームの人員配置の最低基準は、要支援2以上の入居者3名に対して介護職員または看護職員を1名配置する「3:1」と決められています。施設によっては「2.5:1」「2:1」「1.5:1」などさらに手厚い配置にしている場合もあり、サービスが向上する分上乗せ介護費用が発生することもあります。 その他の主な人員は下記の通りです。 施設長(常勤の管理者) 事務員 生活相談員 看護職員 機能訓練指導員 計画作成担当者 栄養士 調理員 住宅型有料老人ホームの人員基準 住宅型有料老人ホームは、食事や洗濯、清掃といった生活支援サービスを受けられる高齢者施設です。 管理者を1人配置する必要がありますが、そのほかの職種の配置義務はありません。このため、下記の職種の配置は施設ごとに必要に応じて決められます。 介護職員 看護職員 生活相談員 機能訓練指導員 サービス付き高齢者向け住宅の人員基準 サービス付き高齢者向け住宅は、バリアフリー化された高齢者向けの賃貸住宅です。一般型と介護型があり、一般型は介護施設のような人員基準は特にありません。 一方、介護型は「特定施設」の認定を受けているため、入居者3人に対して介護職員1人以上の配置義務があります。 特別養護老人ホームの人員基準 特別養護老人ホームは基本的に要介護3以上の高齢者が入居する施設で、介護だけでなく医療ケアにも対応しています。人員基準は入居者3人に対して介護職員または看護職員1人以上の配置が定められています。 また、入居者100人に対して医師1名、看護師3名以上という基準も設けられています。 グループホームの人員基準に関するよくある質問 グループホームの職員の人員基準は? 入居者3人に対して介護職員を1人以上配置することが定められています。また、複数の人員が配置されるときは、最低1人は常勤職員であることも人員基準で決められています。 グループホームでは24時間規定の人員配置? 入居者3人に対して介護職員1人を配置するのは、日中にのみ適用されます。よって、夜間や深夜は1ユニットに対して介護職員が1人以上いれば良いとされています。 グループホームはどのような人員配置なの? グループホームの人員配置は、介護職員・計画作成担当者・管理者・代表者の4つの職種で成り立っています。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "グループホームの職員の人員基準は?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2023/02/13

特集

介護の基礎知識

total support

介護の悩みを
トータルサポート

total support

介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面など様々な方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。

鎌倉新書グループサイト