本当に良い老人ホームの見分け方|見学時のチェックポイントも合わせて解説

本当に良い老人ホームの見分け方|見学時のチェックポイントも合わせて解説

更新日 2024/03/19

家族が老人ホームに入居するなら、快適で生活しやすい老人ホームを選ぶことが大切。そのためには、いくつかの施設を見学する必要があります。やみくもに見て回るのでは埒があきません。

満足のいく老人ホームに出会えるように、良い老人ホームを見分け方のポイントを詳しく解説していきます。

“良い老人ホーム”の定義

良い老人ホームの定義・概念

良い老人ホームを見分けるのにもっとも重要なポイントはどのような点でしょうか。

まずは、その施設がいかに住みやすいように配慮されているのかを確認しましょう。

玄関やロビーは、お客様を迎えるために施設がもっとも環境を整える場所です。老人ホームの雰囲気やスタッフの様子などが、玄関から感じられるような施設は良い老人ホームと言えます。

また、本人がそれまで住んでいた生活環境や考えに近い施設を検討することも大切です。静かな環境を好む人にはプライベートな時間を確保できる施設を。また人と人との交流を楽しんできた方には、アットホームな雰囲気の施設が良いでしょう。

入居者と介護スタッフの関係性

老人ホームの雰囲気を一番左右するもの、それはスタッフの質であるといっても過言ではありません。では、良い老人ホームの良いスタッフの理想像とは、一体どのようなものなのでしょうか。

コミュニケーション能力が高い

コミュニケーション能力が高い介護スタッフは、入居者に対して丁寧な対応と対話を大切にしています。入居者の立場を考えて行動して、入居者が求めるケアをいち早く提供することができます。

入居者とスタッフの間に良い関係が築かれ、ケアをする側のスタッフの表情や態度にも余裕が生まれます。ひいては、施設全体の雰囲気にも良い影響を及ぼします。

入居者の要望を先回りして対応してくれる

入居者の要望に対して先回りして対応してくれているかどうかも大事なポイント。入居者が快適に普通の生活を送るにはどうすれば良いのか、入居者の立場で考えられたサービスが提供されているかどうかを見極めることが重要です。

とはいえ、事前にスタッフの様子を確認することは難しいことです。口コミや体験入居などを確認しておくことをおすすめします。

こんなところもチェックしておきたい

ほかには、老人ホームのどのようなポイントに注意して、施設の様子をチェックしていけばよいのでしょうか。

11:30の様子をチェック

老人ホームの食事どきのスタッフの様子が良い老人ホーム選びのポイント

老人ホームの見学にもっとも適しているのは、昼食の時間帯です。食堂への誘導や食事介助などで忙しい時間帯にこそ、介護スタッフによってどのようなサポートが提供されているのかを見ることで、スタッフや施設の実態を見ることができるのです。

食事の提供時間は、施設にとってもっとも慌ただしい時間です。その中で、入居者がスタッフによりきちんと見守られ、それぞれの状態に合わせた適切な介助が行われているかを確認してください。入居者がスムーズに食事を楽しまれているようであれば、問題はないでしょう。

車椅子が汚れていないかチェック

老人ホームにおける車椅子の整備・メンテナンスが良い老人ホームのポイント

見学時に必ず確認したいのが、車椅子です。落ちた食べ物などの汚れやほこりがついていないか、タイヤの空気はちゃんと入っているのか、などを確認しましょう。

車椅子をはじめとする福祉器具は、入居者の体の一部となる大切な道具です。丁寧に扱われ、安全に注意し、定期的にメンテナンスがされているか。入居者が心地良くホームを利用できるよう配慮しているかといった意識の高さを確認することができます。

職員の定着率と入居率チェック

入居を検討する施設がいくつかに絞られてきたら、その施設の職員の定着率と入居率をチェックしましょう。職員の状況は「重要事項説明書」で確認することができます。

重要事項説明書とは、施設側によって都道府県に提出された書類であり、入居者が施設について知っておくべき情報を把握することができるものです。

他の職場と同様、職場の環境や待遇が良い老人ホームでは職員の定着率も高く、職員にも余裕があります。その余裕が、施設全体の雰囲気や入居者への配慮にも大きな影響を及ぼすことは間違いありません。

イベントの内容をチェック

老人ホームで快適な生活を過ごすためには、年中行事やイベント、レクリエーションの内容もチェックしておきたいポイントです。

お住まいの地域や季節を意識したイベントや、映画鑑賞、スポーツなどのレクリエーションに参加することは、単調な毎日を送りがちな老人ホームでの生活の刺激となり、行動する意欲を高めることができます。

施設によってイベントの頻度や趣向は大きく違うので、ホームページや資料などで確認してみると良いでしょう。

地域から老人ホーム・介護施設を探す

北海道・東北

北海道札幌市)|青森県岩手県宮城県仙台市)|秋田県山形県福島県

関東

東京都神奈川県横浜市 / 川崎市 / 相模原市)|埼玉県さいたま市)|千葉県千葉市)|茨城県栃木県群馬県

甲信越・北陸

新潟県新潟市)|富山県石川県福井県長野県山梨県

東海

愛知県名古屋市)|岐阜県三重県静岡県静岡市 / 浜松市

関西

大阪府大阪市 / 堺市)|京都府京都市)|兵庫県神戸市)|滋賀県奈良県和歌山県

中国・四国

岡山県岡山市)|広島県広島市)|鳥取県島根県山口県徳島県香川県愛媛県高知県

九州・沖縄

福岡県福岡市 / 北九州市)|熊本県熊本市)|佐賀県長崎県大分県宮崎県鹿児島県沖縄県

その他の比較ポイント

良い老人ホームを見つけるためには複数の施設を比較することも大切です。

費用の比較

老人ホームの入居にかかる費用については、以下のポイントに気をつけてチェックしておきましょう。

  • 入居一時金は支払える金額かどうか
  • 月額利用料は滞りなく支払える範囲なのか
  • 別途かかる金額について
  • 介護保険料について
  • 返還金制度について
  • 入居一時金の保全措置について
  • クーリングオフに関して

「入居一時金」と「月額利用料」の両方を比較することが大切です。これらの費用は、施設ごとの設備や体制、サービスの内容、施設の立地によって大きく異なります。

入居後も無理なく支払える範囲であることを確かめ、かつ「入居一時金」には「償却期間」があることも確認しておきましょう。

償却期間中になんらかの事情で退去することになった場合、入居一時金として多く支払った費用が返還されるのか、されないのかをしっかり納得されたうえで契約しましょう。

施設ごとに項目名や内訳などが異なる費用もあるので、事前に施設に確認して、入居後の費用トラブルを避けましょう。

介護体制の比較

現在または将来、ご家族に必要となる介護体制を比較することも重要です。

  • 介護スタッフの常駐体制は整備されているか
  • 常駐する職員の資格の有無(ヘルパー・介護福祉士など)
  • 訪問介護・訪問医療を利用できるか

介護スタッフの多い施設では、通常より細やかなサポートを受けられるでしょう。しかし、費用負担が増えることもあるので、前もって確認しておきましょう。

医療体制の比較

良い老人ホームでは医療体制も整っている

介護スタッフは、一部を除き、医療行為をすることができません。病院や医療法人が経営する老人ホームの多くでは医療体制が整っていますが、医療体制の不十分な施設では不安の種が尽きません。

将来を見据えつつ、ご家族の身体状況に合わせた必要な医療ケアが受けられるかどうかを確かめておきましょう。

とくに、看護師の配置状況や以下については、チェックしておきましょう。

  • 服薬の管理について
  • 傷や怪我ができた際の処置は適切か
  • 在宅酸素の使用の有無
  • 定期的な血圧測定・検温の有無
  • 喀痰吸引(たんの吸引)、経管栄養を行うことができる介護福祉士の有無

施設設備の比較

良い老人ホームは施設設備が整っている

有料老人ホームは、設備によって下記のように分けて考えることもできます。入居者の要望に合わせて施設設備の比較もしておきましょう。

  • 必要最低限の設備の施設
  • 娯楽設備など付加価値がついた施設
  • 重篤な病気も受け入れ可能な医療設備が整っている施設

なにより入居者の状況にあった施設を検討することが重要です。見学の際には、設備がどう配慮されているのか、下記のポイントを中心にチェックすると良いでしょう。

  • 手すりの設置箇所と多さ
  • 廊下や共有スペースの広さ
  • 機械浴の設備の様子

また、入居者がもっとも長い時間を過ごす居室のチェックも必要です。入居者が快適に過ごすために確認しておきたいポイントもご紹介します。

  • 居室の広さ
  • 居室の設備(浴室・トイレ・洗面台など)
  • 収納スペースの大きさ
  • 洗濯物を干すスペースの有無
  • 緊急通報装置の有無
  • 居室の玄関に鍵の有無
  • 居室の不足分を共用部分で補えているか
  • 共用部分について(リビングや食堂などの有無)
  • 車椅子でも生活に不便がないか

経営状況の比較

入居者が長期的に安心して快適な生活していくためには、施設の経営状況についての把握も重要です。

特に民間が運営している施設では必須です。「財務諸表」(運営会社のホームページのIR情報に掲載されていることもある)などを提示してもらい、下記の点に注意してチェックしてください。

  • 経営母体は信用できるか
  • 入居率は何%か

入居開始から1年ほど経っていても入居率が50%を切っている施設は、経営状況があまり良くない可能性があるので、判断が必要です。

緊急時の対応

老人ホームに入居中の夜間の介護体制や、ご家族の容態が急変された時、地震や火災などの災害に見舞われた時、施設がどのような対応をしているのかも、確認しておきたいポイントです。

夜間の対応

多くの老人ホームでは日中は安心の介護体制が整っているもの。しかし、夜間はスタッフの人数が、日中よりも少なくなることは理解しておきましょう。

施設の設備や規模やスタッフの配置人数によっても変わりますが、夜間の定期的な巡回が入居者それぞれの症状にあった確認方法で行われているかがわかると安心です。

また、夜間に本人の容体が急変した時などは、どのような対応をしてもらえるのかを事前に確認しておくことも大切です。

体調急変時の対応

老人ホームには、看護師の夜間常駐は義務付けられていません。そのため、特に持病のある方、体調に不安のある方の場合は、医療機関が運営する老人ホームを選ぶと安心です。

医師や看護師との連携がとれるため、なにか異変があった時などに医師のサポートをいち早く受けることができます。

また訪問看護を行っている医療機関であれば、24時間体制の訪問看護ステーションと契約できるので、容体の急変などがあっても、すみやかな対応が期待できます。

災害時の対応

老人ホームでの、地震や火災など災害時の対応も重要です。

緊急事態が発生した時のすみやかな119番通報など、スタッフに対する指導や訓練が日常的に行われているのか、消防署員の指導のもと避難訓練が定期的に行われているのかも、チェックしておきたいポイントです。

また、緊急事態の際の入居者の避難に適している構造であるか、老人ホームの建物や設備についても必ず確かめておきましょう。

高級老人ホームは良い老人ホームなのか?

老人ホームにかかる費用は、施設によって大きく違います。家賃設定や提供されるサービスの内容にもよりますが、もっとも大きく異なるのは、運営会社の違いによるものです。

比較的費用の安い老人ホームは、NPO法人に運営されているものが多く、補助金などの優遇措置を受けることができます。利用料の支払いも、月額定額制をとっている施設が多くあります。

一方で利用料の高い高級老人ホームでは、ほかと比べて施設や設備が充実しています。最新型の介護器具や娯楽設備などを完備することによって、入居者が充実した毎日をおくるためのサポートをしています。

良い老人ホームを探すためには優先順位が重要

良い老人ホームの見分け方を説明してきました。すべてのポイントに満足できる老人ホームを探すことは、難しいかもしれません。

大切なのは、なにを重視して老人ホームを選ぶのかということです。それぞれの希望条件やポイントに優先順位をつけて考えてみることをおすすめします。そうすることで最優先にすべきポイントやゆずれないポイント、妥協できるポイントが見えてくるはず。

最善の老人ホームに入居できるよう、事前に家族みんなで話し合いをしておくことが大切です。

良い老人ホームに関するよくある質問

良い老人ホームとはどんなところですか?

良い老人ホームとは入居者と介護スタッフの関係性が良く、施設の雰囲気や家族も含め人と人との交流を大切にしている施設を指します。

また、スタッフの定着率や入居率を見ることで良い老人ホームかどうかを判断することもできます。スタッフの状況は『重要事項説明書』で確認することができるので確認しましょう。

良い老人ホームはイベントが多いですか?

良い老人ホームではイベントやレクリエーションに力を入れていることが多いです。年中行事はもちろんのこと、さまざまなレクリエーションが用意され入居者を日々楽しませてくれます。またサークル活動をおこなっている施設もあり、入居前におこなっていた趣味を継続することもできます。

高級老人ホームは良い老人ホームですか?

高級老人ホームは提供されるサービスや共用設備などが充実しており、質の高い生活を送ることができます。ただし、入居者によっては高級老人ホームが必ずしも良い老人ホームであるとは限りません。見学や体験入居などを通して最適な老人ホームを探しましょう。

地域から老人ホーム・介護施設を探す

北海道・東北

北海道札幌市)|青森県岩手県宮城県仙台市)|秋田県山形県福島県

関東

東京都神奈川県横浜市 / 川崎市 / 相模原市)|埼玉県さいたま市)|千葉県千葉市)|茨城県栃木県群馬県

甲信越・北陸

新潟県新潟市)|富山県石川県福井県長野県山梨県

東海

愛知県名古屋市)|岐阜県三重県静岡県静岡市 / 浜松市

関西

大阪府大阪市 / 堺市)|京都府京都市)|兵庫県神戸市)|滋賀県奈良県和歌山県

中国・四国

岡山県岡山市)|広島県広島市)|鳥取県島根県山口県徳島県香川県愛媛県高知県

九州・沖縄

福岡県福岡市 / 北九州市)|熊本県熊本市)|佐賀県長崎県大分県宮崎県鹿児島県沖縄県

よく読まれている記事

よく読まれている記事

article-image

【徹底解説】介護付き有料老人ホームとは?|費用・サービス・入居条件までわかりやすく解説

「介護付き有料老人ホーム」とは、介護サービスが常に受けられる有料老人ホームのことを指します。介護職員が24時間常駐し、食事・入浴・排泄などの生活支援を受けながら、自分らしい生活を続けられるのが特徴です。 少子高齢化が進むなか、「家族だけでは介護が難しい」「将来、介護が必要になったときの住まいを考えておきたい」という方が増えています。 この記事では、介護付き有料老人ホームの特徴・サービス内容・費用・入居条件・選び方まで、初めての方にもわかりやすく解説します。 介護付き有料老人ホームの定義と特徴 介護付き有料老人ホームは、都道府県から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。この指定により、入居者は介護保険を使って施設内の介護サービスを受けることができます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 主な特徴 介護職員が24時間常駐しており、夜間や緊急時も対応可能 介護・生活支援・食事・健康管理などが一体的に提供される 看取り対応が可能な施設もあり、終身まで安心して暮らせる 居室は個室型が多く、プライバシーを確保できる 費用と入居条件のまとめ 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 他の施設との違い 施設の種類主な特徴介護体制介護付き有料老人ホーム介護職員常駐、介護サービス込み24時間体制住宅型有料老人ホーム生活支援中心、介護は外部事業者利用外部依頼サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)自立~軽介護者向け外部利用中心 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

article-image

グループホームとは|入居条件や費用、施設選びのチェックポイントをわかりやすく解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 そこで検討したいのが「グループホーム」という選択肢です。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説していきます。入居条件をはじめ、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援2以上の認知症高齢者が少人数で共同生活を送ります。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など、入居者が自身の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を送ること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事をおこなうことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則として1施設につき2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、家庭での生活にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームの入居条件は以下の通りです。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている 医師から認知症の診断を受けている 心身とも集団生活を送ることに支障がない グループホームと同一の市町村に住民票がある 生活保護を受けている方も入居は可能 生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームでの暮らし・サービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア グループホームでは、認知症の進行を遅らせ、穏やかな生活を送れるようにするためのケアが日常的に行われています。 少人数制の家庭的な環境の中で、スタッフが入居者一人ひとりの生活リズムや性格を理解し、声かけや見守り、会話を通じて安心感を提供します。 また、料理や掃除などの役割を担ってもらうことで「できること」を引き出し、自尊心を保つ支援が重視されています。こうしたケアにより、認知症の方が自分らしく過ごせる環境づくりが実現されています。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

article-image

【徹底解説】有料老人ホームとは?費用・種類・サービス内容と特養との違い

有料老人ホームとは、民間事業者が運営する高齢者向けの居住施設を指します。介護が必要な方はもちろん、自立して生活できる方まで、幅広い高齢者を対象にしているのが特徴です。 「老人ホーム」と聞くと、特別養護老人ホーム(特養)を思い浮かべる方も多いでしょう。しかし特養は、原則として要介護3以上でなければ入居できず、さらに入居待機者が多いという課題があります。その一方で有料老人ホームは、比較的入居しやすく、生活支援から介護、医療連携まで幅広いサービスを受けられることが魅力です。 本記事では、有料老人ホームの種類や費用、提供されるサービス、そして特養やサービス付き高齢者向け住宅との違いまでをわかりやすく解説します。これから施設を検討される方やご家族にとって、選択の参考になる情報をまとめました。 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

介護の基礎知識

total support

介護の悩みを
トータルサポート

total support

介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。

鎌倉新書グループサイト