近年、高齢者の一人暮らしによる「孤独死」が社会問題として多く取り上げられています。原因は「地域社会とのつながりが希薄」「経済的困窮」などが主に挙げられ、年々増加傾向にあるのも事実です。
この記事では、孤独死が起きる原因や防ぐための対策、増加する孤独死の現状を解説しています。
「一人暮らしをしている親や親族のことが将来心配…」と不安を抱えてる方は、是非、参考にしてみてください。
孤独死とは、誰にも看取られず自宅で一人で亡くなることを指します。では、どうして孤独死に至ってしまうのでしょうか。
以下では、孤独死を招く原因をまとめました。
近年では、SNSの普及や個人情報の意識が強くなった関係で、近所付き合いが減ってきています。
近所付き合いが減ることで、人と会話をすることが少なくなるだけでなく、万が一のときに頼れる人がいないということにもつながります。そのため、体調を崩したり怪我をしてしまったりすると誰にも気づいてもらえない状況に陥り、最悪の場合、孤独死に至ります。
結婚をせずに単身で生活していることが孤独死の原因のひとつとされています。若いときは未婚でもそれほどのリスクはありません。
しかし、高齢になるにつれ一人で生きていくことに不安を感じたり思わぬ病気や怪我をしてしまったりと、弊害が徐々に増えてきます。誰かと住んでいれば避けられる事態も、一人暮らしによって誰にも気づかれず、最悪な結末を招くケースも多々あります。
孤独死の原因のひとつに経済的困窮も挙げられます。貧困に陥る原因はさまざまですが、例えば、企業の倒産やリストラによって収入が無くなり、体調不良でも病院に行けないなどがあります。その結果、必要な治療を受けられず、自宅で病死してしまうケースも後を絶ちません。
上記で記述した通り、孤独死の原因は状況によりさまざまです。では、孤独死に至らないようにするためにはどうしたら良いのでしょうか。
以下では、孤独死を防ぐための対策をまとめました。
最近では、民間の事業者による見守りサービスが増加しています。主なサービスとして、センサーを設置し、一定時間動きがないと緊急の信号を発してセキュリティ会社を呼んだりカメラを取り付けることで家族が24時間本人の様子を確認できたりと、さまざまなサービスが用意されています。
高齢社会に伴い、各自治体で高齢者支援サービスに力を入れているところが増えてきました。例えば「緊急通報装置の貸し出し」「電話訪問」など、自治体によってさまざまです。安否確認につながるサービスが多数あるので、孤独死を防ぐための対策として大いに活躍することでしょう。
家族が本人へ向けて定期的に連絡することで、孤独死を回避できる可能性があります。連絡することを習慣化すれば、1日連絡が来なかった際に「もしかして何かあったのかも…」と判断することができます。最近では、スマートフォンを使いこなしている高齢者も多いので、LINEなどでメッセージを送り合うのも良いでしょう。
孤独死を防ぐ方法として最も適しているのは、老人ホームなどの介護施設に入居することです。老人ホームでは、スタッフによる安否確認や健康管理が毎日おこなわれるのはもちろんのこと、季節のイベントやレクリエーションなど豊富にサービスが提供されます。
日々スタッフの見守りや他の入居者との関わりがあるので、孤独死という最悪な結果を生むことはなく、家族としても安心できるでしょう。
高齢社会に伴って、孤独死は年々増加傾向にあります。以下では、孤独死の現状をデータにまとめました。それぞれ見ていきましょう。
解剖をおこなっている東京都監察医務院が公表しているデータによると、東京23区内における一人暮らしで65歳以上の人の死亡者数は以下です。
出典:「令和2年版高齢社会白書」(内閣府)
2009年の2,194人という結果に対して、2018年には約2倍の3,882人と増加傾向にあります。
出典:「孤独死現状レポート」(一般社団法人日本少額短期保険協会 孤独死対策委員会)
孤独死の男女比は男性が83.1%、女性が16.9%となっており、男性が孤独死をする傾向が強いことがわかります。また、死亡時の平均年齢はどちらも61歳という数値が出ており、比較的若いことが伺えます。
出典:「死因別統計データ」(国土交通省)
厚生労働省の人口動態統計を見ると病死が62.3%、自殺が11.3%という結果が出ています。半数以上は病死ですが、孤独死の死因として少なからず自殺者がいることを認識しておきましょう。
家族や親族とのコミュニケーションがなく、近所付き合いも希薄な人が孤独死するケースが多いです。高齢社会に伴い、一人暮らしをしている高齢者が増加傾向にあるので、孤独死問題は軽視できません。
女性に比べて男性の方が、日常的な地域の付き合いや、近所とのコミュニケーションを苦手とする人が多いと言われています。特に定年退職をした後は、社会との接点がなくなり孤立するケースも珍しくありません。
少子化や核家族化などの理由から高齢者の一人暮らしが増加しています。2040年には65歳以上の高齢者4~5人に1人が一人暮らしをしているという予想がされており、年々増加傾向にあります。
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